報道発表資料

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2015年01月23日
  • 自然環境

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)第3回総会の結果について(お知らせ)

 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES※)第3回総会が、平成27年1月12日(月)から17日(土)までの間、ボン(ドイツ)にて開催されました。今次会合には88か国の加盟国が出席し、IPBES作業計画2014-2018の履行状況の確認及び見直し、2015年予算の修正、IPBES手続き規則、学際的専門家パネル(MEP)メンバーの選出等について議論されました。

IPBES(Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services)

 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)は、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2012年4月に設立された政府間組織です。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進めるIPCCの例から、生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあります。



1. 会議の概要

 会議名称

   日本語:生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)第3回総会

   英語:Plenary of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services Third Session

 開催期間:

平成27年1月12日(月)~17日(土)

 場所:

ボン(ドイツ)

2.主な成果:

 ○作業計画2014-2018

  ①能力養成

  •   ・能力養成の優先的なニーズに関するリストが採択されたほか、インターン、人材交流やトレーニングに関するプログラム案や第1回能力養成フォーラムの開催計画が確認されました。

  ②知識生成

  •   ・先住民と地域住民の知識体系や、知識・データに関するタスクフォースの進捗が歓迎されるとともに、先住民や地域住民の取組を地域アセスメントに試行的に組み込むことが決定され、事務局が全てのアセスメントについて今次会合で採択されたデータ・情報管理計画を提出することとなりました。

  ③地球規模、地域・準地域アセスメント

  •   ・アセスメントの作成・統合に関するガイドの見直しを続けることが要請された他、地域・準地域アセスメントについてはアフリカ、アジア太平洋、アメリカ、欧州・中央アジアの4地域でアセスメントが実施されることとなり、各地域のスコーピング文書が採択されました。
  •   ・また、作業計画の実施スケジュールの見直し案(地球規模アセスメントの期限を2018年から2019年中旬までに延長、地域アセスメントを2016年から2017年までに延長)について合意されたものの、詳細な調整方法についてはMEPがビューロと相談しながら検討することとなりました。
  •   ・外洋のアセスメントについては、国連で実施している世界海洋アセスメントの結果を見つつ、次回総会で再度検討することとなりました。

  ④分野別アセスメント

  •   ・分野別アセスメント(土地劣化、外来種、生物多様性の持続可能な利用)については、地域アセスメントと統合する案が事務局より示されたものの、地域アセスメントとは独立したレポートをそれぞれ作成する案が採択されました。
  •   ・外来種と生物多様性の持続可能な利用については本年中にスコーピングのための専門家会合が開催される予定です。

  ⑤その他

  •   ・次回総会まで価値概念化に関する専門家会合を継続することが承認されました。また、事務局が、政策支援ツール・手法及びそのカタログについての案を提出することとなりました。
 ○2015年予算の修正

   2015年予算については当初予算9,096,786米ドルが見直され、9,506,304米ドル(2015年修正予算)が採択されました。(2014年は11月末現在での実際の支出が、当初予算に対し約400万米ドル未執行)

 ○運用規則

   IPBES成果物の準備手続き、会計手続き、広報戦略等について採択されました。

 ○学際的専門家パネル(MEP)メンバーの選出

   第2期(2015-2017年)のMEP選出が行われ、我が国からは第1期に引き続き海洋研究開発機構の白山義久理事が再選されました。アジア太平洋地域からは、日本の他に中国、インド、インドネシア、マレーシアから専門家がMEPメンバーとして選出されました。

【本会合の公式ウェブサイト】

http://www.ipbes.net/plenary/ipbes-3.html

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8275)
室長  :奥田 直久(内:6480)
室長補佐:中山 直樹(内:6485)
専門官 :土屋 守雄(内:6485)