報道発表資料

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2015年02月17日
  • 水・土壌

平成26年度公共用水域及び地下水における放射性物質モニタリングの測定結果(速報値)について(九州・沖縄ブロック)(お知らせ)

環境省では、水質汚濁防止法の改正(平成25年12月施行)を踏まえ、平成26年度から公共用水域及び地下水における放射性物質の常時監視を実施しています。
今般、平成26年度九州・沖縄ブロックの公共用水域及び地下水における放射性物質モニタリングの測定結果(速報値)を取りまとめましたのでお知らせします。
公共用水域は16地点、地下水は18地点で水質及び底質(地下水は水質のみ)の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)の測定を実施しました。検出された自然放射性核種又は人工放射性核種は、いずれも過去の測定値の傾向の範囲内[注1]でした。
今回のお知らせは速報値です。本公表をもって全ブロックの測定結果が整いましたので、全ブロックの測定結果等を併せて評価した上で、平成27年3月に確定値として取りまとめ、改めてお知らせする予定です。
なお、福島第一原発事故を受けて、当該事故由来の放射性物質の水環境中の存在状況の把握のために福島県及び周辺県で実施しているモニタリングの測定結果(速報値)については、別途公表しています。

1.経緯

東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質による環境の汚染が発生したことを契機に、水質汚濁防止法[注2]が改正されたことを受けて、環境省では、平成26年度から全国の公共用水域及び地下水それぞれ110地点において、放射性物質の常時監視を実施しています(年1回測定)。

今般、九州・沖縄ブロックの測定結果(速報値)を取りまとめましたので、お知らせします。

今回のお知らせは速報値です。本公表をもって全ブロックの測定結果が整いましたので、全ブロックの測定結果等を併せて評価した上で、平成27年3月に確定値として取りまとめ、改めてお知らせする予定です。

また、モニタリングの全体概要(実施方針、測定地点等)及び調査結果については、以下の環境省ホームページに掲載しています。

https://www.env.go.jp/air/rmcm/index.html

2.公共用水域の調査結果

(1) 調査期間

平成26年8月25日~9月17日

(2) 調査地点数

16点(河川のみ)(別添1参照)

(3) 調査項目

水質及び底質の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)

※この他、参考情報として、水質及び底質採取地点近傍の周辺環境(河川敷等)の土壌の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)及び空間線量率も併せて測定。

※「γ線核種」は、γ線を放出する核種であり、本調査ではCs-134等の65核種を主な対象としています。

(4) 結果概要

調査結果の概要は以下のとおりです。調査結果の詳細は別紙1、今回検出された放射性核種等についての過去の測定値は別添3をご参照ください。

① 水質

a) 全β:0.035~0.15Bq/L

・ 過去の測定値の傾向の範囲内でした。

b) γ線核種

・ 全16地点で、検出下限値を超える自然放射性核種が確認されました。このうち、Bi-214及びK-40は過去の測定値の傾向の範囲内でした。

・ 核種ごとの測定結果は以下のとおりです。なお、以下に記載のないγ線核種は、全地点で不検出でした。

検出されたγ線核種

検出値の範囲(Bq/L)

自然放射性核種

Bi-214

不検出~0.0037

K-40

0.022~0.16

② 底質

a) 全β:210~850 Bq/kg-dry

・ 過去の測定値の傾向の範囲内でした。

b) γ線核種

・ 全16地点で、検出下限値を超える自然放射性核種が検出されました。このうち、Be-7、Bi-214、K-40及びRa-226については、過去の測定値の傾向の範囲内でした。Ac-228、Bi-212、Pb-212、Pb-214、Th-234及びTl-208については、過去に全国的な規模で調査事例がない又は調査事例はあっても検出されたことのない核種ですが、いずれもトリウム系列又はウラン系列の自然放射性核種で、通常天然の土壌岩石などに含まれるものです。

・ 一部の地点(16地点中1地点)で、検出下限値を超える人工放射性核種Cs-137が確認されましたが、過去の測定値の傾向の範囲内でした。

・ 核種ごとの測定結果は以下のとおりです。なお、以下に記載のないγ線核種は、全地点で不検出でした。

検出されたγ線核種

検出値の範囲(Bq/kg-dry)

自然放射性核種

Ac-228

7.1~28

Be-7

不検出~64

Bi-212

不検出~45

Bi-214

9.3~27

K-40

200~740

Pb-212

14~41

Pb-214

8.1~28

Ra-226

不検出~55

Th-234

不検出~79

Tl-208

14~38

人工放射性核種

Cs-137

不検出~1.8

3.地下水の調査結果

(1) 調査期間

平成26年8月25日~9月16日

(2) 調査地点数

18点(別添2参照)

(3) 調査項目

水質の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)

※この他、参考情報として、採水地点近傍の空間線量率も併せて測定。

(4) 結果概要

調査結果の概要は以下のとおりです。調査結果の詳細は別紙2、今回検出された放射性核種等についての過去の測定値は別添3をご参照ください。

a) 全β:不検出~0.15Bq/L

・ 過去の測定値の傾向の範囲内でした。

b) γ線核種

・ 一部の地点(16点中13点)で、検出下限値を超える自然放射性核種が確認されました。このうち、K-40については、過去の測定値の傾向の範囲内でした。Ac-228及びPb-210については、過去に全国的な規模で調査事例がない核種ですが、トリウム系列又はウラン系列の自然放射性核種で、通常天然の土壌岩石などに含まれるものです。

・ 測定結果は以下のとおりです。なお、以下に記載のないγ線核種は、全地点で不検出でした。

検出されたγ線核種

検出値の範囲(Bq/L)

自然放射性核種

Ac-228

不検出~0.0045

K-40

不検出~0.18

Pb-210

不検出~0.15

4.その他

・ 過去の測定値の傾向から外れる値が検出された場合は、詳細な追加調査を実施することとしていますが、今回の九州・沖縄ブロックの調査結果では、過去の測定値の傾向を外れる値が検出されなかったことから、詳細な追加調査は実施しない予定です。

・ 水環境における放射性物質の存在状況を把握するため、次年度以降も継続して本モニタリングを実施します。


[注1] 本モニタリングは開始当初であることから同一地点における過去のデータの蓄積はないが、過去の測定値の傾向との比較に当たっては、当面はこれまでに実施された類似の環境モニタリングの結果を活用する。なお、「過去の測定値の傾向の範囲内」とは、今回の測定結果が、過去の類似のモニタリング(原子力規制委員会が実施する環境放射能水準調査及び周辺環境モニタリング、環境省が実施する福島県及び周辺県での放射性物質モニタリング等)と比較し、極端に外れた値ではないことを専門的評価を受けて確認したもの。

 

[注2] 水質汚濁防止法(環境大臣が実施する放射性物質の常時監視部分のみ抜粋)

  第15条

   3 環境大臣は、環境省令で定めるところにより、放射性物質(環境省令で定めるものに限る。第17条第2項において同じ。)による公共用水域及び地下水の水質の汚濁の状況を常時監視しなければならない。

  第17条

   2 環境大臣は、環境省令で定めるところにより、放射性物質による公共用水域及び地下水の水質の汚濁の状況を公表しなければならない。

 

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課
代表  :03-3581-3351
直通  :03-5521-8316
課長  :二村 英介 (内線6610)
課長補佐:長澤 沙織(内線6614)

環境省水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室
直通  :03-5521-8309
室長補佐:袖野 玲子(内線6604)
担当  :佐藤 孝行(内線6609)
 

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