報道発表資料

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2015年07月27日
  • 再生循環

「平成27年度低炭素型3R技術・システム実証事業」の公募結果について(お知らせ)

 環境省では、循環型社会と低炭素社会の統合的実現に向けて、3Rの進展とCO2排出削減が期待できる「低炭素型3R技術・システム」の有効性を検証することを目的とした実証事業の公募を行い、この度、「平成27年度低炭素型3R技術・システム実証事業」について、有識者で構成される評価検討会において申請者からヒアリングを行い、採択事業を決定しました。

1.「平成27年度低炭素型3R技術・システム実証事業」の公募概要

 リサイクルより優先順位の高い2R(リデュース・リユース)の取組、レアメタル等の有用金属の回収及び水平リサイクル等の高度なリサイクルの推進は、廃棄物の減量に資するだけでなく、天然資源の消費を抑制するものですが、現時点では十分に行われているとは言えません。また、これらの取組はCO排出削減やコストダウンにも資する可能性がある一方で、その実現可能性や削減効果については十分な検証がなされていません。加えて、地球温暖化問題等を背景に、製品の軽量化等により性能が著しく向上し、又は新素材・技術等が用いられるなど、リサイクルを取り巻く環境は一層複雑化しています。

そうした中で、事業性が高く、かつ、実効性のある取組を進めるためには、関連事業者の連携や集約化によるスケールメリットを働かせることが重要と考えられます。

このため、環境省では、循環型社会と低炭素社会の統合的実現のため、CO排出削減が期待できる「低炭素型3R技術・システム」の普及拡大に向けて有効性を検証することを目的とした実証事業を行うこととし、平成27年6月1日(月)から6月22日(月)までの間に対象事業の公募を行いました。

2.選定結果

 本事業の公募に対し、20件の応募があり、事業における環境改善効果の評価方法、実現した場合の環境改善効果の見込み、連携の妥当性等の観点から、有識者で構成される評価検討会により申請者からヒアリングを行い、厳正なる審査を行った結果、「平成27年度低炭素型3R技術・システム実証事業」として以下の8件について選定しました。

申請者名

申請事業名

事業の概要

パナソニック株式会社

家電リサイクルにおける自社開発の 省エネ破砕システムを用いた高効率 解体工程の実証

家電系難破砕物や回路基板にパルス破砕システムを適用することで、システムの省エネ化と、回収する資源の純度向上に向けたプロセスを構築する。

太平洋セメント株式会社

低温加熱脆化技術による省エネ型 高度選別マテリアルリサイクル システムの開発

約300℃以下の低温加熱脆化処理により、シュレッダーダスト(ASR)等からの金属・ガラス等の回収及び脱塩を容易とし、脆化物を石炭代替燃料として活用する技術・プロセスを構築する。

株式会社レノバ

使用済太陽光パネルユニットの新たなリサイクル、リユースシステムの構築 実証事業

リユースの検討とリサイクル用途の検証により、使用済太陽光パネルの全国リサイクルシステムの構築を検討。ガラスと電池粉の再資源化を実現することで、低炭素型のリサイクルシステムを目指す。

株式会社ユーパーツ

自動車リサイクルシステムの効率化に向けた事前合意型リユース部品生産・ 供給モデルの実証事業

シュレッダーダスト(ASR)処理工程等のエネルギー使用の削減に繋がる自動車リユース部品の循環を広めるため、ユーザー、修理・整備工場、解体業者がリユース部品使用について事前合意するモデル実証事業を実施する。

豊田通商株式会社

ミックスプラスチックの高度選別、 コンパウンドによる工業製品化事業

シュレッダーダスト(ASR)や家電製品等に由来するミックスプラスチックから高度選別したプラスチックを、工業製品原料としての要求物性に合致させて活用することで低炭素型のマテリアルリサイクルを促進させるための検討を実施する。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

自動車リサイクルの全体最適化を念頭においた解体プロセスの高度化実証事業

使用済み自動車部品のうち、シュレッダーダスト(ASR)化している部品の解体容易性や解体の経済合理性を評価し、資源循環の促進及び素材生産時の省エネに資する解体プロセスのベストプラクティス確立を目指す。

いその株式会社

動静脈の連携による自動車樹脂部品 リサイクルスキームの構築

動静脈流連携による使用済バンパー及びPP(ポリプロピレン)材内装部品のマテリアルリサイクル構築に向け、物流費削減(処理量確保、集約効果等)と低炭素化、再生樹脂品質管理の実証と自動車部品への適用を検討する。

豊田通商株式会社

ASRから材料リサイクルを図る 仕組みづくり

使用済み自動車で発生するシュレッダーダスト(ASR)の中のプラスチックを種類と品質に応じて、高精度に選別、回収するリサイクルシステムの技術実証を通じ、大幅にCO排出量が削減できることを実証する。

(注釈) ASRとは、Automobile Shredder Residue の略称。

<平成27年度低炭素型3R技術・システム実証事業評価検討会 委員名簿>

 大和田 秀二   早稲田大学創造理工学部環境資源工学科 教授

 小野田 弘士   早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科 准教授

 中村 崇     東北大学多元物質科学研究所 教授

 松藤 敏彦    北海道大学大学院工学研究院 教授

 村上 進亮    東京大学大学院工学系研究科 准教授

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直  通:03-5501-3153
代  表:03-3581-3351
室  長:庄子 真憲(内線6831)
室長補佐:山口 裕司(内線6855)
担  当:光山 拓実(内線6833)