報道発表資料

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2015年05月22日
  • 地球環境

冷やすワザでおいしいを未来に!扉+冷やすワザ(省エネ型自然冷媒機器)に関する社会実験を開始します。(お知らせ)

 おいしそうな食べ物が並ぶスーパーやコンビニエンスストア。扉のない開放型のショーケース(オープンケース)は並んでいる商品がよく見え、欲しいものをすぐに取ることが出来る便利なものです。
 
 これに扉を付けることはお客さんの手間や商品の見えにくさ、これらによる売上への影響等につながると懸念する声がある一方、冷気を保持することによる省エネルギーが期待されます。PETボトル飲料などが冷やされているショーケースでは扉が付いたものが普及し始めていますが、サンドイッチやスイーツ、乳製品などの、様々なメーカー・品種があるチルド商品のショーケースでは、オープンケースが広く使われています。
 
 環境省では、サンドイッチやスイーツなどのショーケースも含め扉を設置するとともに、温室効果の高いフロン類を使わない冷凍機(省エネ型自然冷媒機器)も組み合わせて温室効果ガスの削減を図る取り組みについて、その効果や課題、解決策について検証する社会実験を始めます。

 ショーケースでの一手間が「未来のおいしい」につながる。未来への新しい思いやりの形について、参加店舗等で御意見をお聞かせください。

1.社会実験の背景・目的.

-地球環境への負荷が少ない物質でショーケースを冷やす!-
 ショーケース内を冷やすために主に使われているフロン類は、二酸化炭素に比べて地球温暖化への影響度が数千倍と極めて大きく、この排出抑制は気候変動(地球温暖化)対策の新たな柱として注目されています。最近ではスーパーやコンビニエンスストアのショーケースに、フロン類ではなく自然界に存在する物質を使い、更に従来機器より省エネにもなる「冷やすワザ」(省エネ型自然冷媒機器)が導入されつつあります。

-クールビズでも寒くない!-
 スーパーやコンビニエンスストアで商品を選んでいる間に、ショーケースからの冷気で体が冷えてしまう ― 冬だけでなく、スーパークールビズ等で薄着になる機会が多くなる今の季節でも経験があるかも知れません。

 家庭の冷蔵庫と同様、扉を付けて冷気をショーケースの外に逃がさない取組みが注目されています。食べ物を通り越して体を冷やす冷気を減らすことで、快適に買い物ができるだけでなく、省エネルギーにもつながります*。

* 小規模スーパーでの電力消費のうち約5割はショーケースに係るものとも言われています(注:所有する機器・事業規模・事業形態などによって異なります)。

-社会実験の目的-
 本社会実験では、省エネ型自然冷媒機器と扉を組み合わせる(サンドイッチやスイーツなどのショーケースも含め、極力全てのショーケースに扉を設置する)ことによる温室効果ガス排出量の削減効果を把握するだけでなく、扉の設置に対して懸念されている課題について検証し、普及方策を検討することを目的としています。

2.社会実験の概要
 6月1日から下記店舗が社会実験に参加します。(参加店舗の追加も今後予定)

【店舗】
 ローソンパナソニック前店(大阪府守口市八雲中町3-1-2)
 ローソン豊橋明海工業団地店(愛知県豊橋市明海町3-16)
                    ※当該2店舗は既存設備を利用

【実施事項】
① お客様のご意見・感想を収集:店内に専用ボックスを設置
② 電気使用量削減に関する効果検証:データ計測による比較検証
③ お客様や従業員を対象としたアンケート調査の実施:利便性・購買意欲への影響や
  作業性等に関する調査・分析 等

写真:ショーケースに設置された扉の例(ローソンパナソニック前店:
並べられた商品が見えやすいよう、フレームのない最新式の扉が設置されています)

 詳しい内容については、「冷やすワザでおいしいを未来に」ホームページ( https://www.env.go.jp/earth/ozone/hiyasu-waza/ )に掲載する予定です。

 本社会実験には、スーパーやコンビニエンスストアの扉を利用いただく、お客さんの協力が不可欠です。参加店舗に来られた際は扉の開け閉めに協力いただくとともに、オープンショーケースに扉を設置する店舗を拡大させていくための改善点をお聞かせください。

3.取材について
 参加店舗の取材については、フロン対策室(井口、高橋)に御連絡下さい。

(参考)
 扉設置によるショーケースからの冷気漏れ抑制について

・ショーケースの前に3分間静止した後の体温を測定したもの。扉なし相当は、扉を開放した状態を
 扉無しショーケースと同様とみなして測定している。
・扉の有無により、肌露出部分で1.7~1.8℃の差が発生した。
・肌の露出の多い夏期などにおいては体感できる温度差が発生すると想定される。
・本社会実験の中で、測定条件等を含めて改めて検証・精査することとしている。

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課フロン対策室
代表:03-3581-3351 
直通:03-5521-8329 
室 長:熊倉 基之(内線:6750)
補 佐:髙橋 一彰(内線:6704)
担 当:井口 清香(内線:6754)