中央環境審議会循環型社会部会(第52回)議事録
日時
令和6年2月1日(木) 15:30~17:30
場所
環境省第1会議室及び WEB 会議システム
議事次第
(1)次期循環型社会形成推進基本計画(案)について
(2)食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定について
(3)その他(報告事項)
(2)食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定について
(3)その他(報告事項)
議事録
午後3時30分 開会
○環境再生・資源循環局総務課長 それでは定刻になりましたのでただいまから、第52回中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。進行を務めさせていただきます。環境省環境再生・資源循環局総務課長の波戸本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、出席いただき誠にありがとうございます。
本日は委員総数28名のところ、合わせて15名の委員にご出席いただきまして、部会として成立しておりますことをご報告いたします。
本日は環境省第1会議室とWeb会議システムのハイブリッド方式により開催させていただいております。オンラインでご参加の皆様におかれましては、マイクとビデオは発言いただく際のみオンとし、それ以外はマイクをミュート、ビデオをオフにしていただきますようお願いいたします。発言される際は、挙手ボタンでお知らせいただき、部会長から指名を受けてからのご発言をお願いいたします。また、会場の声が聞こえにくいなど何かございましたら、チャット機能等でお知らせください。なお、会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは議事に先立ちまして、角倉環境再生資源循環局次長よりご挨拶をいただきます。角倉次長、お願いいたします。
○環境再生・資源循環局次長 ただいま、ご紹介にあずかりました環境省環境再生・資源循環局次長の角倉でございます。本日ご出席の皆様におかれましては、ご多忙の中、お集まりいただき厚く御礼申し上げます。
まず会議の開会に当たり、初めに、この度の令和6年度能登半島地震、震災によりお亡くなりになられた方々に、改めて心よりお悔やみ申し上げるとともに、被災された皆様方に改めてお見舞い申し上げたいと存じます。発災から今日でちょうど一月になるところでございます。環境省といたしましても、被災地の皆様方に寄り添いながら、1日も早く被災者の皆様方の生活が少しでも早くよくなるものとなるように精一杯頑張っていきたいと考えておりますので、現在の環境省の取組につきましては、本日議題3において、改めてご報告させていただきたいと存じますので、ご指導いただければと思います。
本日でございますが、まず最初の議題として次期循環型社会形成推進基本計画の第1章から第4章までご議論いただくこととしております。また次期計画における指標に関する検討状況についても、併せてご報告させていただきたいと存じます。
循環基本計画は、これは単に環境省の施策だけをまとめたものではなくて、関係各省庁の幅広い施策を取り込んだものであり、なおかつ単に環境保全のためだけではなくて、環境保全を図りつつ、産業競争力の強化、経済安保、地方創生、そうした様々な我が国が抱える経済社会の諸課題、こうした解決に資するものとなるよう、総合的に国家戦略として取り組むにふさわしい内容に、こういうものにしていきたいと考えておりますので、ぜひ幅広い観点からご議論いただければと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
また、次の議題といたしまして、環境大臣から中央環境審議への諮問を踏まえた、食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定についても、ご議論いただければと存じます。
また、冒頭申し上げました、令和6年能登半島地震における災害廃棄物対策の概要についてご報告させていただくとともに、静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会において、制度的対応についてご議論をこれまで賜ってきたところでございますけれども、その取りまとめ案について事務局よりご報告させていただきたいと存じます。
委員の皆様方にはぜひ忌憚のないご意見をいただき、それを踏まえて、私どもとしてさらに検討を深めてまいりたいと考えておりますので、本日はどうかよろしくお願いいたします。
○環境再生・資源循環局総務課長 冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。
次に、お手元の資料を確認させていただきます。
本日は、資料1から3-2までと、参考資料1から6まででございます。資料は事務局にて、画面に投影いたしますが、必要に応じて、あらかじめお送りしたファイルをご覧ください。
それでは以降の進行は、酒井部会長にお願いしたいと思います。酒井部会長、よろしくお願いします。
○酒井部会長 波戸本課長、承りました。進行を務めさせていただきます。
冒頭で、角倉次長のほうから能登災害へのお悔やみ、お見舞いの言葉あったところでございます。この部会としても、全く同じ心情であるということを一言申し添えて、この後の議事に入らせていただきたいというふうに思います。
それでは本日は、議題が三つございますが、まず最初の議題1、次期循環型社会形成推進基本計画(案)についてでございます。今回資料1及び資料2を準備いただいておりますので、循環型社会推進室の近藤室長のほうからご説明どうぞよろしくお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ご指名ありがとうございます。循環型社会推進室長の近藤でございます。まず、私のほうから資料1を用いまして、基本計画の現在の案文の状況について、ご説明を申し上げます。
前回、12月の部会におきましては、1ページめくっていただきますと、目次の部分になりますけれども、この第1章の部分で、様々なご議論を頂戴しております。
この1章につきましては、前回のご意見を反映したものとなっておりまして、2章以降は今回初めてご覧いただくものになっております。
2章以降につきましては、事前にいろいろとご意見を頂戴しているところでございますけれども、並行して政府内の調整も進んでおります。まだ十分反映できない部分も多くございますけれども、次の部会に向けまして、今日ご意見いただくものと併せまして、しっかり反映してまいりたいと思いますので、その点ご理解いただければと思います。
それでは、内容の方に入らせていただきます。
第1章につきましては、12月の部会から修正をした主な部分について簡単にご説明をしてまいりたいと思います。
まず、資料の8ページ目をご覧いただきますと、4行目から循環型社会形成に向けた道筋ということが書いてございますけれども、循環経済への移行推進することが鍵という部分の後、9行目からになりますけれども、各主体にとって短期的に経済合理的ではないが、長期的には国民の経済的負担の軽減にもつながる取組も必要に応じて実施されるようにしていくことが必要となると加えております。
少し飛びまして12ページ目になります。1.2.1.、地方の社会課題の状況と地域の廃棄物処理への影響ということでございまして、ここの地方と地域という言葉の使い方について、ご意見を頂戴しておりました。いろいろ精査をいたしまして、社会の課題の状況のほうは地方という形にまとめまして、廃棄物処理のほうは地域という言葉を追加しております。その上で7行目の辺り、地方の状況ということで、人口減少、少子高齢化ということを加えておりますのと、20行目から地方の人口が減っていくことによって、維持できなくなったインフラの発生、処理が懸念されるということを入れております。
12ページ目の一番下、29行目からなりますが、中小企業白書の最新の状況を踏まえまして、全ての業種で中小企業の人手不足が強くなっていることと。
それから13ページに参りまして、地方における循環資源、再生可能資源の用途の不足ということでありますとか、廃棄物処理コスト低減のために、一般廃棄物処理施設の整備を適切に進めていく必要があるということを記載しております。
13ページの一番下からになりますが、ここのところは一般廃棄物と産業廃棄物の整理をしっかりしておりませんでしたので、一般廃棄物に着目をいたしまして、リサイクル率は自治体によって少し違うところがありますということ。
それから、14ページに入りまして、4行目から産業廃棄物についてということで記載をしまして、5行目、6行目の辺りの、リサイクル率が高いところの取組状況をしっかり参考にしていただきたいということと、11行目から、一つの市町村のみでの取組に限界がある場合には、県が主導して、より広域的な取組の推進も重要ということを書いております。
16ページにいっていただきまして、このところは資源化鉱物でございますけれども、15行目から29行目が追加になっておりまして、動静脈連携で資源回収量を増加させていく。23行目から、電子スクラップ等の輸出入の円滑化・迅速化等によって、国際的な資源循環を回していく。あるいはASEAN等の途上国において適正なe-wasteの回収、それを日本の設備を使って、効果的にやっていくということを書いております。
それから、17ページに参りまして、9行目の辺りからでございます。飼料、餌について、海外に多く頼っているということ。また、これが価格高騰リスクもあるということで、その対策も書いております。
17ページ目、22行目からになりますけれども、EU新循環経済政策パッケージを中心に、拡大生産者責任の規定に関すること、あるいは製品デザインに関すること、あるいは欧州標準化のための事業計画ということで、エコデザインに関することが様々盛り込まれているということを記載しております。
18ページ目になりますけれども、13行目からの一つのパラグラフの追加をしておりまして、ヨーロッパにおきましてDPPの検討、あるいはそれぞれの取組において、トレーサビリティの確保ということが進んでいるということや、再生材の利用拡大をしていく上で、併せて拡大による汚染を防止するために、適正管理が重要ということを記載しております。
19ページに行っていただきまして、「さらに」の段落が追加になっておりまして、ここのところ、以前は気候変動と生物多様性ということを中心に書いていたのですが、汚染の部分が足りないということで、その関係の記述を少し追加しております。例として、水銀放出源としての金採掘、金精練の寄与、そこからの環境汚染といったことや、プラスチックの汚染ということについて記載をしております。
それから21ページ目いっていただきまして、ここのところも、今の観点でございますけれども、化学物質管理について国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ、SAICMに関する取組を1段落追加しております。
22ページ目にお移りいただきますと、循環型社会の形成に向けた取組の進捗ということで、23行目から少し要因についての解説を加えております。循環利用率が比較的高い非金属鉱物系の循環利用、これが建設工事の減少によって減少したということと、これにより循環率が低い資源の影響を受けまして、入口側、出口側の循環利用率が減っていること。この部分のてこ入れが必要だとということを書いております。
23ページ目に移っていただきますと、行動変容、意識改革という部分についての記載を加えておりまして、5行目からの部分でありますが、家計の貯蓄率の変化、あるいは日常生活に必要なものの価格の上昇、あるいは単独世帯、外国人世帯の増加という様々な変化ということを踏まえて、取組を進めていくことが必要ということを書いております。
また、その下の15行目辺りから、環境教育による意識の変化、あるいは18行目、消費者の意識がモノからコトに移りつつあるということ。
あるいは、24ページに移っていただきまして、若い世代が品質がよく、長く使えることを重視する人が増えていると。こういうような動きを行動変容につなげていくという部分を追加しております。
25ページ目になりますけれども、6行目の辺りから、電子マニフェストの機能向上、あるいはDXの推進ということが重要と。あるいは11行目から、廃棄物処理を取り巻く様々な状況の変化ということで、人口減少、あるいは高齢化ということに伴って、集団回収等が困難になってきた、ごみ出しが困難な人が増えてきたといったことに対応する必要があるということと。あとは市町村の厳しい財政状況等の中で、一般廃棄物の処理というものは、気候変動対策、災害対策というものにも対応していく必要があるということで、長寿命化、広域化ということを含めまして、一般廃棄物処理システムの強靱性を確保していくということを追記しております。
それから28ページ目、最後、国家戦略の部分でありますが、19行目から21行目の辺り、各地域の資源循環の取組が全日本に広がっていくときの地域経済の活性化、交流人口の増加、地域の投資を通したよくある地域づくりとそういう副次的な効果についての記述を加えております。
30ページから全体の2ということで、循環型社会の形成に向けた取組の中長期的な方向性ということで、これは計画期間5年程度で、どういうふうに進めていくのかと、どういう姿になっていくのかということを中心に書いております。11月にお認めいただきました、中間的な指針の五つの柱ごとにまとめております。
まず30ページ目の頭の辺りから、「地球の限界」ということで、プラネタリー・バウンタリーという考え方に言及した上で限界を迎えつつあるという確認と。
28行目の辺り、ネット・ゼロ、循環経済、「ネイチャーポジティブ」ということの連携についての記載をしております。
その上で、30ページ目下からその次のページにかけて、地域に特徴的な循環資源、再生可能資源を循環させる取組を創り出し、これが自立して拡大していくこと。
また4行目から輸入した資源を効果的に使っていくことで、11行目の辺り、ネット・ゼロやネイチャーポジティブの実現とも両立する形で、循環経済の移行、あるいは地域経済の活性化、産業が必要とする資源の安定供給にもつなげていくということを記載しております。
31行目の辺りから、その上で国民一人一人の暮らし、あるいは企業のビジネスモデルといったことを、循環型に転換をしていくということで、その中で付加価値を生み出しながら、再生可能な資源を利用して、また限りある地上資源を効率的に長く使っていくことで、価値を最大化していくということを記載しております。
32ページ目から2.2.ということで、動静脈連携がキーワードになってまいります。
23行目辺りから、2020年、足元で50兆円のところ、2030年までに80兆円に拡大をするということ。あるいは31行目辺りからペットボトルの水平リサイクル、あるいは使用済み新幹線車両のリサイクルといった、新たな動きもありますので、33行目の冒頭の辺り、こういうような高い技術力を、製造業、小売業等々、廃棄物処理リサイクル業との間での連携を通じて一層効果的に活用していく。これが成長の鍵であるということを記載しております。
33ページ目の下から、将来像ということで、資源確保段階、生産段階等々、各段階におけるあるべき姿ということを34ページ目にかけて書いております。
35ページ目は、2.2.1.素材ごとの方向性ということで、100ページにわたる大部でございますので、この辺りで全体としてどんなことが書いてあるのかという地図をちょっとご覧いただきたいと思っております。
2.2.1.素材ごとの方向性でございますが、このところ循環経済工程表のほうでも定められているものを参考にしながら、35ページ目はプラスチック・廃油、それから36ページ目はバイオマスです。少し網掛けになっている部分がございますが、この辺りは各省との調整がついてない部分というところでございまして、本日は網掛けで失礼をさせていただいております。
また37ページ目、ベースメタルやレアメタル等の金属。それから、土石・建設材料ということで、それぞれの材ついての将来像について記載をしております。
37ページ目の一番下の辺り、製品ごとの方向性からでございますが、全体網掛けになっておりますのは、この部分は、委員の意見の中で、これまでどこまで進んできて、ここからどういうふうにしていくのか、しっかり書き分けたほうがのではないかというご意見をいただいておりますので、その辺を踏まえて、次の部会に向けてしっかり準備してまいりたいということで、調整中の意味で、網掛けとさせていただいております。
38ページ目の7行目の辺りですが、温暖化対策等に普及した製品の素材でありますとか、12行目から繊維製品といった、ちょっと複数のものがあべこべになっておりますので、しっかり整理してまいりたいと思います。
38ページ目の23行目から、地域の循環システムの構築と地方創生ということで、29行目から地産地消、あるいは食品ロス、食品リサイクルの推進ということで、資源循環だけでなく、温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。一番下のところで、生物多様性の回復にも効果があるということを書いております。
また一番下の行から次のページにかけまして、森林の循環利用ということで、木質バイオマスの効果的利用についても記述をしております。
39ページ、方向性といたしまして、持続可能で活気あるまちづくりということで、12行目でございます。13行目から、それに向けて製造業、あるいは廃棄物リサイクル業だけでなくて、自治体、市民といった地域の各主体が連携をして、参画をしていくということが重要であると、それでいて、それを地域の様々な副次的な効果を生み出す形で進めていくということを書いております。
21行目から、肥料の安定供給に関すること、28行目の辺り、サスティナブルファイナンスの役割を記載し、34行目からの段落におきまして、広域的な廃棄物処理によって、再生利用を進めていくということも書いております。
41ページ目に参りまして、資源循環・廃棄物管理基盤の強靱化と着実な適正処理・環境再生の実行ということで、まず技術開発、情報基盤、各主体間の連携、人材育成の強化ということでございまして、7行目の辺りから、「モノ」から「ヒト(人材)」、あるいは「データ」ということに価値は移っていくということをとらまえて、資源生産性を向上させていくということが効果的である。
また15行目の辺りから、人口減少・少子高齢化といった中で、廃棄物処理等に担い手が不足していくと。この中で20行目ですが、資源循環分野のさらなるDXの推進でありますとか、効率化ということを通して、価値を見出してビジネスモデルをつくっていくと。そこから雇用機会をつくっていくことも大事だということを書いております。
基盤といたしまして、25行目の辺りからJ4CE、あるいは昨年設立されましたサーキュラーパートナーズ、産官パートナーシップというようなものをとらまえながら、ビジネスマッチング、官民対話や情報交流、コミュニケーションということを強化していくということを42ページの頭にかけて書いております。
さらにここでは、欧州でのDPPを踏まえて、日本でも必要な取組を進めること。
あるいは、11行目から環境価値の高い製品が選択されるようにして、好循環を生み出していくために、消費者や住民の主体的意識変革、行動変容を促していくということを記載しております。
また、21行目から、サプライチェーンの上流から下流まで、中小企業も含めて、あらゆる企業で資源循環の取組を評価され、これの投融資や事業機会の拡大、それを通して地域の循環経済への移行が進んでいくような環境をつくっていくことが必要と記載をしております。
おめくりいただきまして、44ページ、災害廃棄物処理体制の構築及び着実な処理ということで、12行目から令和6年能登半島地震にも言及しながら、国土強靭化、災害廃棄物処理システムの強靱化ということが必要ということを記載しております。
24行目から平時から対策を進めることが必要ということで、45ページ目のほうでは、中ほどから地域レベル、28行目から全国レベルでの広域連携体制を平時から構築していくことが重要ということで記載をしております。
46ページ目をおめくりいただきまして、適正処理の更なる推進でございます。
背景・課題としまして、12行目から廃棄物処理を取り巻く状況の変化ということで、先ほどの人口減少・少子高齢化に伴うものに加えまして、オーバーツーリズムへの懸念といったことも記載をしておりますし、直近の課題としまして、21行目から脱炭素・資源循環と一体となった適正処理の必要性を書いております。
大きな方向性としまして、31行目から3R+Renewableの徹底、その後、残ったものについての適正処理ということや、34行目、不法投棄の撲滅・有害廃棄物対策を着実に進めると記載をしております。
48ページ目にめくっていただきますと、東日本大震災の対応でございます。「特定復興再生拠点区域」等については解除されましたけれども、まだ復興は道半ばであるということを記載しております。
一番下から適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進ということで、49ページ目から具体の記載がございます。
欧州に端を発した循環経済への移行、それから4行目辺り、「資源の囲い込み」等の動きがあるという中で、天然資源を輸入に頼る我が国というのは、資源の効率的な利用を通して循環経済への移行を進めていくために、国際的なルール形成をリードして国際的な資源循環を進めていくこと。
8行目から違法な輸出入対策、手続の円滑化等を進めていく。また、11行目辺り、国内、国際を一体として、資源循環の施策を進めていくことが必要という記載をしております。12行目からはインフラシステム輸出戦略ということで、18行目に、環境上適正な廃棄物管理、あるいは循環インフラ整備を推進して、各地の環境汚染等の課題の対処を進めていくと書いております。
24行目辺りから、G7等バイマルチというようなツールを使っていくということ。あるいは、35行目辺りから、重要鉱物等について国際的な資源循環体制を構築していくことを記載しております。
50ページ目に移っていただきまして、10行目、我が国の循環産業と国際展開の推進と途上国の循環インフラ整備の促進ということで、19行目辺り、アフリカ、アジア等の様々なプラットフォームを活用していくということを記載しております。
そのページの下から各主体の連携と役割ということで、国、地方公共団体等の役割をそれぞれ記載しております。
51ページ目、まず、国が果たすべき役割ということで、19行目から、規制的措置、経済的措置等の各種施策の導入、あるいは見直しを進めていくことと、地方公共団体や事業者、NPO等の関係主体との連携を図るとともに、先進的事例の情報の発信、各主体間の連携を促す対話・コミュニケーションの促進というのが国の役割として書いております。
52ページ目に行っていただきますと、地方公共団体でございます。8行目から各地域の主体間の連携を促進するコーディネーターの役割を果たしていただきたいということ。あるいは11行目から、広域的な観点から管下の市町村の調整機能、あるいはその市町村は地域に密着した取組の推進ということを書いています。
53ページ目の下、国民に期待される役割でございまして、具体の記載は、54ページでございますが、将来世帯に未来につなげていくために、より環境負荷の少ないライフスタイルに取り組んでいくことが求められるということと。あとは2.2.、2.3.、2.4.、それぞれの中長期的な方向性の個々の部分につきまして、市民の役割を記載しております。
55ページ目から、NPO・NGO等の役割ということで、主には14行目のところ、各主体による循環型社会形成に関する理解、活動の促進による意識啓発、あるいは連携部分のつなぎ手ということで記載をしておりまして、あとは第2章との関係でございます。
56ページ目、大学等の役割ということで、客観的かつ信頼できる情報を分かりやすく提供すること。それによって、具体的な行動を促し、支えると記載をしております。
57ページ目は、事業者に期待される役割でございまして、事業者ごとに記載をしております。15行目から、製造事業者・小売事業者等は、バージン材の替わりに再生材を使うこと、あるいは将来世代につながる持続的発展に不可欠な自らの社会的責務を果たすこと。廃棄物処理業者等は、23行目から、廃棄物を貴重な資源として捉えて、有用資源を積極的に回収して循環利用していくこと。また、金融機関、投資家には適時適切に資金供給すること等が求められると。
それから32行目から、事業者団体の取組としても、業種に応じた目標を設定して事業者全体の取組を深化させていくこと等を記載しております。
60ページ目から、国の個別分野の施策・取組が書いてございますして、これは40ページにもなりますので、大変恐縮ですが、やや駆け足で全体をめくっていただければと思います。
まず4.1ということで、持続可能な地域と社会づくり、25行目、3R+Renewableの話。それから、61ページ目、最初の○のところは、市場全体を50兆円から80兆円にしていくということ。16行目から金属の資源循環。29行目から食品ロスの取組でございます。
62ページに移っていただきまして、中ほど、建築分野の取組。31行目から、紙おむつの取組。
それから、あと63ページ目は、4行目からの部分は、太陽光発電設備関係の検討状況。それから、35行目から下水汚泥の関係の取組を進めるということ。
64ページ目に移っていただきますと、7行目辺りから、地域の取組の促進手段として、自治体向けのガイダンスを作成、人材育成、あるいは情報提供の実施といったことです。
31行目から、環境教育の法律の関連の動き。
それから、65ページ目、環境と調和の取れた持続可能な食料システムに関連する取組の記載をしております。
一番下36行目の辺りから、海洋ごみ、プラスチック汚染に関する国際的な取組、あるいはそういう国内の動きを記載しております。
67ページ目の中ほどいっていただきますと、20行目の辺りから、リサイクルポート、27行目にモーダルシフトの記載がございます。
68ページに移っていただきますと、動静脈連携でございます。ここは最初に個別法のそれぞれの取組を記載しておりまして、資源有効利用促進法、容器、食品、小型家電、69ページ目から、家電、使用済自動車、建設リサイクル法、あるいはプラスチック資源循環促進法ということで、個別の取組を書いてございます。
70ページ目から、横断的な取組になっておりまして、16行目からGX等にも循環経済の部分がございます。
それから、21行目から、静脈企業再資源化の実施の状況等の必要な情報をうまく使って、あるいは電子マニフェスト等を使って、その取組を推進するということ。
31行目から国際的な動きになりますが、昨年のG7のほうでも合意に入りましたけれども、CEREP「循環経済及び資源効率性原則」、あるいは資源循環に関するルール形成のリードといったことが、次ページにかけて書いてございます。
それから22行目の辺りから、環境報告書、あるいはサーキュラー・エコノミーに係わるサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンスということで、関連の情報発信を強化していくこと。あるいは一番下からグリーン購入推進の関係の記載がございます。
73ページ目から各個別の物質ごとの取組になっておりまして、プラスチック・廃油、74ページ目が、バイオマスと。76ページ目、ベースメタル、レアメタル等々の金属、77ページ目が、土石・建設材料と。78ページ目が建築物、79ページ目が自動車、それから温暖化対策等により普及した製品や素材ということで、80ページにかけて、太陽光あるいは一部蓄電池の環境の取組が書いてございます。線維・ファッションが、その最後でございます。
81ページ目、多種多様な地域の循環システムの構築、あるいは地方創生の実現ということで、人材育成、あるいはコミュニティの再生・活性化や地域文化の醸成につなげていくということを書いた上で、27行目から地域の経済圏の特徴に応じた地域循環モデルの構築、それから、82ページ目から、有機農業等の環境保全農業や森林資源の循環利用、漁場環境の改善を通して、環境と調和の取れた持続可能な農林水産業の記載がございます。
一番下の部分ですが、脱炭素先行地域において、家畜ふん尿・下水汚泥・間伐材等のバイオマス資源の活用等の取組を推進していきます。
また83ページ目の最初にかけまして、それに必要な技術開発、実証の推進の記載をしております。
83ページの下、その次のページ目にかけまして、広域的取組ということでございます。エコツーリズム、あるいはエコタウンの関係の取組の記載をしております。
84ページ目の下から、地域環境の再生ということで、不法投棄・不適正処理事案の撲滅。
続いて、85ページ目からは、基盤の部分でございますけれども、一番下から動静脈連携を促進するために、排出事業者、あるいは再資源化を行う処理事業者との間の情報や、あるいは資源循環の実現に向けた課題の共有。
86ページ目の頭にかけまして、こういったもの情報整理をした上で、これをうまく活用しつつ、動脈企業、静脈企業のマッチングを進めていくための制度の検討についての記載をしております。
基盤としまして18行目から「循環経済パートナーシップ(J4CE)」、あるいは26行目から「サーキュラーパートナーズ」といったものを活用していくということを記載しております。
87ページ目6行目からのパラグラフでは、若年層を中心とした意識醸成、行動喚起の必要性。
また、20行目から、SIP、戦略的イノベーション創造プログラムにおきましても、「サーキュラーエコノミーシステムの構築」をテーマとして各種研究開発を行うと記載をしております。
それから、88ページ目にかけまして、環境教育、あるいはESDにまつわる取組を記載しております。
89ページ目は、8行目で廃棄物エネルギー利活用技術の高度化、10行目辺りでIoTデータ分析技術の活用といったことを記載しております。
90ページ目に入りまして、災害廃棄物処理体制の構築ということで、ここは再掲が多くございますので、割愛させていただきます。
92ページ目は、適正処理の推進、ここも再掲が多い部分がございますが、一般廃棄物処理関係では廃棄基準、あるいは有料化の手引きの推進といったことを記載しております。
それから少し飛びまして、96ページ目が、東日本大震災からの環境再生ということで、福島県内県外の取組を記載しておりますのと、97ページの下から98ページ目以降につきまして、国際的な循環形成、あるいは国内外一体的な資源循環政策の推進ということで、先ほどの枠組みの取組が98ページ目の冒頭から、18行目から、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」から始まるプラスチック関係の取組、それから、29行目から、ISO関係の国際標準化に向けた取組、それから99ページ目に入りまして、日本とASEANの緊密な取組の推進、あるいはASEAN諸国、OECD諸国で生じた重要鉱物資源を含む金属資源について、国内外一体とした資金循環の促進に関する取組。31行目から、バーゼル条約に関する取組を記載しております。
最後100ページ目になりますけれども、我が国の循環産業の国際展開ということで、18行目から、日本の優れた制度、優良事業の共有、あるいは人材育成と技術の輸出といったことに関する各種戦略に伴う取組を記載しています。
少し雑駁なりましたけれども、以上でございます。
○保全統括官 続きまして、資料2をご説明させていただきます。計画第5章の指標の検討状況のご報告でございます。前々回の9月28日の部会で一度進捗をご報告させていただいており、今日は、その後の進捗のご報告ということになります。
スライドの1ページは、9月の部会でご報告したときと同じもので、ワーキンググループのメンバーなどになります。
スライド2ページに開催状況をお示ししておりまして、全4回の開催予定、次回2月14日に議論をまとめていただく予定でございまして、本日はこれまでの検討状況をご報告させていただきます。
スライドの3ページには、指標の体系を現行計画よりもシンプルにしたいということを書いてございます。左側に現行計画について記載しておりまして、中ほどにございます循環型社会形成に向けた取組の進展に関する指標、こちらは重点項目別に、代表指標、補助指標を設けておりますけども、非常に精密に設定した結果、一番下の枠囲みにございますように、約140の指標が設定されており、少し細かすぎるとか、国で行っている行政事業レビューで見ているものと重複するなどご指摘いただいているところでございます。右側に次期計画ではどうしたいということを記載しており、全体像に関する指標は10指標程度、その下に循環型社会形成に向けた取組の進展に関する指標、すなわち重点分野ごとの指標は、大きく数を絞り、重点分野ごとに3指標程度にできればということでございます。
その際、できるだけ重点分野で示されている方向性に向けた達成状況を示すような、いわゆるインパクト指標、最終アウトカム指標といったものにしたいと9月にご報告させていただいたところですが、実際にこの方向で選定作業を進める中で、大枠で捉えたような指標にしようとすると様々な要因が影響するものになり、かえって今後5年間の取組の寄与が見えにくくなったりといった感度の問題も生じるということが改めて分かりましたので、そういった場合は、適宜見たいものが見られるようにもう少しブレークダウンした指標にするようなことも検討しております。具体には、後ほどの指標(案)のスライドで、またご説明させていただきます。
スライドの4ページは、全体像の指標(案)でございます。前回の部会でいただいたご助言を受けて、6番目の「再生可能資源等の投入割合」を追加してございます。こちらも含め、次期計画で新たに設定する指標については、名称の吟味も含め、また14日のワーキンググループで詰めていただきたいと考えてございます。
スライドの5ページは、これらの10個の全体像の指標について、マテリアルフロー上でどの段階に関係するかをイメージしやすいよう可視化したものを新たに作ってみたというものでございます。こちらも今後もう少しきれいに仕上げていく予定でございます。
スライドの6ページ以降に重点分野ごとの指標(案)を示してございます。
重点分野の一つ目の「循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり」のみ、こちらは本文も社会の全体像・大枠のような記載になっていますので、ほかの重点分野とは異なる扱いで、全体像の指標をそのまま使う方向で考えてございます。
重点分野の二つ目の「動静脈連携によるライフサイクル全体の徹底的な資源循環」については、まず循環経済工程表からの流れを受けて、1)の素材・製品別のライフサイクル全体における資源循環状況、そのほか、資源循環経済の主な要素についての進展を見ていくというメッセージ性も考えまして、例えば、Renewableということで、2)の再生可能資源の投入量、具体的に把握できそうなものとしては、バイオマスプラスチックの導入量あたりを見てはどうかと、それから、3)のリユース市場規模であったり、スローイング、すなわち、物質循環をゆっくり回すという観点から、4)の良質なストックの蓄積に関する指標、内容は検討中ではございますが、この四つでどうかということでございます。
スライドの7ページに移りまして、重点分野三つ目の「多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現」については、まず、1)の地域循環共生圏形成の取組で、地方創生につなげるということで、この取組を行う地方公共団体の数でありますとか、2)の地域特性を活かした廃棄物の排出抑制・循環利用の量など、3)の廃棄物エネルギーの外部への供給といった、それぞれの地域で工夫が期待されるような内容にしてございます。また、4)のごみ処理の広域化、集約化、こちらは次期計画期間内に更新時期を迎える処理施設が多くございますので、この機会を捉えて数十年後も見据えた広域化等を重点的に進めたいということで、具体の指標を検討中でございます。
重点分野の四つ目の「資源循環・廃棄物管理基盤の強靭化と着実な適正処理・環境再生の実行」につきましては、まずはDX化等の進展について見ることができるよい指標がないか検討したのですが、華々しい指標を現時点で設定するのはなかなか難しく、現在の計画にございます電子マニフェストの普及率を少し発展させまして、1)産業廃棄物発生量に対する電子マニフェストの捕捉率としてございます。加えて、やはり廃棄物処理の一丁目一番地ということで、2)の最終処分場の残余年数や、3)の不法投棄・不適正処理量などは欠かせないだろう、ということに加えまして、4)の災害廃棄物対策の備えに関する指標を検討中でございます。
スライド8に参りまして、重点分野の五つ目の「適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進」につきましては、我が国の優れた処理技術を活かした貢献といたしまして、まず、1)の特定有害廃棄物等の輸入量ということで、当面の間は、途上国で適正処理できないようなものを積極的に引き受けていく方向、中でも、2)のE-wasteの輸入量で、我が国の優れた技術を用いて有用な資源を回収する、これはひいては経済安全保障にも資するという意味でも重要かなということで挙げてございます。逆に、我が国の優れた技術を途上国などにも展開していくことも重要ではないかということで、3)の焼却設備、リサイクル設備、浄化槽等の輸出額を入れてございます。
以上、見ていきたいものがたくさんある中で、数を絞ってシンプルにするというのがなかなか悩ましい中、現状このようになっているというご報告でございます。14日のワーキンググループでさらに精査いただきますけれども、本日コメントなどいただきましたら、それもお示しし、14日にご議論いただきたいと考えてございます。駆け足で恐縮でございますけれども、以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。資料と1と2と、それぞれご説明をいただきました。それでは議論に移りたいと思います。
ただいまのご説明に対してのご質問、ご意見等のある方、会場参加の方は名札を立てていただくようお願いいたします。オンライン参加の方は、挙手ボタンを押してください。
それでは、オンラインのほうから手が挙がっておりますので、ご指名してまいります。まず、浅利委員からお願いできますでしょうか。
○浅利委員 ありがとうございます。まず資料1の基本計画のほうは、多くの意見を取り入れていただきまして、大分整ってきたのかなと。ちょっとボリュームが多いので、いかに伝えていくのかというところは、また別の議論が要るかと思いますが、作業に感謝したいと思います。
資料2の指標に関して、こちらもすごく苦労されながら検討いただいていて、しかもしっかりと議論していただいていることがよく伝わったんですけれども、具体的な重点のところで、地域の実情に応じた廃棄物処理の仕組みを考えていくための検討があったかと思います。
地域の循環システムの構築、地域創生ということで、恐らくその2のほうが、特に地域特性を生かして、地域自立型みたいなことを見ていくという形かなというふうに理解しています。
一方で、(4)のごみ処理の広域化、集約というのがあって、多分この(2)とか、(4)とかを組み合わせて、(1)につなげるという形なのかなと思いまして、ここをうまく、個別の指標もそうなんですけれども、関連性も含めて、表現できるにしていただく必要があるのかなというふうに思いました。
あと最後の5のところで、E-wasteを挙げていただいておりますが、等としていただいてもいいのかなと。というのも、ELVの関係では、再生プラスチックの供給とか、もちろんその付随するレアメタルの話もあるかと思いますので、ここも可能性も含めてですけれども、検討いただけたらというふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうも浅利委員、ありがとうございました。
それでは一通りご質問、ご意見をお聞きしたいと思います。
引き続いて、橋本委員、お願いいたします。
○橋本委員 計画の取り扱う範囲が、すごく多様になっている中で、どういうふうに整理して、計画としてつくっていくのかというところで、非常に難しいなと思いながら聞かせていただきました。
その中で何点かなんですけれども、1点目、2.3.の地域循環システムのところに、産業施設、施設計画のところで少し議論させていただいた、産業施設等における大規模熱利用について記載していただいていて、将来的にCCUSとか、大規模熱利用を考えると、広域化、集約化、大規模化みたいなことが必要になってくるわけですけども、その作業に合わせてCCUSも含めて考えると、立地みたいなことも必要になってきて、その辺の施設整備のところ、この先を考えていくと、今の段階でどうやっていくのかというのを考えるのは非常に重要だと思うんですけども、その点を4章の中の国の取組の中にも記載いただけるといいのではないかなというふうに思いました。あるいは、3.2.2.の地方公共団体の役割の中でも、そういったことも出てくるのかなというふうに思いました。これが1点目です。
2点目は、これ整理論なんですけども、サスティナブルファイナンスとか、ESG投資とかついても記載をいただいていて、これも重要だと思うんですけれども、現状、そのワードで検索すると、2.3.の地域循環システムの中、あるいは4.2.徹底的な資源循環、4.4.適正処理、例えば2.4の適正処理、こういったところにサスティナブルファイナンスとか、ESG投資の話が出てくるんですけども、これ、どこでどういうふうに議論するのがいいのかというのはあると思うんですけども、どちらかというと、統合的な取組の中で整理する方がいいんじゃないかなというふうに、現状でもちょっと2章と4章で、どこに記載するのかというのが、ちょっとばらばらしている感じもしましたので、ご検討いただければなというふうに思います。
3点目は、様々な意見を盛り込むと、この文章がどんどん長くなっていくという側面があると思うんですけども、再掲の部分を含めて、重複するような表現が違う言葉で述べられているものも結構あるなと思いながら聞かせていただいたので、少しその短くできて、コンパクトにできるといいかなというふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは次に、枝廣委員からお願いできますでしょうか。
○枝廣委員 はい、ありがとうございます。全般的に非常に包括的で、体系的、多面的なものになっていると思います。
私からは1点、国民含め、今後いろいろな事業者の主体者にとっても非常に大事な道しるべになると思っていて、その点で1点検討いただきたいことがあります。
それは地域で困っているバイオマス系の廃棄物です。例えば、間伐材や竹、剪定した枝、食物残渣、籾殻などを熱分解して炭化する技術が大変実ってきて、現在世界的な流れになってきています。炭化で炭にして、地域でのエネルギーや土壌改良材として循環を行ったり、もしくはそれを土中に埋めることで炭素を固定化することができます。脱炭素にも資するということで、日本でも今各地で農業者、林業者、そういった取組をしようと始めているところも多々あります。世界の動向も今そちらに向かっていますし、日本でもJクレジットの対象になっておりますので、そういった観点もぜひ入れていただければと思います。
あと指標についてもいろいろ考えられていて、なるほどと思いながら拝見していました。こういったことは、特に数字が後でひとり歩きする、もしくは数字に皆さんが注目されるので、どういった指標にしていくかというのは本当に人々の行動にも影響を与えるので大事な取組だと思っています。
以上、私からのコメントです。ありがとうございました。
○酒井部会長 枝廣委員、どうもありがとうございました。
では続いて、船越委員、お願いいたします。
○船越委員 私からはコメント1点です。
30ページ目からのところに、循環型社会形成に向けた取組の中長期的な方向性ということで、項目立てて書かれています。ここの30ページ目以降の、2.のところが、このレポートの一つの大きなコアだと思っていますが、それぞれの項目ごとに、隅つき括弧で、【背景・課題】、【政策の方向性】、【将来像】というふうに書き分けられているわけですけども、かなり楽観的な書きぶりとの印象を受けます。
具体的に申し上げると、2.2.の動静脈連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環ということで、【背景・課題】、【政策の方向性】、【将来像】があるわけですけども、背景なり、あるいはうまくいっている事例については紹介があるわけですけども、先ほどの間伐材の件などもそうだと思うんですけども、リサイクルできると非常に良いのだが、それがなかなか進まないという現実、即ち、リサイクルするのに、費用、コストがかかり、短期的にはリサイクル品が高くなる。従って、リサイクルがなかなか進まないという現実が、全く語られていないということです。
なかなか進まないということを具体的な事例も挙げながら、そういったものこそリサイクルを進めるべきということを課題として提起し、そうしたものを国の政策支援も含めて、どう進めていくといった議論が一番重要だと思います。そういうことがなくてもリサイクルが進むんだったら、何も心配はないわけですけども、ここに書かれてるような将来像に、そうは簡単にはならないわけで、なぜそうならないのか、そうするためにはどうしたらいいのかというのが政策の方向性で触れるべき内容だと思います。
毎回申し上げているわけですけども、やはり短期的には経済的、合理的でないものこそリサイクルを進めていかないことには、本来的な循環型社会形成にはならないわけで、そういう意味で33ページ目の6~8行目辺りに、「この際、各主体にとって短期的に経済合理的ではないが長期的には国民の経済的負担の軽減にもつながる取組も必要に応じて実施されるようにしていくことが必要となる。」と、3行ぐらい書いていただいているんですけども、ここが非常に重要だと思います。短期的には経済合理的ではないけども、長期的には負担につながることを政策誘導も含めてやるというようなこと、それ以外にもあると思うんですけども、進めていく上での課題があるはずであり、それに言及していない2.2.の内容は、非常に言葉を選ばずに言えば、きれいごとに見える感じがします。経済合理的ではないものをどう進めるかということだけではなく、色々とある課題について丁寧に書いていただかないと、この将来像にはならないのではないかということを強く思っています。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。多くの手を挙げた上げていただいておりますので、ちょっと要点を押さえたご発言をお願いできれば恐縮でございます。若干差し出がましいことですが、お願いいたします。
髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋委員 ありがとうございます。まず、ほかの委員もおっしゃっておられるとおり、大変大きな道標となるような計画をまとめられたことに敬意を表したいと思います。
一方、幾つかちょっと楽観的に過ぎるかなと思う表現がございましたので、少しだけ申し上げておきます。例えば38ページですが、太陽光発電設備については、適切なリユース・リサイクル・処分が確実に行われているとあります。でも現実には、土砂災害とか、景観破壊とか、不良品の大量廃棄とか、いろいろな問題が引き起こされ、メディアでもよく報道されています。その状況で今現在、確実に行われているとあると、本当かな、となると思いましたので、丁寧な説明というのが必要なのではないかと。またそのためには、政策的にも足りないところがあると思いますので、例えば認証とか、ラベリングとか、いろいろな方法があると思うんですが、今後の検討課題を書き足す必要があるのかなと思いました。
次に48ページです。東日本大震災以降の原発事故によって、汚染土問題は、今もずっと続く問題ですが、国民の理解のもと、適正かつ安全に処理を進めていると書いてしまうと、ちょっとミスリーディングかと。合意形成もできてないところもいっぱいあります。そういった意味では、例えば、国民の理解のもと、適正かつ安全に処理を進めるよう努めているぐらいの表現にとどめるほうがいいのでは思いました。
あと、私は環境政治学が専攻ということもありますので、主体間の連携の在り方が気になりました。51ページのところです。例えば、関係主体との連携のもと解決へと導いていくとありますが、この連携の在り方というのが重要です。上が決めたことを下が粛々と守っていくのではなくて、地域のレベルでの市民、あるいはNGO、あるいは事業者さんが持っているようないろいろなアイデアを、むしろ吸い上げていく。あるいはそれをやろうとしている企業や自治体があっても、うまくいかない場合、どういうふうに課題を一緒に解決していけるのか伴走するような姿勢というのが、行政とかにも求められているのかなというふうに思っております。そういった意味では、いろいろな意見を吸い上げる、耳を傾けるというようなニュアンスを含めるのも重要ではと思いました。
最後もう一点だけ、資料2についてです。こちらも本当にご苦労されて、まとめられておられるとおもいます。前回、全般にどちらかというと自然科学系の数字ばかりではないかと申し上げて、もう少しガバナンス的な目標も重要ではと申し上げました。この辺について、8で、例えば循環型社会形成に関する国民の意識行動とか、いろいろお考えになっておられ、敬意を表したいと思います。
一方、私が気になりましたのは、重点的な分野の3番目のところです。多種多様な地域の循環システムの構築と地方再生実現、これはとても重要なことだと私も思っております。ただ、これ自治体のその公共団体数だけにしてしまうというのは、本当にいいのかなと。資料1の循環型基本計画の中では、協働とか、パートナーシップとかが、とても重要視されているので、パートナーシップに基づいているのか、イノベーティブな取組があるのか、といったことも指標に入れてもいいと思いました。
すみません。長くなりましたが、以上です。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは次は、髙村委員、お願いできますか。
○髙村委員 ありがとうございます。私から大きく3点申し上げたいと思います。
前提として、現在、第六次の環境基本計画の議論をしておりますけれども、諸課題の統合ということを大きな基調にしていただいて、それぞれこの循環分野での課題、現状と課題、整理をしていただいていると思います。お礼を申し上げたいと思います。
1点目は、橋本委員がサステナブルファイナンス、ESG投資の記載について言及された点についてです。私もお願いでもあるのですけれども、やはりこの計画の中で、取組が必要とされていることの多くが、企業の資源利用、あるいは廃棄物対策など、サスティナビリティ情報の開示を求められるものも増えてきていると思っています。プラスチックが先行して投資家が企業評価に使っていると思いますし、産業によっては、もう既にそのセクターの必要な情報として開示されていると思います。EUの開示が、既に先行して始まっていることも含めてなのですけれども、こうしたやはり循環型経済社会に向かう取組をしっかり行って、企業が開示をしていくことが、企業価値の向上、これは資本市場や取引先からの評価の向上につながるということを、やはりどこかにしっかり明記をしていただくというのがいいのじゃないかと思っております。いろいろなところに書かれているのですが、多分前段の1のどこかにうまく記載していただくといいのじゃないかと。それが企業の競争力の向上にも、ここに書かれている、産業の競争力の向上にもつながるという意味で、重要な点ではないかと思いまして、ご検討いただきたいというのが1点目です。
それから2点目は、後段のところにあります温暖化対策などで新たに生じる廃棄物等への対策のところでありますけれども、大塚先生などはじめとする関係する先生方とご一緒に再生可能エネルギー設備の廃棄・リサイクルの検討会を行っておりました。
具体的に記載事項のところでご検討いただけないかというのは、ページでまいりますと80ページのところでございますけれども、確かに30年代後半以降に排出量顕著に増加するということは想定されているのですが、この検討会の中でも専門家の先生方から、非常に不確実性の多い、ある意味では災害時に既にもう廃棄物が出ていることも含めて、この排出動向について、今の書きぶりですとかなり角度の高い情報のように、このタイミングについて読めるように思っております。検討会の取りまとめでは、不確実性が多いので、したがって早期に計画的に検討するというふうになっていると思っていまして、ここのところは表記ぶりを検討いただけないかと。
もう一つが、ここにあります必要な取組を検討していただくというのは、本当に重要だと思うのですけれども、今申し上げました、場合によっては30年代に入ってから間もなくでも相当量が出てくる可能性もあるので、やはり早急に、計画的に検討を進めるということは書いていただくことが必要ではないかと思っております。
それから最後でありますけど、指標についてです。指標について今、検討を進めていただいていると思っていまして、今、出していただいている指標案について、今ここで具体的にということではないですけれども、むしろこれは環境政策を統合的に進める上で、いかに、いわゆる循環の分野以外の様々な関連をする、場合によってはサイドエフェクトが生じる、あるいはシナジーが生じる、ここをどういうふうにうまく取り込む指標をつくるかということは別に課題であると思っていまして、むしろこれは環境基本計画等を見合いながら、これも統合的に検討する必要があるかもしれませんが、やはり一つの課題としてあるように思っております。現在の出されている、この循環の指標として大きな異論はないのですけれども、統合的な国民のウェルビーイング向上というのは、どういうふうに評価をしていくのか、進捗を図るのかというのが課題だと思っております。3点目はコメントです。
以上です。
○酒井部会長 どうも、髙村先生、ありがとうございました。
それでは、続きまして大久保委員、お願いいたします。
○大久保委員 ありがとうございます。私からは1点だけ。
資料1のほうは大変まとまった形にあるべき姿が見えてきた、明確になってきたと思います。
他方で、先ほど船越委員や髙橋委員からご指摘がありましたように、実際にうまくいかないものをどうするかという部分については、具体的につないでく施策と、それからこの全体像等をつないでいくものとして指標があるのではないかと考えます。その観点から資料2の指標の、先ほどこれも浅利委員、髙橋委員からご指摘がありました、3の2)と1)でございますけれども、地域特性を活かしているという2)の指標は選定理由と見ますと、これまで焼却処理に回っていたけれども、他の手法による循環が見込めるとなっています。これは、地域にどれくらいポテンシャルがあるかが示されないと、量だけ出てきても分かるのかということがございますので、ポテンシャルが示されて、それに対してどれぐらいの割合というほうが適切でないかとも思われます。そして、1)のほうは簡単過ぎるのではないかというご指摘が、先ほど髙橋委員からありましたけれども、1)と2)をもう一度再構成する形で、ポテンシャルを示して、その割合のような形で再構成することは可能なのではないかと思います。3番目の指標は、何が課題となっていて、何が先駆的にできているのかということを示せる、グッドプラクティスと課題を示す上で大変重要な指標かと思いますので、この点、もし、より具体的なお考えが現時点でございましたら、お聞かせいただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 大久保先生、ありがとうございます。
では、引き続き、根村
委員どうぞ。
○根村委員 ありがとうございます。2点申し上げます。
この度は大変な作業をしていただきまして、ありがとうございました。
それで細かいところで本当に恐縮なんですけども、文の順番であるとか、表現を整えていただきたいようなところが何か所かあるように思いましたので、ゆっくりやっていただけるとありがたいなと思っています。
例えば、54ページの13行目、①無駄なものを買わないこと、とありますが、これは消費者にとってはすでに当然のことだと思います。⑦や⑧は一緒にしてもいいような内容ではないかなと思っております。それから、79ページ、4.2.6で自動車リサイクル法が出てきているんですけれども、これ順番を考えますと2番目と3番目の順番が逆のほうがいいように思ったりしております。
また、4.2では現状の説明にとどまっておりますが、今後どうするかはこの基本計画を基に進んでいくような部分もあるかと思いますので、どういった方向に進んでいくのかというところも少し書いていただけたらよろしいのではないかというふうに感じました。
以上となります。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、大塚委員どうぞ。
○大塚委員 すみません、ありがとうございます。環境省の別の会議があって入るのが遅くなったものですから、申し訳ありません。
さっと申し上げたいと思いますけど、一つは指標との関係で、浅利委員がひょっとしたらとおっしゃったことと関係しているかもしれませんけど、例えば、プラスチックの再生利用率ということが出ており、これは今後の指標として大事だと思うのですけど、さっきのEUの自動車のほうの規則案の発想というのは新しく作られた製品の中で使われているプラスチックの中での再生プラスチックの使用量を見ることになるので、ちょっと発想が違うんですよね。新しくつくっていく製品の中での再生利用率という、再生材のパーセンテージという、そういう発想になるので、見ているところが違うかなという気もします。環境政策としてはそこまで入り込めないのかということなのかもしれませんが、私は入り込んでいただきたいと思っているんですけど、他方で製品がたくさんあるので、そうなる目標を立てられるかとか、指標になるかという話も多分あると思うのですけど、もし、その辺について何かコメントいただけると大変ありがたいと思っています。
サーキュラーエコノミーというのは最終的には市場の中で回していかなくてはいけないので、新しい製品の中に組み込んでいく発想が実は結構大事だと思っているのですが、3R+Renewableにはそこが入っていると思うんですけども、その辺を教えていただけるとありがたいと思います。
それから、計画案のほうですけども、2点ほど申し上げておきたいと思います。1つは、資源回収拠点について、資源回収拠点はステーションという言葉も使っていただいているので、40ページとか84ページですけども、これはソーティングセンターとかも含まれるというふうに考えてよろしいんですねということを確認をさせてください。
それともう一つ、これはなかなか微妙なことになるのかもしれませんが、温暖化との関係での、カーボンニュートラルに向けての中長期シナリオ案が、まだ案のまま残っていると思うんですけども、それとの関係は、今回どういうふうな位置づけになっているかという点を教えていただければと思います。
以上3点です。恐れ入ります。
○酒井部会長 大塚委員、どうもありがとうございました。
それでは、ちょっとここで予定の時間が来ておるんですけども、会場から4名の委員、手を挙げていただいていますので、ここで会場のほうに回したいと思います。ちょっとポイントを押さえたご発言をお願いできれば幸いです。
粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ご指名ありがとうございます。それでは手短に。
1点目ですけれども、消費者の商品選択という上で表示、重要なんですけれども、その消費者の情報提供に当たって表示をどうしていくかというところの記述が何となく全体的に弱いかなと感じましたというのが1点目ですね。
2点目については、ページの79から80にかけてリチウム電池、電池のことを書いていただいているんですけれども、この中で対象が自動車と家電になっていまして、次が脱炭素に関するというところで電池をいただいています。この中で、例えば、最近普及している自転車についている電池ですとか、交通のシェアリングでいろんな形で、いろんなモビリティが出てきていると思いますけども、その中で使われている電池とか、若干ここからの表記から抜け落ちる部分がないのかなというところが一つ心配になりましたというのが2点目。
3点目として、国際資源循環体制のところなんですけれども、98ページ目の2ポツ目にグローバル全体のコンテクストとして国際的なルールや動向を踏まえていく必要という記述がありまして、4.5.2と、その後の4.5.3のところに、ASEANを中心かなとは思いますけど、念頭に、いろんな協力の体制を書いていただいてると。その中で比較的、ちょっとハードに議論が寄っているかなとは思いつつ、日本のサプライチェーンというのを考えると、ASEANとかアジアのコンテクストでもそういうグローバルなルールですとか、そういうところのソフト的な対話というところを強化していただくというのが重要ではないかというふうに感じました。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。要点抑えてありがとうございます。
岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 ご指名ありがとうございます。まず1点目に、資料1を拝見しまして、循環経済の要素を各所に取り入れ、全体としてよくおまとめいただいているように感じました。事務局に感謝いたします。
2点目です。循環経済への移行に際しては、産業競争力の強化が非常に重要な視点であり、経済合理性の確保が求められると思います。以前から繰り返し申し上げておりますし、先ほど船越委員がおっしゃったことと重なりますけれども、資料の57ページ以降の「事業者に期待される役割」の中で例示されている再生材使用は、コスト負担につながる場合が多いと想定されます。質の高いリサイクルと経済合理性のバランスの確保に向けて、基準づくりや規制緩和などをはじめとする制度の在り方、事業者の設備投資や研究開発を対象とする各種の支援に、ぜひ重点を置いてご検討いただきたいと思います。
3点目です。資料2で、モニタリング指標の検討状況が提示されています。かじ取りを誤らないように適正な指標でモニタリングすることが非常に大事だと思います。一方、特定の指標を設けることが、即、規制強化といったようなことにつながらないよう、政策的な対応には柔軟性を持たせていただきたいと思います。
関連して、資料2に「2.動静脈連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環」部分に「素材・製品別のライフサイクル全体における資源循環状況」という項目がございます。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを両立させるためには、サプライチェーンが大きく変化していきますので、単純な素材ごとの縦割りでの評価をするだけでよいのか疑問がございます。全体指標との組み合わせでうまく見ていけばよいのかもしれませんけれども、そうしたことについても、ご検討いただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。前回、細かい発言というか、質問などもいたしましたが、かなり修正いただきまして、どうもありがとうございます。
今回の部分ですけれども、やはり循環型社会をこれからつくっていくときに、10月の静脈産業の脱炭素化の委員会の内容とも関連しますけれども、やはり地域で循環型地域づくりを実現させていくということと、少し広域的につくっていく話とか、あちらの議論とこの辺の30ページからが連携しながらつくっているということが分かりまして、うまくそこをやっていくのが大事かなと思っております。
その中で、幾つかふと気になったのが、例えば、高い目標を掲げてみんなで取り組んでいくというのが大事なわけですけれども、例えば、これまでの委員会で日本の全てのCO2排出量の36%ぐらいは循環型社会づくりが関係しており、削減可能性があるという数字が出てきました。例えば、ああいう数字を減らしていくためには、どこをどうやっていくと減るのか、何かそういう、うまく循環型社会づくりが脱炭素につながるような使い方はできないのかというようなものを感じました。
もう1点で見れば、例えば、その食品ロスや食品廃棄物に関して、国連機関が21%から37%、これは世界全体の数字ですけれど、そのくらいのCO2、いわゆる輸送とかそういうのまで全部入れてですけれども、そういうことが関わってくるというような数字も出ていますので、そういうことに、こういう動きがどのように貢献していくのかみたいな、そんなこともイメージできるような数字の活用というのもあってもいいのかなという感じで読んでおりました。
なお、あともう2点ほどお話ししたいんですが、1点は東日本大震災のところのいろいろな記述なんですが、先ほど少し国が決めて理解をしてもらうようにしていくというような流れとちょっと違うんじゃないかというご発言がありました。
私もいろいろ浜通りの復興などに今、関わらせていただいていて、当初は国の責任でしっかりという、やはり突き上げのようなものというのは大変強かったと思いますし、今もそういう気持ちは社会にあると思います。けれども、震災から12、3年経って、どういうふうに地域と連携しながら、あるいは地域の声を集めながら一緒に取り組んでいくかという、環境政策でこれまでずっと全国でやってきた、この政策に、そろそろ国の責任から社会全体で取り組むという方向に、政策を少しずつ動かしていく大事な時期なんではないかというふうに感じておりますので、ちょっとその辺を考えて、もう一回全体の書きぶりを考えていただければうれしいなと感じました。
最後の1点なんですけれども、この指標のところで7ページに電子マニフェストの捕捉率というのがあります。今、電子マニフェストは、たしか70%を超えていますよね。ですから、それで今、脱炭素化の議論のところで電子マニフェストの、この内容をもう少し、どういうふうにリサイクルするかという数字まで入れて、少し内容を強化したらどうかという議論もしている最中なので、何かこの捕捉率だけではない、この電子マニフェストの数字を見せていくということも検討してもいいのではないかという感じがいたしました。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、末吉委員、最後にお願いします。
○末吉委員 どうもありがとうございます。膨大な計画をまとめてくださって、本当にありがとうございます。私からも幾つか意見を申し上げます。
まず1点目ですけれども、国民に期待される役割のところ、53ページの辺りですけれども、これを読むと全体的に「○○しないこと」という表現が多くて、前向きに受け止められない可能性が高いと感じた次第です。
それから、かねてから申し上げておりますけれども、循環型社会を創っていくことが中長期的にみて、国民の生活の質を高めることにつながるということを、改めてどこかに明記していただきたいです。国民にとってもそれを認識できるような普及啓発や教育なども必要であるということについても、触れていただきたいと感じました。
それから、次のNPO、NGO等に期待される役割のところになりますけれども、どこかにルール形成にもNPO、NGOも積極的に参加していくべきというような表現も入ったほうがいいかなと。ルール形成の議論にも、こうした専門性を持つ団体が入ってくることはとても重要であると考えています。
次ですけれども、環境省さんのほうでサステナブルファッションの取組、かなり力を入れてやっていらっしゃると思いますが、例えばですけれども、ジャパンサステナブルファッションアライアンスも環境省さんが関わっていらっしゃると思いますので、そういった具体的なファッションの取組もどこかに入れておいたほうがいいのではないかなと感じた次第です。
それから、88ページ辺りには学校教育のことについても記載してくださっていますが、非常に重要であると考えておりますので、明記いただいてありがたいです。その中で消費者教育もすごく大事になってきます。消費者庁のほうでも消費者教育の推進に関する取り組みの中で、持続可能な社会を目指した消費についてもいろいろと頑張っておられるので、ほかの省庁と足並みをそろえてやっていくのも重要になってくるかと思っています。
ごめんなさい、それからもう1点、先ほどのことでつけ足して言いますと、やはり消費者、生活者にとって分かりやすくて簡単な回収の仕組みの確立というのがすごく重要でして、地域でそれぞればらばらですので、そこはやはり地域の役割として、いかに簡単に消費者が回収の輪の中に加われる仕組みをつくっていく、確立していくというところは大事だと思っております。
最後にリユースに関してのことを申し上げますが、リユースの市場というのは2030年には4兆円規模のマーケットになると言われているぐらい大きくなっていくと考えられていますので、2030年にサーキュラーエコノミー市場の80兆円達成の目標にも資すると考えています。リユースの分かりやすさとか選びやすさを社会の中に広がりをつくっていくということはすごく大事だと思っておりまして、リユースへの取り組みがより明確化されるとともに消費者の行動変容につながりやすい指標の設定が重要であると考えます。ごみになる前に、リユースが行われることによって、投入される資源とかエネルギーとかCO2が削減、節約されますので、リユース市場を計測していくこと、そしてサーキュラーエコノミーでの貢献を可視化していくことというのはすごく大事であると思いますので、そういったことも指標の中に取り入れて考えていっていただけたら非常にありがたいです。
以上となります。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、この後、事務局のほうからご回答いただけるところいただきたいというふうに思います。
その前に船越委員、それから髙橋委員から、特に第2章の書きぶりが楽観的に過ぎるのではないかというご指摘をいただいたかと思います。これは、この循環基本計画、この中長期的な方向性ということで、将来像を描くような書きぶりをちょっと歴史的に取ってきていることがありまして、かくかくしかじか行えば、こういう世界が生まれます的な、そういう少しナラティブといいますか、物語的なことを描く、そういうチャプターになっているところがあります。
そこを中心に目を通していただければ、確かに今日いただいたご批判というのは真摯に受け止めねばならないのだろうと思いますが、そういう趣旨で今、事務局は作業をしているということを、まずご理解いただければと思います。
ただ、最終的にここの第2章を、どう扱うかということは今回、少し考えたほうがいいというふうに思い始めておりまして、今後の作業スケジュールとの関係次第だと思いますので、その辺りまた事務局と相談していきたいと思っております。
それでは、多くの意見をいただきましたけど、可能なところで事務局、ご回答をお願いいたします。
○循環型社会推進室長 まず資料1につきまして、簡単にご回答申し上げます。
非常に多くのご意見をいただきまして、次の回に向けて個別に直していきますが個別の委員からいただいたご意見、少し回答できる部分、ご回答申し上げたいと思っております。
ご質問を幾つかいただいておりました。大塚先生から回収拠点ステーションのところにソーティングセンターは入るのかというお話がございましたけれども、ソーティングセンターにつきまして、今のところ明示的にその中に入るというふうには書いてございませんが、今、プラ法が施行されまして、容リプラに加えて製品プラの一括回収が始まっております。このプラスチックそれぞれ性質が違いますので、これを一括で集めたときに、どういう設備がいいか、どういうシステムがいいかということの中に、ソーティングセンターみたいなことがアイディアとして出てきて、実験みたいなことも取り組まれているということは承知をしておりますので、どのような書きぶりができるか、ちょっと検討してみたいと思います。
あと中長期シナリオとの関係はということがございましたけれども、これにつきましては廃棄物処理システム全体としてCCUSをどういうふうにしていくのか。あるいは、廃棄物処理システムの広域化、長寿命化という、施設整備全体の方針もございますので、こういうものと相まって一体的に次の検討を進めていきたいとに思っておりますということを、ご回答申し上げて、この場は終わらせていただきたいと思います。
○保全統括官 資料2について、手短にお答えさせていただきます。
重点分野の3番のところで、数名の委員から、再構成を考えた方がよいのではないのか、また、地域循環共生圏について、取組を行う地方公共団体の数だけではなく、もう少し詳しく見たらよいのではないか、といったご助言をいただきましたので、改めて見直してみたいと思います。なお、地域循環共生圏に取り組む地方公共団体数については、定量的に見ていこうとすると、それができるのはこれぐらいかなということで、確かに少しバランスがよくないところはございますが、現時点ではこうなっているところでございます。フォローアップの時に、例えば、優良な事例も取り上げるなどといった工夫もあるのではないかと思いますので、事務局でも検討してみたいと考えております。
それから、大塚委員より、プラの再生利用率について、新しく作られる製品中の使用割合で見たらよいのではないかということについて、ご質問の形でいただいておりますが、ご助言として受け止め、検討してみたいと思います。
その他、各委員からいただきましたご助言を踏まえ、14日のワーキンググループで改めてご議論いただこうと思っております。ありがとうございます。
○酒井部会長 ポイントを押さえた回答をいただけたかと思います。今後の作業に生かしていただくというところでのご意見というところで、それぞれ重要なご意見としていただいておりますので、書きぶりに関しても、それぞれ文書の順番であるとか、それから表現、これでは国民に伝わらないだとかいったご意見もございましたので、そのあたりは作業の中でともに注意して進めてまいりたいと思っております。
それと、高村先生から指標に関して統合的な、あるいはサイドエフェクト、シナジーを反映できるような仕様ということの検討をということで、ここも考えさせていただきたいと思いますが、なかなかお眼鏡にかなうようなものが最後出せるかというところは、最初から何か防波堤を張っていますけれども、ちょっと努力をするというところで今日のところは私のほうから話しすることでご勘弁いただければと思います。
それでは、今日の資料1の関係、このあたりにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうしてもというご意見ございましたら、手を挙げていただければと思います。
それでは、議事の二つ目のほうに進ませていただきたいと思います。食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定についてでございます。今日、この食品リサイクル専門委員会の石川委員長、そして廃棄物適正処理推進課の松﨑課長から、資料3-1の説明をよろしくお願いいたします。
最初、石川先生からですかね。石川先生、お願いできますでしょうか。
○石川委員長 石川です、どうも。それでは、私のほうから資料3-1に基づきまして、今般の基本方針改定の背景と経緯について、ご説明いたします。
それでは、資料3-1の1ページめくっていただいて1ページ目。この中で、まず上の囲みのところを見ていただきたいのですが、昨年6月、規制改革実施計画と、一昨年12月の地方からの提案等に関する対応方針において、食品リサイクル法関連の項目がありました。
それらの項目を対象として、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会及び食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の合同会議において、3回にわたり検討、議論をしてまいりました。
その結果が、昨年12月報告書、今後の食品リサイクル制度のあり方という形で取りまとめられております。この報告書の中には、まず基本方針におけるエネルギー利用の推進等の位置づけというのがあります。これに関する具体的な対応として、基本方針の改定の方向性が盛り込まれております。
そこで報告書を受けまして、基本方針の改定については中央環境審議会に諮問がありまして、合同会合での審議等を経て、基本方針の改定案を取りまとめました。
今般の改定案を中央環境審議会答申として取りまとめるためには、循環型社会部会でのご審議が必要です。本日ご審議いただくのは、そういう趣旨でございます。
それから、追加ですが、報告書及び基本方針の改定案というのは、規制改革実施計画等に定められた項目に絞って取りまとめてあります。これは5年に1度、食品リサイクル法に関する施行の現状を把握して、内容について見直すという作業を行っているのですが、次の見直し作業は令和6年ということになっておりまして、そちらで全体の見直しを行う予定ですので、今回の基本方針の改定案というのは、規制改革実施計画等に定められた項目に絞ったものとなっております。細かい点については、事務局のほうから説明をお願いいたします。
○廃棄物適正処理推進課長 石川先生、ありがとうございました。それでは、事務局から基本方針改定案の内容のご説明をさせていただきます。
答申案の全文につきましては、資料の3-2にございます。また、基本方針の新旧対照表の案については、参考資料3にございますけども、ここでは主に、先ほど石川先生からご紹介いただきました、この資料3-1を用いまして、改定案のポイントをご説明いたします。
1ページ、引き続きご覧いただければと思います。今、石川委員長のほうからございました上の囲みの下に、昨年12月に取りまとめられました合同会合の報告書の概要が記載されております。昨年12月11日で、この本循環型社会部会で、この内容をご説明させていただきました。その際に、このページに記載しております3点のうち、1.基本方針におけるエネルギー利用の推進等の位置づけ、これに関する具体的対応、方向性、赤枠で囲っております、この内容につきましては、今後、基本方針に反映していきますという旨をご説明させていただきました。
この赤枠の内容に記載されております3点を踏まえました基本方針の改定案につきまして、合同会合の審議を経て、取りまとめられました内容を2ページから4ページにかけて記載しております。
順次、ご説明いたします。まず1点目のエネルギー利用の推進につきまして、2ページをご覧ください。報告書では、基本方針に定める再生利用等の優先順位、これを維持した上でエネルギー利用の推進も含めた再生利用の推進がカーボンニュートラルの実現の観点から重要であることを強調することが適当であるとされました。これを踏まえまして、基本方針の改定案では、このページの点線の枠内にございます内容を追記したいと考えております。
まず、基本方針の冒頭部分に、この枠内に書いておりますが、再生利用の推進やエネルギー利用の推進に関連する動向としまして、一段落目に書いておりますとおり、食料安全保障の強化が重要課題となっており、生産資材の国内資源への代替転換の推進に資する、食品循環資源の再生利用等の取組の、より一層の促進が求められていることを記載するとともに、二段落目になりますが、2050年カーボンニュートラル、そして2030年度削減目標の達成の観点から、食品循環資源の再生利用等を通じて、温室効果ガスの排出削減にも貢献することが求められているということを追記してございます。なお、これらの記述については報告書に記載された内容を踏襲したものでございます。
また、おめくりいただきまして、3ページの下段のほうの点線枠内、ご覧いただければと思います。再生利用に関する取組の抱負を記載しているパートが基本方針にございますが、その中に、この点線枠内にございますとおり、再生利用等の優先順位を維持した上で、エネルギー利用の推進も含めた再生利用の推進を通じて、カーボンニュートラルにも貢献することが重要であるという旨を追記したいと考えております。
次に、報告書の2点目の食品関連事業者以外のものについてでございます。同じページ、3ページの上段をご覧ください。報告書では、学校給食や社員食堂など、食品関連事業者以外の者についても、職員同士の削減も含めて、職員循環資源の再生利用等に努める必要があるということから、持続可能な社会を構築していくためには、社会全体での取組が重要である旨をさらに強調することが適当であるとされました。そこで基本方針の改定案では、この3ページ上段の点線枠内に記載されておりますとおり、食品廃棄物等に関わる多様な主体の参加の下で、社会全体で食品廃棄物等の削減に取り組むことが重要であるという旨を追記してございます。
最後に3点目の焼却・埋立の削減目標について、4ページご覧ください。現行の基本方針では、再生利用等の実施率に関する目標が定められております。この再生利用等を実施していない食品廃棄物等は、おおむね焼却・埋立されるということから、再生利用等の実施率を100%から差し引くと、焼却・埋立の実施率が自動的に算出されます。
先般、取りまとめられた報告書では、この再生利用等が実施されていない食品廃棄物の存在を明らかに認識した上で、再生利用等の実施率を高めようとする意識が、より働くようにという観点から、焼却・埋立の削減目標を参考地として設定することが適当であるとされました。そこで基本方針の改定案では、この4ページの点線枠内のとおり、焼却・埋立実施率による参考目標を定めるものとし、食品関連事業者の種類ごとに100%から再生利用等実施率目標を差し引いた値を参考目標として追記してございます。
以上が今回の基本方針改定案の追記の内容でございますが、これらのほか、食品ロス削減推進法などの関係法令の制定案、改廃状況の反映など、情報のアップデートを含めて、所要の修正等を行ってございます。
5ページをご覧ください。5ページは検討経過と今後の予定でございます。今年度内に答申、そして基本方針改定の告示を行い、令和6年度、冒頭、石川委員長ございましたが、5年ごとの基本方針の見直しにかかる審議を令和6年度に予定してございます。参考資料については、また後ほどご覧いただければと思います。
ご説明は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、ただいまのご説明にご質問からご意見のある方、意思表示をお願いできますでしょうか。対面の方は名札を立てていただき、そして挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
それでは、崎田委員から手が挙がりました。よろしくお願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。私は、これの検討の委員会に参加しておりますので、細かい部分では、もう意見を言い尽くしておりまして、いろいろ考えていただいて、ありがたいというふうに思います。
それで、今回やはり全体論ではなくて国の規制改革の委員会のご指摘のところだけお返事しているということですので、私もこの内容に賛同しています。
前回のこの委員会でも発言いたしましたが、やはりこのリサイクルになる前の発生抑制目標というのを、もっとこの食品リサイクル法の中でも、分かりやすくしていくようなことが今後の検討課題で重要だと、かなり発言をさせていただきました。今回の文書を拝見すると、文書の中の最初の文章には、かなり食品ロスの削減の大事さとか、そういうことも入れた上で今回の内容に入っていただいておりますので、そういう意味ではかなりお考えいただいたというふうに認識しております。
今後の、また全体論の検討のときにこういう内容も踏まえて検討に参加をしていければというふうに思っております。ありがとうございます。
○酒井部会長 崎田委員、どうもありがとうございます。
それでは、あとオンラインで髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 ありがとうございます。髙橋です。
まず取りまとめについて、大変分かりやすいご説明をありがとうございました。幾つかコメントがあります。まず今回は食品管理業者を中心というお話であることは理解したのですが、食品関連業者だけじゃなくて、そろそろ家庭系廃棄物についても着手が必要と個人的には思っておりましたので、そういったことが法的に含まれるのかどうか、今後の検討になるかもしれませんが、知りたく思いました。
2点目が、ページでいうと1ページ、3ページのところになるんですけれども、食品関連事業者以外のものも再生利用等に努める必要があるということで、そのとおりだと思うんですけれども、この点については実際、発生抑制をしたいと思っているけれども、選択肢がないという場合も結構あります。選択肢を増やすためにも、ほかの主体の参加、意見を吸い上げていく、というようなこともとても重要と思います。
あとエネルギー利用について、私も大変可能性が高いと思っていますが、対策オプションのヒエラルキーでは、堆肥化等々よりは下位に位置づけられると思います。より上位の既存の良好な取組がある場合は、それが損ねられないようにするということも、とても重要ではと思いました。
より重要なのは、先ほど崎田委員もおっしゃった点なんですけども、発生抑制でありまして、発生抑制については具体策というのが、なかなか書かれていないかなと。でも、例えば、今でも3分の1ルールのような習慣・慣行は発生を増やしている、これに対して自発的取り組みは始まっていると理解しておりますけれども、そういったいろんな取組を政策的に位置付けてさらに促進させることも重要かと思いました。あとは、フードバンクの活用とかこども食堂とか、WIN-WINな取組についても、例えば目標を定めるとか、増やすしかけがあってもよいと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうも髙橋委員、ありがとうございました。
それでは、お二方からご意見頂戴しました。どうぞ。
○廃棄物適正処理推進課長 崎田委員、髙橋委員、どうもありがとうございます。
まず、両委員からご指摘いただきましたのが、発生抑制の重要性でございます。これは我々としても、やはり一番最初にやるべきことが、この発生抑制でございますので、先ほど崎田委員のほうから食ロスの話ですね、食ロス法も令和元年に定められまして、その見直しも来年度に行われるということでございます。
環境省としては、この発生抑制について家庭系、事業系両方ありますけども、その両方を削減していくことが2030年の食ロス半減の目標の達成につながるということで、事業系については、この食ロス法でもいろいろな目標を定めておりますが、家庭系についても、やはり重要でございます。
対策は、なかなか容易ではないのですけども、どういう対策に効果があり得るのかということについて、我々のほうでもいろいろな観点で分析しているところでございますので、次の見直しの審議のときには家庭系に関しても、どういう対応策が出来得るのか、推進すべきなのかということについてご議論いただければと考えております。
そして、髙橋委員のほうからございましたけども、食品関連事業者以外の方の対策という中で、そのリサイクルもそうですけども発生抑制の対策、どういう取組が可能なのか、あり得るのかということに関しての選択肢、情報提供も重要だと考えております。その事例をしっかりと取組を整理して、それを発信することも大切だと思っております。これも5年見直しの際に併せて検討していきたいと思います。
あと優先順位のご指摘の点、おっしゃるとおりでございます。この優先順位の考え方というのは、食品リサイクル法が出来てから堅持されておりますけども、それをしっかり進めていくために飼料化のさらなる推進も含めて、どのような方策が可能なのかということも基本方針の5年見直しでご議論いただければと思っております。さらに発生抑制の観点でいいますと、先ほどキーワードをお出しいただきましたフードバンク、3分の1ルール等々については、これは環境省のみならず、関係省庁含めて、政府一体となって取り組む必要がありますので、食ロス法のさらなる検討と合わせてご審議いただけるように準備していきたいと思います。
ご指摘、ご助言ありがとうございました。
○酒井部会長 ご意見をいただき、そして、また事務局のほうからお答えをいただきました。
今回の基本方針改定、部分的な改定とはいえ、冒頭部分で基本的姿勢を幅広くしっかりと書き込んでいただいていることというのは将来を見据えて、いい整理をしていただいていると思います。つまり安全保障観点がしっかり書き込まれたこと、それと脱炭素化、カーボンニュートラルへの姿勢をしっかり示されたという、こういう点で今後の基本方針の議論にも資する整理になっているかと思います。そのように拝見しております。
それでは、今回ここでご意見頂戴し、そしてそのいただいた意見、今後の施策の参考にさせていただけるご意見であったかと思っております。そういうことではございますが、答申案の修正を要するまでのご意見はなかったと拝察をしております。すなわち、この答申案は、この専門委員会で、また、あらかじめ十分に審議済みであるということを踏まえまして、本日の案で事務局には環境大臣への答申に向けた手続を進めていただくということにしたいと思いますが、そういう方針でよろしいでしょうか。特にご注意がございましたら、手を挙げてください。
(了承)
○酒井部会長 それでは、了解いただいたということで進めさせていただければと思います。どうもありがとうございます。
それでは、事務局のほうで必要な手続を進めてください。これで議題の(2)は終了とさせていただきます。
次に議題の(3)といたしまして、事務局から報告事項が二つございます。両報告事項について、事務局から説明をいただいたのち、二つまとめて質疑応答ということにさせていただきたいと思います。
まず、災害廃棄物対策室の松﨑室長から、参考資料の4についての説明をお願いいたします。
○災害廃棄物対策室長 それでは、参考資料の4で、能登半島地震における環境省の災害廃棄物対策について、ご紹介、ご報告させていただきます。資料は5ページございますけども、1ページ目に全体の総括、記載されております。この資料を中心にご説明させていただきます。
まず上の囲みでございますが、災害廃棄物対策の基本方針でございます。これは全ての災害対応に共通するものでございますが、まず環境省としては本省のみならず、現地に職員を派遣しまして、被災市町村の状況、ニーズに即してきめ細かに対応していくというのが基本スタンスでございます。支援の局面ですが、災害廃棄物については大きく分けて三つステージがございます。
まず、一番左の1.ですが、生活ごみ、日常発生する、し尿・生活ごみでございます。災害廃棄物はもちろん発生するんですが、災害が発生した場合には避難される場合に非常に多く、また廃棄物処理施設などの被災が起こるということもございます。毎日発生する、このし尿・生活ごみを絶やさず適正に処理するということは重要でありまして、発災後から特に応急期において、この対応が重要となります。
二つ目が、災害廃棄物の撤去でございます。通常の生活ごみに加えて、災害時は一度に大量に災害廃棄物が発生します。これを片づけて出てきたものを仮置場に適正に、円滑に運搬して、仮置き場で管理すること。また、もう少し先のステージになりますが、家屋の解体も今後、非常に多く行われます。これの撤去、仮置き場への搬出、これも非常に重要となりますので、全国の市町村、民間事業者さんとも連携しながら、この収集運搬をしていく、その支援が重要です。
3ポツ目が、仮置場に入れた廃棄物を計画的に処理するというものでございまして、このステージでは広域処理も含めて、大局的な計画を立案して進めていく、これを支援する必要がございます。
それでは、下のほうですね。今回、今現時点では生活ごみの処理と災害廃棄物の撤去が主体ですので、これに関する環境省の取組、ご紹介します。
まず1ポツの一つ目のポツ、職員に関しましては発災翌日の2日から現地派遣を行っております。現地の確認、助言を実施してございます。あわせて、能登地域の6市町、特に被害が大きかった、この市町に職員が常駐して現地支援を実施しております。加えまして、環境省で令和2年に設立しました人材バンク制度、これは、これまでに災害廃棄物を自ら経験された自治体の職員の方に登録いただきまして、派遣をするというものでございます。この人材バンク制度の活用に当たって、自治体の職員の方、これまで42名の方、石川県内の7市町へ派遣し、活動支援いただいております。
続きまして、避難所の仮設トイレでございますが、仮設トイレは現在1,000基を超えておりますが、このし尿に関しまして、バキューム車の応援も含めまして改修体制を整え、現地の状況をしっかり把握しながら回収を実施してございます。
また、避難所の生活ごみ、また帰宅された方の家庭ごみの収集、こちらにつきましても地元の事業者さんに加えまして、ほかの自治体さんからの応援も受けて、平時と同様の回収体制を整えつつございます。
また、被災により稼働を停止している廃棄物処理施設は複数ございます。順次、復旧しておりますが、この復旧に関しましては技術的支援を行うとともに、財政支援もしっかりと今回手厚く支援することとしております。
続きまして、2ポツの災害廃棄物の撤去でございます。片づけごみなど、発生した廃棄物については、仮置場を設置して、そこで運営管理を適切に行うことが重要です。石川県、新潟県、富山県、それぞれ市町で仮置場を順次設置してございます。これに関しましては、奥能登に関しまして今日の資料の5ページ目に奥能登の珠洲、能登、輪島については、まだ調整中という記載をしていますけども、輪島と珠洲に関しましては2月1日から、能登に関しましても2月5日から開設予定となっております。
1ページ目に戻りまして、この災害廃棄物を適正迅速に処理するためには、財政支援は非常に重要です。今回、この地震が特定非常災害に指定されたことも踏まえまして、国負担率が通常よりも高くなる特例的な支援を行ってございます。
また、通常であれば全壊家屋の解体撤去は補助対象でございますが、今回、特定非常災害に指定されたことも踏まえまして、半壊家屋も解体支援の対象となります。自己負担でのとありますが、このような全壊、半壊に関しましては申請に基づき、公費解体を行うということでございます。マニュアルも整備し、また今回、空き家のおうちも少なくないということございまして、この解体に関しましては民法の制度なども積極的に活用しまして、その法的な整備に関しても事務連絡を発出してございます。
また、被災自治体の方には、何度も機会を捉えて説明会を実施しております。最近では、家屋解体に関するニーズが非常に高いということで、今週、その説明会を行いました。また、解体撤去についてはふだん慣れない市町さんも多いですので、この対応に関しましても職員や人材バイクの経験者を派遣して、実務的な支援のほうを行ってございます。まだ1か月たったところでございまして、避難者の方も多くいらっしゃいます。家屋解体、片づけごみはこれからでございます。環境省一丸となって関係省庁と連携して、また石川県はじめ、県さんとも連携して、しっかり支援してまいります。
ご報告は以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。引き続きまして、廃棄物規制課の松田課長から、参考資料5の説明をお願いいたします。
○廃棄物規制課長 それでは、脱炭素型資源循環システムの構築に向けた具体的な施策の在り方についての案ということで、ご報告させていただきます。
昨年の6月に、この循環型社会部会の下で、小委員会を設置させていただきまして、小委員会には酒井部会長に小委員長をお願いして、またほかに9名の部会の委員の方に参画していただいております。誠にありがとうございました。
そちらの小委員会の中では、それまでの循環経済工程表や廃棄物処理法の基本方針などを踏まえながら、多分脱炭素と資源循環の取組、こういったものを自然循環ビジネスで行う場合に、一体的に支援する具体的な制度的対応について、議論を実施いただいたところです。昨年に5回、議論を実施しまして、今年の1月22日の小委員会において、パブコメを経て、意見具申の案をとりまとめしているところでございまして、今、意見具申の具体的な手続の事務的なところを進めているところでございます。少し参考資料の5-2について、こちらの今の案を少し紹介させていただきます。
目次をめくっていただきまして、最初にⅠのところで我が国の資源循環を取り巻く状況と課題認識ということで、適正処理の確保や様々な資源循環を取り巻く状況、また脱炭素やネイチャーポジティブの貢献、産業競争力強化や経済安全保障への貢献などなど、こういった資源循環を取り巻く状況と課題認識を共有していただいた上で、その上で基本的な考え方と今後の方向性というのをまとめていただいております。
5ページに、ちょっとめくっていただきまして、少し紹介をさせていただきますと、こちらの基本的な考え方のところで循環型社会形成推進基本法に規定する基本原則を踏まえて、質、量、両面での資源循環の高度化を推進して、また炭素化、ネイチャーポジティブ、産業競争力強化、経済安全保障といった社会課題の解決、地方創生につなげることが重要だと、こういう基本認識の下で今後の方向性ということで、我が国の社会課題の課題解決ということで循環経済の取組の促進であったり、また地方創生への対応だったり、また脱炭素型資源循環の技術やシステムの社会実装であったり、情報を通じた自治体間の連携であったり、そういった方向性についてまとめていいただいております。
こういう基本的な考え方と、今後の方向性を受けて、目指すべき具体的な脱炭素型資源循環システムのイメージという部分について、7ページのほうにお示ししているのですけども、こちらのほうに静脈産業、動脈産業、地方自治体、また市民・消費者の関係図が示されておりますけども、例えば、動脈産業と静脈産業で動静脈連携を構築していったり、また静脈産業と地方自治体で官民の連携処理システムの確立をしたり、また静脈産業自体のカーボンニュートラル化を図ったり、資源循環技術の高度化を図ったりと。また市民・消費者の方との連携を図って、資源循環を具体化していこうと、こういうコンセプトで今後、具体的な政策を打っていく必要があるのではないかということです。
それで、また参考資料の5-1に戻りまして、具体的な脱炭素型資源循環システムの構築という部分で、四つの取組について進めていくべきではないかということで、動静脈連携の構築と、製造業と資源循環産業が連携してペットボトルの水平リサイクルを事例にしていますけども、必要な質量の再生材を確保する事業形態を推進すべきではないかと。また、様々な市町村、今まで直轄で行った部分について、民間活力も活用して資源循環を進める取組を推進すべきという部分。加えまして、資源循環産業においてCO2の分離回収設備、また省エネ化などのカーボンニュートラルに向けた取組を推進すべきというところ。加えまして太陽光パネルのリサイクルなど、リチウムイオン電池など、重要資源について国際・国内での資源循環の取組を推進すべきじゃないかということで、こういう四つの類型の取組を具体的に進めるために、国が認定を行いまして、また生活環境の保全には支障がないように措置を講じた上で、廃棄物処理法に基づく、例えば処分業の許可であったり、施設の許可であったり、こういった部分の各種手続の迅速化を図るべきではないかというふうに指摘されてます。
また加えて、併せてこれらの設備導入の支援について、各種答申、促進策、こういったものを実施すべきではないかとされております。加えまして、このような動脈企業と静脈企業の連携という部分の中で再生材の質量に関する情報のマッチング、またバリューチェーンでの情報流通、資源循環のパフォーマンス評価、こういったものも推進すべきということで情報を通じた主体間の連携の促進であったり、またバーゼル条約e-waste改正を受けた制度的対応や日本のリサイクルハブの確立に向けた国際的な取組、こういった点についても示していただいております。
このような形で整理していただいた内容を受けて、脱炭素型資源循環システムの構築は急務であると。その実現に向けて制度的、予算的対応を総合的かつ速やかに講じていくべきというふうにされているところでございまして、環境省としては、もちろん予算制度も、こちらの報告を受けてつくっていこうというところではあるんですけども、このサーキュラーエコノミーの実現に向けて、廃棄物の再資源化の高度化等につながる事業者の取組を促進する新たな法的枠組み、こういったものを今回の通常国会に提出すべく、検討を進めているところでございます。
ということでこの資料について、報告させていただきました。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、災害廃棄物関連と、それから静脈産業のシステム構築関連の2件のご報告を頂戴しました。
それでは、この報告に対してご質問、ご意見ある方、手を挙げていただけますでしょうか。約束の時間、ちょうど5時半にきておりますが5分、10分の超過、延長をご容赦いただければ幸いでございます。
それでは、粟生木委員どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。災害廃棄物に関しましては、皆様のご努力ですとか衛生面への配慮、誠にありがとうございます。
私から今回ご報告いただいたのは、生活ごみ及び家屋等の市民に関わる廃棄物かなというふうに思いますけれど、石川県は漁業等も盛んな地域かと思いますので、こういった産業系の廃棄物に対して今後どのようにご対応されるのかというところをお伺いできればと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
岡村委員、お願いします。
○岡村委員 一言だけ申し上げます。能登半島地震に対する、現在の対応状況をご説明いただいて、生活ごみの処理と災害廃棄物の撤去が迅速に進められている様子を理解いたしました。
次のステップである災害廃棄物処理については、私の属しておりますセメント産業もできるだけの対応をしたいと考えております。まずは木くずが主な対象になろうかと思っておりますけれども、行政と緊密に連携させていただいて最大限の貢献ができるようにしたいと思っております。今後、よろしくお願いいたします。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。この災害廃棄物対策のところでコメントと質問させていただきます。ご説明いただきましてありがとうございます。まだ今、真っ最中で本当に大変なところだと思いますが、迅速に対応いただきありがたいと思っています。
なお、質問とコメントなんですが、この災害廃棄物に対して、システムをつくってこういうときにどう動くかといういろいろな仕組みをつくっていると思いますが、それが今回うまく機能したかどうか。別に厳しく詰問しているわけではなく、うまくちゃんと機能したかどうか様子を伺いたいということです。
もう一つなんですが、先ほどの第五次の循環基本計画の中の44ページに災害廃棄物処理体制の構築及び着実な処理ということで一言、令和6年度能登半島地震といった災害も起こっているかというふうに一言だけ入っているんですね。
何かもう少し、これに対しては、これまでの対応と違う側面もあるわけですので、そういうところに迅速に対応している最中であると書くなり。取りあえず何か、もう少し様子が分かるような表現があってもいいのではないかなと。それが社会へのメッセージにもなるんではないかなというふうに思います。そういう体制をちゃんと取っていながら、常にそれが全てうまくはまるわけではないと思いますので、そこに対応しながらこういう仕組みをつくっていただいているというその辺が伝わるほうがいいのではないかなと思いました。
よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
時間は押しておりますが、オンラインから3名手を挙げていただいておりますので、お聞きしたいと思います。
石山委員、お願いいたします。
○石山委員 石山です。よろしくお願いいたします。
まず、能登半島地震廃棄物支援状況のまとめにつきましては、このような形で、数値的なものも含めて情報提供いただいたこと、また、早くから環境省の職員が現地でこのように作業・指導に当たっていただいていることをありがたく思っております。本当に頭が下がります。
被災地での廃棄物処理を含む広域的な応援・支援について、実は私どもの自治体で受け入れているものが、1月6日から今日まで続いているという状況にございますので、日常生活に早く被災地の方々が戻りますように今後とも現場に寄り添ったご対応をぜひともお願いしたいと思います。
今ほどの委員の方もおっしゃられたように、今回のこの廃棄物処理に係る支援はまだ続いているので、これからお取りまとめいただくことと思っておりますが、先ほどの基本計画案に状況を反映することがあるのであれば、ぜひ加えていただけたらありがたいと思います。
それから、参考資料の5-1につきまして、少し意見をさせていただきたいのですが、国が認定する高度な資源循環の取組イメージの、地域での官民連携のところに市町村が主導してという言葉がございますが、地方公共団体が主導してという言葉のほうが適切ではないかと思いました。
参考資料5-2の8ページ辺りのところに類型2のことが文言で書かれていたかと思いますが、一地方自治体でなく、複数の地方自治体を指すことが想定されていることと、この循環型社会部会におきまして、基本計画案の作成、指針取りまとめまでの、昨年夏頃の先進的な事例をご紹介いただいたときにも都道府県レベルでそうした調整をされている事例もありましたので、都市自治体、町村自治体、都道府県、いずれでも読めるような地方自治体ないしは地方公共団体という言葉がよいのではないかと思っております。
それから少し戻ってしまい恐縮ですが、今日の議題の基本計画案における3-2-2の地方自治体に期待される役割について、現行の基本計画とかなり変更された形で書かれているようでございます。もう少し私も内容を精査させていただいて、ちゃんとコメントができればいいのかなと思いながら、今日、ご意見等を伺ってまいった次第です。環境省からもぜひ、教えていただけたらありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○酒井部会長 どうも石山委員、ありがとうございました。
それでは、引き続いて、船越委員、どうぞ。
○船越委員 1点だけ、すみません。
資料5-1のほうですけども、最初の基本計画のところでコメントさせていただいたことと非常に関連するというか近い内容になりますけども、この真ん中の脱炭素資源循環システムの構築で、二つ国としての取組が書かれてますけども、この各種投資支援策の実施に加えて、やはり公共調達での取組も含めた要するに購入・使用サイドでの支援といったようなことが必要だと思います。
要するに、こういうリサイクル品についてコストがかかって高くなるというようなことを意識して、多分、投資支援策なんかという言葉が出てきたと思いますけども、投資支援だけではなかなか進むものでもありませんので、必要に応じて製品の公共調達の支援も含めた、購入促進なり、使用サイドでの使用を促進する支援の取組といったような施策が必要ではないかというふうに思っています。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、最後に浅利委員、どうぞ。
○浅利委員 すみません、時間がないところ申し訳ないです。
災害廃棄物の関係は皆様のご指摘のとおり、本当に環境省のほうも早々から現地入り含めてすごく張っていただいているなということで感謝してます。
崎田委員のほうから、過去、予定した事前の計画とかと比べて対応とかどうだったかというご指摘がありましたが、ちょっと検証には、まだ時間がかかるのかなというふうには思ってますので、もう少し温かく見守る必要があるのかなと思っています。
今後というところでは、この間特に地方を8ブロックに分けて、こういった広域での対応というのも検討してきていて、その検証もこれからになると思いますけれども、やはり想定どおりにいかないことが、もう本当に災害の常だと思いますのでいかに想像力を持って、すぐさま対応できるか。
そういう意味で今回、特に国の役割とか、分担とか、地方への地方ブロックとの連携とか、地方自治体との連携、広域連携のあり方を改めて見直す機会になったのかなと思いますので、そういった視点からの災害廃棄物のより一層の資源化に努めていく必要があるのかなと思いまして、ちょっとコメントを含めて発言させていただきました。
○酒井部会長 ありがとうございました。2件の報告事項でございましたが、非常に多くのコメントをいただいておりますので、それぞれここでのご発言よろしくお願いいたします。
○災害廃棄物対策室長 災害廃棄物対策室長の松﨑です。災害対策につきまして、多くの委員の方からコメント等々ありがとうございました。
近々ですけども、この災害廃棄物処理というのは、やはり日頃の日常の生活をされている市民の方にしっかりと寄り添ってということが大変重要だと考えておりますが、一般の市民の方に加えて零細企業、中小企業の方々に対して、例えば公費解体を行う場合、そういう方々も対象にするということも行っております。
政府全体としては、今回の災害によって、なりわいの再生というのは非常に重要なキーワードとなっておりまして、先週、政府としての支援パッケージが公表されております。その中で、なりわい再生に関してのいろんな支援、これは環境省では災害廃棄物がメインでございますけれども、政府全体としては、そういうの支援内容も盛り込まれてございます。
引き続き、関係省庁と連携しながらしっかり対応していきたいと思います。
また、広域処理につきましてですが、今回のペーパーでいうと、一番右の災害廃棄物処理、やはりそのためには広域処理が非常に重要です。例えば、今回特に被害が大きかった奥能登を中心として、石川県のほうで、この災害廃棄物をどう対処していくのかという検討のほうをされておりまして、我々としても、県庁にも職員を常駐させて、そういう技術的支援、過去の災害を踏まえた助言のほうを継続的に行ってございます。
先ほど浅利委員のほうから検証に時間がかかるとおっしゃっていただきまして、実は我々としても、こういう大規模災害が起こったときは、検証は重要だと思っています。これまでの震災でも、酒井部会に委員長になっていただいております検討会がございますけれども、その中でワーキングを設けておりますが、そういうところでしっかり検証していきたいと思いますが、現時点ではいろいろと支援メニューを想定して準備しておりましたが、人的支援について、ここまで人材バンクを活用した、ほかの自治体の職員を派遣して、活躍いただいたことは今までありませんでした。もう非常に協力的で、やはり自治体の立場を分かって、実務的に寄り添って支援するということの大切さを痛感しております。もちろん検証が必要でございますけども、この制度は、これからもしっかり運用していきたいと思いますし、今後の災害でも、できるだけ効果的な形で生かしていきたいというふうに思っております。
第五次循環基本計画での記載について大変恐縮です。ご指摘の趣旨は理解いたしました。今、震災の災害対応の支援の真っ最中でございますが、それと並行して、循環基本計画の取りまとめに向けて、どういう記載が可能、実施でき得るのか。基本計画に盛り込むときにはどういう姿勢で盛り込めばいいのかというのをうちの庁内でちょっと頭合わせをしながら、盛り込み方を考えていきたいというふうに思っております。
以上でしょうか。まだまだ100点満点というのは災害対応ではないと思っておりますけれども、その反省と改善を日々繰り返しながら、できるだけ被災地の復旧・復興が早期に進むようしっかり頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。
○酒井部会長 粟生木委員のほうから漁業など産業系の廃棄物に関してのご質問ございました。これは先ほどの政府のなりわい再生の、そういうような中でのパッケージで読めるという、そういう構造になっていますか。
○災害廃棄物対策室長 失礼しました。例えば漁業で言いますと漁港区域であるとか、もしくは港湾区域で災害廃棄物が発生し、また、今回、津波も一部の地域では発生しまして、そういう災害廃棄物に対してどう対処するかということについては、環境省と、あとは水産庁、あとは国交省とそれぞれの支援スキームがございまして、それを組み合わせながら支援していくという形で行ってございます。
○酒井部会長 今回、漁港が隆起したり、これまでにない状況が起こってますから、そういう中でどうやっていかれるのか、また聞かせてください。
松田さん、どうぞ。
○廃棄物規制課長 石山委員から、ご指摘がございました市町村の自治体の言葉の使い方という部分か思います。
参考資料5-2の意見具申の案では、地方自治体という形で記載をしてますので、今後、参考資料5-1は、意見具申を受けた概要資料ということですので、今後、概要資料にあっては、地方自治体という形で統一した形で出していきたいと思います。
また船越委員からご指摘のあった公共調達の件ですね。再生材の公共調達、こちらについても、今回の小委員会の中では、動脈企業と静脈企業の部分での連携だったり、また国民の皆さんに再生材の活用という部分のところで、どのようにそういった情報を出していくかということは、まとめに示されてるわけですけれども、もちろんこの公共調達で、こういう再生材の活用というのが非常に重要だということは我々も認識しておりますので、関係省庁とも相談をしながら今後、そういう政策を検討していきたいと思います。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、質疑応答は、ここで終了ということにさせていただきます。
本日の議事以上となります。進行を事務局にお返しいたします。
○環境再生・資源循環局総務課長 長時間にわたるご議論、どうもありがとうございました。
次回の部会につきましては、事務局から委員の皆様に改めてお知らせいたします。
以上で本日部会を閉会させていただきます。
ありがとうございました。
委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、出席いただき誠にありがとうございます。
本日は委員総数28名のところ、合わせて15名の委員にご出席いただきまして、部会として成立しておりますことをご報告いたします。
本日は環境省第1会議室とWeb会議システムのハイブリッド方式により開催させていただいております。オンラインでご参加の皆様におかれましては、マイクとビデオは発言いただく際のみオンとし、それ以外はマイクをミュート、ビデオをオフにしていただきますようお願いいたします。発言される際は、挙手ボタンでお知らせいただき、部会長から指名を受けてからのご発言をお願いいたします。また、会場の声が聞こえにくいなど何かございましたら、チャット機能等でお知らせください。なお、会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは議事に先立ちまして、角倉環境再生資源循環局次長よりご挨拶をいただきます。角倉次長、お願いいたします。
○環境再生・資源循環局次長 ただいま、ご紹介にあずかりました環境省環境再生・資源循環局次長の角倉でございます。本日ご出席の皆様におかれましては、ご多忙の中、お集まりいただき厚く御礼申し上げます。
まず会議の開会に当たり、初めに、この度の令和6年度能登半島地震、震災によりお亡くなりになられた方々に、改めて心よりお悔やみ申し上げるとともに、被災された皆様方に改めてお見舞い申し上げたいと存じます。発災から今日でちょうど一月になるところでございます。環境省といたしましても、被災地の皆様方に寄り添いながら、1日も早く被災者の皆様方の生活が少しでも早くよくなるものとなるように精一杯頑張っていきたいと考えておりますので、現在の環境省の取組につきましては、本日議題3において、改めてご報告させていただきたいと存じますので、ご指導いただければと思います。
本日でございますが、まず最初の議題として次期循環型社会形成推進基本計画の第1章から第4章までご議論いただくこととしております。また次期計画における指標に関する検討状況についても、併せてご報告させていただきたいと存じます。
循環基本計画は、これは単に環境省の施策だけをまとめたものではなくて、関係各省庁の幅広い施策を取り込んだものであり、なおかつ単に環境保全のためだけではなくて、環境保全を図りつつ、産業競争力の強化、経済安保、地方創生、そうした様々な我が国が抱える経済社会の諸課題、こうした解決に資するものとなるよう、総合的に国家戦略として取り組むにふさわしい内容に、こういうものにしていきたいと考えておりますので、ぜひ幅広い観点からご議論いただければと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
また、次の議題といたしまして、環境大臣から中央環境審議への諮問を踏まえた、食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定についても、ご議論いただければと存じます。
また、冒頭申し上げました、令和6年能登半島地震における災害廃棄物対策の概要についてご報告させていただくとともに、静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会において、制度的対応についてご議論をこれまで賜ってきたところでございますけれども、その取りまとめ案について事務局よりご報告させていただきたいと存じます。
委員の皆様方にはぜひ忌憚のないご意見をいただき、それを踏まえて、私どもとしてさらに検討を深めてまいりたいと考えておりますので、本日はどうかよろしくお願いいたします。
○環境再生・資源循環局総務課長 冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。
次に、お手元の資料を確認させていただきます。
本日は、資料1から3-2までと、参考資料1から6まででございます。資料は事務局にて、画面に投影いたしますが、必要に応じて、あらかじめお送りしたファイルをご覧ください。
それでは以降の進行は、酒井部会長にお願いしたいと思います。酒井部会長、よろしくお願いします。
○酒井部会長 波戸本課長、承りました。進行を務めさせていただきます。
冒頭で、角倉次長のほうから能登災害へのお悔やみ、お見舞いの言葉あったところでございます。この部会としても、全く同じ心情であるということを一言申し添えて、この後の議事に入らせていただきたいというふうに思います。
それでは本日は、議題が三つございますが、まず最初の議題1、次期循環型社会形成推進基本計画(案)についてでございます。今回資料1及び資料2を準備いただいておりますので、循環型社会推進室の近藤室長のほうからご説明どうぞよろしくお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ご指名ありがとうございます。循環型社会推進室長の近藤でございます。まず、私のほうから資料1を用いまして、基本計画の現在の案文の状況について、ご説明を申し上げます。
前回、12月の部会におきましては、1ページめくっていただきますと、目次の部分になりますけれども、この第1章の部分で、様々なご議論を頂戴しております。
この1章につきましては、前回のご意見を反映したものとなっておりまして、2章以降は今回初めてご覧いただくものになっております。
2章以降につきましては、事前にいろいろとご意見を頂戴しているところでございますけれども、並行して政府内の調整も進んでおります。まだ十分反映できない部分も多くございますけれども、次の部会に向けまして、今日ご意見いただくものと併せまして、しっかり反映してまいりたいと思いますので、その点ご理解いただければと思います。
それでは、内容の方に入らせていただきます。
第1章につきましては、12月の部会から修正をした主な部分について簡単にご説明をしてまいりたいと思います。
まず、資料の8ページ目をご覧いただきますと、4行目から循環型社会形成に向けた道筋ということが書いてございますけれども、循環経済への移行推進することが鍵という部分の後、9行目からになりますけれども、各主体にとって短期的に経済合理的ではないが、長期的には国民の経済的負担の軽減にもつながる取組も必要に応じて実施されるようにしていくことが必要となると加えております。
少し飛びまして12ページ目になります。1.2.1.、地方の社会課題の状況と地域の廃棄物処理への影響ということでございまして、ここの地方と地域という言葉の使い方について、ご意見を頂戴しておりました。いろいろ精査をいたしまして、社会の課題の状況のほうは地方という形にまとめまして、廃棄物処理のほうは地域という言葉を追加しております。その上で7行目の辺り、地方の状況ということで、人口減少、少子高齢化ということを加えておりますのと、20行目から地方の人口が減っていくことによって、維持できなくなったインフラの発生、処理が懸念されるということを入れております。
12ページ目の一番下、29行目からなりますが、中小企業白書の最新の状況を踏まえまして、全ての業種で中小企業の人手不足が強くなっていることと。
それから13ページに参りまして、地方における循環資源、再生可能資源の用途の不足ということでありますとか、廃棄物処理コスト低減のために、一般廃棄物処理施設の整備を適切に進めていく必要があるということを記載しております。
13ページの一番下からになりますが、ここのところは一般廃棄物と産業廃棄物の整理をしっかりしておりませんでしたので、一般廃棄物に着目をいたしまして、リサイクル率は自治体によって少し違うところがありますということ。
それから、14ページに入りまして、4行目から産業廃棄物についてということで記載をしまして、5行目、6行目の辺りの、リサイクル率が高いところの取組状況をしっかり参考にしていただきたいということと、11行目から、一つの市町村のみでの取組に限界がある場合には、県が主導して、より広域的な取組の推進も重要ということを書いております。
16ページにいっていただきまして、このところは資源化鉱物でございますけれども、15行目から29行目が追加になっておりまして、動静脈連携で資源回収量を増加させていく。23行目から、電子スクラップ等の輸出入の円滑化・迅速化等によって、国際的な資源循環を回していく。あるいはASEAN等の途上国において適正なe-wasteの回収、それを日本の設備を使って、効果的にやっていくということを書いております。
それから、17ページに参りまして、9行目の辺りからでございます。飼料、餌について、海外に多く頼っているということ。また、これが価格高騰リスクもあるということで、その対策も書いております。
17ページ目、22行目からになりますけれども、EU新循環経済政策パッケージを中心に、拡大生産者責任の規定に関すること、あるいは製品デザインに関すること、あるいは欧州標準化のための事業計画ということで、エコデザインに関することが様々盛り込まれているということを記載しております。
18ページ目になりますけれども、13行目からの一つのパラグラフの追加をしておりまして、ヨーロッパにおきましてDPPの検討、あるいはそれぞれの取組において、トレーサビリティの確保ということが進んでいるということや、再生材の利用拡大をしていく上で、併せて拡大による汚染を防止するために、適正管理が重要ということを記載しております。
19ページに行っていただきまして、「さらに」の段落が追加になっておりまして、ここのところ、以前は気候変動と生物多様性ということを中心に書いていたのですが、汚染の部分が足りないということで、その関係の記述を少し追加しております。例として、水銀放出源としての金採掘、金精練の寄与、そこからの環境汚染といったことや、プラスチックの汚染ということについて記載をしております。
それから21ページ目いっていただきまして、ここのところも、今の観点でございますけれども、化学物質管理について国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ、SAICMに関する取組を1段落追加しております。
22ページ目にお移りいただきますと、循環型社会の形成に向けた取組の進捗ということで、23行目から少し要因についての解説を加えております。循環利用率が比較的高い非金属鉱物系の循環利用、これが建設工事の減少によって減少したということと、これにより循環率が低い資源の影響を受けまして、入口側、出口側の循環利用率が減っていること。この部分のてこ入れが必要だとということを書いております。
23ページ目に移っていただきますと、行動変容、意識改革という部分についての記載を加えておりまして、5行目からの部分でありますが、家計の貯蓄率の変化、あるいは日常生活に必要なものの価格の上昇、あるいは単独世帯、外国人世帯の増加という様々な変化ということを踏まえて、取組を進めていくことが必要ということを書いております。
また、その下の15行目辺りから、環境教育による意識の変化、あるいは18行目、消費者の意識がモノからコトに移りつつあるということ。
あるいは、24ページに移っていただきまして、若い世代が品質がよく、長く使えることを重視する人が増えていると。こういうような動きを行動変容につなげていくという部分を追加しております。
25ページ目になりますけれども、6行目の辺りから、電子マニフェストの機能向上、あるいはDXの推進ということが重要と。あるいは11行目から、廃棄物処理を取り巻く様々な状況の変化ということで、人口減少、あるいは高齢化ということに伴って、集団回収等が困難になってきた、ごみ出しが困難な人が増えてきたといったことに対応する必要があるということと。あとは市町村の厳しい財政状況等の中で、一般廃棄物の処理というものは、気候変動対策、災害対策というものにも対応していく必要があるということで、長寿命化、広域化ということを含めまして、一般廃棄物処理システムの強靱性を確保していくということを追記しております。
それから28ページ目、最後、国家戦略の部分でありますが、19行目から21行目の辺り、各地域の資源循環の取組が全日本に広がっていくときの地域経済の活性化、交流人口の増加、地域の投資を通したよくある地域づくりとそういう副次的な効果についての記述を加えております。
30ページから全体の2ということで、循環型社会の形成に向けた取組の中長期的な方向性ということで、これは計画期間5年程度で、どういうふうに進めていくのかと、どういう姿になっていくのかということを中心に書いております。11月にお認めいただきました、中間的な指針の五つの柱ごとにまとめております。
まず30ページ目の頭の辺りから、「地球の限界」ということで、プラネタリー・バウンタリーという考え方に言及した上で限界を迎えつつあるという確認と。
28行目の辺り、ネット・ゼロ、循環経済、「ネイチャーポジティブ」ということの連携についての記載をしております。
その上で、30ページ目下からその次のページにかけて、地域に特徴的な循環資源、再生可能資源を循環させる取組を創り出し、これが自立して拡大していくこと。
また4行目から輸入した資源を効果的に使っていくことで、11行目の辺り、ネット・ゼロやネイチャーポジティブの実現とも両立する形で、循環経済の移行、あるいは地域経済の活性化、産業が必要とする資源の安定供給にもつなげていくということを記載しております。
31行目の辺りから、その上で国民一人一人の暮らし、あるいは企業のビジネスモデルといったことを、循環型に転換をしていくということで、その中で付加価値を生み出しながら、再生可能な資源を利用して、また限りある地上資源を効率的に長く使っていくことで、価値を最大化していくということを記載しております。
32ページ目から2.2.ということで、動静脈連携がキーワードになってまいります。
23行目辺りから、2020年、足元で50兆円のところ、2030年までに80兆円に拡大をするということ。あるいは31行目辺りからペットボトルの水平リサイクル、あるいは使用済み新幹線車両のリサイクルといった、新たな動きもありますので、33行目の冒頭の辺り、こういうような高い技術力を、製造業、小売業等々、廃棄物処理リサイクル業との間での連携を通じて一層効果的に活用していく。これが成長の鍵であるということを記載しております。
33ページ目の下から、将来像ということで、資源確保段階、生産段階等々、各段階におけるあるべき姿ということを34ページ目にかけて書いております。
35ページ目は、2.2.1.素材ごとの方向性ということで、100ページにわたる大部でございますので、この辺りで全体としてどんなことが書いてあるのかという地図をちょっとご覧いただきたいと思っております。
2.2.1.素材ごとの方向性でございますが、このところ循環経済工程表のほうでも定められているものを参考にしながら、35ページ目はプラスチック・廃油、それから36ページ目はバイオマスです。少し網掛けになっている部分がございますが、この辺りは各省との調整がついてない部分というところでございまして、本日は網掛けで失礼をさせていただいております。
また37ページ目、ベースメタルやレアメタル等の金属。それから、土石・建設材料ということで、それぞれの材ついての将来像について記載をしております。
37ページ目の一番下の辺り、製品ごとの方向性からでございますが、全体網掛けになっておりますのは、この部分は、委員の意見の中で、これまでどこまで進んできて、ここからどういうふうにしていくのか、しっかり書き分けたほうがのではないかというご意見をいただいておりますので、その辺を踏まえて、次の部会に向けてしっかり準備してまいりたいということで、調整中の意味で、網掛けとさせていただいております。
38ページ目の7行目の辺りですが、温暖化対策等に普及した製品の素材でありますとか、12行目から繊維製品といった、ちょっと複数のものがあべこべになっておりますので、しっかり整理してまいりたいと思います。
38ページ目の23行目から、地域の循環システムの構築と地方創生ということで、29行目から地産地消、あるいは食品ロス、食品リサイクルの推進ということで、資源循環だけでなく、温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。一番下のところで、生物多様性の回復にも効果があるということを書いております。
また一番下の行から次のページにかけまして、森林の循環利用ということで、木質バイオマスの効果的利用についても記述をしております。
39ページ、方向性といたしまして、持続可能で活気あるまちづくりということで、12行目でございます。13行目から、それに向けて製造業、あるいは廃棄物リサイクル業だけでなくて、自治体、市民といった地域の各主体が連携をして、参画をしていくということが重要であると、それでいて、それを地域の様々な副次的な効果を生み出す形で進めていくということを書いております。
21行目から、肥料の安定供給に関すること、28行目の辺り、サスティナブルファイナンスの役割を記載し、34行目からの段落におきまして、広域的な廃棄物処理によって、再生利用を進めていくということも書いております。
41ページ目に参りまして、資源循環・廃棄物管理基盤の強靱化と着実な適正処理・環境再生の実行ということで、まず技術開発、情報基盤、各主体間の連携、人材育成の強化ということでございまして、7行目の辺りから、「モノ」から「ヒト(人材)」、あるいは「データ」ということに価値は移っていくということをとらまえて、資源生産性を向上させていくということが効果的である。
また15行目の辺りから、人口減少・少子高齢化といった中で、廃棄物処理等に担い手が不足していくと。この中で20行目ですが、資源循環分野のさらなるDXの推進でありますとか、効率化ということを通して、価値を見出してビジネスモデルをつくっていくと。そこから雇用機会をつくっていくことも大事だということを書いております。
基盤といたしまして、25行目の辺りからJ4CE、あるいは昨年設立されましたサーキュラーパートナーズ、産官パートナーシップというようなものをとらまえながら、ビジネスマッチング、官民対話や情報交流、コミュニケーションということを強化していくということを42ページの頭にかけて書いております。
さらにここでは、欧州でのDPPを踏まえて、日本でも必要な取組を進めること。
あるいは、11行目から環境価値の高い製品が選択されるようにして、好循環を生み出していくために、消費者や住民の主体的意識変革、行動変容を促していくということを記載しております。
また、21行目から、サプライチェーンの上流から下流まで、中小企業も含めて、あらゆる企業で資源循環の取組を評価され、これの投融資や事業機会の拡大、それを通して地域の循環経済への移行が進んでいくような環境をつくっていくことが必要と記載をしております。
おめくりいただきまして、44ページ、災害廃棄物処理体制の構築及び着実な処理ということで、12行目から令和6年能登半島地震にも言及しながら、国土強靭化、災害廃棄物処理システムの強靱化ということが必要ということを記載しております。
24行目から平時から対策を進めることが必要ということで、45ページ目のほうでは、中ほどから地域レベル、28行目から全国レベルでの広域連携体制を平時から構築していくことが重要ということで記載をしております。
46ページ目をおめくりいただきまして、適正処理の更なる推進でございます。
背景・課題としまして、12行目から廃棄物処理を取り巻く状況の変化ということで、先ほどの人口減少・少子高齢化に伴うものに加えまして、オーバーツーリズムへの懸念といったことも記載をしておりますし、直近の課題としまして、21行目から脱炭素・資源循環と一体となった適正処理の必要性を書いております。
大きな方向性としまして、31行目から3R+Renewableの徹底、その後、残ったものについての適正処理ということや、34行目、不法投棄の撲滅・有害廃棄物対策を着実に進めると記載をしております。
48ページ目にめくっていただきますと、東日本大震災の対応でございます。「特定復興再生拠点区域」等については解除されましたけれども、まだ復興は道半ばであるということを記載しております。
一番下から適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進ということで、49ページ目から具体の記載がございます。
欧州に端を発した循環経済への移行、それから4行目辺り、「資源の囲い込み」等の動きがあるという中で、天然資源を輸入に頼る我が国というのは、資源の効率的な利用を通して循環経済への移行を進めていくために、国際的なルール形成をリードして国際的な資源循環を進めていくこと。
8行目から違法な輸出入対策、手続の円滑化等を進めていく。また、11行目辺り、国内、国際を一体として、資源循環の施策を進めていくことが必要という記載をしております。12行目からはインフラシステム輸出戦略ということで、18行目に、環境上適正な廃棄物管理、あるいは循環インフラ整備を推進して、各地の環境汚染等の課題の対処を進めていくと書いております。
24行目辺りから、G7等バイマルチというようなツールを使っていくということ。あるいは、35行目辺りから、重要鉱物等について国際的な資源循環体制を構築していくことを記載しております。
50ページ目に移っていただきまして、10行目、我が国の循環産業と国際展開の推進と途上国の循環インフラ整備の促進ということで、19行目辺り、アフリカ、アジア等の様々なプラットフォームを活用していくということを記載しております。
そのページの下から各主体の連携と役割ということで、国、地方公共団体等の役割をそれぞれ記載しております。
51ページ目、まず、国が果たすべき役割ということで、19行目から、規制的措置、経済的措置等の各種施策の導入、あるいは見直しを進めていくことと、地方公共団体や事業者、NPO等の関係主体との連携を図るとともに、先進的事例の情報の発信、各主体間の連携を促す対話・コミュニケーションの促進というのが国の役割として書いております。
52ページ目に行っていただきますと、地方公共団体でございます。8行目から各地域の主体間の連携を促進するコーディネーターの役割を果たしていただきたいということ。あるいは11行目から、広域的な観点から管下の市町村の調整機能、あるいはその市町村は地域に密着した取組の推進ということを書いています。
53ページ目の下、国民に期待される役割でございまして、具体の記載は、54ページでございますが、将来世帯に未来につなげていくために、より環境負荷の少ないライフスタイルに取り組んでいくことが求められるということと。あとは2.2.、2.3.、2.4.、それぞれの中長期的な方向性の個々の部分につきまして、市民の役割を記載しております。
55ページ目から、NPO・NGO等の役割ということで、主には14行目のところ、各主体による循環型社会形成に関する理解、活動の促進による意識啓発、あるいは連携部分のつなぎ手ということで記載をしておりまして、あとは第2章との関係でございます。
56ページ目、大学等の役割ということで、客観的かつ信頼できる情報を分かりやすく提供すること。それによって、具体的な行動を促し、支えると記載をしております。
57ページ目は、事業者に期待される役割でございまして、事業者ごとに記載をしております。15行目から、製造事業者・小売事業者等は、バージン材の替わりに再生材を使うこと、あるいは将来世代につながる持続的発展に不可欠な自らの社会的責務を果たすこと。廃棄物処理業者等は、23行目から、廃棄物を貴重な資源として捉えて、有用資源を積極的に回収して循環利用していくこと。また、金融機関、投資家には適時適切に資金供給すること等が求められると。
それから32行目から、事業者団体の取組としても、業種に応じた目標を設定して事業者全体の取組を深化させていくこと等を記載しております。
60ページ目から、国の個別分野の施策・取組が書いてございますして、これは40ページにもなりますので、大変恐縮ですが、やや駆け足で全体をめくっていただければと思います。
まず4.1ということで、持続可能な地域と社会づくり、25行目、3R+Renewableの話。それから、61ページ目、最初の○のところは、市場全体を50兆円から80兆円にしていくということ。16行目から金属の資源循環。29行目から食品ロスの取組でございます。
62ページに移っていただきまして、中ほど、建築分野の取組。31行目から、紙おむつの取組。
それから、あと63ページ目は、4行目からの部分は、太陽光発電設備関係の検討状況。それから、35行目から下水汚泥の関係の取組を進めるということ。
64ページ目に移っていただきますと、7行目辺りから、地域の取組の促進手段として、自治体向けのガイダンスを作成、人材育成、あるいは情報提供の実施といったことです。
31行目から、環境教育の法律の関連の動き。
それから、65ページ目、環境と調和の取れた持続可能な食料システムに関連する取組の記載をしております。
一番下36行目の辺りから、海洋ごみ、プラスチック汚染に関する国際的な取組、あるいはそういう国内の動きを記載しております。
67ページ目の中ほどいっていただきますと、20行目の辺りから、リサイクルポート、27行目にモーダルシフトの記載がございます。
68ページに移っていただきますと、動静脈連携でございます。ここは最初に個別法のそれぞれの取組を記載しておりまして、資源有効利用促進法、容器、食品、小型家電、69ページ目から、家電、使用済自動車、建設リサイクル法、あるいはプラスチック資源循環促進法ということで、個別の取組を書いてございます。
70ページ目から、横断的な取組になっておりまして、16行目からGX等にも循環経済の部分がございます。
それから、21行目から、静脈企業再資源化の実施の状況等の必要な情報をうまく使って、あるいは電子マニフェスト等を使って、その取組を推進するということ。
31行目から国際的な動きになりますが、昨年のG7のほうでも合意に入りましたけれども、CEREP「循環経済及び資源効率性原則」、あるいは資源循環に関するルール形成のリードといったことが、次ページにかけて書いてございます。
それから22行目の辺りから、環境報告書、あるいはサーキュラー・エコノミーに係わるサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンスということで、関連の情報発信を強化していくこと。あるいは一番下からグリーン購入推進の関係の記載がございます。
73ページ目から各個別の物質ごとの取組になっておりまして、プラスチック・廃油、74ページ目が、バイオマスと。76ページ目、ベースメタル、レアメタル等々の金属、77ページ目が、土石・建設材料と。78ページ目が建築物、79ページ目が自動車、それから温暖化対策等により普及した製品や素材ということで、80ページにかけて、太陽光あるいは一部蓄電池の環境の取組が書いてございます。線維・ファッションが、その最後でございます。
81ページ目、多種多様な地域の循環システムの構築、あるいは地方創生の実現ということで、人材育成、あるいはコミュニティの再生・活性化や地域文化の醸成につなげていくということを書いた上で、27行目から地域の経済圏の特徴に応じた地域循環モデルの構築、それから、82ページ目から、有機農業等の環境保全農業や森林資源の循環利用、漁場環境の改善を通して、環境と調和の取れた持続可能な農林水産業の記載がございます。
一番下の部分ですが、脱炭素先行地域において、家畜ふん尿・下水汚泥・間伐材等のバイオマス資源の活用等の取組を推進していきます。
また83ページ目の最初にかけまして、それに必要な技術開発、実証の推進の記載をしております。
83ページの下、その次のページ目にかけまして、広域的取組ということでございます。エコツーリズム、あるいはエコタウンの関係の取組の記載をしております。
84ページ目の下から、地域環境の再生ということで、不法投棄・不適正処理事案の撲滅。
続いて、85ページ目からは、基盤の部分でございますけれども、一番下から動静脈連携を促進するために、排出事業者、あるいは再資源化を行う処理事業者との間の情報や、あるいは資源循環の実現に向けた課題の共有。
86ページ目の頭にかけまして、こういったもの情報整理をした上で、これをうまく活用しつつ、動脈企業、静脈企業のマッチングを進めていくための制度の検討についての記載をしております。
基盤としまして18行目から「循環経済パートナーシップ(J4CE)」、あるいは26行目から「サーキュラーパートナーズ」といったものを活用していくということを記載しております。
87ページ目6行目からのパラグラフでは、若年層を中心とした意識醸成、行動喚起の必要性。
また、20行目から、SIP、戦略的イノベーション創造プログラムにおきましても、「サーキュラーエコノミーシステムの構築」をテーマとして各種研究開発を行うと記載をしております。
それから、88ページ目にかけまして、環境教育、あるいはESDにまつわる取組を記載しております。
89ページ目は、8行目で廃棄物エネルギー利活用技術の高度化、10行目辺りでIoTデータ分析技術の活用といったことを記載しております。
90ページ目に入りまして、災害廃棄物処理体制の構築ということで、ここは再掲が多くございますので、割愛させていただきます。
92ページ目は、適正処理の推進、ここも再掲が多い部分がございますが、一般廃棄物処理関係では廃棄基準、あるいは有料化の手引きの推進といったことを記載しております。
それから少し飛びまして、96ページ目が、東日本大震災からの環境再生ということで、福島県内県外の取組を記載しておりますのと、97ページの下から98ページ目以降につきまして、国際的な循環形成、あるいは国内外一体的な資源循環政策の推進ということで、先ほどの枠組みの取組が98ページ目の冒頭から、18行目から、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」から始まるプラスチック関係の取組、それから、29行目から、ISO関係の国際標準化に向けた取組、それから99ページ目に入りまして、日本とASEANの緊密な取組の推進、あるいはASEAN諸国、OECD諸国で生じた重要鉱物資源を含む金属資源について、国内外一体とした資金循環の促進に関する取組。31行目から、バーゼル条約に関する取組を記載しております。
最後100ページ目になりますけれども、我が国の循環産業の国際展開ということで、18行目から、日本の優れた制度、優良事業の共有、あるいは人材育成と技術の輸出といったことに関する各種戦略に伴う取組を記載しています。
少し雑駁なりましたけれども、以上でございます。
○保全統括官 続きまして、資料2をご説明させていただきます。計画第5章の指標の検討状況のご報告でございます。前々回の9月28日の部会で一度進捗をご報告させていただいており、今日は、その後の進捗のご報告ということになります。
スライドの1ページは、9月の部会でご報告したときと同じもので、ワーキンググループのメンバーなどになります。
スライド2ページに開催状況をお示ししておりまして、全4回の開催予定、次回2月14日に議論をまとめていただく予定でございまして、本日はこれまでの検討状況をご報告させていただきます。
スライドの3ページには、指標の体系を現行計画よりもシンプルにしたいということを書いてございます。左側に現行計画について記載しておりまして、中ほどにございます循環型社会形成に向けた取組の進展に関する指標、こちらは重点項目別に、代表指標、補助指標を設けておりますけども、非常に精密に設定した結果、一番下の枠囲みにございますように、約140の指標が設定されており、少し細かすぎるとか、国で行っている行政事業レビューで見ているものと重複するなどご指摘いただいているところでございます。右側に次期計画ではどうしたいということを記載しており、全体像に関する指標は10指標程度、その下に循環型社会形成に向けた取組の進展に関する指標、すなわち重点分野ごとの指標は、大きく数を絞り、重点分野ごとに3指標程度にできればということでございます。
その際、できるだけ重点分野で示されている方向性に向けた達成状況を示すような、いわゆるインパクト指標、最終アウトカム指標といったものにしたいと9月にご報告させていただいたところですが、実際にこの方向で選定作業を進める中で、大枠で捉えたような指標にしようとすると様々な要因が影響するものになり、かえって今後5年間の取組の寄与が見えにくくなったりといった感度の問題も生じるということが改めて分かりましたので、そういった場合は、適宜見たいものが見られるようにもう少しブレークダウンした指標にするようなことも検討しております。具体には、後ほどの指標(案)のスライドで、またご説明させていただきます。
スライドの4ページは、全体像の指標(案)でございます。前回の部会でいただいたご助言を受けて、6番目の「再生可能資源等の投入割合」を追加してございます。こちらも含め、次期計画で新たに設定する指標については、名称の吟味も含め、また14日のワーキンググループで詰めていただきたいと考えてございます。
スライドの5ページは、これらの10個の全体像の指標について、マテリアルフロー上でどの段階に関係するかをイメージしやすいよう可視化したものを新たに作ってみたというものでございます。こちらも今後もう少しきれいに仕上げていく予定でございます。
スライドの6ページ以降に重点分野ごとの指標(案)を示してございます。
重点分野の一つ目の「循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり」のみ、こちらは本文も社会の全体像・大枠のような記載になっていますので、ほかの重点分野とは異なる扱いで、全体像の指標をそのまま使う方向で考えてございます。
重点分野の二つ目の「動静脈連携によるライフサイクル全体の徹底的な資源循環」については、まず循環経済工程表からの流れを受けて、1)の素材・製品別のライフサイクル全体における資源循環状況、そのほか、資源循環経済の主な要素についての進展を見ていくというメッセージ性も考えまして、例えば、Renewableということで、2)の再生可能資源の投入量、具体的に把握できそうなものとしては、バイオマスプラスチックの導入量あたりを見てはどうかと、それから、3)のリユース市場規模であったり、スローイング、すなわち、物質循環をゆっくり回すという観点から、4)の良質なストックの蓄積に関する指標、内容は検討中ではございますが、この四つでどうかということでございます。
スライドの7ページに移りまして、重点分野三つ目の「多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現」については、まず、1)の地域循環共生圏形成の取組で、地方創生につなげるということで、この取組を行う地方公共団体の数でありますとか、2)の地域特性を活かした廃棄物の排出抑制・循環利用の量など、3)の廃棄物エネルギーの外部への供給といった、それぞれの地域で工夫が期待されるような内容にしてございます。また、4)のごみ処理の広域化、集約化、こちらは次期計画期間内に更新時期を迎える処理施設が多くございますので、この機会を捉えて数十年後も見据えた広域化等を重点的に進めたいということで、具体の指標を検討中でございます。
重点分野の四つ目の「資源循環・廃棄物管理基盤の強靭化と着実な適正処理・環境再生の実行」につきましては、まずはDX化等の進展について見ることができるよい指標がないか検討したのですが、華々しい指標を現時点で設定するのはなかなか難しく、現在の計画にございます電子マニフェストの普及率を少し発展させまして、1)産業廃棄物発生量に対する電子マニフェストの捕捉率としてございます。加えて、やはり廃棄物処理の一丁目一番地ということで、2)の最終処分場の残余年数や、3)の不法投棄・不適正処理量などは欠かせないだろう、ということに加えまして、4)の災害廃棄物対策の備えに関する指標を検討中でございます。
スライド8に参りまして、重点分野の五つ目の「適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進」につきましては、我が国の優れた処理技術を活かした貢献といたしまして、まず、1)の特定有害廃棄物等の輸入量ということで、当面の間は、途上国で適正処理できないようなものを積極的に引き受けていく方向、中でも、2)のE-wasteの輸入量で、我が国の優れた技術を用いて有用な資源を回収する、これはひいては経済安全保障にも資するという意味でも重要かなということで挙げてございます。逆に、我が国の優れた技術を途上国などにも展開していくことも重要ではないかということで、3)の焼却設備、リサイクル設備、浄化槽等の輸出額を入れてございます。
以上、見ていきたいものがたくさんある中で、数を絞ってシンプルにするというのがなかなか悩ましい中、現状このようになっているというご報告でございます。14日のワーキンググループでさらに精査いただきますけれども、本日コメントなどいただきましたら、それもお示しし、14日にご議論いただきたいと考えてございます。駆け足で恐縮でございますけれども、以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。資料と1と2と、それぞれご説明をいただきました。それでは議論に移りたいと思います。
ただいまのご説明に対してのご質問、ご意見等のある方、会場参加の方は名札を立てていただくようお願いいたします。オンライン参加の方は、挙手ボタンを押してください。
それでは、オンラインのほうから手が挙がっておりますので、ご指名してまいります。まず、浅利委員からお願いできますでしょうか。
○浅利委員 ありがとうございます。まず資料1の基本計画のほうは、多くの意見を取り入れていただきまして、大分整ってきたのかなと。ちょっとボリュームが多いので、いかに伝えていくのかというところは、また別の議論が要るかと思いますが、作業に感謝したいと思います。
資料2の指標に関して、こちらもすごく苦労されながら検討いただいていて、しかもしっかりと議論していただいていることがよく伝わったんですけれども、具体的な重点のところで、地域の実情に応じた廃棄物処理の仕組みを考えていくための検討があったかと思います。
地域の循環システムの構築、地域創生ということで、恐らくその2のほうが、特に地域特性を生かして、地域自立型みたいなことを見ていくという形かなというふうに理解しています。
一方で、(4)のごみ処理の広域化、集約というのがあって、多分この(2)とか、(4)とかを組み合わせて、(1)につなげるという形なのかなと思いまして、ここをうまく、個別の指標もそうなんですけれども、関連性も含めて、表現できるにしていただく必要があるのかなというふうに思いました。
あと最後の5のところで、E-wasteを挙げていただいておりますが、等としていただいてもいいのかなと。というのも、ELVの関係では、再生プラスチックの供給とか、もちろんその付随するレアメタルの話もあるかと思いますので、ここも可能性も含めてですけれども、検討いただけたらというふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうも浅利委員、ありがとうございました。
それでは一通りご質問、ご意見をお聞きしたいと思います。
引き続いて、橋本委員、お願いいたします。
○橋本委員 計画の取り扱う範囲が、すごく多様になっている中で、どういうふうに整理して、計画としてつくっていくのかというところで、非常に難しいなと思いながら聞かせていただきました。
その中で何点かなんですけれども、1点目、2.3.の地域循環システムのところに、産業施設、施設計画のところで少し議論させていただいた、産業施設等における大規模熱利用について記載していただいていて、将来的にCCUSとか、大規模熱利用を考えると、広域化、集約化、大規模化みたいなことが必要になってくるわけですけども、その作業に合わせてCCUSも含めて考えると、立地みたいなことも必要になってきて、その辺の施設整備のところ、この先を考えていくと、今の段階でどうやっていくのかというのを考えるのは非常に重要だと思うんですけども、その点を4章の中の国の取組の中にも記載いただけるといいのではないかなというふうに思いました。あるいは、3.2.2.の地方公共団体の役割の中でも、そういったことも出てくるのかなというふうに思いました。これが1点目です。
2点目は、これ整理論なんですけども、サスティナブルファイナンスとか、ESG投資とかついても記載をいただいていて、これも重要だと思うんですけれども、現状、そのワードで検索すると、2.3.の地域循環システムの中、あるいは4.2.徹底的な資源循環、4.4.適正処理、例えば2.4の適正処理、こういったところにサスティナブルファイナンスとか、ESG投資の話が出てくるんですけども、これ、どこでどういうふうに議論するのがいいのかというのはあると思うんですけども、どちらかというと、統合的な取組の中で整理する方がいいんじゃないかなというふうに、現状でもちょっと2章と4章で、どこに記載するのかというのが、ちょっとばらばらしている感じもしましたので、ご検討いただければなというふうに思います。
3点目は、様々な意見を盛り込むと、この文章がどんどん長くなっていくという側面があると思うんですけども、再掲の部分を含めて、重複するような表現が違う言葉で述べられているものも結構あるなと思いながら聞かせていただいたので、少しその短くできて、コンパクトにできるといいかなというふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは次に、枝廣委員からお願いできますでしょうか。
○枝廣委員 はい、ありがとうございます。全般的に非常に包括的で、体系的、多面的なものになっていると思います。
私からは1点、国民含め、今後いろいろな事業者の主体者にとっても非常に大事な道しるべになると思っていて、その点で1点検討いただきたいことがあります。
それは地域で困っているバイオマス系の廃棄物です。例えば、間伐材や竹、剪定した枝、食物残渣、籾殻などを熱分解して炭化する技術が大変実ってきて、現在世界的な流れになってきています。炭化で炭にして、地域でのエネルギーや土壌改良材として循環を行ったり、もしくはそれを土中に埋めることで炭素を固定化することができます。脱炭素にも資するということで、日本でも今各地で農業者、林業者、そういった取組をしようと始めているところも多々あります。世界の動向も今そちらに向かっていますし、日本でもJクレジットの対象になっておりますので、そういった観点もぜひ入れていただければと思います。
あと指標についてもいろいろ考えられていて、なるほどと思いながら拝見していました。こういったことは、特に数字が後でひとり歩きする、もしくは数字に皆さんが注目されるので、どういった指標にしていくかというのは本当に人々の行動にも影響を与えるので大事な取組だと思っています。
以上、私からのコメントです。ありがとうございました。
○酒井部会長 枝廣委員、どうもありがとうございました。
では続いて、船越委員、お願いいたします。
○船越委員 私からはコメント1点です。
30ページ目からのところに、循環型社会形成に向けた取組の中長期的な方向性ということで、項目立てて書かれています。ここの30ページ目以降の、2.のところが、このレポートの一つの大きなコアだと思っていますが、それぞれの項目ごとに、隅つき括弧で、【背景・課題】、【政策の方向性】、【将来像】というふうに書き分けられているわけですけども、かなり楽観的な書きぶりとの印象を受けます。
具体的に申し上げると、2.2.の動静脈連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環ということで、【背景・課題】、【政策の方向性】、【将来像】があるわけですけども、背景なり、あるいはうまくいっている事例については紹介があるわけですけども、先ほどの間伐材の件などもそうだと思うんですけども、リサイクルできると非常に良いのだが、それがなかなか進まないという現実、即ち、リサイクルするのに、費用、コストがかかり、短期的にはリサイクル品が高くなる。従って、リサイクルがなかなか進まないという現実が、全く語られていないということです。
なかなか進まないということを具体的な事例も挙げながら、そういったものこそリサイクルを進めるべきということを課題として提起し、そうしたものを国の政策支援も含めて、どう進めていくといった議論が一番重要だと思います。そういうことがなくてもリサイクルが進むんだったら、何も心配はないわけですけども、ここに書かれてるような将来像に、そうは簡単にはならないわけで、なぜそうならないのか、そうするためにはどうしたらいいのかというのが政策の方向性で触れるべき内容だと思います。
毎回申し上げているわけですけども、やはり短期的には経済的、合理的でないものこそリサイクルを進めていかないことには、本来的な循環型社会形成にはならないわけで、そういう意味で33ページ目の6~8行目辺りに、「この際、各主体にとって短期的に経済合理的ではないが長期的には国民の経済的負担の軽減にもつながる取組も必要に応じて実施されるようにしていくことが必要となる。」と、3行ぐらい書いていただいているんですけども、ここが非常に重要だと思います。短期的には経済合理的ではないけども、長期的には負担につながることを政策誘導も含めてやるというようなこと、それ以外にもあると思うんですけども、進めていく上での課題があるはずであり、それに言及していない2.2.の内容は、非常に言葉を選ばずに言えば、きれいごとに見える感じがします。経済合理的ではないものをどう進めるかということだけではなく、色々とある課題について丁寧に書いていただかないと、この将来像にはならないのではないかということを強く思っています。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。多くの手を挙げた上げていただいておりますので、ちょっと要点を押さえたご発言をお願いできれば恐縮でございます。若干差し出がましいことですが、お願いいたします。
髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋委員 ありがとうございます。まず、ほかの委員もおっしゃっておられるとおり、大変大きな道標となるような計画をまとめられたことに敬意を表したいと思います。
一方、幾つかちょっと楽観的に過ぎるかなと思う表現がございましたので、少しだけ申し上げておきます。例えば38ページですが、太陽光発電設備については、適切なリユース・リサイクル・処分が確実に行われているとあります。でも現実には、土砂災害とか、景観破壊とか、不良品の大量廃棄とか、いろいろな問題が引き起こされ、メディアでもよく報道されています。その状況で今現在、確実に行われているとあると、本当かな、となると思いましたので、丁寧な説明というのが必要なのではないかと。またそのためには、政策的にも足りないところがあると思いますので、例えば認証とか、ラベリングとか、いろいろな方法があると思うんですが、今後の検討課題を書き足す必要があるのかなと思いました。
次に48ページです。東日本大震災以降の原発事故によって、汚染土問題は、今もずっと続く問題ですが、国民の理解のもと、適正かつ安全に処理を進めていると書いてしまうと、ちょっとミスリーディングかと。合意形成もできてないところもいっぱいあります。そういった意味では、例えば、国民の理解のもと、適正かつ安全に処理を進めるよう努めているぐらいの表現にとどめるほうがいいのでは思いました。
あと、私は環境政治学が専攻ということもありますので、主体間の連携の在り方が気になりました。51ページのところです。例えば、関係主体との連携のもと解決へと導いていくとありますが、この連携の在り方というのが重要です。上が決めたことを下が粛々と守っていくのではなくて、地域のレベルでの市民、あるいはNGO、あるいは事業者さんが持っているようないろいろなアイデアを、むしろ吸い上げていく。あるいはそれをやろうとしている企業や自治体があっても、うまくいかない場合、どういうふうに課題を一緒に解決していけるのか伴走するような姿勢というのが、行政とかにも求められているのかなというふうに思っております。そういった意味では、いろいろな意見を吸い上げる、耳を傾けるというようなニュアンスを含めるのも重要ではと思いました。
最後もう一点だけ、資料2についてです。こちらも本当にご苦労されて、まとめられておられるとおもいます。前回、全般にどちらかというと自然科学系の数字ばかりではないかと申し上げて、もう少しガバナンス的な目標も重要ではと申し上げました。この辺について、8で、例えば循環型社会形成に関する国民の意識行動とか、いろいろお考えになっておられ、敬意を表したいと思います。
一方、私が気になりましたのは、重点的な分野の3番目のところです。多種多様な地域の循環システムの構築と地方再生実現、これはとても重要なことだと私も思っております。ただ、これ自治体のその公共団体数だけにしてしまうというのは、本当にいいのかなと。資料1の循環型基本計画の中では、協働とか、パートナーシップとかが、とても重要視されているので、パートナーシップに基づいているのか、イノベーティブな取組があるのか、といったことも指標に入れてもいいと思いました。
すみません。長くなりましたが、以上です。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは次は、髙村委員、お願いできますか。
○髙村委員 ありがとうございます。私から大きく3点申し上げたいと思います。
前提として、現在、第六次の環境基本計画の議論をしておりますけれども、諸課題の統合ということを大きな基調にしていただいて、それぞれこの循環分野での課題、現状と課題、整理をしていただいていると思います。お礼を申し上げたいと思います。
1点目は、橋本委員がサステナブルファイナンス、ESG投資の記載について言及された点についてです。私もお願いでもあるのですけれども、やはりこの計画の中で、取組が必要とされていることの多くが、企業の資源利用、あるいは廃棄物対策など、サスティナビリティ情報の開示を求められるものも増えてきていると思っています。プラスチックが先行して投資家が企業評価に使っていると思いますし、産業によっては、もう既にそのセクターの必要な情報として開示されていると思います。EUの開示が、既に先行して始まっていることも含めてなのですけれども、こうしたやはり循環型経済社会に向かう取組をしっかり行って、企業が開示をしていくことが、企業価値の向上、これは資本市場や取引先からの評価の向上につながるということを、やはりどこかにしっかり明記をしていただくというのがいいのじゃないかと思っております。いろいろなところに書かれているのですが、多分前段の1のどこかにうまく記載していただくといいのじゃないかと。それが企業の競争力の向上にも、ここに書かれている、産業の競争力の向上にもつながるという意味で、重要な点ではないかと思いまして、ご検討いただきたいというのが1点目です。
それから2点目は、後段のところにあります温暖化対策などで新たに生じる廃棄物等への対策のところでありますけれども、大塚先生などはじめとする関係する先生方とご一緒に再生可能エネルギー設備の廃棄・リサイクルの検討会を行っておりました。
具体的に記載事項のところでご検討いただけないかというのは、ページでまいりますと80ページのところでございますけれども、確かに30年代後半以降に排出量顕著に増加するということは想定されているのですが、この検討会の中でも専門家の先生方から、非常に不確実性の多い、ある意味では災害時に既にもう廃棄物が出ていることも含めて、この排出動向について、今の書きぶりですとかなり角度の高い情報のように、このタイミングについて読めるように思っております。検討会の取りまとめでは、不確実性が多いので、したがって早期に計画的に検討するというふうになっていると思っていまして、ここのところは表記ぶりを検討いただけないかと。
もう一つが、ここにあります必要な取組を検討していただくというのは、本当に重要だと思うのですけれども、今申し上げました、場合によっては30年代に入ってから間もなくでも相当量が出てくる可能性もあるので、やはり早急に、計画的に検討を進めるということは書いていただくことが必要ではないかと思っております。
それから最後でありますけど、指標についてです。指標について今、検討を進めていただいていると思っていまして、今、出していただいている指標案について、今ここで具体的にということではないですけれども、むしろこれは環境政策を統合的に進める上で、いかに、いわゆる循環の分野以外の様々な関連をする、場合によってはサイドエフェクトが生じる、あるいはシナジーが生じる、ここをどういうふうにうまく取り込む指標をつくるかということは別に課題であると思っていまして、むしろこれは環境基本計画等を見合いながら、これも統合的に検討する必要があるかもしれませんが、やはり一つの課題としてあるように思っております。現在の出されている、この循環の指標として大きな異論はないのですけれども、統合的な国民のウェルビーイング向上というのは、どういうふうに評価をしていくのか、進捗を図るのかというのが課題だと思っております。3点目はコメントです。
以上です。
○酒井部会長 どうも、髙村先生、ありがとうございました。
それでは、続きまして大久保委員、お願いいたします。
○大久保委員 ありがとうございます。私からは1点だけ。
資料1のほうは大変まとまった形にあるべき姿が見えてきた、明確になってきたと思います。
他方で、先ほど船越委員や髙橋委員からご指摘がありましたように、実際にうまくいかないものをどうするかという部分については、具体的につないでく施策と、それからこの全体像等をつないでいくものとして指標があるのではないかと考えます。その観点から資料2の指標の、先ほどこれも浅利委員、髙橋委員からご指摘がありました、3の2)と1)でございますけれども、地域特性を活かしているという2)の指標は選定理由と見ますと、これまで焼却処理に回っていたけれども、他の手法による循環が見込めるとなっています。これは、地域にどれくらいポテンシャルがあるかが示されないと、量だけ出てきても分かるのかということがございますので、ポテンシャルが示されて、それに対してどれぐらいの割合というほうが適切でないかとも思われます。そして、1)のほうは簡単過ぎるのではないかというご指摘が、先ほど髙橋委員からありましたけれども、1)と2)をもう一度再構成する形で、ポテンシャルを示して、その割合のような形で再構成することは可能なのではないかと思います。3番目の指標は、何が課題となっていて、何が先駆的にできているのかということを示せる、グッドプラクティスと課題を示す上で大変重要な指標かと思いますので、この点、もし、より具体的なお考えが現時点でございましたら、お聞かせいただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 大久保先生、ありがとうございます。
では、引き続き、根村
委員どうぞ。
○根村委員 ありがとうございます。2点申し上げます。
この度は大変な作業をしていただきまして、ありがとうございました。
それで細かいところで本当に恐縮なんですけども、文の順番であるとか、表現を整えていただきたいようなところが何か所かあるように思いましたので、ゆっくりやっていただけるとありがたいなと思っています。
例えば、54ページの13行目、①無駄なものを買わないこと、とありますが、これは消費者にとってはすでに当然のことだと思います。⑦や⑧は一緒にしてもいいような内容ではないかなと思っております。それから、79ページ、4.2.6で自動車リサイクル法が出てきているんですけれども、これ順番を考えますと2番目と3番目の順番が逆のほうがいいように思ったりしております。
また、4.2では現状の説明にとどまっておりますが、今後どうするかはこの基本計画を基に進んでいくような部分もあるかと思いますので、どういった方向に進んでいくのかというところも少し書いていただけたらよろしいのではないかというふうに感じました。
以上となります。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、大塚委員どうぞ。
○大塚委員 すみません、ありがとうございます。環境省の別の会議があって入るのが遅くなったものですから、申し訳ありません。
さっと申し上げたいと思いますけど、一つは指標との関係で、浅利委員がひょっとしたらとおっしゃったことと関係しているかもしれませんけど、例えば、プラスチックの再生利用率ということが出ており、これは今後の指標として大事だと思うのですけど、さっきのEUの自動車のほうの規則案の発想というのは新しく作られた製品の中で使われているプラスチックの中での再生プラスチックの使用量を見ることになるので、ちょっと発想が違うんですよね。新しくつくっていく製品の中での再生利用率という、再生材のパーセンテージという、そういう発想になるので、見ているところが違うかなという気もします。環境政策としてはそこまで入り込めないのかということなのかもしれませんが、私は入り込んでいただきたいと思っているんですけど、他方で製品がたくさんあるので、そうなる目標を立てられるかとか、指標になるかという話も多分あると思うのですけど、もし、その辺について何かコメントいただけると大変ありがたいと思っています。
サーキュラーエコノミーというのは最終的には市場の中で回していかなくてはいけないので、新しい製品の中に組み込んでいく発想が実は結構大事だと思っているのですが、3R+Renewableにはそこが入っていると思うんですけども、その辺を教えていただけるとありがたいと思います。
それから、計画案のほうですけども、2点ほど申し上げておきたいと思います。1つは、資源回収拠点について、資源回収拠点はステーションという言葉も使っていただいているので、40ページとか84ページですけども、これはソーティングセンターとかも含まれるというふうに考えてよろしいんですねということを確認をさせてください。
それともう一つ、これはなかなか微妙なことになるのかもしれませんが、温暖化との関係での、カーボンニュートラルに向けての中長期シナリオ案が、まだ案のまま残っていると思うんですけども、それとの関係は、今回どういうふうな位置づけになっているかという点を教えていただければと思います。
以上3点です。恐れ入ります。
○酒井部会長 大塚委員、どうもありがとうございました。
それでは、ちょっとここで予定の時間が来ておるんですけども、会場から4名の委員、手を挙げていただいていますので、ここで会場のほうに回したいと思います。ちょっとポイントを押さえたご発言をお願いできれば幸いです。
粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ご指名ありがとうございます。それでは手短に。
1点目ですけれども、消費者の商品選択という上で表示、重要なんですけれども、その消費者の情報提供に当たって表示をどうしていくかというところの記述が何となく全体的に弱いかなと感じましたというのが1点目ですね。
2点目については、ページの79から80にかけてリチウム電池、電池のことを書いていただいているんですけれども、この中で対象が自動車と家電になっていまして、次が脱炭素に関するというところで電池をいただいています。この中で、例えば、最近普及している自転車についている電池ですとか、交通のシェアリングでいろんな形で、いろんなモビリティが出てきていると思いますけども、その中で使われている電池とか、若干ここからの表記から抜け落ちる部分がないのかなというところが一つ心配になりましたというのが2点目。
3点目として、国際資源循環体制のところなんですけれども、98ページ目の2ポツ目にグローバル全体のコンテクストとして国際的なルールや動向を踏まえていく必要という記述がありまして、4.5.2と、その後の4.5.3のところに、ASEANを中心かなとは思いますけど、念頭に、いろんな協力の体制を書いていただいてると。その中で比較的、ちょっとハードに議論が寄っているかなとは思いつつ、日本のサプライチェーンというのを考えると、ASEANとかアジアのコンテクストでもそういうグローバルなルールですとか、そういうところのソフト的な対話というところを強化していただくというのが重要ではないかというふうに感じました。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。要点抑えてありがとうございます。
岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 ご指名ありがとうございます。まず1点目に、資料1を拝見しまして、循環経済の要素を各所に取り入れ、全体としてよくおまとめいただいているように感じました。事務局に感謝いたします。
2点目です。循環経済への移行に際しては、産業競争力の強化が非常に重要な視点であり、経済合理性の確保が求められると思います。以前から繰り返し申し上げておりますし、先ほど船越委員がおっしゃったことと重なりますけれども、資料の57ページ以降の「事業者に期待される役割」の中で例示されている再生材使用は、コスト負担につながる場合が多いと想定されます。質の高いリサイクルと経済合理性のバランスの確保に向けて、基準づくりや規制緩和などをはじめとする制度の在り方、事業者の設備投資や研究開発を対象とする各種の支援に、ぜひ重点を置いてご検討いただきたいと思います。
3点目です。資料2で、モニタリング指標の検討状況が提示されています。かじ取りを誤らないように適正な指標でモニタリングすることが非常に大事だと思います。一方、特定の指標を設けることが、即、規制強化といったようなことにつながらないよう、政策的な対応には柔軟性を持たせていただきたいと思います。
関連して、資料2に「2.動静脈連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環」部分に「素材・製品別のライフサイクル全体における資源循環状況」という項目がございます。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを両立させるためには、サプライチェーンが大きく変化していきますので、単純な素材ごとの縦割りでの評価をするだけでよいのか疑問がございます。全体指標との組み合わせでうまく見ていけばよいのかもしれませんけれども、そうしたことについても、ご検討いただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。前回、細かい発言というか、質問などもいたしましたが、かなり修正いただきまして、どうもありがとうございます。
今回の部分ですけれども、やはり循環型社会をこれからつくっていくときに、10月の静脈産業の脱炭素化の委員会の内容とも関連しますけれども、やはり地域で循環型地域づくりを実現させていくということと、少し広域的につくっていく話とか、あちらの議論とこの辺の30ページからが連携しながらつくっているということが分かりまして、うまくそこをやっていくのが大事かなと思っております。
その中で、幾つかふと気になったのが、例えば、高い目標を掲げてみんなで取り組んでいくというのが大事なわけですけれども、例えば、これまでの委員会で日本の全てのCO2排出量の36%ぐらいは循環型社会づくりが関係しており、削減可能性があるという数字が出てきました。例えば、ああいう数字を減らしていくためには、どこをどうやっていくと減るのか、何かそういう、うまく循環型社会づくりが脱炭素につながるような使い方はできないのかというようなものを感じました。
もう1点で見れば、例えば、その食品ロスや食品廃棄物に関して、国連機関が21%から37%、これは世界全体の数字ですけれど、そのくらいのCO2、いわゆる輸送とかそういうのまで全部入れてですけれども、そういうことが関わってくるというような数字も出ていますので、そういうことに、こういう動きがどのように貢献していくのかみたいな、そんなこともイメージできるような数字の活用というのもあってもいいのかなという感じで読んでおりました。
なお、あともう2点ほどお話ししたいんですが、1点は東日本大震災のところのいろいろな記述なんですが、先ほど少し国が決めて理解をしてもらうようにしていくというような流れとちょっと違うんじゃないかというご発言がありました。
私もいろいろ浜通りの復興などに今、関わらせていただいていて、当初は国の責任でしっかりという、やはり突き上げのようなものというのは大変強かったと思いますし、今もそういう気持ちは社会にあると思います。けれども、震災から12、3年経って、どういうふうに地域と連携しながら、あるいは地域の声を集めながら一緒に取り組んでいくかという、環境政策でこれまでずっと全国でやってきた、この政策に、そろそろ国の責任から社会全体で取り組むという方向に、政策を少しずつ動かしていく大事な時期なんではないかというふうに感じておりますので、ちょっとその辺を考えて、もう一回全体の書きぶりを考えていただければうれしいなと感じました。
最後の1点なんですけれども、この指標のところで7ページに電子マニフェストの捕捉率というのがあります。今、電子マニフェストは、たしか70%を超えていますよね。ですから、それで今、脱炭素化の議論のところで電子マニフェストの、この内容をもう少し、どういうふうにリサイクルするかという数字まで入れて、少し内容を強化したらどうかという議論もしている最中なので、何かこの捕捉率だけではない、この電子マニフェストの数字を見せていくということも検討してもいいのではないかという感じがいたしました。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、末吉委員、最後にお願いします。
○末吉委員 どうもありがとうございます。膨大な計画をまとめてくださって、本当にありがとうございます。私からも幾つか意見を申し上げます。
まず1点目ですけれども、国民に期待される役割のところ、53ページの辺りですけれども、これを読むと全体的に「○○しないこと」という表現が多くて、前向きに受け止められない可能性が高いと感じた次第です。
それから、かねてから申し上げておりますけれども、循環型社会を創っていくことが中長期的にみて、国民の生活の質を高めることにつながるということを、改めてどこかに明記していただきたいです。国民にとってもそれを認識できるような普及啓発や教育なども必要であるということについても、触れていただきたいと感じました。
それから、次のNPO、NGO等に期待される役割のところになりますけれども、どこかにルール形成にもNPO、NGOも積極的に参加していくべきというような表現も入ったほうがいいかなと。ルール形成の議論にも、こうした専門性を持つ団体が入ってくることはとても重要であると考えています。
次ですけれども、環境省さんのほうでサステナブルファッションの取組、かなり力を入れてやっていらっしゃると思いますが、例えばですけれども、ジャパンサステナブルファッションアライアンスも環境省さんが関わっていらっしゃると思いますので、そういった具体的なファッションの取組もどこかに入れておいたほうがいいのではないかなと感じた次第です。
それから、88ページ辺りには学校教育のことについても記載してくださっていますが、非常に重要であると考えておりますので、明記いただいてありがたいです。その中で消費者教育もすごく大事になってきます。消費者庁のほうでも消費者教育の推進に関する取り組みの中で、持続可能な社会を目指した消費についてもいろいろと頑張っておられるので、ほかの省庁と足並みをそろえてやっていくのも重要になってくるかと思っています。
ごめんなさい、それからもう1点、先ほどのことでつけ足して言いますと、やはり消費者、生活者にとって分かりやすくて簡単な回収の仕組みの確立というのがすごく重要でして、地域でそれぞればらばらですので、そこはやはり地域の役割として、いかに簡単に消費者が回収の輪の中に加われる仕組みをつくっていく、確立していくというところは大事だと思っております。
最後にリユースに関してのことを申し上げますが、リユースの市場というのは2030年には4兆円規模のマーケットになると言われているぐらい大きくなっていくと考えられていますので、2030年にサーキュラーエコノミー市場の80兆円達成の目標にも資すると考えています。リユースの分かりやすさとか選びやすさを社会の中に広がりをつくっていくということはすごく大事だと思っておりまして、リユースへの取り組みがより明確化されるとともに消費者の行動変容につながりやすい指標の設定が重要であると考えます。ごみになる前に、リユースが行われることによって、投入される資源とかエネルギーとかCO2が削減、節約されますので、リユース市場を計測していくこと、そしてサーキュラーエコノミーでの貢献を可視化していくことというのはすごく大事であると思いますので、そういったことも指標の中に取り入れて考えていっていただけたら非常にありがたいです。
以上となります。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、この後、事務局のほうからご回答いただけるところいただきたいというふうに思います。
その前に船越委員、それから髙橋委員から、特に第2章の書きぶりが楽観的に過ぎるのではないかというご指摘をいただいたかと思います。これは、この循環基本計画、この中長期的な方向性ということで、将来像を描くような書きぶりをちょっと歴史的に取ってきていることがありまして、かくかくしかじか行えば、こういう世界が生まれます的な、そういう少しナラティブといいますか、物語的なことを描く、そういうチャプターになっているところがあります。
そこを中心に目を通していただければ、確かに今日いただいたご批判というのは真摯に受け止めねばならないのだろうと思いますが、そういう趣旨で今、事務局は作業をしているということを、まずご理解いただければと思います。
ただ、最終的にここの第2章を、どう扱うかということは今回、少し考えたほうがいいというふうに思い始めておりまして、今後の作業スケジュールとの関係次第だと思いますので、その辺りまた事務局と相談していきたいと思っております。
それでは、多くの意見をいただきましたけど、可能なところで事務局、ご回答をお願いいたします。
○循環型社会推進室長 まず資料1につきまして、簡単にご回答申し上げます。
非常に多くのご意見をいただきまして、次の回に向けて個別に直していきますが個別の委員からいただいたご意見、少し回答できる部分、ご回答申し上げたいと思っております。
ご質問を幾つかいただいておりました。大塚先生から回収拠点ステーションのところにソーティングセンターは入るのかというお話がございましたけれども、ソーティングセンターにつきまして、今のところ明示的にその中に入るというふうには書いてございませんが、今、プラ法が施行されまして、容リプラに加えて製品プラの一括回収が始まっております。このプラスチックそれぞれ性質が違いますので、これを一括で集めたときに、どういう設備がいいか、どういうシステムがいいかということの中に、ソーティングセンターみたいなことがアイディアとして出てきて、実験みたいなことも取り組まれているということは承知をしておりますので、どのような書きぶりができるか、ちょっと検討してみたいと思います。
あと中長期シナリオとの関係はということがございましたけれども、これにつきましては廃棄物処理システム全体としてCCUSをどういうふうにしていくのか。あるいは、廃棄物処理システムの広域化、長寿命化という、施設整備全体の方針もございますので、こういうものと相まって一体的に次の検討を進めていきたいとに思っておりますということを、ご回答申し上げて、この場は終わらせていただきたいと思います。
○保全統括官 資料2について、手短にお答えさせていただきます。
重点分野の3番のところで、数名の委員から、再構成を考えた方がよいのではないのか、また、地域循環共生圏について、取組を行う地方公共団体の数だけではなく、もう少し詳しく見たらよいのではないか、といったご助言をいただきましたので、改めて見直してみたいと思います。なお、地域循環共生圏に取り組む地方公共団体数については、定量的に見ていこうとすると、それができるのはこれぐらいかなということで、確かに少しバランスがよくないところはございますが、現時点ではこうなっているところでございます。フォローアップの時に、例えば、優良な事例も取り上げるなどといった工夫もあるのではないかと思いますので、事務局でも検討してみたいと考えております。
それから、大塚委員より、プラの再生利用率について、新しく作られる製品中の使用割合で見たらよいのではないかということについて、ご質問の形でいただいておりますが、ご助言として受け止め、検討してみたいと思います。
その他、各委員からいただきましたご助言を踏まえ、14日のワーキンググループで改めてご議論いただこうと思っております。ありがとうございます。
○酒井部会長 ポイントを押さえた回答をいただけたかと思います。今後の作業に生かしていただくというところでのご意見というところで、それぞれ重要なご意見としていただいておりますので、書きぶりに関しても、それぞれ文書の順番であるとか、それから表現、これでは国民に伝わらないだとかいったご意見もございましたので、そのあたりは作業の中でともに注意して進めてまいりたいと思っております。
それと、高村先生から指標に関して統合的な、あるいはサイドエフェクト、シナジーを反映できるような仕様ということの検討をということで、ここも考えさせていただきたいと思いますが、なかなかお眼鏡にかなうようなものが最後出せるかというところは、最初から何か防波堤を張っていますけれども、ちょっと努力をするというところで今日のところは私のほうから話しすることでご勘弁いただければと思います。
それでは、今日の資料1の関係、このあたりにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうしてもというご意見ございましたら、手を挙げていただければと思います。
それでは、議事の二つ目のほうに進ませていただきたいと思います。食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定についてでございます。今日、この食品リサイクル専門委員会の石川委員長、そして廃棄物適正処理推進課の松﨑課長から、資料3-1の説明をよろしくお願いいたします。
最初、石川先生からですかね。石川先生、お願いできますでしょうか。
○石川委員長 石川です、どうも。それでは、私のほうから資料3-1に基づきまして、今般の基本方針改定の背景と経緯について、ご説明いたします。
それでは、資料3-1の1ページめくっていただいて1ページ目。この中で、まず上の囲みのところを見ていただきたいのですが、昨年6月、規制改革実施計画と、一昨年12月の地方からの提案等に関する対応方針において、食品リサイクル法関連の項目がありました。
それらの項目を対象として、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会及び食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の合同会議において、3回にわたり検討、議論をしてまいりました。
その結果が、昨年12月報告書、今後の食品リサイクル制度のあり方という形で取りまとめられております。この報告書の中には、まず基本方針におけるエネルギー利用の推進等の位置づけというのがあります。これに関する具体的な対応として、基本方針の改定の方向性が盛り込まれております。
そこで報告書を受けまして、基本方針の改定については中央環境審議会に諮問がありまして、合同会合での審議等を経て、基本方針の改定案を取りまとめました。
今般の改定案を中央環境審議会答申として取りまとめるためには、循環型社会部会でのご審議が必要です。本日ご審議いただくのは、そういう趣旨でございます。
それから、追加ですが、報告書及び基本方針の改定案というのは、規制改革実施計画等に定められた項目に絞って取りまとめてあります。これは5年に1度、食品リサイクル法に関する施行の現状を把握して、内容について見直すという作業を行っているのですが、次の見直し作業は令和6年ということになっておりまして、そちらで全体の見直しを行う予定ですので、今回の基本方針の改定案というのは、規制改革実施計画等に定められた項目に絞ったものとなっております。細かい点については、事務局のほうから説明をお願いいたします。
○廃棄物適正処理推進課長 石川先生、ありがとうございました。それでは、事務局から基本方針改定案の内容のご説明をさせていただきます。
答申案の全文につきましては、資料の3-2にございます。また、基本方針の新旧対照表の案については、参考資料3にございますけども、ここでは主に、先ほど石川先生からご紹介いただきました、この資料3-1を用いまして、改定案のポイントをご説明いたします。
1ページ、引き続きご覧いただければと思います。今、石川委員長のほうからございました上の囲みの下に、昨年12月に取りまとめられました合同会合の報告書の概要が記載されております。昨年12月11日で、この本循環型社会部会で、この内容をご説明させていただきました。その際に、このページに記載しております3点のうち、1.基本方針におけるエネルギー利用の推進等の位置づけ、これに関する具体的対応、方向性、赤枠で囲っております、この内容につきましては、今後、基本方針に反映していきますという旨をご説明させていただきました。
この赤枠の内容に記載されております3点を踏まえました基本方針の改定案につきまして、合同会合の審議を経て、取りまとめられました内容を2ページから4ページにかけて記載しております。
順次、ご説明いたします。まず1点目のエネルギー利用の推進につきまして、2ページをご覧ください。報告書では、基本方針に定める再生利用等の優先順位、これを維持した上でエネルギー利用の推進も含めた再生利用の推進がカーボンニュートラルの実現の観点から重要であることを強調することが適当であるとされました。これを踏まえまして、基本方針の改定案では、このページの点線の枠内にございます内容を追記したいと考えております。
まず、基本方針の冒頭部分に、この枠内に書いておりますが、再生利用の推進やエネルギー利用の推進に関連する動向としまして、一段落目に書いておりますとおり、食料安全保障の強化が重要課題となっており、生産資材の国内資源への代替転換の推進に資する、食品循環資源の再生利用等の取組の、より一層の促進が求められていることを記載するとともに、二段落目になりますが、2050年カーボンニュートラル、そして2030年度削減目標の達成の観点から、食品循環資源の再生利用等を通じて、温室効果ガスの排出削減にも貢献することが求められているということを追記してございます。なお、これらの記述については報告書に記載された内容を踏襲したものでございます。
また、おめくりいただきまして、3ページの下段のほうの点線枠内、ご覧いただければと思います。再生利用に関する取組の抱負を記載しているパートが基本方針にございますが、その中に、この点線枠内にございますとおり、再生利用等の優先順位を維持した上で、エネルギー利用の推進も含めた再生利用の推進を通じて、カーボンニュートラルにも貢献することが重要であるという旨を追記したいと考えております。
次に、報告書の2点目の食品関連事業者以外のものについてでございます。同じページ、3ページの上段をご覧ください。報告書では、学校給食や社員食堂など、食品関連事業者以外の者についても、職員同士の削減も含めて、職員循環資源の再生利用等に努める必要があるということから、持続可能な社会を構築していくためには、社会全体での取組が重要である旨をさらに強調することが適当であるとされました。そこで基本方針の改定案では、この3ページ上段の点線枠内に記載されておりますとおり、食品廃棄物等に関わる多様な主体の参加の下で、社会全体で食品廃棄物等の削減に取り組むことが重要であるという旨を追記してございます。
最後に3点目の焼却・埋立の削減目標について、4ページご覧ください。現行の基本方針では、再生利用等の実施率に関する目標が定められております。この再生利用等を実施していない食品廃棄物等は、おおむね焼却・埋立されるということから、再生利用等の実施率を100%から差し引くと、焼却・埋立の実施率が自動的に算出されます。
先般、取りまとめられた報告書では、この再生利用等が実施されていない食品廃棄物の存在を明らかに認識した上で、再生利用等の実施率を高めようとする意識が、より働くようにという観点から、焼却・埋立の削減目標を参考地として設定することが適当であるとされました。そこで基本方針の改定案では、この4ページの点線枠内のとおり、焼却・埋立実施率による参考目標を定めるものとし、食品関連事業者の種類ごとに100%から再生利用等実施率目標を差し引いた値を参考目標として追記してございます。
以上が今回の基本方針改定案の追記の内容でございますが、これらのほか、食品ロス削減推進法などの関係法令の制定案、改廃状況の反映など、情報のアップデートを含めて、所要の修正等を行ってございます。
5ページをご覧ください。5ページは検討経過と今後の予定でございます。今年度内に答申、そして基本方針改定の告示を行い、令和6年度、冒頭、石川委員長ございましたが、5年ごとの基本方針の見直しにかかる審議を令和6年度に予定してございます。参考資料については、また後ほどご覧いただければと思います。
ご説明は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、ただいまのご説明にご質問からご意見のある方、意思表示をお願いできますでしょうか。対面の方は名札を立てていただき、そして挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
それでは、崎田委員から手が挙がりました。よろしくお願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。私は、これの検討の委員会に参加しておりますので、細かい部分では、もう意見を言い尽くしておりまして、いろいろ考えていただいて、ありがたいというふうに思います。
それで、今回やはり全体論ではなくて国の規制改革の委員会のご指摘のところだけお返事しているということですので、私もこの内容に賛同しています。
前回のこの委員会でも発言いたしましたが、やはりこのリサイクルになる前の発生抑制目標というのを、もっとこの食品リサイクル法の中でも、分かりやすくしていくようなことが今後の検討課題で重要だと、かなり発言をさせていただきました。今回の文書を拝見すると、文書の中の最初の文章には、かなり食品ロスの削減の大事さとか、そういうことも入れた上で今回の内容に入っていただいておりますので、そういう意味ではかなりお考えいただいたというふうに認識しております。
今後の、また全体論の検討のときにこういう内容も踏まえて検討に参加をしていければというふうに思っております。ありがとうございます。
○酒井部会長 崎田委員、どうもありがとうございます。
それでは、あとオンラインで髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 ありがとうございます。髙橋です。
まず取りまとめについて、大変分かりやすいご説明をありがとうございました。幾つかコメントがあります。まず今回は食品管理業者を中心というお話であることは理解したのですが、食品関連業者だけじゃなくて、そろそろ家庭系廃棄物についても着手が必要と個人的には思っておりましたので、そういったことが法的に含まれるのかどうか、今後の検討になるかもしれませんが、知りたく思いました。
2点目が、ページでいうと1ページ、3ページのところになるんですけれども、食品関連事業者以外のものも再生利用等に努める必要があるということで、そのとおりだと思うんですけれども、この点については実際、発生抑制をしたいと思っているけれども、選択肢がないという場合も結構あります。選択肢を増やすためにも、ほかの主体の参加、意見を吸い上げていく、というようなこともとても重要と思います。
あとエネルギー利用について、私も大変可能性が高いと思っていますが、対策オプションのヒエラルキーでは、堆肥化等々よりは下位に位置づけられると思います。より上位の既存の良好な取組がある場合は、それが損ねられないようにするということも、とても重要ではと思いました。
より重要なのは、先ほど崎田委員もおっしゃった点なんですけども、発生抑制でありまして、発生抑制については具体策というのが、なかなか書かれていないかなと。でも、例えば、今でも3分の1ルールのような習慣・慣行は発生を増やしている、これに対して自発的取り組みは始まっていると理解しておりますけれども、そういったいろんな取組を政策的に位置付けてさらに促進させることも重要かと思いました。あとは、フードバンクの活用とかこども食堂とか、WIN-WINな取組についても、例えば目標を定めるとか、増やすしかけがあってもよいと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうも髙橋委員、ありがとうございました。
それでは、お二方からご意見頂戴しました。どうぞ。
○廃棄物適正処理推進課長 崎田委員、髙橋委員、どうもありがとうございます。
まず、両委員からご指摘いただきましたのが、発生抑制の重要性でございます。これは我々としても、やはり一番最初にやるべきことが、この発生抑制でございますので、先ほど崎田委員のほうから食ロスの話ですね、食ロス法も令和元年に定められまして、その見直しも来年度に行われるということでございます。
環境省としては、この発生抑制について家庭系、事業系両方ありますけども、その両方を削減していくことが2030年の食ロス半減の目標の達成につながるということで、事業系については、この食ロス法でもいろいろな目標を定めておりますが、家庭系についても、やはり重要でございます。
対策は、なかなか容易ではないのですけども、どういう対策に効果があり得るのかということについて、我々のほうでもいろいろな観点で分析しているところでございますので、次の見直しの審議のときには家庭系に関しても、どういう対応策が出来得るのか、推進すべきなのかということについてご議論いただければと考えております。
そして、髙橋委員のほうからございましたけども、食品関連事業者以外の方の対策という中で、そのリサイクルもそうですけども発生抑制の対策、どういう取組が可能なのか、あり得るのかということに関しての選択肢、情報提供も重要だと考えております。その事例をしっかりと取組を整理して、それを発信することも大切だと思っております。これも5年見直しの際に併せて検討していきたいと思います。
あと優先順位のご指摘の点、おっしゃるとおりでございます。この優先順位の考え方というのは、食品リサイクル法が出来てから堅持されておりますけども、それをしっかり進めていくために飼料化のさらなる推進も含めて、どのような方策が可能なのかということも基本方針の5年見直しでご議論いただければと思っております。さらに発生抑制の観点でいいますと、先ほどキーワードをお出しいただきましたフードバンク、3分の1ルール等々については、これは環境省のみならず、関係省庁含めて、政府一体となって取り組む必要がありますので、食ロス法のさらなる検討と合わせてご審議いただけるように準備していきたいと思います。
ご指摘、ご助言ありがとうございました。
○酒井部会長 ご意見をいただき、そして、また事務局のほうからお答えをいただきました。
今回の基本方針改定、部分的な改定とはいえ、冒頭部分で基本的姿勢を幅広くしっかりと書き込んでいただいていることというのは将来を見据えて、いい整理をしていただいていると思います。つまり安全保障観点がしっかり書き込まれたこと、それと脱炭素化、カーボンニュートラルへの姿勢をしっかり示されたという、こういう点で今後の基本方針の議論にも資する整理になっているかと思います。そのように拝見しております。
それでは、今回ここでご意見頂戴し、そしてそのいただいた意見、今後の施策の参考にさせていただけるご意見であったかと思っております。そういうことではございますが、答申案の修正を要するまでのご意見はなかったと拝察をしております。すなわち、この答申案は、この専門委員会で、また、あらかじめ十分に審議済みであるということを踏まえまして、本日の案で事務局には環境大臣への答申に向けた手続を進めていただくということにしたいと思いますが、そういう方針でよろしいでしょうか。特にご注意がございましたら、手を挙げてください。
(了承)
○酒井部会長 それでは、了解いただいたということで進めさせていただければと思います。どうもありがとうございます。
それでは、事務局のほうで必要な手続を進めてください。これで議題の(2)は終了とさせていただきます。
次に議題の(3)といたしまして、事務局から報告事項が二つございます。両報告事項について、事務局から説明をいただいたのち、二つまとめて質疑応答ということにさせていただきたいと思います。
まず、災害廃棄物対策室の松﨑室長から、参考資料の4についての説明をお願いいたします。
○災害廃棄物対策室長 それでは、参考資料の4で、能登半島地震における環境省の災害廃棄物対策について、ご紹介、ご報告させていただきます。資料は5ページございますけども、1ページ目に全体の総括、記載されております。この資料を中心にご説明させていただきます。
まず上の囲みでございますが、災害廃棄物対策の基本方針でございます。これは全ての災害対応に共通するものでございますが、まず環境省としては本省のみならず、現地に職員を派遣しまして、被災市町村の状況、ニーズに即してきめ細かに対応していくというのが基本スタンスでございます。支援の局面ですが、災害廃棄物については大きく分けて三つステージがございます。
まず、一番左の1.ですが、生活ごみ、日常発生する、し尿・生活ごみでございます。災害廃棄物はもちろん発生するんですが、災害が発生した場合には避難される場合に非常に多く、また廃棄物処理施設などの被災が起こるということもございます。毎日発生する、このし尿・生活ごみを絶やさず適正に処理するということは重要でありまして、発災後から特に応急期において、この対応が重要となります。
二つ目が、災害廃棄物の撤去でございます。通常の生活ごみに加えて、災害時は一度に大量に災害廃棄物が発生します。これを片づけて出てきたものを仮置場に適正に、円滑に運搬して、仮置き場で管理すること。また、もう少し先のステージになりますが、家屋の解体も今後、非常に多く行われます。これの撤去、仮置き場への搬出、これも非常に重要となりますので、全国の市町村、民間事業者さんとも連携しながら、この収集運搬をしていく、その支援が重要です。
3ポツ目が、仮置場に入れた廃棄物を計画的に処理するというものでございまして、このステージでは広域処理も含めて、大局的な計画を立案して進めていく、これを支援する必要がございます。
それでは、下のほうですね。今回、今現時点では生活ごみの処理と災害廃棄物の撤去が主体ですので、これに関する環境省の取組、ご紹介します。
まず1ポツの一つ目のポツ、職員に関しましては発災翌日の2日から現地派遣を行っております。現地の確認、助言を実施してございます。あわせて、能登地域の6市町、特に被害が大きかった、この市町に職員が常駐して現地支援を実施しております。加えまして、環境省で令和2年に設立しました人材バンク制度、これは、これまでに災害廃棄物を自ら経験された自治体の職員の方に登録いただきまして、派遣をするというものでございます。この人材バンク制度の活用に当たって、自治体の職員の方、これまで42名の方、石川県内の7市町へ派遣し、活動支援いただいております。
続きまして、避難所の仮設トイレでございますが、仮設トイレは現在1,000基を超えておりますが、このし尿に関しまして、バキューム車の応援も含めまして改修体制を整え、現地の状況をしっかり把握しながら回収を実施してございます。
また、避難所の生活ごみ、また帰宅された方の家庭ごみの収集、こちらにつきましても地元の事業者さんに加えまして、ほかの自治体さんからの応援も受けて、平時と同様の回収体制を整えつつございます。
また、被災により稼働を停止している廃棄物処理施設は複数ございます。順次、復旧しておりますが、この復旧に関しましては技術的支援を行うとともに、財政支援もしっかりと今回手厚く支援することとしております。
続きまして、2ポツの災害廃棄物の撤去でございます。片づけごみなど、発生した廃棄物については、仮置場を設置して、そこで運営管理を適切に行うことが重要です。石川県、新潟県、富山県、それぞれ市町で仮置場を順次設置してございます。これに関しましては、奥能登に関しまして今日の資料の5ページ目に奥能登の珠洲、能登、輪島については、まだ調整中という記載をしていますけども、輪島と珠洲に関しましては2月1日から、能登に関しましても2月5日から開設予定となっております。
1ページ目に戻りまして、この災害廃棄物を適正迅速に処理するためには、財政支援は非常に重要です。今回、この地震が特定非常災害に指定されたことも踏まえまして、国負担率が通常よりも高くなる特例的な支援を行ってございます。
また、通常であれば全壊家屋の解体撤去は補助対象でございますが、今回、特定非常災害に指定されたことも踏まえまして、半壊家屋も解体支援の対象となります。自己負担でのとありますが、このような全壊、半壊に関しましては申請に基づき、公費解体を行うということでございます。マニュアルも整備し、また今回、空き家のおうちも少なくないということございまして、この解体に関しましては民法の制度なども積極的に活用しまして、その法的な整備に関しても事務連絡を発出してございます。
また、被災自治体の方には、何度も機会を捉えて説明会を実施しております。最近では、家屋解体に関するニーズが非常に高いということで、今週、その説明会を行いました。また、解体撤去についてはふだん慣れない市町さんも多いですので、この対応に関しましても職員や人材バイクの経験者を派遣して、実務的な支援のほうを行ってございます。まだ1か月たったところでございまして、避難者の方も多くいらっしゃいます。家屋解体、片づけごみはこれからでございます。環境省一丸となって関係省庁と連携して、また石川県はじめ、県さんとも連携して、しっかり支援してまいります。
ご報告は以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。引き続きまして、廃棄物規制課の松田課長から、参考資料5の説明をお願いいたします。
○廃棄物規制課長 それでは、脱炭素型資源循環システムの構築に向けた具体的な施策の在り方についての案ということで、ご報告させていただきます。
昨年の6月に、この循環型社会部会の下で、小委員会を設置させていただきまして、小委員会には酒井部会長に小委員長をお願いして、またほかに9名の部会の委員の方に参画していただいております。誠にありがとうございました。
そちらの小委員会の中では、それまでの循環経済工程表や廃棄物処理法の基本方針などを踏まえながら、多分脱炭素と資源循環の取組、こういったものを自然循環ビジネスで行う場合に、一体的に支援する具体的な制度的対応について、議論を実施いただいたところです。昨年に5回、議論を実施しまして、今年の1月22日の小委員会において、パブコメを経て、意見具申の案をとりまとめしているところでございまして、今、意見具申の具体的な手続の事務的なところを進めているところでございます。少し参考資料の5-2について、こちらの今の案を少し紹介させていただきます。
目次をめくっていただきまして、最初にⅠのところで我が国の資源循環を取り巻く状況と課題認識ということで、適正処理の確保や様々な資源循環を取り巻く状況、また脱炭素やネイチャーポジティブの貢献、産業競争力強化や経済安全保障への貢献などなど、こういった資源循環を取り巻く状況と課題認識を共有していただいた上で、その上で基本的な考え方と今後の方向性というのをまとめていただいております。
5ページに、ちょっとめくっていただきまして、少し紹介をさせていただきますと、こちらの基本的な考え方のところで循環型社会形成推進基本法に規定する基本原則を踏まえて、質、量、両面での資源循環の高度化を推進して、また炭素化、ネイチャーポジティブ、産業競争力強化、経済安全保障といった社会課題の解決、地方創生につなげることが重要だと、こういう基本認識の下で今後の方向性ということで、我が国の社会課題の課題解決ということで循環経済の取組の促進であったり、また地方創生への対応だったり、また脱炭素型資源循環の技術やシステムの社会実装であったり、情報を通じた自治体間の連携であったり、そういった方向性についてまとめていいただいております。
こういう基本的な考え方と、今後の方向性を受けて、目指すべき具体的な脱炭素型資源循環システムのイメージという部分について、7ページのほうにお示ししているのですけども、こちらのほうに静脈産業、動脈産業、地方自治体、また市民・消費者の関係図が示されておりますけども、例えば、動脈産業と静脈産業で動静脈連携を構築していったり、また静脈産業と地方自治体で官民の連携処理システムの確立をしたり、また静脈産業自体のカーボンニュートラル化を図ったり、資源循環技術の高度化を図ったりと。また市民・消費者の方との連携を図って、資源循環を具体化していこうと、こういうコンセプトで今後、具体的な政策を打っていく必要があるのではないかということです。
それで、また参考資料の5-1に戻りまして、具体的な脱炭素型資源循環システムの構築という部分で、四つの取組について進めていくべきではないかということで、動静脈連携の構築と、製造業と資源循環産業が連携してペットボトルの水平リサイクルを事例にしていますけども、必要な質量の再生材を確保する事業形態を推進すべきではないかと。また、様々な市町村、今まで直轄で行った部分について、民間活力も活用して資源循環を進める取組を推進すべきという部分。加えまして、資源循環産業においてCO2の分離回収設備、また省エネ化などのカーボンニュートラルに向けた取組を推進すべきというところ。加えまして太陽光パネルのリサイクルなど、リチウムイオン電池など、重要資源について国際・国内での資源循環の取組を推進すべきじゃないかということで、こういう四つの類型の取組を具体的に進めるために、国が認定を行いまして、また生活環境の保全には支障がないように措置を講じた上で、廃棄物処理法に基づく、例えば処分業の許可であったり、施設の許可であったり、こういった部分の各種手続の迅速化を図るべきではないかというふうに指摘されてます。
また加えて、併せてこれらの設備導入の支援について、各種答申、促進策、こういったものを実施すべきではないかとされております。加えまして、このような動脈企業と静脈企業の連携という部分の中で再生材の質量に関する情報のマッチング、またバリューチェーンでの情報流通、資源循環のパフォーマンス評価、こういったものも推進すべきということで情報を通じた主体間の連携の促進であったり、またバーゼル条約e-waste改正を受けた制度的対応や日本のリサイクルハブの確立に向けた国際的な取組、こういった点についても示していただいております。
このような形で整理していただいた内容を受けて、脱炭素型資源循環システムの構築は急務であると。その実現に向けて制度的、予算的対応を総合的かつ速やかに講じていくべきというふうにされているところでございまして、環境省としては、もちろん予算制度も、こちらの報告を受けてつくっていこうというところではあるんですけども、このサーキュラーエコノミーの実現に向けて、廃棄物の再資源化の高度化等につながる事業者の取組を促進する新たな法的枠組み、こういったものを今回の通常国会に提出すべく、検討を進めているところでございます。
ということでこの資料について、報告させていただきました。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、災害廃棄物関連と、それから静脈産業のシステム構築関連の2件のご報告を頂戴しました。
それでは、この報告に対してご質問、ご意見ある方、手を挙げていただけますでしょうか。約束の時間、ちょうど5時半にきておりますが5分、10分の超過、延長をご容赦いただければ幸いでございます。
それでは、粟生木委員どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。災害廃棄物に関しましては、皆様のご努力ですとか衛生面への配慮、誠にありがとうございます。
私から今回ご報告いただいたのは、生活ごみ及び家屋等の市民に関わる廃棄物かなというふうに思いますけれど、石川県は漁業等も盛んな地域かと思いますので、こういった産業系の廃棄物に対して今後どのようにご対応されるのかというところをお伺いできればと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
岡村委員、お願いします。
○岡村委員 一言だけ申し上げます。能登半島地震に対する、現在の対応状況をご説明いただいて、生活ごみの処理と災害廃棄物の撤去が迅速に進められている様子を理解いたしました。
次のステップである災害廃棄物処理については、私の属しておりますセメント産業もできるだけの対応をしたいと考えております。まずは木くずが主な対象になろうかと思っておりますけれども、行政と緊密に連携させていただいて最大限の貢献ができるようにしたいと思っております。今後、よろしくお願いいたします。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。この災害廃棄物対策のところでコメントと質問させていただきます。ご説明いただきましてありがとうございます。まだ今、真っ最中で本当に大変なところだと思いますが、迅速に対応いただきありがたいと思っています。
なお、質問とコメントなんですが、この災害廃棄物に対して、システムをつくってこういうときにどう動くかといういろいろな仕組みをつくっていると思いますが、それが今回うまく機能したかどうか。別に厳しく詰問しているわけではなく、うまくちゃんと機能したかどうか様子を伺いたいということです。
もう一つなんですが、先ほどの第五次の循環基本計画の中の44ページに災害廃棄物処理体制の構築及び着実な処理ということで一言、令和6年度能登半島地震といった災害も起こっているかというふうに一言だけ入っているんですね。
何かもう少し、これに対しては、これまでの対応と違う側面もあるわけですので、そういうところに迅速に対応している最中であると書くなり。取りあえず何か、もう少し様子が分かるような表現があってもいいのではないかなと。それが社会へのメッセージにもなるんではないかなというふうに思います。そういう体制をちゃんと取っていながら、常にそれが全てうまくはまるわけではないと思いますので、そこに対応しながらこういう仕組みをつくっていただいているというその辺が伝わるほうがいいのではないかなと思いました。
よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
時間は押しておりますが、オンラインから3名手を挙げていただいておりますので、お聞きしたいと思います。
石山委員、お願いいたします。
○石山委員 石山です。よろしくお願いいたします。
まず、能登半島地震廃棄物支援状況のまとめにつきましては、このような形で、数値的なものも含めて情報提供いただいたこと、また、早くから環境省の職員が現地でこのように作業・指導に当たっていただいていることをありがたく思っております。本当に頭が下がります。
被災地での廃棄物処理を含む広域的な応援・支援について、実は私どもの自治体で受け入れているものが、1月6日から今日まで続いているという状況にございますので、日常生活に早く被災地の方々が戻りますように今後とも現場に寄り添ったご対応をぜひともお願いしたいと思います。
今ほどの委員の方もおっしゃられたように、今回のこの廃棄物処理に係る支援はまだ続いているので、これからお取りまとめいただくことと思っておりますが、先ほどの基本計画案に状況を反映することがあるのであれば、ぜひ加えていただけたらありがたいと思います。
それから、参考資料の5-1につきまして、少し意見をさせていただきたいのですが、国が認定する高度な資源循環の取組イメージの、地域での官民連携のところに市町村が主導してという言葉がございますが、地方公共団体が主導してという言葉のほうが適切ではないかと思いました。
参考資料5-2の8ページ辺りのところに類型2のことが文言で書かれていたかと思いますが、一地方自治体でなく、複数の地方自治体を指すことが想定されていることと、この循環型社会部会におきまして、基本計画案の作成、指針取りまとめまでの、昨年夏頃の先進的な事例をご紹介いただいたときにも都道府県レベルでそうした調整をされている事例もありましたので、都市自治体、町村自治体、都道府県、いずれでも読めるような地方自治体ないしは地方公共団体という言葉がよいのではないかと思っております。
それから少し戻ってしまい恐縮ですが、今日の議題の基本計画案における3-2-2の地方自治体に期待される役割について、現行の基本計画とかなり変更された形で書かれているようでございます。もう少し私も内容を精査させていただいて、ちゃんとコメントができればいいのかなと思いながら、今日、ご意見等を伺ってまいった次第です。環境省からもぜひ、教えていただけたらありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○酒井部会長 どうも石山委員、ありがとうございました。
それでは、引き続いて、船越委員、どうぞ。
○船越委員 1点だけ、すみません。
資料5-1のほうですけども、最初の基本計画のところでコメントさせていただいたことと非常に関連するというか近い内容になりますけども、この真ん中の脱炭素資源循環システムの構築で、二つ国としての取組が書かれてますけども、この各種投資支援策の実施に加えて、やはり公共調達での取組も含めた要するに購入・使用サイドでの支援といったようなことが必要だと思います。
要するに、こういうリサイクル品についてコストがかかって高くなるというようなことを意識して、多分、投資支援策なんかという言葉が出てきたと思いますけども、投資支援だけではなかなか進むものでもありませんので、必要に応じて製品の公共調達の支援も含めた、購入促進なり、使用サイドでの使用を促進する支援の取組といったような施策が必要ではないかというふうに思っています。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、最後に浅利委員、どうぞ。
○浅利委員 すみません、時間がないところ申し訳ないです。
災害廃棄物の関係は皆様のご指摘のとおり、本当に環境省のほうも早々から現地入り含めてすごく張っていただいているなということで感謝してます。
崎田委員のほうから、過去、予定した事前の計画とかと比べて対応とかどうだったかというご指摘がありましたが、ちょっと検証には、まだ時間がかかるのかなというふうには思ってますので、もう少し温かく見守る必要があるのかなと思っています。
今後というところでは、この間特に地方を8ブロックに分けて、こういった広域での対応というのも検討してきていて、その検証もこれからになると思いますけれども、やはり想定どおりにいかないことが、もう本当に災害の常だと思いますのでいかに想像力を持って、すぐさま対応できるか。
そういう意味で今回、特に国の役割とか、分担とか、地方への地方ブロックとの連携とか、地方自治体との連携、広域連携のあり方を改めて見直す機会になったのかなと思いますので、そういった視点からの災害廃棄物のより一層の資源化に努めていく必要があるのかなと思いまして、ちょっとコメントを含めて発言させていただきました。
○酒井部会長 ありがとうございました。2件の報告事項でございましたが、非常に多くのコメントをいただいておりますので、それぞれここでのご発言よろしくお願いいたします。
○災害廃棄物対策室長 災害廃棄物対策室長の松﨑です。災害対策につきまして、多くの委員の方からコメント等々ありがとうございました。
近々ですけども、この災害廃棄物処理というのは、やはり日頃の日常の生活をされている市民の方にしっかりと寄り添ってということが大変重要だと考えておりますが、一般の市民の方に加えて零細企業、中小企業の方々に対して、例えば公費解体を行う場合、そういう方々も対象にするということも行っております。
政府全体としては、今回の災害によって、なりわいの再生というのは非常に重要なキーワードとなっておりまして、先週、政府としての支援パッケージが公表されております。その中で、なりわい再生に関してのいろんな支援、これは環境省では災害廃棄物がメインでございますけれども、政府全体としては、そういうの支援内容も盛り込まれてございます。
引き続き、関係省庁と連携しながらしっかり対応していきたいと思います。
また、広域処理につきましてですが、今回のペーパーでいうと、一番右の災害廃棄物処理、やはりそのためには広域処理が非常に重要です。例えば、今回特に被害が大きかった奥能登を中心として、石川県のほうで、この災害廃棄物をどう対処していくのかという検討のほうをされておりまして、我々としても、県庁にも職員を常駐させて、そういう技術的支援、過去の災害を踏まえた助言のほうを継続的に行ってございます。
先ほど浅利委員のほうから検証に時間がかかるとおっしゃっていただきまして、実は我々としても、こういう大規模災害が起こったときは、検証は重要だと思っています。これまでの震災でも、酒井部会に委員長になっていただいております検討会がございますけれども、その中でワーキングを設けておりますが、そういうところでしっかり検証していきたいと思いますが、現時点ではいろいろと支援メニューを想定して準備しておりましたが、人的支援について、ここまで人材バンクを活用した、ほかの自治体の職員を派遣して、活躍いただいたことは今までありませんでした。もう非常に協力的で、やはり自治体の立場を分かって、実務的に寄り添って支援するということの大切さを痛感しております。もちろん検証が必要でございますけども、この制度は、これからもしっかり運用していきたいと思いますし、今後の災害でも、できるだけ効果的な形で生かしていきたいというふうに思っております。
第五次循環基本計画での記載について大変恐縮です。ご指摘の趣旨は理解いたしました。今、震災の災害対応の支援の真っ最中でございますが、それと並行して、循環基本計画の取りまとめに向けて、どういう記載が可能、実施でき得るのか。基本計画に盛り込むときにはどういう姿勢で盛り込めばいいのかというのをうちの庁内でちょっと頭合わせをしながら、盛り込み方を考えていきたいというふうに思っております。
以上でしょうか。まだまだ100点満点というのは災害対応ではないと思っておりますけれども、その反省と改善を日々繰り返しながら、できるだけ被災地の復旧・復興が早期に進むようしっかり頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。
○酒井部会長 粟生木委員のほうから漁業など産業系の廃棄物に関してのご質問ございました。これは先ほどの政府のなりわい再生の、そういうような中でのパッケージで読めるという、そういう構造になっていますか。
○災害廃棄物対策室長 失礼しました。例えば漁業で言いますと漁港区域であるとか、もしくは港湾区域で災害廃棄物が発生し、また、今回、津波も一部の地域では発生しまして、そういう災害廃棄物に対してどう対処するかということについては、環境省と、あとは水産庁、あとは国交省とそれぞれの支援スキームがございまして、それを組み合わせながら支援していくという形で行ってございます。
○酒井部会長 今回、漁港が隆起したり、これまでにない状況が起こってますから、そういう中でどうやっていかれるのか、また聞かせてください。
松田さん、どうぞ。
○廃棄物規制課長 石山委員から、ご指摘がございました市町村の自治体の言葉の使い方という部分か思います。
参考資料5-2の意見具申の案では、地方自治体という形で記載をしてますので、今後、参考資料5-1は、意見具申を受けた概要資料ということですので、今後、概要資料にあっては、地方自治体という形で統一した形で出していきたいと思います。
また船越委員からご指摘のあった公共調達の件ですね。再生材の公共調達、こちらについても、今回の小委員会の中では、動脈企業と静脈企業の部分での連携だったり、また国民の皆さんに再生材の活用という部分のところで、どのようにそういった情報を出していくかということは、まとめに示されてるわけですけれども、もちろんこの公共調達で、こういう再生材の活用というのが非常に重要だということは我々も認識しておりますので、関係省庁とも相談をしながら今後、そういう政策を検討していきたいと思います。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、質疑応答は、ここで終了ということにさせていただきます。
本日の議事以上となります。進行を事務局にお返しいたします。
○環境再生・資源循環局総務課長 長時間にわたるご議論、どうもありがとうございました。
次回の部会につきましては、事務局から委員の皆様に改めてお知らせいたします。
以上で本日部会を閉会させていただきます。
ありがとうございました。
午後5時49分 閉会