報道発表資料

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2015年02月19日
  • 総合政策

(仮称)新岩屋・新尻労風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

環境省は、19日、青森県で計画されている「(仮称)新岩屋・新尻労風力発電事業計画段階環境配慮書」にする環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

 本事業は、株式会社ユーラスエナジーホールディングスが、青森県下北郡東通村に設置したユーラス岩屋ウインドファーム及びユーラス尻労ウインドファームにおいて、風力発電設備の更新(以下「リプレース」という。)を行うものである。本リプレースに伴い、発電所の出力がそれぞれ最大50,000kW、22,000kWに増加する可能性がある。

 環境大臣意見では、既存の風力発電設備等による環境影響を検証した上で、重要な課題を解消できる事業計画を作成すること、風車の影による影響を回避又は十分に低減すること、既存の風力発電設備等の撤去跡地を利用することにより、新たな土地の改変や森林の伐採が最小限となるよう行うこと等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。

 今後、経済産業大臣から事業者である株式会社ユーラスエナジーホールディングスに対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要

 本事業は、青森県下北郡東通村に設置したユーラス岩屋ウインドファーム及びユーラス尻労ウインドファームにおいて、風力発電設備のリプレースを行うものであり、既存の風力発電設備等による環境影響と比較評価を行うこと等を通じて、環境影響評価をより効率的に実施することができる可能性も有する。現時点では、風力発電設備の機種、配置、敷地(以下「ヤード」という。)及び道路の新設又は拡幅の有無並びに工事の方法等の詳細は決まっておらず、今後の事業の計画、風力発電設備等の設計及び環境配慮の如何によって環境への影響の程度は変わりうる。

3.環境大臣意見の概要

(1)包括的事項

 ①既存の風力発電設備等による環境影響を検証した上で、環境保全上の課題を整理し、重要な課題を解消できる事業計画を作成すること。

 ②既存の風力発電設備等による環境影響の程度と比較して、環境影響を低減させる、現況を維持する又は環境影響の増加が最小限となるよう行うこと。

 ③既存の風力発電設備等の撤去跡地を利用することにより、新たな土地の改変や森林の伐採が最小限となるよう行うこと。

 ④風車の影及び生態系等への影響を回避又は十分に低減できない場合は、風力発電設備の基数削減等を含む

 事業計画の見直しを行うこと。

 ⑤リプレース後の風力発電設備等による環境影響を十分に把握できるよう、適切なモニタリング計画を作成

 すること。

(2)個別事項

 ①風車の影による影響について

   風力発電設備の機種選定及び配置計画の作成を行うに当たっては、生活環境への影響を回避又は十分に 

  低減するよう行うこと。

②動物への影響について

 ⅰ)風力発電設備の配置計画の作成及び環境保全措置の検討を行うに当たっては、既存の風力発電所での死骸確認事例を基に鳥類の衝突事故の原因等の検証を行った上で、風力発電設備への鳥類の衝突事故による

重大な影響を回避するよう行うこと。

ⅱ)オジロワシ、オオワシ等の冬季の生息状況の把握について、専門家等の助言を聴取した上で、生息有無

や飛翔行動等の調査の適切な方法及び内容を検討すること。

ⅲ)調査、予測及び評価を行うに当たっては、「猛禽類保護の進め方(改訂版)」の考え方も踏まえて行う

こと。

③生態系への影響について

 ⅰ)風力発電設備等の配置計画の作成並びにヤード及び道路の設計を行うに当たっては、自然植生等保全の

重要性が高い区域、希少な動植物の生息地及び生育地並びに石灰岩地に出現する重要な植物の生育地を回避する又はこれらへの影響が最小限となるよう行うこと。

ⅱ)新たな土地の改変や森林の伐採が生じる場合には、既存の風力発電設備等による土地の改変及び森林の

伐採も考慮し、動物、植物及び生態系への累積的な影響についても予測及び評価を行うこと。

ⅲ)新たな風力発電設備等の設置及び既存の風力発電設備の撤去に伴って生じるヤード跡地及び道路跡地では、自然環境の修復を図ること。

④工事の実施について

   既存の風力発電設備等の撤去工事及び新たな風力発電設備等の設置工事の実施に当たっては、工事の方法及びその組み合わせを検討し、工事による環境影響を回避又は十分に低減するよう行うこと。

【参考】

○事業概要

 ・名称  (仮称)新岩屋・新尻労風力発電事業

 ・事業者 株式会社ユーラスエナジーホールディングス

 ・位置  青森県下北郡東通村(事業実施想定面積 約118ha)

 ・主力  新岩屋:32,500~50,000kW  新尻労:19,250~22,000kW

○環境影響評価に係る手続

 ・平成27年1月 6日 経済産業大臣から環境大臣への意見照会

 ・平成27年2月19日 環境大臣意見の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長  :神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官 :田中 準 (内6248)
担当  :具志堅洋介(内6232)
電話  :03-3581-3351(代表)
     03-5521-8237(直通)

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