報道発表資料
1.シンポジウムの目的
本年3月にまとめられたレポート「日本の大気汚染経験」では、我が国の大気汚染対策を歴史的な経緯から分析し、以下のように趣旨の結論を得ている。
"かつての日本の産業公害は、不幸にも多数の健康被害者を発生させたが、官民をあげての努力によって比較的短期間に克服された。しかも、経済成長に対しても好ましい影響をもたらした。"
しかし、その我が国においても、自動車交通を主な原因とする大都市の大気汚染解決、また地球温暖化の原因である二酸化炭素排出量の削減についても確実な見通しが得られていない。これは我が国のみならず、欧米先進国に共通の最も深刻な環境政策上の課題であり、経済成長が著しく進んでいるアジア諸国が直面する大きな課題ともなっている。
宇部市は、セメント・化学工業が立地する工業都市であるが、1950年代に宇部方式と呼ばれる企業と市民の相互理解と協力により、降下ばいじんなどの著しい大気汚染を克服したユニークな経験を持ち、本年、国連環境計画(UNEP)から「グローバル500賞」を受賞した。
本シンポジウムにおいて、このような歴史を有する山口県宇部市に、アジア及び欧米諸国の第一線の専門家を招聘し、「日本の大気汚染経験」を手掛かりとして、今日の世界がジレンマに陥っている都市大気汚染問題と地球温暖化問題を市民、企業、行政の協力によって解決するための新しい知恵と方策、さらには国際協力の推進についての議論を行う。この結果を「宇部アピール」として世界に発信することとしている。
2.シンポジウムの日時・場所等
日 時:平成9年10月17日(金) 9:00~17:00
場 所:山口県宇部市 宇部全日空ホテル 国際会議場(3F)
〒755 山口県宇部市相生町8番1号
電話 0836-32-1112
参 加:無料 定員 300名 日英同時通訳あり
主催:環境庁、山口県、宇部市、公害健康被害補償予防協会、
(社)環境情報科学センター
協賛:宇部興産(株)、協和発酵工業(株)、セントラル硝子(株)、
チタン工業(株)、中国電力(株)
後援:KRY山口放送、NHK山口放送局、
TYSテレビ山口、YAB山口朝日放送、
朝日新聞社、共同通信社、産経新聞社、時事通信社、
中国新聞社、西日本新聞社、日本経済新聞社、
毎日新聞社、山口新聞社、読売新聞社、
宇部時報社、ウベニチ新聞社
3. プログラム
9:00-9:30 | 開会式 開会挨拶 環境庁長官、山口県知事 祝辞 菱田 一雄 (1992年度「グローバル500賞」受賞者) |
9:30-11:30 | 基調講演 ドイツの温暖化対策と社会システムの改革 ヘルムート・バイトナー(ドイツ、ベルリン社会科学研究所) 山口県における宇部方式の回顧と展望 野瀬 善勝 (山口大学名誉教授) |
11:30-12:10 | 報告 日本と欧米の大気汚染経験比較―何を世界へ伝えるか― ミランダ・シュラーズ (米国、メリーランド大学) |
13:20-16:30 | パネルディスカッション テーマ:「公害対策の原点から地球環境保全を探る」 コーディネーター: 井村 秀文(九州大学環境システム工学研究所教授) パネリスト: 李 進(韓国、熊津専門大学学長) 夏 光(中国、日中友好環境保全センター環境政策・戦略研究部副部長) タン・メン・レン(マレーシア、科学技術環境省環境局長) ローラ・キャンベル(米国、国際環境法主宰) 森田 恒幸(国立環境研究所地球環境研究グループ総合研究官) 常見 和正(宇部興産(株)常務取締役環境安全部担当) |
16:30-16:55 | 宇部アピール 議長総括/宇部アピールの採択 挨拶 宇部市長 |
16:55-17:00 | 閉会式 |
4.参加申し込み
電話、または住所・氏名・電話番号を明記の上ファックスにて下記のいずれかにお申し込みいただきたい。
山口県環境生活部環境保全課 〒753 山口県山口市滝町1ー1
電話 0839-33-3034 FAX 0839-33-3049 担当:河野
宇部市市民環境部生活環境課 〒755 山口県宇部市常盤町1ー7ー1
電話 0836-31-4111(内223) FAX 0836-35-1146 担当:古川
(社)環境情報科学センター 〒102 東京都千代田区九段南4-7-24
電話 03-3265-3916 FAX 03-3234-5407 担当:小関
- 連絡先
- 環境庁企画調整局環境保健部保健企画課
課 長 南川 秀樹(6310)
調整官 栗原 崇(6309)
特殊法人公害健康被害補償予防協会基金事業部
部長 吉田 徳久(03-3586-6041)
事業課長 柳橋 泰生