報道発表資料
現行の環境基準の項目の一つである大腸菌群数に替わる、病原微生物による水質汚濁の指標を検討するため、学識経験者等からなる「水環境に係る微生物指標検討会」を開催する。
1.趣旨
現在水質汚濁に係る環境基準においては、病原微生物による汚濁の指標として大腸菌群数が用いられている。大腸菌群が腸管系病原微生物汚染(ふん便汚染)に対する指標として優れていることは水質衛生の歴史から明らかであるが、環境水中においてはふん便に由来しない菌群を含めて評価してしまう点等が指摘されており、昨年夏期のO-157感染者の大量発生等を踏まえ、より有効な病原微生物汚染の指標が必要となっている。
また、昨年夏期のクリプトスポリジウムによる感染者の発生等、近年の水系感染症は大腸菌群では確実に評価し得ない原虫類等の病原微生物汚染によるものも増えてきており、大腸菌群では評価できない病原微生物の指標についても、あわせて検討が必要である。 本検討会はこのような状況を踏まえ、現行の環境基準である大腸菌群数に替わる、病原微生物による水質汚濁の指標を検討することを目的とする。
2.検討会参加者
座長 大井 玄 国立環境研究所副所長 金子光美 摂南大学工学部教授 稲森悠平 国立環境研究所地域環境研究グループ 大垣眞一郎 東京大学大学院工学系研究科教授 河村清史 国立公衆衛生院廃棄物工学部廃棄物処理工学室長 須藤隆一 東北大学工学部教授 平田 強 麻布大学環境保健学部教授 古畑勝則 都立衛生研究所 真柄泰基 国立公衆衛生院水道工学部長 矢野 洋 神戸市水道局水質試験所 宮村達男 国立感染症研究所ウイルス第二部長
3.今後の予定
6月6日に第1回会合を開催し、その後2年間程度をかけて検討を重ねる予定。その検討の結果を踏まえ、必要に応じて中央環境審議会に諮問することとしている。
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質管理課
課長:南川秀樹 (6630)
補佐:木村祐二 (6631)
担当:富坂隆史 (6636)