自然再興の実現に向けた民間等の活動促進に関する小委員会(第3回)議事録

開催日時

令和6年 1月 23 日(火)14:00~16:30

議事次第

1  開会
2  議事
(1) 自然再興の実現に向けた民間等の活動促進につき、今後講ずべき必要な措置 (答申案)について
(2) その他
3  閉会

議事録

午後2時00分 開会
○司会 定刻となりましたので、ただいまより、中央環境審議会自然環境部会第3回自然再興の実現に向けた民間等の活動促進に関する小委員会を開会いたします。
 本日は、お忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。
 会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日の委員会には14名の委員にご出席いただいております。このうち、定足数の対象となる委員、臨時委員10名中、ウェブ会議システムでの参加を含め、9名がご出席いただいておりますので、本委員会は成立しています。
 本日の会議運営についてご説明いたします。本日、会議室でご参加の委員の皆様におかれましては、ご発言の際は名札を机の上に立てていただき、委員長からのご指名後、マイクをオンにしてご発言ください。発言終了後は、マイクをオフにしていただくようお願いいたします。
 本日、オンラインでご参加の委員の皆様におかれましては、マイク、ビデオは各自ご発言の際のみオンとするようお願いいたします。また、ご発言の際は、チャット欄に書き込みいただき、ご発言する旨をお知らせください。委員長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただき、議事録の円滑な記録のため、お名前をおっしゃってからご発言いただきますようお願いいたします。なお、挙手ボタンは気がつかないこともございますので、挙手ボタンは使用せず、チャット欄をご活用いただければ幸いです。
 本日、ご説明する資料につきましては、委員の皆様には事前に電子データにて送付しております。本日は、事務局が画面上に資料を投影し、進行させていただきますので、お送りした資料は必要に応じ、お手元でご参照いただきますようお願いいたします。本委員会の様子はYouTubeチャンネルによりライブ配信を行っております。傍聴されている方につきましては、本日の資料を環境省ホームページの自然環境部会のページにアップロードしておりますので、そちらをご確認いただきますようお願いいたします。
 早速ではございますが、これよりの議事につきましては、石井委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○石井小委員長 皆さんこんにちは。石井でございます。
 本日は第3回目ということになりまして、最終回でございます。答申の取りまとめができればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。
 会議録は、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承いただいた上で公開することとなります。また、会議資料につきましても公開となります。
 それでは、議事の1、自然再興の実現に向けた民間等の活動促進につき、今後、講ずべき必要な措置(答申案)の検討について、事務局からご説明をお願いいたします。
○自然環境計画課課長補佐 お世話になっております。委員の皆様、環境省、小林です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、これまでの経緯も振り返っていきたいと思います。
 第1回目、10月に開催しました。このときに検討会の目的や背景、そして関係者からのヒアリング、そして論点に沿って、ご議論、ご指摘いただきました。そして、11月に第2回目の小委員会を開催しました。このときに、第1回目で委員の皆様からいただきましたご意見を踏まえて作成した答申案についてご議論いただきました。そして、第2回目の小委員会でいただいた指摘を踏まえて修正したものを、12月から1月にかけて1か月間、パブリックコメントにかけさせていただきました。そして、本日1月23日第3回では、このパブリックコメントを踏まえて修正した答申案、こちらについて、案をご用意させていただきました。まずここまでが、これまでの経緯になります。
 続きまして、お手元の資料1-1をご覧いただければと思います。
 資料1-1は、パブリックコメントの実施結果になります。8者から32件いただきました。この資料1-1において、ご意見を踏まえ修正を加えたものは、赤字で記載しているところです。具体的には、お時間の関係もありますので、資料1-2の答申案の本体を用いて、どのようなところをパブリックコメントを受けて修正したかを簡単にご説明させていただきたいと思います。
 それでは、資料1-2のほうをご覧いただければと思います。こちらが、今回、自然再興の実現に向けた民間等の活動促進につき、今後講ずべき必要な措置についての答申案の本体になります。
 目次ですが、この答申案は、はじめにと現状と課題、そして今後講ずべき措置、そして別途必要な課題という形で構成しております。
 パブリックコメントでいただいた意見で修正した主な部分、特に今後講ずべき措置の部分で、どのような修正を行ったかについて簡単にご説明いたします。
 まず、全般的に読みやすさの観点から、てにをはの修正は加えさせていただいておりますのでご了承ください。
 
 まず、9ページの22行目から24行目です。こちらに、生態系の回復、それから創出を行う活動についての検討・整理、こちらを早急に進めることを明記すべきというご指摘をいただきました。
 このパブリックコメントのご意見を踏まえて、ここに、その際、自然共生サイト認定の仕組みの対象とならない、生態系の回復及び創出を行う場所での活動については、求められる活動等に関する検討を早急に進めることが重要であると追記させていただきました。
 また、同じ項の中で、ここは活動の内容をどのような活動を認定していくかになるんですが、その中で、いわゆるグリーンウォッシュにならないための配慮が必要であるというところがあります。そこについて、グリーンウォッシュを避けるためにも、良好な環境を大規模に開発した後に造成した小規模な緑地等が認定されないように、土地利用の変遷というような言葉を追記したほうがいいんじゃないかというようなご意見をいただきました。
 そちらを踏まえて、9ページ33行目、34行目に、土地利用の変遷や周辺地域との関係に係る過去の経緯というふうな形で修文させていただきました。
 続きまして、10ページ目です。ここも同じく、認定する際の留意事項ですが、ご意見として、活動計画の策定主体に対して、生態系ネットワークを意識してもらうという視点が重要ではないかというご指摘をいただきました。
 そこで、ここに、周辺地域との関係性を踏まえて、例えば、生態系の連結性を確保する活動や、湿地保全のために水源地を保全するなど関連する場の生態系の保全にも寄与する活動など、生態系ネットワークの構築にも留意し、既存の保全地域の機能強化や地域の生物多様性保全に寄与しているかという視点も重要であるというふうな形で修文させていただきました。
 続きまして、11ページ目です。こちらモニタリングの部分です。ここに対するご意見として、モニタリングの担い手、こちらの養成を進めるということも重要ではないかというご指摘をいただきました。
 そこで、ここを継続可能かつ簡便なモニタリング手法の開発・普及を推進し、加えて、モニタリングの担い手の養成を進めることが必要であるという形で、モニタリング人材の育成、こういったことも含めるような形に修正いたしました。
 続きまして、12ページ目です。ここは、地方公共団体との連携という形で、地域戦略のパラグラフになります。ここについて、市町村が地域戦略を策定進めていくために、国としても支援を行うことが重要である旨を記載してはどうかというご指摘をいただきました。
 そのため、9行目ですけども、その際、国としても、情報提供や専門家派遣等の技術的な支援を実施し、生物多様性地域戦略の策定によって、この地域のメリットを浸透させていくことも重要である。こういった形で修正させていただきました。
 同じく、12ページ目の22行目です。こちらも、先ほどのモニタリング人材育成と関連しますが、やはり人の育成というのが重要だろうと、そういったつながるような企画を開催することも必要ではないかというご指摘をいただきました。
 そこで、この勉強会やセミナーの開催というところに関して、周知、それから理解を深めることに加えて、人材の育成にも、まさに知るだけではなくて、その後の人材が育っていくようなことにつながるような勉強会、セミナー、そういったものを企画し、実施していくことが重要であるという旨に修正させていただきました。
 以上、大きな主なご指摘です。
 その他、資料1-1の赤字で書いてあった番号、4、5、11、20、22、32のご意見についても、修正を加えております。
 また、その他のご指摘、パブリックコメントをいただいたご意見に対しても、例えば、今後生物多様性その取組の見える化に対するご指摘もいただきました。こういったものについては、今後この答申を踏まえて、具体的な政策を展開していく上で、ぜひ参考にさせていただければと思い、そのような考え方を資料1-1のほうに記載しております。
 ここまでが、パブリックコメントを加えて行った修正の部分になります。
 今回は第3回目ということで、改めて、答申の全体概要を再度説明させていただきたいと思います。
 資料1-3をご覧ください。こちらが答申案の全体の概要です。先ほど本体資料1-2を見ていただきましたが、こちらが1枚にまとめたものです。
 背景としては、生物多様性の損失が続いている中で、今、国際的にも、国内的にも、ネイチャーポジティブ、それから30by30目標、それから劣化地再生、こういったものの達成が必要になってきております。
 そういった中で、従来の国立公園といったような保護地域の保全に加えて、OECMを活用して身近な自然、それから、多様な動植物の生息環境を保全していく。それによって生態系ネットワークの構築、そして生態系の健全な回復、こちらにつなげていくということが重要であると。
 そういった中で、自然共生サイト第1期122か所が認定されているように、非常に近年、民間企業とか民間の動きが活性化、活発化している、そういったところに対する期待が高まっています。
 そこで、この機をチャンスと捉えて、損失を抑える政策、それからポジティブにということで向上を図る政策、この両方を推進して、ネイチャーポジティブの実現に向けて、民間の場所と紐づいた活動を促進していきたいというものを背景として掲げています。
 そして必要な措置としては、大きく五つです。
 一つ目が、場所と紐づいた活動計画を国によって認定していこうと。法制度の面から実行にかかる課題に対応し、そして統一的な観点、国際的な信頼性、それから生物多様性が豊かな活動区域はOECMとして登録していくということで、国際的にも発信していくのが、まず(1)です。
 そして(2)活動の対象範囲は、従来の自然共生サイトでは生物多様性豊かな場所のみを対象としてきましたが、それに加えてネイチャーポジティブに向けて、生態系の回復及び創出する、こういった活動も対象にしていこうと。それから、こういった活動の内容を考えていく上では、生態系タイプ、それから目標に応じて検討を整理していく。それに当たっては、農林水産省、国交省との連携を強化していく。そして先ほどのご説明もいたしましたが、一方でグリーンウォッシュにならないように、土地利用の変遷とか、生態系ネットワーク、そういったところの関係性にも、留意することが必要であるというふうに書いております。
 続いて、3番目、活動の継続性、質の担保については、活動状況を確認し、計画に基づく活動が実施等されていなければ、認定の取消しという形も考えていく。一方で、継続性、安定性の担保のためには協定制度も用意していきたい。ここは活動の継続性、質の担保のところです。こういったときには、やはり中間的な伴走支援、そういうサポートも必要であろうと。そして、地方公共団体、そしてNPOといった民間団体による中間支援というものの推進も必要である。また、モニタリングが、この結果を見ていく中でも重要なんですが、先ほどもありましたように、継続可能なモニタリング手法の開発、そしてそういったものになるような人材を育てていくということも重要であると。続いて、活動の様子、活動の状況を、見える化していくことによって、どういった場所での活動が、どのような形で行われているか。また、認定された活動のサイト同士のつながりにもつながるような見える化は重要であるというふうに考えております。そして、こういった取組を民間等が進めていく中では、地方公共団体等と連携することで生まれる相乗効果というのも重要である。そして何よりも、知っていただかないと認知度が普及していくということがベースとしては重要であると考えておりますので、それは国内のみならず、国内、国外に、ネイチャーポジティブに向けた企業等の取組の重要性や価値というものを普及啓発・理解増進していくという形を3の中に入れております。
 そして4番ですが、取組を進めていく上では、関連する分野・施策と連携を強化していくことが重要であることを指摘しています。まず一つ目に、保護地域における行為規制の特例や外来生物防除等の計画のみなし認定の手続のワンストップ化を進めることで、手続の煩雑さで取組がストップしないような配慮が必要ではないかということでございます。そして、生物多様性の保全を通じて、気候変動、循環経済、そしてEco-DRR、観光、健康、教育など各種施策との連携。それから、国土計画、みどり戦略、森林計画、まちづくりGXといった関係省庁との計画と連携、そして調和をしていく。こういったものを進めていくことが重要であるというのを4に置いています。
 そして5番ですが、活動を促進するためのインセンティブについてです。活動計画自体は、ネイチャーポジティブに向けて、国民運動的に広げていくものとして、認定は広くしていく。一方で、どういった活動が、どういう特徴があるか、保全状況や環境の価値を客観的に評価していくというのも、重要ではないかということを指摘しています。そして別途、インセンティブ検討会でも今検討が進められている第三者から資金的な支援を受けることができるような支援証明書や、専門家とのマッチングなど人的・資金的な支援の強化策。そして、事務の負担の軽減という意味では、申請者が事務負担の重さから活動計画を立てるのをやめてしまうことをなるべく避けるためにも、事務負担の軽減とか、効率化が図れるような事務体制の強化とか、事前調整の在り方を整理していくということが重要ではないかということを指摘しております。
 以上、こちらをまとめたものが、先ほど説明した資料1になる、この答申案になります。
 
○石井小委員長 ご説明ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様からご意見を伺います。よろしくお願いします。
 本日は最終回ということもありますので、お願いがございます。答申案の資料の1-2です。これに基づいて議論をさせていただきたいと思いますけれども、答申案の修正を要さないご質問、ご意見につきましては、議事の2に、その他というのがありまして、ここでご発言の時間を設けております。そちらで、ご発言のほど、よろしくお願いします。
 資料の1-2ですけれども、ページごとに行番号が振ってあります。今日はご指摘がある場合には、何ページの何行目かということを必ずおっしゃっていただければと思います。修正がある場合は、具体的に、どのように修文するかということまで言っていただけるとありがたいと思います。今日は、修正のご意見に対しましては、一問一答のような形で修正を反映するかどうか、委員全員で確認しながら進めていきたいというふうに思っておりますので、ご協力をよろしくお願いします。
 それでは、ご意見がございましたら、会場の方は、いつものように名札を立てていただいて、それからウェブでご参加の委員におかれましては、チャット欄に「意見があります」のように書込みをお願いしたいと思います。
 それでは、順番に参ります。オンライン参加の土屋委員、お願いいたします。
○土屋委員 土屋です。
 中身ではなくて、パブコメについてです。8人からのパブコメということでしたが、社会のほうの関心はかなり高かった事案にしては、かなり少ないなという印象を持ちました。その要因について何か考えておられたら、事務局のほうからお伺いしたいです。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございました。
 なぜ、少なかったか。ちょっと難問かもしれません。よろしくお願いします。
○自然環境計画課課長補佐 土屋先生、ありがとうございます。
 やや言い訳がましくなるかもしれませんが、我々もパブリックコメントをやっていることを決して隠していたわけではなく、積極的にメールマガジンであったりとか、各種いろんな方面で実施するということは周知を務めました。単純に環境省のウェブページの報道発表だけでなくて、その他のツールも使って、ご意見をいただければというふうには図っていたところです。
 今回8者とありますが、例えば主要な保護団体とか、そういったところから、ご指摘、ご意見をいただいたりしております。あとは、これは前向きに捉えると、答申の方向性について、皆様に賛同いただけていたということもあるのかなというのは、これは非常に個人的な解釈になりますが、あります。
 一方で、確かに生物多様性国家戦略とか、そういったところと比べると、パブリックコメントの数というのは少ないところがありますので、今後その周知だったり、お知らせの在り方というのは、もう少し工夫を考えていきたいと思います。
 ありがとうございます。
○石井小委員長 土屋委員、いかがでしょうか。
○土屋委員 了解しました。
○石井小委員長 それでは、ほかの委員の皆様いかがでしょうか。
 特にないということでよろしいですか。
 では、佐藤委員お願いします。
○佐藤委員 佐藤です。ご説明ありがとうございました。非常に満遍なく、必要な事項が網羅されていて、すばらしい答申案になっているなと思います。
 私から一つ質問です。7ページ目の(5)の活動促進の方策に関わってくるかとも思いますが、今回、自然共生サイトと、東京都の江戸のみどり登録制度が制度連結協定をされております。こういった自治体のバックアップというのは、自然共生サイトの認定を進めていくには有効な策だなと思っております。江戸のみどり登録と同時に自然共生サイトの認定申請も東京都がサポートしていくというような内容ですが、このような自治体の取組は、どこかに、もう折り込まれているかということをお聞きしたいと思います。
○石井小委員長 いかがでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 佐藤先生、ありがとうございます。
 14ページ目をご覧いただければと思います。ここが、もしかしたらピンポイントではないんですけど、ここでは既存の民間認証制度というふうな形では書いてあるんですけども、その上に国交省さんの制度であったりとか、民間の認証制度というような形で、そういったところとの連携を図っていくというような趣旨では書いてあります。
 そういう意味では、佐藤先生のご指摘いただいた、東京都さんの江戸のみどり登録緑地とも、今、自然共生サイトで連携している部分では、こういった既存の制度との連携という部分にはなるのかなと考えているところです。
 以上です。
○佐藤委員 きちんと網羅されておりましたので、安心しました。ありがとうございます。
 今回赤字で追記していただいたところが、まさにそうかなと思います。ありがとうございます。
○石井小委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、勢一委員お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。勢一です。丁寧におまとめいただきましてありがとうございました。
 何点か質問というか、確認なんですけれども、まず、この活動が恐らく貢献するという意味では、気候変動の適応の分野に関連するのではないかと思っています。この制度で認定された活動の取組そのものが、恐らく適応策としての意味を持つのだと思います。
 そういう意味では、適応法とのリンクというか、連携みたいなところは、もう少し意識されてもいいのかなと思っています。ちょうど今、適応法は5年見直しがかかっていますし、恐らくそれが終われば、適応計画の見直しということにもなりますので、こちらの制度設計がどうなるかは分からないところですけれども、例えば認定された計画について、例えば地域の適応計画に位置づけていくとか、あるいは広域協議会のアクションプランなどの中に組み込むとか、もう少し地域の仕組みの中に、何か入れ込んでいけるようなことができたほうがいいのかなと素朴に感じました。
 実際その適用については、6ページの課題の意識のところには適応という表現が出ているのですけれども、それを受けた後ろの13ページのほうには、適応という表現もないので、どこかしらに少し適応の分野とのつながりが、少し加えられないかなというのを感じているというところがございます。
 以上が1点目です。
 2点目ですけれども、これはちょっと書きぶりなのかもしれませんけど、自然共生サイトとのすみ分けというか、何か所も自然共生サイトの説明が出てきたりしますし、特に8ページの終わりのほうです。32からのパラグラフでは、OECM相当、自然共生サイトと通称でとかというようなくだりがあって、現行の自然共生サイトと新しい制度の認定、計画認定の制度と、この辺りがどういう立ち位置にあるのかというのがわかりにくい。もちろん現行のサイトから移行して、認定計画に行くというのもありますよね、そのときはあまり煩雑にならないようにと記述いただいているんですけど、もう少し全体の中で、うまく違いが読み取れるようにしていただくほうが、紛れが少ないかなと思いました。
 最後の3点目ですけれども、これは11ページのところで、頭のほうですかね。中間支援の組織で、現行の法律の生物多様性地域連携促進法に基づく支援センターを挙げていただいていて、次の文章のくだりでいくと、こういう支援センターが、今21の団体で設置されていて、これを確保に努めるというようなことが重要だと書いてあります。どういう法律の立てつけになるか分からないですけど、別の法律にある仕組みの確保、発展が、今度新しくできるこの制度と、どういう関係にあるのかというのがちょっと分からなくて、支援センターを増やそうというのは、直接的に、この制度に書かれている話ではなくて、あくまでもそちらの法律の話なので、これは多分、そのように役割を持っているものと、うまくこちらの分野にも使いましょうということだと思うので、この辺りも、趣旨は理解していますけど、書きぶりを少し整理していただければと思います。
 以上です。
○石井小委員長 3点ありましたけれど、修文の提案があったらお願いしたいところなんですけれども。
 今日が最終回なので、ここで何か事務局が明確な回答をできますでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 ありがとうございます。
 まず、3点いただいたうちの気候変動の適応の部分です。おっしゃるとおり、適応計画のほうでもOECMをというのも入れたりしており、連携をしていきたいと考えています。ここは確かに書き方の部分で、ご指摘いただいた6ページ目で、気候変動対応策の中に、括弧で緩和及び適用の両方を含むというふうにして、それで受ける部分が、13ページ目で連携していくというところには、すでに括弧で書いてしまっていたので、ここはもう括弧を取って、おっしゃっていた適応も含めた上での気候変動との連携をしていくというふうな思いで書いていたというのはございます。というのが、まず1点目です。
 そして、自然共生サイトの違いとかという部分については、第1回目や、第2回目にも、この資料の背景のところ等でご説明していた部分で、自然共生サイトが現状を豊かな場所を捉えていくと。
 一方で、継続的に保全を担保していくためには、活動により着目していくところが重要であると。さらに、生物多様性の回復とか、創出とか、そういったものを加えていくと、活動に着目したほうがよいんではないかということを、どちらかというと「はじめに」の、2ページ目にございます自然共生サイトから民間等の活動促進する意義というところの流れの中で、自然共生サイトはこうでしたが、実際に活動計画という観点では、この活動に着目したほうが、より民間の活動を後押しできるんじゃないかという形で記載を試みているというところではございました。
 中間支援の支援センターの部分、そこは室長からお願いします。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 3点目でございます。確かにご指摘のとおりで、支援センターと書いてしまうと、ザ連携法の支援センターという意味に、なってしまうというところもありまして、今回、そういう機能がきちんと確保されるというのが重要だという、この答申の中での世界としては、ザ支援センターに限って話をする必要も多分ないということなのかなというふうに理解してございます。
 そういう意味で、支援センターの果たす機能を確保するという言い方はちょっと変なのかもしれませんけれども、それが地域連携法の支援センターというふうに、必ずしも特定されないような形で書くのかなというふうに考えてございます。すみません、文章をちょっと並行で考えたいと思います。
○石井小委員長 勢一委員、お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。どうしても特定の法律の名前が入って、その中の規定が来ると、そういうふうになるので、その辺りはちょっと文章を工夫していただければと思います。
 自然共生サイトのほうについては、今回の議論で新しく作る制度の趣旨が、どうこうという意味で申し上げたのではなくて、自然共生サイトと今ある仕組みです。これの仕組みがあるのと、あと、この中の書きぶりで、8ページの32パラのところで、これで通称として自然共生サイトというのは、これは今ある制度のことをそのまま指している感じになるんですかね。それとも、何かこの次、新しい制度ができた後に、自然共生サイトと呼ぶものを何か想定しているのかというのが、ちょっと通称というところで、ちょっと分かりにくいなというところが一番の発端なんですけれども、ここを教えていただければと思います。
○石井小委員長 では、事務局お願いします。
○自然環境計画課課長補佐 勢一先生、ありがとうございます。
 後者のほうになります。新しい計画認定制度で、生物多様性が豊かな場所での活動計画の場合は、活動する場所の呼び方を自然共生サイトと呼んでいくということで、今の自然共生サイトとうまくリンクさせていきたいという趣旨です。
○勢一委員 その場合は、今認定されている自然共生サイトと、新しい制度が運用されて、そこで認定されて、OECM相当ということで、通称呼ばれる自然共生サイトは違うものですね。だから同じ表現で、括弧つきで読んでいると、この中での区別が分かりにくいので、何かここは区別したほうがいいのではないでしょうかというのが、そもそもの趣旨だったんです。
○石井小委員長 今年度、前期122か所を認定したところですけれど、この自然共生サイトは、新しくできる法制度の中に、そのまま移行するのかということに、今のご質問は関わっているのかなと思います。
○自然環境計画課課長補佐 ありがとうございます。そのままそこの部分については、先ほど勢一先生もご指摘いただいた16ページ目のところで、新制度が施行された後、3行目ですかね。新制度によって申請を行う際には、追加的な作業は極力発生しないようにという形で、なるべく事務手続が負担にならない形で、新制度に誘導というか、移行していくという形にはなっていくのかなというふうには思ってはいます。
○自然環境局長 自然共生サイトというネーミングは、もう既に法律施行前に使用して認定をしているわけですけれども、我々の思いとしては、法律施行後も、従前制度として施行してきた自然共生サイトのクライテリアとほぼ同じような、OECM相当のものに関しては、自然共生サイトという通称名を引き続き使いたいという思いがありまして、そういう趣旨でございます。
 従前の試行的に122か所やり、今も募集しています自然共生サイトについては、法律制度ができた暁には、簡易な手続で認定がされ、新しい法律上の制度に移行していただくという思いでおります。もちろん、一旦ペーパーワークがありますから、申請手続とかは必要になってくると思いますけども、なるべく簡易な手続で移行が進むようにしたいと。
 そういう意味で、新制度としての新しい制度下での自然共生サイトというものを通称名として用いてはどうかという趣旨なんですけれども、ちょっと文章として分かりにくかったかもしれないなと思います。
○石井小委員長 勢一委員、よろしいですか。
 「新」などをつけて、新自然共生サイトというわけにもいきませんしね。やはり同じ名称で行くんだけれども、そこが全く同じかどうかをここの辺りに書き込んだほうがいいのではないかというのが、勢一委員のご意見でしょうか。
○勢一委員 はい。私は法律の分野なので、これを基に新しい制度の法律に行くというときには、どの仕組みと、どの仕組みの関係がどうかというのは、やっぱり明らかに書いて残しておくほうがいいのではないかという問題意識があったので申し上げましたし、現行制度をいい形で移行していきたいという趣旨は非常に理解しますし、そうあってほしいと思いますけど、ただ仕組みがちょっと変わってしまうので、この辺りは、議事録には残していただけたのでとは思いますけれども、新なのか、仮のか分からないですけど、何か現行の自然共生サイトとは違うということが分かったほうがよろしいのではないかなというのが私の意見ですけど、あとは、この場にお任せいたします。
○石井小委員長 市場メカニズム室長、何かございますか。お願いします。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 すみません。3点目で、ちょっと先ほど自然共生サイトの後におっしゃった支援センターのところ。例えばなんですけれども、こうした支援センターが果たす機能の確保に努めるとともに、より発展的な機能となるよう改善を進めていくことが重要であるというような形で修文させていただくというので、よろしいでしょうか。
○石井小委員長 もう一回支援センターが出てきますけど、これは大丈夫ですか。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 11ページの6行目でございますけれども、こうした支援センターが果たす機能の、支援センターの「の」の前に、「が果たす機能」というのを入れてみたらどうでしょうかという、そういうご提案でございます。
○石井小委員長 それで、12行目に出てくるのは大丈夫なんですね。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 12行目は、支援センターという言葉よりは、支援を実施する機関とか、組織とか、ちょっと定性的な言い方にしたほうが、よりご趣旨は汲めるということかと思いますので、12ページのところも公的な支援を行う組織ぐらいですかね、という形に修正していってはいかがかと思っております。
○石井小委員長 分かりました。6行目のところは、支援センターの果たす機能の確保に努めると。それから、12行目に出てくる部分は、支援を行う組織に限らずというふうな形に修文するということですね。
 勢一委員、これはよろしいですか。この部分はよろしいということにさせていただきます。
 じゃあ、自然共生サイトのところですけど、ちょっと書き込みをするかどうかなんですけれども、8ページの32行目のところです。要は、名称はそのまま利用しというイメージになればいいのかなとも思うんですけれども。
○自然環境計画課長 例えば、現行のところですけど、15ページ目のところですとか、16ページのところは、認定された自然共生サイトという言い方をしております。ちょっと全てかどうか、まだチェックし切れていませんが、15ページの17行目の今インセンティブ検討会の対象にするのは、任意の制度として認定された自然共生のサイトについて、この認定された自然共生サイトという言い方であり、16ページ目のところの3行目も、認定された自然共生サイトについて、今後、新制度が施行された後には新制度においてということでつながっているので、もう既に今、やっているものは、多分この「認定された自然共生サイト」という言い方になっていると思うんですが、それと、新しい制度の下で、自然共生サイトと認定しという表現も、ちょっとどこかにあったかと思いますので、その辺りの使い方を、もし区別した方がいいというんであれば、現行の自然共生サイトとか、今既にあるものは、という言葉にして、新しいものはかぎ括弧つきの自然共生サイトというふうな、ちょっとそういうふうな統一で整理を試みさせていただければいいかなというふうにちょっと思ったんですけども。
○石井小委員長 勢一委員、いかがですか。
 では、そのような形で、具体的にどこをどうするか、今のうちに考えていただけますでしょうか。
 それで全て解決したということで、勢一委員、よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは引き続き、他の委員からのご意見を伺いたいと思います。オンライン参加の深町委員、お願いいたします。
○深町委員 深町です。ありがとうございます。
 全体として、パブリックコメントに対応して適切に修正等されていると思います。特に2ページ目の37行目のところに、里地里山ですとか、社寺林という言葉が入ったり、また14ページ目の3行目に、海の認証制度が具体的な認証が加わり、海への注目度が低く、実際の自然共生サイトとしての認定というのが少ない傾向があると思いますので、よかったと思います。
 一つ気になっているのは、2ページ目の37行目のところの文章が、里地里山や社寺林をはじめとした二次的な自然は、というふうに始まっておりまして、社寺林は、私自身も社叢学会とかに参加して、具体的な事例をいろいろ教えていただいているんですけれども、確かに二次的な自然も多くあります。しかし、中には比較的自然植生を知る手がかりとなるような、そういう植生があったりするので、社寺林をまとめて二次的な自然というふうに表現するのがいいか少し気になりました。このままでもいいとは思うんですけども、文章として考えたときに、「里地里山をはじめとした二次的な自然や社寺林は」に「多くの固有種」という形で続いて、「保全上で重要な場である。」とします。「このような自然を」と二次的という言葉を入れずに、「このような自然を保全するためにも」という形で、続けていく案もあるのかなというふうに思いました。
 自然植生であっても、外来種の問題とか、やはり適切に人々が関わっていくことが重要なので、文意が変わるわけではないんですけれども、やはり社寺林がどういうものなのかというのを、より現状というか、特徴を踏まえ検討いただけるといいかなと思いました。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございました。確かに社寺林の中には、原生林とまでは言わないですけれども、素直に二次的な自然と言いにくいところもあるのかもしれません。
 そういう意味では、今のご提案は、「なお、里地里山をはじめとした二次的な自然や社寺林は」、というふうに修文し、3ページの1行目の終わりのところにある、「このような二次的な自然」という部分を、「このような自然を」と続けたらどうかという具体的なご提案です。
 事務局、いかがでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 委員の皆様が、特に異存がなければ、いいのではないかなとは思います。
○石井小委員長 はい、どうぞ。
○浅野委員 ただ、3ページの3行目のところに、農地の利用や林業による森林管理やNPOや地域住民による取組等となっていると、やはりこれ、二次的を前提としているんじゃないかと思うんですけれども。
○石井小委員長 事務局、いかがですか。
○自然環境計画課課長補佐 浅野市長、ありがとうございます。おっしゃるとおり、ここの農地の利用や林業による森林管理というところは、まさに二次的な利用を担う方々です。その後のNPO、地域住民による取組等というのがありまして、こういったところ、ややよろしくないのかもしれない。などというところもあるのと、NPOとか地域住民、そういったところの取組というのは、今、深町委員がおっしゃっていただいた社寺林も、そういった神社の管理の方々とか、そういった方の保全の努力によって保たれているというのがあったりとか、地域住民の憩いの場とか、そういったのもあるので、そこで読むこともできるんではないかという部分は、やや何かちょっと苦しい言い方かもしれんが、そこで対応というのもできるのかなとは思いましたが、いかがでしょうかというところでしょうか。
○石井小委員長 ほかの委員の皆さん、ここの辺り、いかがでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 
 先ほど浅野市長からもご指摘いただいて、少しやや自分でも説明しながら、苦しい部分があったので、再度提案させてください。
 深町先生、それから浅野市長からのご指摘を踏まえまして、2ページ目の37行目、なお書きのところですが、ここは二次的な自然を意識して全体的に書いた部分ですので、確かに、ここに社寺林を入れてしまうと、やや全体的な文言、全体的に少し崩れてしまう部分があるのかなと。そういったところで、なお書きのところは、「里地里山をはじめとした二次的な自然は」にさせていただいて、続いての3ページ目の3行目も、「このような二次的な自然を保全するためにも」という形で残させていただきたいと思っています。
 一方で、深町先生おっしゃるとおり、社寺林は非常に重要な場の一つだと考えておりますので、2ページ目の3行目のところに、「そして、里地里山、社寺林、企業緑地や都市の緑地といった身近な自然や、農林水産業を通じて生態系の保全が図られてきた場所など、こういったところは、民間等の自主的な取組によって保全がなされている場合も多い」という形で、こちらでの社寺林も、ターゲットの一つであって、非常に重要な場であるということをここで強調させていただければと思いますが、こういった修正いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○石井小委員長 ありがとうございます。深町委員、いかがでしょうか。
○深町委員 ご提案のとおりでいいと思います。
○石井小委員長 他の委員の皆さん、よろしいですか。私もそれでいいのかなというふうに思いましたので、繰り返すと、2ページの37行目、里地里山や社寺林の「や社寺林」は削除するという形。その代わり、2ページの3行目のところ、「里地里山、企業緑地」の前に「社寺林」を挟むという形の修文をするということですね。
 では、特にご意見なければ、このようにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、浅野委員、お願いいたします。
○浅野委員 先ほどの自然共生サイトの議論とも関連するんですけども、9ページの6行目から12行目に関しまして、生物多様性地域連携促進法に基づく地域連携保全活動計画と、新しい法律の市町村が多様な主体と連携し作成する活動計画制度のことが書かれているんですが、新しい法律ができたときに並立する形になるのか、それとも、やはり統合されていくのかが、ちょっとよく分からないのかなと。地域連携保全活動計画で、やはり場所と紐づけされているようなところが、計画が策定されている全17か所のうちで多数とすると、ほとんど統合されてしまうような話になるのかなとも思うんですが。そこら辺をちょっと聞きたかったものですから。
○石井小委員長 事務局、いかがでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 浅野市長、ありがとうございます。ここはおっしゃるように、同じような形のものが並行してというのは、確かに混乱し、いろいろ不都合な部分も現場でもあろうかと思いますので、答申を踏まえて新制度ができてきた場合に当たっては、一つの枠組みの中に、うまく統合していくような形で、混乱を生じないような形で、運用はしていきたいなというふうに思っているところです。
 以上です。
○石井小委員長 浅野委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 では、特に修文等はなしということにさせてください。
 では、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。9ページ目の土地利用の変遷というのにグリーンウォッシュを入れていただいたのは大変いいと思います。
 ちょっと伺いたいのが、土地利用をいつの時点というふうに、土地利用の変遷というのをいつからというふうに考えていらっしゃるかと入れなくていいのかなということが気になっていまして、国としては、いつぐらいということを考えていらっしゃるんでしょうか。
 最近、数年なのか、例えば1990年とか、あるいは2000何年とかで、それによって変わってくると思うんですけども、企業は大体、開発をして事業されることが多いので、そこの考え方を入れなくていいのかどうかについて、お聞きできればと思います。よろしくお願いします。
○石井小委員長 ありがとうございます。事務局、お願いします。
○自然環境計画課課長補佐 藤田委員、ありがとうございます。まさにご指摘の点は、今後詰めていく必要がある部分だと感じております。
 そういった意味でも、土地利用の変遷にも非常に直結するような生物多様性の回復とか創出というとこでの活動は、今おっしゃっていただいたような基準年の考え方、そういったものを含めて、この検討を早急に進める必要があるというふうに考えております。
 それを受けて、同じ9ページ目の22から24行に、その旨を記載しているところですので、いただいた基準年の考え方、土地利用の変遷、いつまで考える、いつからというのを考えるのも、これを踏まえて、具体化を今後考えていければなというふうに思っているところです。
 以上です。
○石井小委員長 藤田委員、いかがでしょうか。
○藤田委員 分かりました。今後検討されるということですね。承知いたしました。ありがとうございます。
○石井小委員長 どうもありがとうございます。
 では続きまして、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 10ページから11ページにかけての中間支援の箇所について少し文章を整理したほうがよいかと思いました。
 11ページの7行目です。中間支援を担う組織の役割が羅列されています。恐らく、前回の委員会のときに私が発言した文言も入っていると思いますが、少し表現を変えたほうがよいかと思いました。例えば、中間支援を担う組織とは、自然再興の実現をパートナーシップにより戦略的に進める目的を持つ組織である。多様な関係団体との協働連携により、保全ガイドラインの策定、普及啓発保全活動の実践等を推進する。さらに人材育成やマッチング、ネットワーク形成など、その役割は多岐にわたる。またSDGsでも17番目の目標にパートナーシップが明記されていますが、中間支援というのはやはりパートナーシップの推進ということにおいて、非常に重要な役割を持つ組織です。環境省もパートナーシップについてはずっと長年推進されてきていますし、そういう文言を入れてもよいかと思いました。
 また、多様な関係団体との協働連携といったような表現で、中間支援の役割の在り方がしっかりと表現できたらよいのではと思います。事務局のほうでも検討いただければと思っております。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございました。
○佐藤委員 もう一つあります、すみません。
○石井小委員長 もう一つですね。
○佐藤委員 中間支援という役割では、自然史博物館のような施設もとても有効な組織かと思います。そういった博物館など公的施設についての記載がどこかにありましたでしょうか。いろんなパートナーとか主体がという書き方はされているのですが、博物館や自然教育園のような施設がネットワーキングに入ってこないと、片手落ちかなと思っております。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 佐藤委員、ありがとうございます。1点目は、修文案をどうするか、またこの場で決めていきたいと思うので、ちょっとメモをします。
 博物館については、博物館というピンポイントの文言は答申に入っていません。一つ、環境教育とか、そういったところでの連携という形では教育というワードとしては幾つか入れ込んでいるところではあります。
 一旦、以上になります。
○石井小委員長 はい、どうぞ。
○佐藤委員 教育という言葉が入っていますが、教育機関とか、そういった書き方もありますでしょうか。何かそういう機関とかそういう施設とか、ハード的なイメージがつくといいなというふうに思いました。
○石井小委員長 小林補佐、どこでしたっけ。環境教育のところは。
○自然環境計画課課長補佐 教育機関というふうな形では書いてはいないです。学校教育とも連携したとか、環境教育とも連携したとか、教育等に関わる多様な主体と云々とか、そういう形でそういう意味では、ストレートに組織とか機関とかとは書いてはいないですね。
○佐藤委員 なるほど。分かりました。今の機関、博物館ということを出した最初の意図としては中間支援のそのハブとして、地方でのハブなどのそういった博物館が一つになるということがあるのかなと思っておりまして、これは実際、博物館の職員の方々と話をしていて、そういった役割を私たちは担っているし、そういうPRもしていきたいというようなお話を伺ったことがありまして、非常にそれは妥当なことかなというふうに思っておりました。
○石井小委員長 はい、どうぞ。
○自然環境計画課課長補佐 ありがとうございます。中間支援の中で、これらを担う主体として「NPO、社団法人、財団法人等、生物多様性保全のノウハウや多様な人的ネットワークを有する民間団体も存在する」という記載はあるので、博物館というストレートな言葉は出てはいないんですけど、ご指摘いただいた、民間の団体含めたそういう中間支援の組織はあると、こういったところと連携をするというようなのは、現行でその部分が近いのかなというところはあります。
○佐藤委員 そうですね。ただ、これだと公的な施設という印象が多分ないので、博物館という名前で入れなくてもいいと私も思うんですが、そういった地域の教育機関などですかね、
博物館のような施設といった文言が入るといいなと思いました。
○石井小委員長 事務局、いかがでしょう。
○自然環境計画課課長補佐 ありがとうございます。ここも、もしかしたら先ほどのご指摘で修正した、公的なということでおっしゃると、公的なところを受けたのが支援センターの最初のくだりの部分ではあったので、こうした支援センターが果たす機能の確保に努めるとともにというところが、博物館ではないんですけれども、公的なそういう支援組織の確保と発展的な機能というところに結びつくのかなと思いまして、我々もそこを意識して今後そういった博物館、動物園とか、そういったところの連携を考えていくというところがあるのかなというのは感じたところです。
○石井小委員長 佐藤委員、いかがですか。
○佐藤委員 分かりました。博物館等でそういった中間支援の取組みをしている方々が後押しされるような内容になるとよいと思いました。博物館は実際に地域のハブになっていると思いますし、様々な調査とか調査結果なども蓄積されていますので、連携するハブの役割としては必須かなと思います。
○石井小委員長 事務局、どうします。入れますか。
○佐藤委員 すみません。
○石井小委員長 佐藤委員。
○佐藤委員 地域連携保全活動支援センターは、ほとんどの方が知らないかなと思います。先ほどの説明ですと支援センターなどの公的機関というふうに読み替えていくのかなというふうに思いました。
○石井小委員長 いかがしましょうか。先ほど修文した場所ですよね。加えることができるか、加えたほうがいいかどうかですね。いかがでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 では、ここの部分について例示として博物館という言葉を入れるような形を考えます、少々お待ちください。
○佐藤委員 恐らく、博物館と明確には入れづらいと思いますし、調整もあるかと思うので、公的なそういった教育調査機関などとの連携といった文言が入ればよいかなと思いました。
○石井小委員長 事務局、いいアイデアはありますでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 ちょっと考えます。
○石井小委員長 では、市場メカニズム室長、お願いします。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 申し訳ありません。ちょっとこれを考えるのと別に、勢一先生からご指摘のあった自然共生サイトのところ、こう整理しますというのを裏で考えさせていただければと思います。
 自然共生サイト、この答申の中で何か所か出てきているところでございまして、一番初出が2ページ目の、まさに自然共生サイトという項目、15行目から21行目というところでございます。ここは当然、現行の本格運用により認定されている自然共生サイトという意味ということになりますので、まずここのところで、ちょっとこれは一つのご提案でございますけれども、「合計122か所が認定された」の後ろに括弧して、(この答申においては本格運用により認定された自然共生サイトを「現行自然共生サイトという。」)というのを入れさせていただいて、まず現行自然共生サイトというものをまず定義をさせていただくという作業をします。その上で12を見ていただくと、4ページ目の3行目に現行の自然共生サイトと出てきますので、まずここは現行自然共生サイトとそのまま機械的に置き換えます。
 そして、同じく4ページ目の18行目でございます、自然共生サイトという言葉がありますが、これも現行のことを意味しておりますので「現行自然共生サイト」と置き換えると。
 そして、5ページ目でございます。こちらにつきましても、当然、現行のものを意味してございますので、これまで認定された「現行自然共生サイト」ですし、10行目ですね。そして、28行目につきましても、「現行自然共生サイト」、そして34行目につきましても、「現行自然共生サイト」に修正すると。
 そして、ページ飛んでいただきまして、7ページ目でございますが、こちらも今の課題を書いているところでございますので、26行目につきましても「現行自然共生サイト」。そして、32行目につきましても「現行自然共生サイト」と修正するというところでございます。
 そして、先ほどご指摘のありました、8ページ目の34行目の自然共生サイト、こちらはこういう名前で呼びますよということを言っているところでございますので、この鍵の前に「新たな法制度においても」というのをつけて、これではこう呼びますということをまずつけさせていただき、そして、9ページ目の22行目でございますけれども、こちらも現行のことを意味しておりますので、「現行自然共生サイト」。
 そして、ページ飛んでいただきまして、15ページでございます。15ページの17行目、こちらも「認定された」と書いていますので。当然、「現行自然共生サイト」を意味するということになります。
 そして、最後、16ページにつきましても、3行目でございますが、こちらについても「現行自然共生サイト」というふうに修正させていただくということで、意味の明確化というのを図れるかなというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○石井小委員長 ありがとうございます。勢一委員、よろしいでしょうか。
 では、そのような対応ということで。ほかの委員の皆さんはいかがですか。
○自然環境計画課課長補佐 すみません、じゃあ、いいですか。その間。
○石井小委員長 お願いします。
○自然環境計画課課長補佐 先ほど佐藤委員からいただいたところについてです。
 これは11ページ目のそうしましたら、11行目からの「したがって」の部分から、「したがって中間支援の推進に向けては、」を次のとおり修正します。「生物多様性や環境教育などにおける公的な支援組織に限らず、NPOなど民間団体との連携を進める」ということで、ここに「生物多様性や環境教育などにおける」というような例示も入れさせていただいて、ここが今おっしゃっていただいた、そういった博物館とかも含めた様々な学習、公的な機関との連携というのも重要であるというふうに読むのではいかがかというのを提案させていただければと思います。
○石井小委員長 佐藤委員、よろしいでしょうか。
○佐藤委員 ありがとうございます。もう一度言っていただいていいですか。生物多様性、すみません。
○自然環境計画課課長補佐 環境教育とか、そういったところも含めてご指摘を受けたと感じておりますので、「中間支援の推進に向けては、生物多様性や環境教育などにおける公的な支援組織に限らず、NPOなど民間団体との連携を」という形とさせていただければというご提案でございます。
○佐藤委員 「限らず」が、生物多様性などや環境教育をする団体に限らずというふうに読み取れてしまったので今の文章だと、そうではないですよね。きっと公的な団体に限らずということだと思うんですけれども。
○自然環境計画課課長補佐 ここは中間支援に、「限らず」という、そうするとここは「加えて」とかに、「支援組織に加えて」、ここでは公的な支援組織と民間団体も重要だというふうになっているということで。
○佐藤委員 そうですね。もし、「限らず」じゃなくて、もしかすると中間支援の推進に向けては環境教育や生物多様性、今言っていただいたような、そういうことを担う公的な支援センターや、またNPOなど民間団体との連携を進めるというふうに平易に流してしまったほうが誤解がないかなとも思いました。
○石井小委員長 事務局、よろしいですか。
○自然環境計画課課長補佐 では、もう一度読みます。今、佐藤委員の指摘も踏まえて、「したがって、中間支援の推進に向けては、生物多様性や環境教育などにおける公的な支援組織や、NPOなど民間団体との連携を進めるとともに」という形でいかがでしょうか。
○佐藤委員 私はそれでよいかなと思いますが、いかがでしょうか。
○石井小委員長 ほかの委員は、よろしいですか。私もそれでいいのではないかと思います。
○佐藤委員 ありがとうございます。
○石井小委員長 特にないですね。ありがとうございました。
○佐藤委員 あとは先ほど私が申し上げた中間支援の役割内容については申し上げたとおりなんですけれども、そちらもよろしいでしょうか。
○自然環境計画課課長補佐 すみません、もう一度おっしゃっていただいてもよろしいでしょうか。
○佐藤委員 はい。7行目、「なお、中間支援を担う組織」というところなんですが、「なお、中間支援を担う組織とは、自然再興の実現をパートナーシップにより戦略的に進める目的を持つ組織である。多様な関係団体との共同連携により、保全ガイドラインを策定、普及啓発、保全活動の実践等を推進する。さらに人材育成やマッチング、ネットワーク形成など、その役割は多岐にわたる。」今、9行目の多岐にわたるというところにつながるところなんですけれども、パートナーシップとか戦略とか共同連携という言葉を入れて中間支援の役割というのをもう少し見える化したほうがいいかなと思いました。
○石井小委員長 事務局、いかがいたしましょうか。フォローできましたか。
○自然環境計画課課長補佐 念のため読み上げます。いただいたご指摘、7行目、なお書きのところからです。11ページ目です。
 「なお、中間支援を担う組織とは、自然再興の実現をパートナーシップにより戦略的に進める目的を持つ組織である。多様な環境団体との協働連携により、保全管理ガイドラインの策定、普及啓発、保全活動の実践などを推進する。さらに人材育成やマッチング、ネットワーク形成など、その役割は多岐にわたる。」その後、「これらを担える主体としては」に続くという形で、間違いありませんでしょうか。
○佐藤委員 はい。多分、多様な環境団体、関係団体にしました。
○自然環境計画課課長補佐 失礼しました。
○佐藤委員 すみません。環境だけじゃないかなと思いましたので。ちょっとてにをは的によいかどうかというところもありますので、細かいところはお任せするんですけれども、趣旨としては、皆様、いかがでしょうか。
○石井小委員長 皆さん、ご意見あったらお願いいたします。この件に関して、いかがでしょうか。
○小泉委員 よろしいですか。
○石井小委員長 よろしくお願いします。
○小泉委員 今の内容というよりは、今の文言を入れたときに、その前にある生物多様性地域連携促進法に基づく地域連携保全活動支援センターというものの活動ときちんと包括される、ないしはマッチングされるということを確認して、文言を決めていただきたいと思います。ちょっと活動内容が違うというのであれば前のほうに支援センターが出ていますので、ちょっとそこをご確認いただきたいと思います。
○石井小委員長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 今のご指摘を受けてですが、今申し上げたことは、中間支援組織の大きなベーシックな概要ですので、本来では最初のほうに、中間支援組織とはこういう組織でありますよと。今、地域連携保全活動支援センターがあって、いろいろやっているという拠点であると。
支援センターが本来のこれからの中間支援を担っていく組織として、より拡充していく、発展的な機能となるよう改善を進めていくということですので、ここは前後を入れ替えたほうがいいのかもしれません。
○小泉委員 じゃあ、ご提案いただいた文言が入るというような理解でよろしいですか。○佐藤委員 中間支援組織というのは、今の地域連携保全活動支援センターが行っていくこと以上のことを期待されると思います。じゃあ中間支援は何かというと、こういうことを目的として行う組織なんですよ。ただ単にマッチングするとか、ただ単に人材育成するのではなくて、戦略的に目標に向けて進めていく組織ということが明記されるとよいと思います。その上で、今、地域連携保全活動支援センターがあるが。この支援センターをより拡充して発展的な機能となるように改善を進めていきましょうというのが6行目、7行目に今あるので、そこにつなげると、より読みやすくなると思ったのです、
 ただ一方で、じゃあこれらを担える主体は誰と言ったときに、次にいろいろ出てくるので、どちらに入れたほうが流れとしていいかと思いました。
○小泉委員 よろしいですか。
○石井小委員長 小泉委員、お願いします。
○小泉委員 そうしますと、この7行目の辺りに入るというよりは、前のページの10ページの35行目から6行目辺りの「必要である」というところに中間支援の組織というのはどういうものかというのが言われて、その後、次のページで支援センターというふうにして上がってくるのがいかがかなと思ったんですけど。
 ご提案いただいた文言はそのまま10ページの35行目辺りにスライドさせて、定義を明確にしてはどうかと思いましたけれども、いかがでしょうか。
○石井小委員長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。恐らく10ページ目の中間支援の最初のこの4行というのは、中間支援が必要だということを重要だということを伝えているので、重要である。じゃあその中間支援とは何かということで、今の私からの説明が入るとよいかと思ったのですが、最初に定義があったほうが読みやすいですかね。
○小泉委員 そこは、私は最初に定義があったほうが分かりやすいかなと思いましたけれども、ここはご提案いただいた方と事務局のほうでちょっとご相談いただければと思いますけれども。
○石井小委員長 場所としては、今、小泉委員が言われた10ページよりも、11ページの「効果的である」の後ろに入れたらおかしいでしょうか。
○佐藤委員 ここが良いかもしれないです。そうですね、中間支援を担う組織が効果的であるよ。じゃあ、その中間支援組織は何ということで説明が入るという流れですね。
○石井小委員長 はい。多分、佐藤委員がおっしゃったのが中間支援組織の定義のようなものであるならば、この辺りがなじむのかなというふうには思いますけれども、いかがでしょうか。
 事務局、いかがですか。
○自然環境計画課課長補佐 ご提案のとおりに修正いたします。
○石井小委員長 その場合ですけれども、佐藤委員、先ほどのご説明は7行目から続く部分を置き換えるような形のご説明だったんですけれど、ここの部分は活かすということで大丈夫でしょうか。
○佐藤委員 7行目のところは、逆になくしてしまったほうが分かりやすいかと思います。「なお、中間支援を担う組織の役割として、多岐にわたる」と、今申し上げたことが被ってしまうので、ここはなくすとすると、少しここにつなぎを7行目、8行目がなくなるので、ここにつなぎを入れなければいけないかなと思います。地域連携保全活動支援センターという話の次に今、9行目の「これらを担える主体としては」と来てしまうので、「こういった中間支援を担える主体としては」というふうにまとめてしまうなどするとよいかとは思います。
○石井小委員長 事務局、どうですか。
○自然環境計画課課長補佐 では、確認も兼ねてですけど、11ページ目の1行目の「中間支援を担う組織が効果的である。」の後にご指摘いただいた、なお書きの定義であったり役割を記載させていただいて、そして11行目にあった「なお、中間支援を担う組織という」パラは削除させていただいて、その後の担える主体のところを「こういった中間支援を担える主体としては、」云々という形で修文するような形にいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。流れがおかしくならないように「また」とか、接続詞を入れるとよいかもしれません。よろしくお願いいたします。
○石井小委員長 この部分は、それでよろしいでしょうか。後でもう一度、事務局で確認をお願いします。ほかに宿題はなかったでしたか。全部解決しましたか、これで。
 はい、分かりました。
 委員の皆さん、ほかにはよろしいでしょうか。
 森田委員、お願いします。
○森田委員 森田です。取りまとめ、ありがとうございました。全体的にも具体的な事例とかもあって大変読みやすくなっていると思います。3点ほど、前も聞いていたのかもしれないですが、少し確認させていただきたいことと、書き加えたほうがいいかもしれないということをコメントしたいと思います。
 一つ目が、9ページの今回加筆されている、この自然共生サイトの認定の仕組みの対象とならない地域、場所での活動というのは、これはどういう場所だったのかということです。生態系回復などをするニーズはあるのだけれども、どんなに頑張ってももう自然共生サイトとして認定されないような場所を言っているのか、どういう場所だったのかがここだけ見るといまいちよく分からなかったので、すみません、そこを少し説明いただけるとありがたいです。
 あと11ページと、14ページのモニタリングと活動の評価に関してです。結構、今回の自然共生サイトとかで出てくる生物多様性のいろいろな評価とか活動のアウトカムの指標だったり、そういった経験はかなり企業の人たちも今後いろいろなプロジェクトとかをやっていく中で参考になったりすると思うのですけど、この11ページの中で、例えばモニタリングとかの関係で、継続可能かつ簡便なモニタリング手法の例として挙げられているのが例えば指標となる昆虫に着目する手法とか環境DNAとあるのですが、こういうのが結構主流な感じなのでしょうか。おそらく企業の方々とかは全部網羅的にやるのは大変だと思うので、ここは押さえておかなきゃいけないという指標なども結構気になっていると思うのですが、もう少し代表的な指標があればそれも少し書いた上でこういった昆虫とかについても書いていただければと思い、そこら辺は自分自身も分かっていない部分があるので教えていただければと思います。
 あと、先ほどの14ページの活動の評価の部分なのですが、前回、藤田委員がおっしゃっていたところとも関係するのですが、結構TNFDの関係でいろいろ企業の関心などにも伝えられるような情報をというような感じで書かれています。今後グリーンボンドなどグリーンファイナンスの投資対象となるような事業として考える上でもこの自然共生サイトから得られる知見や、自然共生サイトを評価する中で、こういった指標を見てしっかりクリアできているものがとてもいい生物多様性の事業としてみなされるのだよといったレッスンがいろいろ出てくると思うのですが、そういった観点みたいなのも少し含めてもいいのではないかなと。企業や金融機関など、こういうところに関心を持っているのではないかなというふうに思いましたので、コメントさせていただきます。
○石井小委員長 事務局、いかがでしょう。
○自然環境計画課課長補佐 ありがとうございます。
 まず、1点目、9ページ目の追記の部分で、自然共生サイトの対象にならないのはどういった場所であったかというご確認だったと思います。こちらについては、自然共生サイトは、現状、申請時点と言ったほうがいいでしょうか、現状で生物多様性が豊かな場所が対象になるという形です。
 一方で、第1回目のときにヒアリングでもございましたように、more treesさんのようにこれから回復を行っていくとか創出していくような、そういった活動については、現行自然共生サイトの対象にはなっていません。
 一方で、この答申を受けて行っていくこの活動促進に当たっては、こういった回復及び創出を行う活動も対象に含めていきますので、それについては、早急に検討を進めていくという旨で記載をしたところです。
 2点目、モニタリングのところです。ここについては、モニタリングについては、本当に多様な手法であったりとか、本当にその目的に応じて何を指標にするのかはそのサイトごとにいろいろパターンはあろうかと思ってはいます。
 一方で、ここで申し上げたいところについては、簡便なという形で比較的分かりやすい形でできるものはないかという、そのときに、環境省では今、開発を進めている身近な、そして分かりやすい普通の昆虫、それがいることで生態系の健全性の指標にも使えるような昆虫を選定しておりますので、そういったものを一つ指標として活用するやり方もあろうではないかと。あと、もう1個、水辺の場合であれば、近年では環境DNAといった手法もできておりますので、こちらは藤田委員から第2回でご指摘いただいた部分でございますが、環境DNAのような手法も活用しながら、継続的かつ簡便なモニタリング手法という形の一例として挙げさせていただいているところです。
 そして、14ページ目のところの活動の評価の部分については、どういった観点でどういった指標でというのは、まさにこの答申を受けて検討を進めていくというところであります。ここは森田先生ご指摘のように、14ページ目の30行目のところにもありますが、企業の方が使っていただきやすいように、企業によるステークホルダーへの説明に活用しやすくする観点から、TNFD等において進んでいる国際的な議論をしながら、この評価方法の検討を進めていくことが必要であるというふうな形で記載をしているというような状況ではございます。
 一旦、以上です。
○石井小委員長 ありがとうございます。
 森田委員、いかがでしょうか。
○森田委員 ありがとうございます。
 9ページに関して、この生態系の回復及び創出を行う必要のある場所みたいな感じとかというと言い過ぎなのですが、ニーズがある場所ということをもう少し言ってもよいのではないでしょうか。仕組みの対象とならないのだけれども、勝手に行う場所みたいに私は読めてしまいます。すみません、それが一つコメントです。
 あと、さっきのTNFDもあるのですが、いろいろな企業の活動の中でいろいろな自然関連のリスクに対応するという話と、今もう1つ、本当にそういった事業に対して金融機関がお金を投資するみたいな話のプロジェクトとして、しっかり生物多様性によいものを評価しなきゃいけないというグリーンファイナンスの流れでも重要だということが藤田委員もおっしゃっていたことなのかなと思うので、全部が網羅されているような感じがあまりしなかったので、もし藤田委員のほうから何か補足があり、これを何か加えたほうがいいのではないかというのがあれば、書き加えていただければと思います。これで大丈夫そうということであれば大丈夫です。すみません。
○自然環境計画課課長補佐 すみません。1回私から失礼いたします。
 14ページ目のところについては、グリーンファイナンスとか、そういった金融機関を意識してのご指摘でありますと、これも例えばなんですけど、14ページ目のところのこの活動の評価のところについては、18行、19行目の辺りについて金融機関、投資家等のステークホルダーに説明する際に活用しやすいような仕組みとなるということで、意識はした書き方にはしていまして、ただ、そこで具体的にはどうこうかというのはこの答申を踏まえてしっかり検討していくというところで、意識としては当然そういう金融とか投資というところも考えていく部分は記載しているところです。
 9ページのところについてご指摘いただいたところでは、これはむしろ生物多様性の回復、創出という活動についてが自然共生サイトでは対象とできていなかったので、それについての検討を早急に進めることが重要であるということで、むしろその部分を早急に後押しするような方策を事務局として考えるべしというようなご意見を答申としていただこうかなと発破をかけるような意味で入れているものでございます。
○森田委員 ありがとうございます。
○石井小委員長 藤田委員、何かコメントあったらお願いいたします。
○藤田委員 はい。今、森田さんから指摘があったように、確かにこういう取組に関してお金が流れる仕組みというのを作るのは重要だと思っています。
 ただ、この答申案にどこまで細かく入れるかというと、恐らく今、別途その他の議論になるのかもしれませんけど、今日だと三つ目の議論。制度設計を改めて別途やっていらっしゃるということなので、この答申案にはそこまで細かくお金の流し方というのもいろんな方法がありますので、あまり細かく規定をしなくて金融機関の関心を高めるとか、あるいはそこに資金が流れる仕組みも検討するとか、そのぐらいにとどめておいて細かなことは、多分、支援証明書とか、そういったどうやって企業にインセンティブとか、あるいは金融にも巻き込んでいくのかということを改めて恐らくやっていらっしゃると思うので、そちらで議論できればここには細かく書かなくてもいいのかなというふうには思っております。
 私からは以上です。
○石井小委員長 ありがとうございます。
 森田委員、いかがですか。
○森田委員 大丈夫です。
○石井小委員長 では、生物多様性主流化室長、お願いします。
○生物多様性主流化室長 すみません、浜島でございます。森田先生、ありがとうございます。
 1点、今、藤田先生おっしゃったとおりと思うのですけれども、補足で一応お伝えいたしますと、そのTNFDに関しては、基本的に本業によって自然に与えてしまっている負の影響をまずちゃんと計りましょうというところから始まっていて、それに関しての肝心な指標がまだプレースホルダーだったりはしますけれども、幾つか測り方が追加的なものも含めて提示をされているという状況だと。
 こちらの自然共生サイトとか、あるいは活動認定のような自然にプラスの影響を与えるような仕組みの測り方については、特にTNFDのほうでこれということが今、決まっている状態ではないと認識しております。
 ですので、今、藤田委員おっしゃっていただいたとおり、支援証明書の実証、試行的なことですとか、あるいは小林のほうから申し上げた簡易モニタリングとか、日本の中でこういう指標が企業さんにとって取り組みやすいのではないかといったものをお示ししていったとしても、TNFDと特に矛盾はしないという状況だと認識しております。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございます。森田委員、よろしいですね。
○森田委員 ありがとうございます。
○石井小委員長 勢一委員、お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。勢一です。確認ですけれども、この活動計画の策定主体で、9ページの上のほうになるのですけれども、これは策定できるのは民間等というのと、あとは市町村となっているのですけれども、これは都道府県は主体になれないという理解でいいのか。また、広域連携をしているような団体、例えば関西広域連合がやると言ったときには排除をされるのかとか、ここの整理は、ちょっとあまり詰めていなかったような印象がありますので、確認させてください。
○石井小委員長 ありがとうございます。
 では、市場メカニズム室長、お願いします。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 ご指摘ありがとうございます。都道府県がなるかならないかということに関しましては、基本的に排除するものではないと思ってございます。やや言い方はよくないのかもしれませんが、ある意味、一事業者として都道府県が自分の、例えば県立の学校とか、そういうところでこういう認定を受けるという場面は考えられると思ってございますので、そういう中でちょっと民間等と書いていますけれども、この中には地方自治体というものも事業者的に入ってくるところは当然あるんだろうと考えているところでございます。
 そして、また広域連合体みたいなものの扱いはどうかというところでございますけれども、こちらについて、この中で厳密に定義というか整理しているわけでは正直ないのですけれども、それを積極的に排除するという、そこは作れないというものでは基本的にはないかなというふうに考えてございます。実際そういう事例が出てき得るかというと、ある程度サイトといいますか、場所に特定してのものですので、広域の自治体でそれをやる、ある特定のサイトをやるという場面はちょっとあまり考えづらいような気はしてはございますけれども、それ自体は駄目というものではないんだろうなというふうに、今のところはちょっと整理しているところでございます。
○勢一委員 ありがとうございます。そうだとすると、例えば9ページの11行目、「市町村が」というのでこれは市町村に限定しているので、ここは限定しない表現にしておくとか、少しその辺りはちょっと文言として読めるようにできないかなと思います。
 市町村が多分、一番身近でいいという価値判断はあるけれども、ただ人口減少で市町村だと生物多様性とかが分かる人材が極めて少ないというような小規模市町村が多くて、そういうところこそ、恐らく自然共生サイトのポテンシャルがある場所があるはずなので、例えば県などが音頭を取ってもっと広域で巻き込んでやるということもないわけではない気もするので、今のようなお考えでしたら、何かここは含みを持たせることができればと思いますが、ご検討いただけますでしょうか。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 ちょっとこの「一方で」以下のところでございますけれども、ちょっと書いてありますとおり、「現行の生物多様性地域連携促進法に基づく地域連携保全活動計画のように」という形で書いてございまして、「一方で」とイメージしているというか、念頭にして置いているのは、現行の枠組み、市町村を核として地域ぐるみで活動を進めていくような、そのようなスキームを念頭にして置いているところでございますので、ここについては、基本的には、主語は市町村なんだろうというふうに考えているところでございます。
 一方で、この上段につきましては、それ以外一般的に含めてというところでございまして、その「民間等」というところには、たしか自治体も含めて、すみません、ちょっと分かりづらいところではあるんですが、2ページ目でございますね。2ページ目の5行目でございます。
 企業、団体、個人、都道府県や市町村といった地方公共団体、これを民間等というふうに略称を置いてございますので、そういったパターンについては、上のほうに該当するというふうにちょっと整理して、ちょっとよく分かりづらい説明になってしまって、申し訳ございません。
○勢一委員 ありがとうございます。そうすると、この文言だけ見ると、多様な主体と連携して活動計画を策定できるのは市町村限定ということになるのでしょうか。
○大臣官房環境経済課市場メカニズム室長 そうですね。当然、上段のほうの、民間等が策定する計画についてもいろんな者が、いろんな主体が連携して行う場合というのは、当然想定され得ると思っていますので、1個目は含まれるものでございます。「一方で」以下につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現行の地域連携促進法のある意味枠組みを少し援用といいますか、それの受皿となるようなものとしてちょっと考えているところが、この「一方で」以降のところでございまして、その意味で、多様な主体を連携するということ自体は上のほうでも連名で提出するということはあり得るものだというふうに考えてございます。
○石井小委員長 この部分、よろしいですか。
○勢一委員 ご説明で内容は把握をしました。ただ、そうすると、「一方で」の最後のところで、「そのため引き続き」ということは、現行の生物多様性地域連携促進法のスキームをこちらの活動計画の認定のほうにも寄せる感じになるのかと、ちょっと不思議な感じがしたので、皆さんが気にならなければいいですけれども。すみません、ありがとうございます。
○石井小委員長 事務局は特にいいですね。ほかの委員の皆さんは、何かここの部分、よろしいですか、実は私はあまり気にならなかったんですけれども。
 特によろしければ、先に行きますね、もう予定の16時がだんだん近づいてまいりましたので。
 お待たせしました。オンラインの中村委員、お願いいたします。
○中村委員 すみません、私、16時過ぎに出るということだけお伝えしたかっただけで特にありません、今の現行案に対しては。ありがとうございます。
○石井小委員長 分かりました。ありがとうございます。ほかはよろしいですか。
 それでは、いろいろとご意見をいただきました。どうもありがとうございます。事務局のほうでご対応いただいて、暫定的に修文案を作成していただきました。それらをご了解いただければ、微妙な日本語の修正などは委員長にお任せいただいた上でですけれども、修正を加えたこの答申案についてお認めいただけるかどうか諮らせていただきたいと思います。
 そうしましたら、会場の方は挙手で、オンラインの方は、すみませんけれど、下のほうに手のひらの挙手ボタンがあるので、それを押していただく形で、皆さんのご意見を伺いたいと思います。
 それでは、皆さん、よろしいでしょうか。
(了承)
○石井小委員長 それでは、皆さんにご了解いただけたということで適当と認めることにさせていただきます。
 先ほど言いましたように、多分、微妙な修文は必要かと思っていますので、それについては委員長に一任いただければと思います。この小委員会の決議ですけれども、部会長の同意を得て、自然環境部会の決議とすることができるとされておりますので、今後、事務局にて速やかに部会長の同意を得る手はずのほど、よろしくお願いします。
 その他のところですけれども、最初に約束しました、この答申案が成立したということで委員の皆さんからご意見を伺えたらと思います。シナリオだと、最後に全員に一言ずつとなっていますが、もう時間がありませんので、特にここまででご発言いただけなかった委員に少し振ってよろしいですか。ご発言いただければと思います。
 中村委員、いかがですか。
○中村委員 ありがとうございます。これは今、この答申案とは別にということでしょうか。
○石井小委員長 はい。期待するものとかご感想とかをいただければと思います。
○中村委員 そうですか。認定する名前みたいなものがどんな名前がつくのかなというのをちょっと気にはなっていました。まだこれからの話で、自然共生サイトとは違う形で名前がつけられると思うので、その辺がどうなるのかなと思っていました。
 それから、将来的な議論として自然再生推進法の中に書かれている小さな自然再生と、この活動に対してどうやってつなげていくのかなというのが大事じゃないかなと思っています。それも答申のほうにもきちんと書いてあるので、これからの議論だと思います。
 それから、最後に、イングランドでは、今後の開発に対しては、10%の生物多様性の保全がポジティブになるようにしないと開発ができないというような法律が通ったと思うんですが、それを見ていると、何となく塊として集めているような感じがあるんですよね。例えば企業がどこかに開発する場合に、オンサイトで再生事業をできない場合にバンキングみたいな形で買いに行って、実際に国全体として狙った場所を塊として自然再生しています。大事なエリアを確保しながら活動を支援していくような、地理的にもばらばらに分散してしまうんじゃなくて、ある程度塊として計画していくといったような、そんなスキームも必要なんじゃないかなと思いました。
 以上です。
○石井小委員長 どうもありがとうございました。
 では、続いて、中静委員、よろしくお願いします。
○中静委員 大変よくできた答申になったなというふうに思っています。
 一つ、僕も思うのは、今の中村さんの話にもあったんですけど、どうしても開発をしないと事業が成り立たない企業というのもあると思うんですよね。だから、そういうところが、今後ネイチャーポジティブにするというところにどういうふうに取り組めるかということを考えると、イングランドの例もありましたけど、やっぱりアメリカやオーストラリアでやっているようなオフセットの仕組みが必要になるのかなと思います。ネイチャーポジティブを考えると、開発する時に失われるものをきちんと補う仕組みが今のところ日本にはないので、将来的にはきちんと考えていくべきだろうなというふうに思いました。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございました。
 広田委員ですけれど、参加されていますでしょうか。
○広田委員 新幹線が止まって仙台のリモート会議室から急遽参加させていただいています。答申の中身については、すごくよいものができたと思っています。
 あとは、この答申に基づいて、どれだけ実行、実現されるかというところに注目していきたいと思います。関係者の方のこれからのご努力に期待します。どうもありがとうございました。
○石井小委員長 どうもありがとうございました。新幹線が止まって大変だったと思いますけれども、どうもご参加ありがとうございます。
 ほかの委員の皆さんからもご意見を伺いたいんですが。
 では、小泉委員、お願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。答申案に直接ではないので、その他のところで発言させていただきます。
 植物関係の人とか、それから林業関係の人とこういう生物多様性の話をしていると、いろいろロードマップを描いてくれるんですけれども、大体その最後に出てくる言葉が、「でもシカがいるからうまくいかない」とか「シカがいなければうまくいくだろう」という話で終わってしまうことが多いんですね。そういう意味でいきますと、この自然再興が法制化されて関連事業が予算化されるときには、ぜひシカ対策について配慮をいただきたいと思います。
 現行制度としては、指定管理鳥獣の捕獲事業の制度があるんですけれども、できて10年たって、やや特定計画ないしは市町村が行う被害防止のための捕獲の嵩上げに使われている感じがあって、本来の生物多様性保全のためのシカ管理というところにちょっとシグナルが向かないような感じになっていますので、今回のこの法制化を契機に再度、生物多様性のためのシカ管理というところに目を送っていただきたいなというふうに思います。よろしくお願いします。
○石井小委員長 ありがとうございます。
 ほかにご意見ございましたら。
○土屋委員 じゃあ、すみません。
○石井小委員長 土屋委員、お願いします。
○土屋委員 土屋です。一番初めにパブコメについて質問しただけなので、その他で発言させていただきます。
 すごく言わずもがなのことを一つ、まず言わせていただきますと、OECMという制度は御存じのとおり、保護地域外についてです。対して、自然共生サイト自体は、これもご存じのとおり、保護地域内も含んでいるわけですが、日本の保護地域の一番代表的なのは国立公園、ないしはその他の自然公園ですが、これはいわゆる地域制を取っておりまして、ある人に言わせれば非常に「弱い制度」であると言われています。
 つまり言いたいのは、OECM、つまり保護地域外をよくしていく、より保全に向いていくというのは当然のことなんですが、保護地域自体も日本の場合はやはり強くしていく必要があって、それは例えば地種区分の見直しなんかもこれからは考えるべきだと思いますし、それから公園区域自体の拡張や、それから管理有効性評価のような管理のより強化、そういったことをやはり片一方で、つまり保護地域制度の強化ということを図っていく。これは当然、関係者だけではなくて、ほかの様々な省庁が抱えている保護地域も含めてなんですけれども、それをやっぱりやっていかなくちゃいけないということを改めて申し上げておきたいと思います。
 あとは、今後については、この良い答申ができたので、これをどうやって実行していくかということが大事で、その中では、他省庁との連携、それから今日も何回も議論が出ましたが、市町村に対するサポート、そうしたことをこれからどうやっていくかというのが非常に問われるところだと思っていますので、それをまた注視していきたいと思っています。
 以上です。
○石井小委員長 どうもありがとうございました。ほかの委員の皆様、よろしいでしょうか。
 それでは、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 いろいろありがとうございました。
 私から2点なんですが、ネイチャーポジティブを進めていくということで考えると、やはりこれからは地域性種苗のことも合わせて、どう育成して普及させていくかということも同時に考えていかなければならないところです。尼崎などでも地域性種苗を使った森づくりなどもされていで、少しずつ広がっていると思うのですが、より拡大していくためにはどうしていったらよいのかということを考えています。今回のこの答申も、生物多様性保全をしっかりと根づいたものにしていくために、そういった地域性種苗の取組というのが後押しになるといいなと思っています。
 もう一つが、やはりこういう価値観を広めていくということがとても必要ということです。先ほどイングランドの例もありましたが、なぜ欧米でこうやってどんどん先に進んでいるのかなと考えていますと、やはり教育の力が大きいなと思っております。海外に行きますとレンジャーという役職が大抵あって、ニューヨークにアーバーンレンジャーがありますけれど、日常的に身近な自然の中で、環境教育、自然体験が行われています。レンジャーという仕事も非常に人気の職業でもあって、そのような人々の価値観が出来上がっているからこそ、施策にもつながっていくのだと思います。
 今回、このネイチャーポジティブ、自然共生サイト、地域戦略といったいろんな取組を、教科書に載せていくことはできるのでしょうか。既に行われているのかもしれませんが、教科書に載せることは広く普及していくために大きな力だなと思います。そういった取組を環境省さんとして推進してらっしゃるのかということも、お聞きしたいと思っております。
○石井小委員長 では、これはご質問ですので、どなたかご対応されますか。
○自然環境計画課課長補佐 佐藤委員、ありがとうございます。地域性種苗の地域の在来種とか、地域の植生ということだと思います。その部分は、この現行の自然共生サイトの運用の中でも、緑地を新たにつくるときであれば地域の在来種を使うとか、そういったところを一つ意識していただいているような部分はありまして、それを実際に審査の中でも地域の在来種がどうかとか、もちろん在来種じゃないものがまずいといったときにもどういった部分で生物多様性の保全に貢献しているかというところを意識しながらあるので一つ重要な視点としては見ているところです。
 環境教育の部分についても、環境省の中でも環境教育の部署とこういった今、自然共生サミットであったり、OECMと動きをうまく連動させていこうというような動きがございますので、そこはこの教育の中でも今回、答申の中にも教育であったりとか普及啓発というふうに入れさせていただいたところなので、子どもたちにも今回、認定されたサイトの中にも子どもたちが活動するような場所もありますので、そういったところを含めて進めていければというふうに思っています。
○佐藤委員 教科書には載せていくとか、そういったようなことも今後はあり得るんでしょうかね。
○自然環境計画課課長補佐 環境教育室とか、文科省さんとかと相談しながら普及啓発のツールでなにができるのか、いろんなパンフなのかウェブなのかといろんなツールがあると思うので、一番届きやすいとか、効果的なのは各種媒体を探っていきたいなというふうに思っています。
○佐藤委員 今のお答えで地域性種苗については、もう重要性は皆さん分かっているんですが供給源が少ないというのが大きな問題になっています。私たちもいろいろ公園のマネジメントなどかかわっていますが、都道府県の公園とか、国の公園など大きな公園で、地域性種苗の育成ができないか。また民間でもより進めていくためには、これは地域性種苗としてよいか悪いかといった認証的な考え方もこれから必要になってくるかと思います。また、引き続きご検討いただきつつ、私たちも現場のほうでいろいろ工夫していきたいと思います。ありがとうございました。
○石井小委員長 ありがとうございます。
 それでは、森田委員、お願いします。
○森田委員 ありがとうございます。
 今後のことということで、今回、自然共生サイトで自然のポジティブな部分のところに結構ハイライトしていると思うのですが、ネイチャーベイストソリューションといった、例えば気候変動、脱炭素などの社会的課題の解決により焦点当てて生物多様性にもよい便益をもたらす対策など、もちろん今回のものはオーバーラップしている部分もあるのですが、そういった話もどんどん増えてきて、さらに今度は、再エネなどを脱炭素の文脈でどんどん進めなくてはいけないから、再エネを進めるけれどもその際に生物多様性に悪影響を及ぼさないようにする観点の話しもあり、そこでもそれらが分かる人材があまりいないなと感じています。
 ということで、今回結構、生物多様のポジティブな面を評価できる人材育成ということもあったのですけども、やはりいろいろな社会的課題を抱えているので、そういったものをトータルで見て、生物多様性に関してここは押さえておかなくては絶対駄目だよと言える人が、もう少し増えてこないと結構難しいと思っています。今回の自然共生サイトで出てくるいろいろな知見というものを、この自然共生サイトをさらに広げることに活用するだけではなくて、先ほどのネイチャーベイストソリューションや、トレードオフが生じる可能性があるところにも、どうやったらぎりぎりトレードオフを回避できるかというところにも、ぜひつなげていっていただきたいなというふうに思っています。
 以上です。
○石井小委員長 はい、ありがとうございます。
 では、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。先ほどもちょっと出ていたことなんですけど、先日ダボスでTNFDの早期宣言をした企業が日本が80社と一番多かったというのがありましたけども、今回のパブコメは企業さんからあんまりコメントが来なくて関心が薄いって最初ありましたよね。
 一方で、TNFDはこれだけ関心が高くて、皆さん、開示準備を始められたり既にレポートを出されたりしているところがあると。そういうレポートを読むと、自然共生サイトのことをどのぐらい書いてあるかというと最後の付録みたい感じでちょこっとは書いてあるんですけど、メインの冒頭ではない。やっぱり今のこの立てつけだと、TNFDの中で開示の中で自然共生サイト頑張っていますということが書けるかというと、なかなかその企業にとってインセンティブがないんじゃないかなとやっぱり思っています。もちろん本業で、そこの部分を使う企業さんはそこを緑化したりとか、生物多様性に配慮したような緑化とかすることがすごく本業のまんまなんですけど、そうじゃない企業さんにとってTNFDで書けるかというとなかなかそうはいかないと。そうすると先ほど来出てきたネットゲインとかのお話がありましたけど、まさに気候変動では省エネとか再エネで削減しきれなかったところが吸収源でということを各社さん、結構打ち出していますよね。75%は省エネ、再エネできるけど、25%は大規模植林で、吸収源でいくとか、あるいはカーボンクレジットでという、何か大きなネットゼロに向けたストーリーが描けます。じゃあ、一方ネイチャーのほうはどうかというと、開発をして、減ってしまった生物多様性をこちらで例えば増やすとかというのが、そういうストーリーになってないですよね。何かどうしてもやっぱりこの自然共生サイトって、いまだちょっと社会貢献的なところのニュアンスが少しあるかなと思っています。もちろん支援証明書というのを今、制度設計されているとは思うんですけども、もう少し先ほど何人かの委員からお話が出てきたように、ネットゲイン的なオフセット的な制度と絡めるとか、あるいは自然と気候変動のやっぱりネクサスというのが今すごく重要になっているので、何かやっぱり両方一緒にやることが、CO2のところでもTCFDでもTNFDでも書けるような、何かそんな立てつけにぜひ、していただきたいなというふうに思っています。企業にとってインセンティブがもっと欲しいと。
 もう一つ、自治体にとってのインセンティブですけども、今度はそうやって企業さんがある自治体の緑化のところ頑張って、生物多様性に配慮したような形にしてOECM認定を取得したときに、その自治体にとってどういうインセンティブがあるかといったときに、やはりそこから生み出される何かその自治体の価値の向上に結びつくようなものであってほしい。例えばそこの木材とか、水とか食料のブランド価値が上がって、高く売れるとか、そのためには消費者の教育ももちろん必要なんですけど、あるいは町のブランド価値が上がって、観光客が増えるとか。
 ちょっと分からないですけども自治体にとっても、これに協力することがすごく価値向上につながるような。企業と自治体のインセンティブにもっとつながるようなものを実際、これを運営していく中で、もう少し作っていかなきゃいけないんじゃないかなというふうには思っています。
 以上です。
○石井小委員長 はい、どうもありがとうございました。
 
 そうしましたら、勢一委員、お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。何度もすみません、手短に。
 今、藤田委員がおっしゃった認定を受けるインセンティブは非常に私も大事だと思っていてほぼ同じようなことを申し上げようと思っていました。なので、重複するので割愛します。
 本来であれば、この新しい認証制度がそのような役割を担うということができればいいのですけれども、必ずしもそういう制度設計になっていないので、ここは工夫をお願いいたします。
 2点目ですけれども、この活動計画、これから恐らくたくさん出てきて認定を受けると思うのですけれども、これを今後、どう活用していくかというところも戦略的に考えていただく必要があるかなと思います。まずは計画などを公表して、誰でも見られるような仕組みにして地域で共有したり、全国のほかのところの活動主体が参照したりと、みんなで知見を共有するという使い方も重要ですし、さらにそれが、それぞれの計画で行われた取組によって得られたデータ、これはもうマスデータとしていろいろな場面で活用できるのではないかと。生物多様性とか、あとは気候変動適応の分野はとにかくデータが少ないというのが問題になっていますので、データを蓄積していくという役割もあるだろうと思います。そうした蓄積が進んでいけば、中長期的には自然生態系が少しずつ変わってくる地域が出てくると。そうすると、その自然を守るバッファーにも変化があるので、そうすると先ほどご指摘がありましたけれども、公園区域を拡大するとか、そういうことも可能になるのではないかという期待をしています。これが2点目です。
 最後3点目ですけれども、中間支援、私もこれは非常に大事だと思っています。かなりグレードの高い内容に先ほど書き直されたというところもありますから、さらに期待はありますが、ただ、支援センター的なものというのは難易度が高くて、温対法とか、適応法にもセンターがあるんですけれども、指定が必ずしも多くなかったり、指定されているけれど形式的で十分に機能がしてない例もありますので、このようなスキームをもし法の中で考えておるのでしたら、既存法のスキームなどを少し参照して、より機能するような形で仕込んでいただくというのが大事かなと思います。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございました。
 では、最後になると思いますけれどもオンラインの深町委員、お願いします。
○深町委員 ありがとうございます。先ほど地域性種苗のお話が出ましたけれども、私も大変大事だと思っておりまして、対象が公園とかもありますけれども、いろんな災害、台風の後でかなりの面積の山を広葉樹林化するだとか、あるいは震災等の復興の後をどうしていくかという課題があります。実際に取り組んでおられる行政の方とか、あるいは地域の方も頑張ってはいるんですが、地域性種苗を手に入れようとしてもなかなか難しいというのが現状です。安定した供給が難しいとか、コストの問題とかいろんな問題があると思いますが、道路ののり面の緑化なども含めまして、こうした観点で課題が大きいと思います。この問題はかなり幅広く連携しながら早急に取り組んでいただきたいなというふうに思うところです。
 それから、三陸などに行くと、地域の方々が震災後の土地を何とか自然豊かな土地にしていきたいというふうに頑張っているんですけど、なかなかそういったところでのサポート体制が課題となっています。自然共生サイトにも関心を持っていると思うのですけれども、特に東北の地域では、その候補で挙がってくるのも少ないと思います。そういった部分での支援の体制というのを、よりお願いしたいなというふうに思うところがあります。
 もう一つは自然共生サイトの実際に上がってくるものを見てみますと、価値基準の五つ目、地域文化のために活用されている自然資源の供給の場としての価値が非常に少ないと思います。こういった観点を見出すのは難しいのかもしれないんですが、今後、ネイチャーポジティブ経済など考えていく場合は、幅広く地域文化ということで、限定的なものだけに目を向けるだけじゃなくて、新しい部分も含めながら、生物多様性というのを考えていただくのが大事だと思うので、この点からのいろんな評価というのを期待したいと思います。
 以上です。
○石井小委員長 ありがとうございました。大体、時間ですので、これにて終了としたいと思います。
 私もよい答申案ができたと思っています。会議を通して感じていることですけれどもかなり大きな期待があって、パブリックコメントが少なかったというのはあるかもしれませんけれども、内容から見るとネガティブなものがあまりなくて、もう少しよいものをという方向のご意見が多かったというふうに思います。
 私自身も大阪で、トラスト協会などで保全に関わっている者として、今日は委員から出たコメントの中で、支援に関するものがかなり多かったと思うんですけれども、やはり大きなキーワードではないかと思います。
 この答申案が法制化につながるわけですけども、よいものを作っていただきたいというのが私の思いです。
 それでは、これで全ての議題を終了しましたので、進行を事務局にお返ししたいと思います。
○司会 石井委員長、議事進行ありがとうございました。
 委員の皆様におかれましても長時間にわたり、ご審議いただきましてありがとうございました。
 最後に、白石自然環境局長よりご挨拶申し上げます。
○自然環境局長 自然環境局長の白石でございます。着座にて失礼いたします。
 まず本日、新幹線の架線事故があって、東北、北陸、上越、長野新幹線が止まっているというふうに聞いてございまして、委員の皆様にも、こちらにいらっしゃる際に非常にちょっと影響を受けられたんじゃないかなと本当に心配なところがございます。わざわざご参集いただいた皆様、それから途中、ウェブでご参加ということで広田先生ですね、仙台駅からということでわざわざ大変お手間を取らせまして、大変申し訳ございませんでした。
 ということで、本自然再興の実現に向けて、この小委員会を3回開かせていただきまして、大変タイトなスケジュールでございましたけれども、非常に活発に、ご丁寧なご議論をいただきましてありがとうございました。昨年、生物多様性国家戦略をはじめ、いろいろ定めまして、まさにネイチャーポジティブ元年というべき年になって、さらにその勢いを加速すべく、今この議論を踏まえて、さらに自然共生サイトというものを法律に基づく事業とし、それ以外の劣化地のようなものも含めていろいろ幅広く民間の活動を後押しするための施策を前に進めていきたいという思いでおります。
 今日いろいろご議論いただきました。まさに委員の皆様のご慧眼というか鋭い視点で、ここは実は言いたいんだよなと思うところ、何点かご指摘いただいています。まだ、答えが出せてないところもありますけれども、そういった点を踏まえて今後、制度化に向けて前進をさせていただきたいと思っています。おまとめいただいた答申案に基づきまして、今通常国会にお出しする法案の準備を今の法制チームが一生懸命作っていますし、活動の評価の考え方でありますとか、支援制度、活動の支援証明制度、あるいは生物多様性の見える化のような話を含め、民間の方々の活動を促進する制度、施策の具体化を進めていきたいというふうに考えてございます。
 最後になります。石井委員長をはじめ、委員の皆様方におかれましては、大変建設的なご意見をいただきまして誠にありがとうございました。
 それから、本当は最初に申し上げるべきだったと思いますが、年明け1月1日に能登半島の地震によりまして、多くの方が被災されて、今もまだ避難されています。環境省も、ごみ、それからし尿、そういった処理で再生循環局というセクションが常時何人も今、石川県に張りついて頑張っています。ペットの関係も私のところでやっていまして、何人か今、張りついています。
 ということで、一刻も早く復旧・復興なされるよう全力を尽くしておりますが、被災された方にはお見舞いの言葉を申し上げます。
 ということで、今回の答申取りまとめを受けまして、私どもとしてもしっかり取り組んでまいりたいという決意を申し上げてご挨拶させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。
○司会 以上をもちまして、本日の小委員会を終了いたします。
 本日はありがとうございました。
午後4時31分 閉会