中央環境審議会循環型社会部会(第48回)議事録
日時
令和5年8月2日(水) 10:00~12:30
場所
WEB 会議システムにより開催
議事次第
(1)第四次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて(ヒアリング)
(2)第四次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて(ディスカッション)
(2)第四次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて(ディスカッション)
議事録
午前10時00分 開会
○循環型社会推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第48回中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。
進行を務めさせていただきます循環型社会推進室長の近藤でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、委員総数28名のところ、20名の委員の方にご出席をいただいておりますので、部会として成立しておりますことをご報告いたします。
また、本日は、次期循環型社会形成推進基本計画の策定に向けたヒアリングということで、座間市長の佐藤様、愛知県環境局技監、近藤様、豊田通商株式会社サーキュラーエコノミー事業推進部長の室井様、株式会社富山環境整備代表取締役の松浦様から、取組内容等のご説明をいただきます。
今回も、WEB会議で開催をさせていただきます。会議の運営について、お願いでございますけれども、マイクは発言をいただく際にのみオンとして、それ以外はミュートとしていただきますようにお願いいたします。また、ビデオはご発言の際にのみ、オンしていただければと思います。また、発言をされる際には挙手ボタンでお知らせをいただきまして、部会長からのご指名を受けて、ご発言をお願いいたします。
なお、会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開をしております。
それでは、議事に先立ちまして、角倉環境再生・資源循環局次長よりご挨拶をさせていただきます。
角倉次長、お願いいたします。
○環境再生・資源循環局次長 近藤室長、聞こえますでしょうか。近藤さん、聞こえていますか。
○循環型社会推進室長 はい、聞こえております。
○環境再生・資源循環局次長 皆様、おはようございます。環境省で環境再生・資源循環局次長を務めさせていただいております角倉と申します。
本日ご出席の委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中ご参画いただき、改めて御礼申し上げます。
本日は、先ほど近藤室長から申し上げましたとおり、次期循環型社会形成推進基本計画の策定に向けたヒアリングとして、四つの団体から取組内容等についてご説明いただく予定としております。
本日ご参画いただきました座間市、愛知県、豊田通商株式会社、そして株式会社富山環境整備の皆様方には、改めて御礼申し上げたいと思います。
本日、ヒアリングで伺いました内容につきましては、今後の議論にしっかりと反映させていただきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
また、本日は、次期循環型社会形成推進基本計画の策定のための新案についてもご議論いただく予定としております。カーボンニュートラルに加えて資源循環の分野でも政府として取組を加速化し、循環型社会の構築を目指すとともに、地方創生、そして国際競争力の強化や経済安保といった観点も含めて、しっかりとした取組を進めていきたいと考えておりますので、本日、委員の皆様方におかれましては、ぜひとも忌憚のないご意見をいただければと考えております。
本日は、どうかよろしくお願いいたします。
○循環型社会推進室長 角倉次長、ありがとうございました。
次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
本日は資料1-1から1-5まで、それと資料2、また参考資料1から5でございます。
資料は事務局にて画面に投影いたしますけれども、必要に応じて、あらかじめお送りしたファイルをご覧いただければと思います。
それでは、以降の進行は酒井部会長にお願いしたいと思います。
酒井部会長、よろしくお願い申し上げます。
○酒井部会長 おはようございます。酒井でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速ではございますが、議題の一つ目、第四次循環基本計画の見直しにつきましてのヒアリングということでございます。
まず、事務局から資料1-1の説明をよろしくお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。
資料の1-1をご覧いただければと思います。
次期の循環型社会形成推進基本計画の策定に向けまして、先進的な取組に関するヒアリングを行うこととさせていただいております。
一番下の工程票を見ていただきますと、今回第3回目、8月2日でございまして、座間市さん、愛知県さん、豊田通商さん、それから富山環境整備さんからのご発表をいただくことになっております。
本文の三つ目の段落、「なお」のところでございますけれども、各主体におきまして、先進的な取組を進める上で必要となる制度、情報、技術、人材等についてもご紹介いただく予定となっております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日、4団体から説明をいただきます。先ほど近藤室長からご紹介のあったとおりでございます。それぞれから10分程度ご説明いただきまして、その後、一括して質疑応答の時間を設けさせていただくという手順でお願いしたいと思います。
なお、各団体のご説明におきまして、9分が経過した段階で、事務局から残り1分ということのアナウンスをさせていただくことになることをご了承いただければ幸いでございます。
それでは早速、初めに座間市より資料1-2についてのご説明をよろしくお願いいたします。
○座間市 皆様、こんにちは。「日本一、元気で楽しいまち・座間」を目指している、座間市長の佐藤弥斗と申します。
本日は、本市のサーキュラーエコノミーの推進と取組についてお話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
次のスライドをお願いします。初めに、簡単に本市の紹介をさせていただきます。
場所は神奈川県のほぼ中央に位置しており、古くは自動車のまちとして、また、現在は都心へのアクセスのよさなどからベッドタウンとして発展してきました。
市の風物詩としては、この8月には約55万本のひまわりが咲き誇るひまわりまつりが開催され、全国から多くの観光客が来場します。市のマスコットキャラクターは、市の花、ひまわりをモチーフにした「ざまりん」がおります。非常にかわいらしいルックスから、市民にも大変愛されているキャラクターです。
また、江戸時代から200年以上続く大凧揚げの伝統文化があり、毎年5月4日、5日に重さ約1t、大きさ13m四方の百畳敷なんですが、大凧が空を舞う大凧まつりが開催され、多くの市民でにぎわいます。
次のスライドをお願いします。さて、そんな本市のごみ処理の沿革ですが、昭和の大量生産、大量廃棄の時代には、主に収集体制の整備に注力をしてまいりました。そこから、循環型社会形成推進基本法の制定など、世の中では天然資源を大切にし、環境負荷の低減を目指す新たな社会的要請が生まれる中、本市が特に力を入れてきたのが市民啓発です。
資源物を効率的に資源化するには、市民の分別への理解と協力が不可欠であり、ごみに対するイメージを変えてもらおうと、臭い、汚いというイメージを持たれやすいパッカー車に市のマスコットキャラクター「ざまりん」のラッピングをしました。今では、パッカー車が通ると子どもたちが手を振ってくれるほどで、清掃作業員のモチベーションの向上にもつながっています。そこで、子ども向けの環境教育にも清掃作業員たちが自らの意思で参加し、収集業務の終了後に啓発活動に励むようになりました。
また、令和元年に小田急電鉄株式会社とサーキュラーエコノミーの推進に係る連携協定を結びまして、タブレット端末を活用したDX収集の実証実験を開始し、現在運用しているところです。
次のスライドをお願いします。では、本市が収集のDX化に取り組むきっかけとなった、本市と小田急電鉄株式会社との協定締結についてお話をしたいと思います。
まず、先ほども少し触れましたが、本市のごみ収集現場で働く清掃作業員は、収集作業のほか、市民に対する啓発活動も実施してきました。啓発活動は市民からも好評で、保育園や幼稚園、小学校、そして地域のお祭りなどで、コロナ禍を除けば年間で何と40回以上、実施しているところです。この活動は、結果として、清掃作業員の仕事のやりがいにもつながっています。
一方で、小田急電鉄株式会社は、SDGsの観点から、新しい価値を提供するため、新規事業の創出を目指しており、まちづくり事業と親和性の高いサーキュラーエコノミーの事業化を推進するためWOOMSを立ち上げ、環境問題に高いモチベーションを持って取り組めるパートナーとして組織を探していたところ、本市の清掃作業員のモチベーションの高さに興味を持っていただき、お互いの目的が合致したことがきっかけとなりました。
次のスライドをお願いします。そして、令和元年6月に、本市と小田急電鉄株式会社は、「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に関する協定」を締結しました。
この協定は、サーキュラーエコノミーの実現に資する活動や、情報発信活動に関することを協力して行っていくといったものです。この協定から、DX収集やフードサイクルプロジェクトなどの連携事業につながっていきました。
次のスライドをお願いします。小田急電鉄株式会社との取組で、本市に非常に大きな効果をもたらしたのが、塵芥収集支援システムを活用したDX収集です。塵芥収集支援システムは、従来、紙ベースで行っていた収集ルートの最適化などのルートサポート機能と、ごみ収集場のごみの取り忘れ防止や車両の収集状況に応じた車両間での応援要請などのワークサポート機能を有した収集業務全体の効率化を目指したシステムです。これを本市の全てのパッカー車に搭載し、実証実験を始めました。また、システムは、清掃作業員の要望などによりアップデートされ、より座間市仕様の形になっているところです。これにより、今まで個々の車両で対応していた収集業務がチームとして対応できるようになり、チームワークの醸成にもつながりました。
次のスライドをお願いします。では、この実証実験の成果をご覧ください。導入前と比較すると、パッカー車1台当たりの平均積載率が約11%も上がり、片道で約10kmほど離れた市外にある焼却炉への運搬回数も、約16%、回数にして1,800回もの減少につながりました。
これにより、燃料の削減による経費削減、CO2削減はもちろんですが、収集業務の効率化によって得られた時間と人力を活用し、剪定枝の収集も始めました。
次のスライドをお願いします。剪定枝の排出は、これまで申込制の戸別収集としていましたが、実態としては、「燃やすごみ」の日に、集積所に出されることが多く、リサイクルされずに焼却されていました。この課題にDX収集を活用しました。
まず、「燃やすごみ」の収集に行ったパッカー車は、剪定枝が排出されている収集所の位置情報を通報します。すると、通報が地図上にマーキングされ、剪定枝のある集積所のマップが出来上がります。システムにより、剪定枝収集用の効率的なコースが構築され、後発のトラックは剪定枝のみを収集していきます。このような一連の流れのことを波状収集と名づけました。市民は、戸別収集の申込みも原則は不要になりましたので、市民サービスの向上にもつながっているものと捉えております。
次のスライドをお願いします。では、この剪定枝の波状収集による成果をご覧ください。剪定枝の収集量は前年度比で約800t、442%の増につながり、家庭系の可燃ごみは約1,630t、7.7%の減量となりました。数字的な成果はもちろんですが、この取組は清掃作業員にとって、最先端の技術を業務改善に活用しているという、仕事に対する誇りやモチベーションにつながっていることも非常に大きな成果であったと感じています。
次のスライドをお願いします。次に、本市が取り組んでいる官民連携事業のうち、フードサイクルプロジェクトとミックスペーパーリサイクルプロジェクトについて簡単に紹介します。
次のスライドをお願いします。フードサイクルプロジェクトは、農林水産省の農山漁村振興交付金を活用し、小田急電鉄株式会社と農林水産省、そしてローカルフードサイクリング株式会社の協力を得ながら、令和4年度から実施をしています。家庭から出た生ごみを堆肥に変え、出た堆肥は農家に届け、農産物を栽培し、再び家庭へ、地域の食循環を目指し取り組んでいます。令和4年度は、市民モニター約280名に堆肥づくりにご協力いただき、生ごみ約3.9tが、約1.2tの堆肥に生まれ変わりました。本年の6月には、その堆肥でできたジャガイモが無事に収穫されたところです。
次のスライドをお願いします。次に、ミックスペーパーリサイクルプロジェクトを紹介します。本市は、今年1月、イオンモール座間と連携し、フードコートから出る紙ごみのリサイクルを始めました。加えて、家庭ごみのミックスペーパーの分別区分も拡大し、従来は燃やすごみに混ざって排出されていた紙の回収も始めました。
具体的には、フードコートから出た紙ごみを家庭から出る紙とともに回収し、静岡県に所在する企業でトイレットペーパーにリサイクルをしています。ご存じのように、フードコートの紙ごみは、食べかすや油分の付着により再生が難しく、燃やされてきておりました。本市の事業系可燃ごみの中に混ざる紙の割合は、7割を超える現状があります。
こうした中、イオンモール座間から、フードコートから出る紙ごみをリサイクルできないかと相談を受け、試行錯誤の末、取組を実現させました。これにより、本市のミックスペーパーの回収量は以前と比べ4割以上増え、分別も簡単になったため、市民からも好評をいただいております。
○総務課法令係長 事務局でございます。ご説明は残り1分程度でお願いします。
○座間市 次のスライドをお願いします。以上のように、廃棄物行政のイメージ改善のための取組や、市民の理解を深めるための啓発事業が清掃職員のモチベーションを高める効果を生み出しました。このモチベーションの高さは、環境問題に係る新規事業を創出するためのパートナーを求める小田急電鉄株式会社からの注目を得ることになり、連携と協力に係る協定を結ぶことになりました。
また、協定の下に実施された事業は、業務の効率化につながり、サーキュラーエコノミーや官民連携事業をさらに推進していく原動力となっているのです。
最後のスライドをお願いします。今後も、本市は職員一丸となり、企業の皆さんとの連携も大切にしながら、市民の皆さんのご理解、ご協力を得られるようなサーキュラーエコノミーの推進に努めてまいりたいと考えております。
本日はご清聴、ありがとうございました。
○酒井部会長 佐藤市長、どうもありがとうございました。
○座間市 ありがとうございました。
○酒井部会長 多くの内容を短時間でいろいろご説明いただきまして、よく分かりました。どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、愛知県から資料1-3の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○愛知県 皆様、こんにちは。愛知県環境局の近藤でございます。この度は、このような機会をいただきまして誠にありがとうございます。
愛知県では、昨年3月に「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を策定しておりまして、本日は、このプランに基づく取組についてご紹介、ご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
次のスライドをお願いします。まず初めに、愛知県の概要についてでございますけれども、自動車をはじめ、様々な産業が盛んな全国有数の産業集積県となっております。特に、製造業につきましては、製造品出荷額等が44年連続で全国第1位となっておりますが、このほかにも、商業や農業等も盛んな地域でございます。
また、産業県である一方で、県内の約4割が森林でありまして、豊かな自然環境も有しております。地理的には、日本のほぼ中央に位置しておりまして、陸・海・空の交通網が発達した、流通の要とも言える地域となっております。
産業県であるがゆえに廃棄物の排出量が多いといった一方で、県土の地域特性を生かした資源の効果的な循環利用を進めることができるポテンシャルの高い県であるということができるのかなというふうに思っております。
次のスライドをお願いします。本県では、全国一の産業県であるからこそ環境面でもトップランナーであるべきという考え方の下、各種施策を進めております。2022年3月に、全国に先駆けまして、今日ご説明する「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を策定しております。その背景といたしましては、世界的な資源消費や廃棄の増加に加えまして、昨今問題となっているプラスチックや、将来的に大量廃棄が見込まれます太陽光パネル等の社会課題、またカーボンニュートラルの実現手段としてのサーキュラーエコノミーの重要性などがございます。
こうした背景を踏まえまして、従来型の廃棄を前提としたリニアエコノミー、あるいはリサイクリングエコノミーといったものから、将来を見据えて、循環経済、まさにサーキュラーエコノミーへの転換を目指すため、本県の資源循環に関する指針として、このプランを策定したものでございます。
次、お願いいたします。こちらがサーキュラーエコノミーによる循環型社会形成のイメージでございます。サーキュラーエコノミーでは、製品のライフサイクルをバリューチェーン全体で考えて、設計、生産から、小売・流通、利用、回収、リサイクルの各段階で、廃棄の低減や資源の有効利用に取り組むことが重要と考えております。
各段階で必要な取組としては、例えば、設計の段階では、製品の長寿命化やリサイクルまで考えたエコデザイン、また利用段階では、製品のサービス化、PaaSやシェアリング等といった新しい利用形態による廃棄の低減などが挙げられます。
このプランでは、計画期間である2022年から2031年までの10年間をサーキュラーエコノミーヘの移行期間として、ライフサイクル全体での徹底した資源循環を目指してまいります。
次、お願いいたします。本プランでは、サーキュラーエコノミーの転換を目指しまして、大きく四つの施策を進めております。
一つ目が、左上にありますサーキュラーエコノミー推進モデルの展開です。こちらは、この後、詳しくご説明させていただきます。右に行きまして、二つ目が、循環ビジネスの振興支援です。循環ビジネスにサーキュラーエコノミーを取り入れていただくことが重要でございますので、県が設置したコーディネーターや補助金による支援に加えまして、今後、認証・認定制度についても検討を進めてまいります。左下に行きまして、三つ目が、人材育成・情報発信。最後、右へ行きまして、四つ目に、多様な主体との連携と、これら4本柱の施策について、循環ビジネス支援の拠点として、本県の県庁内に設置しました「あいち資源循環推進センター」を中心に取組を進めております。
次のスライドをお願いします。本プランでは、本県の地域特性や産業のポテンシャルを踏まえ、サーキュラーエコノミー型の循環ビジネスを牽引し、社会課題を解決する役割を担うものとして、六つの推進モデルを創設しております。ここにお示ししましたプラスチック、太陽光パネルをはじめとする六つのモデルの分野で、動脈産業と静脈産業が連携した取組を促進してまいります。
ちなみに、右のスライドは、このプランの冊子の表紙に描かれたものでございますけれども、花型の写真の中には、上から繊維、太陽光パネル、食品等の六つのモデルのそれぞれを表現、イメージして、策定しております。
なお、このプランを検討する際に、本日の部会委員でもあられます地球環境戦略研究機関の粟生木先生にもご協力をいただいております。
次、お願いいたします。サーキュラーエコノミー推進プランにつきまして、六つのうちの二つをご紹介させていただきます。
まず、こちらは、プラスチック循環利用モデルでございます。このモデルは、本県のプラスチック製造品出荷額等が全国第1位ということであることから設定したものでございます。
このモデルは、リサイクル素材を活用した生産、流通における容器包装のリサイクル、IoTやトレーサビリティを活用した効率的な循環利用、こうしたことによりまして、廃プラスチックのマテリアル利用、あるいはケミカル利用を高めつつ、プラスチックの価値をできる限り長期間維持する、そうした技術や仕組みを構築してまいります。
次、お願いいたします。こちらは、太陽光パネル循環利用モデルでございます。このモデルは、本県が住宅用太陽光パネル設置数で全国第1位ということもありまして、2030年代後半に予想されますパネルの大量廃棄、これに備える必要があるということから立ち上げたものでございます。
このモデルは、リサイクルにおける処理能力向上や、リユースパネルの品質確保など、今から将来の大量廃棄を見据えまして、処理体制の構築やリユース品の有効な活用など、広域的な取組とともに、パネルの大部分を占めますガラスの循環利用に向けました用途開発を進めるものでございます。
次、お願いいたします。プラスチックや太陽光パネル等の六つの推進モデルにつきまして、理想の絵を描くだけでなく、実際のビジネスの場で具体化していくというためには、事業者、有識者、行政からなる体制が必要でございますので、私どもとしては、サーキュラーエコノミー推進プロジェクトチームを今年の1月に立ち上げております。
現在、プラスチックは二つでございますので、ここにあるような七つのプロジェクトチームを立ち上げまして、合計62社、延べ79の事業者の方に参画していただいております。
加えまして、オブザーバーとして、環境省中部地方環境事務所をはじめ、経済産業省中部経済産業局、三井住友信託銀行様にもご参画いただきまして、一つの者では難しい課題に多様な主体が連携して取り組みながら、それぞれの分野で約5年を目途にモデルの事業化を目指しているところでございます。
次、お願いいたします。参考までにご紹介いたしますと、こちらがプラスチック循環のPTの参画メンバーでございます。複数の素材が混ざって、現状では、その多くが廃棄またはサーマルリサイクルに回されている混合プラスチックを、より付加価値の高いマテリアルリサイクルに回して循環利用することを目指しまして、ここにお示しした事業者の皆様に参画いただいております。
特徴といたしましては、メーカー、リサイクル、再生原料製造と様々な立場の事業者に参画いただきまして、動脈、静脈の垣根を越えた連携を図っております。
次、お願いいたします。
○総務課法令係長 事務局でございます。ご説明、残り1分程度でお願いいたします。
○愛知県 分かりました。
こちらは、太陽光パネル循環のPTの参画メンバーです。こちらも、県内の主要なパネルリサイクル業者の参画に加えまして、メーカーとして京セラさん、ガラスメーカーとしてAGCさん、発電事業者として中部電力さん等、様々な立場の事業者に参画いただきまして、連携を図って進めているところでございます。
次、お願いいたします。以上、簡単ではございますが、愛知県におけるサーキュラーエコノミー推進の取組につきましてご紹介させていただきました。このプランに基づく取組は、まだ始まったばかりではございますけれども、2031年、サーキュラーエコノミーが浸透する循環型社会の形成を目指しまして、多様な主体の皆様方としっかり連携を図り、今後も取組を進めてまいりたいというふうに考えております。引き続き、ご理解、ご協力、ご支援のほど、お願い申し上げます。
ご清聴、ありがとうございました。
○酒井部会長 近藤技監、どうもありがとうございました。時間どおりに要領よくご説明いただきまして、感謝申し上げます。
それでは、引き続きまして、豊田通商株式会社から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○豊田通商株式会社 豊田通商サーキュラーエコノミー事業推進部の室井と申します。よろしくお願いいたします。本日は、弊社のサーキュラーエコノミー事業をご説明させていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、説明のほうに入らせていただきます。
次のスライドをお願いいたします。本日、三部構成にしておりまして、弊社の全体会社概要、そしてサーキュラーエコノミーの事業概要、最後、主な事業会社/関連会社のご説明なんですけれども、こちらは数が多いものですから、三つ目はご説明を省かせていただきまして、二つ目までのご説明とさせていただきます。
次、お願いいたします。こちらは弊社の会社概要でございますけれども、こちらのスライドで申し上げたいところとしましては、株主構成として、トヨタ自動車様、そして豊田自動織機様が合計で約33%程度の株式を保有いただいているという状況でございます。この背景から、後ほどご説明させていただきますが、自動車関連のサーキュラーエコノミー、そこから発展すると世の中のサーキュラーエコノミーというようなところを、我々は自動車を起点として考えていっているという状況でございます。
次、お願いいたします。こちらは弊社の重要課題、マテリアリティと呼ばれるものなんですけれども、六つの分野がございます。この中で、循環型動脈事業戦略というものを重要課題のうちの一つと捉えておりまして、私が所属していますサーキュラーエコノミー事業推進本部のみならず、全社的に循環型の社会、ビジネスを創っていくというようなことを全社で取り組んでいるという状況でございます。
次、お願いいたします。こちらはサーキュラーエコノミー事業推進部の組織体制になるんですけれども、金属本部という本部に所属をしております。こちらは後ほどご説明させていただきますが、金属のスクラップの商売、売買というものを起点に始めておりますので、今、金属本部というところに所属しております。
金属本部の中に、四つのSBU、ストラテジックビジネスユニットと呼ばれるものがございまして、その中の資源循環SBUという組織に所属しております。二つ組織がございまして、一つは非鉄資源循環事業部という呼ばれる部署でして、こちらは主に、アルミの溶湯、溶けたまま自動車産業の生産工場にアルミを供給するという事業をなりわいとしている部署でございます。
そして、サーキュラーエコノミー事業推進部につきましては、こちら、ご覧のとおり、六つのグループと室から成っておりまして、それぞれ海外、国内の事業会社の管理をする部署であったり、金属リサイクルをする部署、あとはELV、廃車のリサイクルに特化をしている部署、ウェイスト事業開発につきましては、廃棄物を中心に事業開発をしている部隊、そして、バッテリー3Rグループというのは、車載用の電池がEV化もしくはハイブリッド自動車の生産増によって世の中に出回ってきたものを、どう社会課題を解決していくかというようなことを扱っているグループ、そして最後に、CEイノベーション室と呼ばれる室につきましては、トヨタグループでの動・静脈連携を図るべく、トヨタグループのみならず全社、そして世の中全体の産業に横串を通していくようなことを事業として作り上げていくようなことをイメージしまして立ち上げている部署でございます。
次、お願いいたします。こちらは全体の人数のイメージ感なんですけれども、豊田通商本体で約60名弱、国内の事業会社への出向で20名、海外で約20名ということで、総勢100名程度、そして海外の事業会社の現地の従業員等々も含めますと、もう少し大きな規模感での体制で事業を推進しております。
次、お願いいたします。こちらは事業領域ということで、よくご覧になられることも多いかと思います。バタフライ図でございますが、右側のリユース、リファービッシュ、リビルド、そしてリサイクルというようなところを中心に担っていくことを、事業領域、ポートフォリオの対象としております。
次、お願いします。こちらは弊社の歴史でございますけれども、金属スクラップの再生事業というものを皮切りに、外部環境の変化に合わせまして、モータリゼーションの大きなうねりの中で、トヨタ自動車様とジョイントベンチャーで豊田メタルというものを1970年代に設立してまいりました。そして、産業廃棄物の処理ということで豊田ケミカルエンジニアリングを設立しまして、その後、トヨタさんのグローバル生産の増加、もしくは自動車リサイクルに対してのリサイクル法の強化等々の中で事業を展開してきたというような経緯がございます。
次、お願いいたします。こちらが、サプライチェーンと、リバースサプライチェーンと我々は呼んでいますけれども、ものづくり、生産して消費者の方に届けるというサプライチェーンの裏側にありますそれを素材産業に戻していくというようなものの中で、弊社がどのような事業を行っているかということを表した図でございます。
機能として、五つ必要なものがあると思っておりまして、一つは、しっかり、まず廃棄されたものを回収するという機能、そして回収されたものを再生資源化する機能が二つ目、再生資源化せずとも、まだ使えるものをまたマーケットに戻すというリユース、再利用する機能が三つ目、そして、どうしても再資源化できず、無害化して廃棄しないといけない、適正に処理をするという機能が四つ目、そして、このリバースサプライチェーン全体のみならず、ものづくり側、使われる側とデータでつないでいくというようなトレサビを含めたプラットフォーム、こういったところの事業を行っていく機能、トレサビ/データ提供機能というものを、五つの必要な機能として捉えております。
次、お願いいたします。こちらから、自動車産業におけるサーキュラーエコノミーの課題、これは社会課題も一部含んでおりますけれども、一つは欧州を中心に法規制が強化されていくという大きな流れがございます。例えば、リサイクル樹脂の使用率が定められている。これが、欧州向けの販売のみならず、欧州からグローバルな動きになってくるというものに対してどのように対処していくかというようなことを我々は解決していかないといけないと思っております。
また、車載の電池につきましても、再生資源率、もしくは、作ったものの、再生率というものが規定される動きがございますので、こういったものに対応したものづくりをいかに継続していくかという、これをトヨタグループの一員としてどのように対処していくかということが、我々の取り組むべき課題だと思っております。
二つ目は、資源の流出でございます。国内の自動車生産は900万台ございますけれども、新車、中古車の形で輸出されておりまして、国内での廃車の発生台数というものは300万台弱と言われております。この中で、我々が注目しておりますのは、最近、資源の取り合いになってきている中で、海外のバイヤー、海外の方が、自ら解体業を開いて、その中で抹消登録された車両をハーフカットにして、資源という形で海外に輸出していくというような動きがございまして、実質、資源の価値としては、100万台から200万台分ぐらいしか残っていないと言われております。こういったところへの解決も必要だろうと思っております。
そして三つ目、再エネの課題としまして、ものづくりをする中でのエネルギー調達、再エネする中で、やはり、太陽光パネルであったり風車のブレードのリサイクルというものが必要になってきますので、こういったものに取り組んでいく必要があると思っております。
次、お願いいたします。こちら、最後になりますけれども、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの関連性についてでございます。エレンマッカーサー財団によりますと、GHGの発生の約45%は生産に由来するものと言われております。そのうちの45%はサーキュラーエコノミーを推進することで課題解決ができると言われておりまして、従来の弊社が取り組んでまいりました資源循環という事業の取組に対して、カーボンニュートラルという視点を新たに加えまして、こちら右側にございますけれども、再生資源をしっかり確保して、生産活動のGHGの発生を減らしていくこと、そして、資源循環という観点では、CO2そのものを回収し利活用していくようなCCUの技術開発も必要だろうということで取り組んでおります。
そして、三つ目、減らす、なくす、創るという観点から、カーボンニュートラルから新たな価値を創造するということで、やはりトレサビであったり、消費者を巻き込んで、リサイクルする、資源循環させることって、こんな新たな価値を生むんだということで、巻き込みの幅を広くしまして、新たな価値を、今までなかった、再生資源することによる価値というものを創り出していくというようなことを、今後、取り組んでまいりたいというふうに思っております。
説明としましては、以上となります。ご清聴ありがとうございました。
○酒井部会長 どうも室井部長、事業構想を含めましてのご説明、どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、株式会社富山環境整備から説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○株式会社富山環境整備 ありがとうございます。富山環境整備の松浦と申します。よろしくお願いします。
それでは、会社の概要のほうから説明させていただきます。
次、お願いします。株式会社富山環境整備は1972年に創業し、社員数は現在350名になっております。拠点は、富山市郊外の婦中町という中山間地域で事業を展開しております。
当社は最初に清掃事業からスタートし、時代の流れ、社会のニーズとともに廃棄物処理をしていき、そして総合的なリサイクル、有害物の適正処理、アグリ事業、こういったことを地元の皆さんとともに、地域循環共生圏事業に取り組んでおります。
それを行う敷地面積は200ha、東京ドーム約43個ぐらいとなっております。
次、お願いします。初めに、廃棄物処理について説明させていただきます。
この施設は最近できたものですが、近赤外線アナライザー並びに光学式選別機など光学式センサーを組み合わせた高度選別センターを設置いたしました。私どもが今まで培いました容器包装リサイクルの技術を生かして、これまで難しかったプラスチック系の廃棄物をアナライザーで検出し、それを光学式選別機で選別を行う。これを行うことによって、より多くの資源を抽出することで、最終処分場の延命化や、さらに資源の純度を高め、顧客ニーズに応え、品質の高い再生材を製造いたします。
次、お願いします。これが実際の選別エリアになります。合計9台の光学式選別機を設置しております。ここでは、多くのセンサーを活用して、コンベアラインで流れてくるプラスチック廃棄物の組成、素材をまず判別、選定します。そして、このプラントでは主にPP、PE、PSなどの複数の材料の素材を取り出すことが可能となっております。現時点においては、こうした選別した材料を原料として使ってもらえるよう、製造者の皆様と調整、協議しておりますが、廃棄物由来ということでなかなかハードルが高い現状がございます。ぜひともサーキュラーエコノミーの考え方が普及しているヨーロッパのように、日本国内においても、動脈側、静脈側が制度的に担保されるような仕組みの制度に向けて、この部会でもご検討いただければと思っております。
次、お願いします。次に、発電併用焼却施設になります。当社では処理方法の異なる発電併用焼却施設を2基有しております。種類、性状、サイズなど、様々な廃棄物の処理が可能となっております。また、第一発電焼却施設では、環境大臣より認定を受けて、低濃度PCB廃棄物の無害化処理を行っております。そして、令和3年6月からは、PCB汚染物の0.5%超のものに対応できる施設の拡充、強化を図っております。
次、お願いします。続きまして、アグリプロダクトの説明を行います。最初に、最終処分場を設置する際、地元の皆さんとお約束をしました。この処分場を埋立てした後に、地域に発展、活用するものを何かしてほしいということで、農業をスタートさせております。そのスタートさせたものが、中山間地域における農業です。農業を行うことによって、雇用の創出をすることで、地域の発展と貢献にできればと考えております。この施設は、次世代施設園芸施設として国から採択を受けて、現在はトマト、イチゴ、トルコキキョウを栽培しております。この栽培に必要となるエネルギーは全て廃棄物焼却施設から得ております。
次、お願いします。次に、地域振興であります。当社がこの地域で最終処分場を運営しているのも、地域の皆さんの支えのおかげと思っております。そこで、私たちも地域の一員として、脱炭素社会の形成を視野に、また、中山間地域の担い手の不足や耕作放棄地の増加といった地域課題を踏まえ、地域の方々と協力しながら、そうした土地でバイオマス燃料や資源作物の栽培に取り組んでおります。
次、お願いします。
一方で、それ以外にも様々な機会を通じて地元の皆さんと交流を図り、今年4月には花見を開催したり、たくさんの地域住民の皆様の方々、社員の皆さんが参加して、そして、昨年の11月には、地元小学校に通われる小学校の保護者の方の提案で、環境教育を実施してほしいということで、出前講座を小学校のほうで開催いたしました。そうした取組のほか、地元で知的障害者の就労支援やパラアスリートの雇用、競技の支援も行っております。さらに、今年5月には、富山県内を襲った豪雨によって地域の河川が崩落し、地元の方々と一緒になって、その復旧作業にも取り組みました。
次、お願いします。この図は、令和3年度の環境白書にも掲載させていただきました。ありがとうございます。この内容は、当社が現在取り組んでいる地域循環共生圏に向けたものです。最近力を入れております地域循環、防災・エネルギー分野を、次の番号1から番号3について説明をさせていただきます。
次、お願いします。まず、番号1にありますプラスチックのリサイクル製品であります。家庭で集められましたプラスチックごみと事業系で集められたプラスチック類を使って、リサイクル材100%のごみ袋を、大阪の袋メーカーさんや関東のリサイクラーと共同して、伸び、強度を備えたごみ袋の開発に成功いたしました。こうした取組は、地元だけではなく、県内外の自治体さんからも評価を得ており、プラスチック新法に基づく大臣認定一括回収を一緒にと、お話を多くいただいておるところであります。
さらに右は、リサイクルボックスの開発を行いました。再生材100%を利用した身近な製品の普及は、プラスチックなどのごみ、ごみの減量化、発生抑制、エコライフサイクルの実践、定着を進めることが可能となるものと期待しております。
次、お願いします。次は森林管理の取組であります。当社が位置する中山間エリアには、荒廃農地や里山林に、成長に優れた早生樹を植栽し、バイオマス燃料等として活用する実証事業を実施するため、令和4年4月に、地元自治体さんと一緒に、富山市早生樹活用協議会を設立いたしました。官民連携事業として取り組んでおります。圃場によって違いはあるものの、100日経過したもので、最初15㎝だったものがおおよそ2mぐらいに成長したものもあり、今後の可能性に期待しているところであります。
次、お願いします。次は、最終処分場の整備状況についてです。令和2年12月4日付で新たに最終処分場の設置許可をいただきました。今回、新たな最終処分場建設予定地は、画面の右側の赤いところで、点線で囲ってあるところになります。この地に、埋立面積17ha、埋立容量744万㎥の管理型最終処分場を建設すべく、現在整備しておるところであります。
次、お願いします。これは最終処分場のイメージです。最終処分場の周囲は森林を残し、景観にも配慮した処分場を計画しております。こうした最終処分場など、廃棄物処理施設ですが、皆さんご存じのとおり、処理施設は地域の廃棄物処理や資源循環を担う根幹的施設であると同時に、地震、津波、水害など、災害時にはとりわけ重要性が高くなるものと感じております。つい先月も、国内各地で降雨災害があり、多くの土砂や災害廃棄物が発生しており、こうした廃棄物の迅速かつ適正な処理が課題となっております。
次、お願いします。近年の大規模災害における災害廃棄物発生量の処理と期間を表にしたものです。かなりの廃棄物が発生し、その処理には相当な期間を有していることがここで分かります。当社でも、令和元年の台風19号の長野災害、この早期復旧を目指す自治体さんからの要請を受け、微力ながらお手伝いをさせていただきました。
次、お願いします。こうした災害廃棄物の処理は、規模がやや大きいものは海面最終処分が想定され、通常起こり得るやや大きめな規模の災害については都道府県で判断されることのようになっていると思います。
また、自治体は民間と連携して、災害廃棄物処理に係る計画をつくって、それに沿ってやっていくということになっていると思いますが、そこでですが、当社が長野で災害廃棄物処理を行うに当たって一番厄介だったのは、平時から搬入している排出事業者の廃棄物を一旦止めなければならず、その調整がちょっと難しかったことを覚えております。
次、お願いします。
○総務課法令係長 事務局でございます。ご説明、残り1分程度でお願いいたします。
○株式会社富山環境整備 はい。
そこで、提案ですが、民間の最終処分場を活用し、あらかじめ災害廃棄物を搬入できる枠を、国や自治体などが直轄で確保できる仕組みをつくってはどうかと思っております。災害廃棄物の迅速かつ円滑な処理は、被災地域の復旧・復興に向けて最優先課題であり、こうした取組は、その達成に非常に貢献できるのではないかと思います。
次、お願いします。これは、ちょっとその次も併せて、現在の富山県内の一般廃棄物の最終処分場の公開情報ですけれども、残り残余容量が45万㎥となっております。これは、例えば長野の廃棄物発生量がおおよそ30万t出ていますので、それだけで、この富山県内の処理がいっぱいになってしまうということから、先ほどの提案をさせていただいたということになります。
どうもありがとうございました。
○酒井部会長 松浦社長、どうもありがとうございました。ちょっと時間が短く申し訳ございません。最後の、災害廃棄物の民間処分構想などは、災害廃棄物の検討会等でもまた聞かせていかなければならない話というふうに認識しております。どうもありがとうございます。
それでは、4団体からご説明をいただきました。この後、質疑応答の時間に入りたいと思いますので、ご質問、ご意見のある方は、挙手ボタンを押していただければというふうに思います。
それでは、大塚先生からお願いをいたします。
○大塚委員 恐れ入ります。それぞれ一つずつぐらいあるんですけど、すみません。
まず、座間市さんですけども、最後のところで、リサイクルのフードコートのところの話ですけど、油分が多い紙に関してのリサイクルについて、ちょっと早口でよく分からなかったんですけど、それをトイレットペーパーにされるということだと思いますが、これはもともと、かなり難しい問題だと思います。ここはどういうふうにやっていらっしゃったかという話を、少し詳しく説明してください。
それから、愛知県さんですけども、5ページのところで、サーキュラーエコノミーの製品の普及に向けた認証・認定制度の検討というのがありますが、これは具体的にどういうことをやっていらっしゃるかを教えていただければと思います。特に、マークをつけるようなことが大事になってくるのかと思いますけれども、その辺はどうされているかということを教えていただければと思います。
それから、豊田通商さんですが、国内ELVの資源の海外流出のところでございますけれども、これは、具体的には何を回収されても海外に持っていかれてしまっているのかということを、教えていただければありがたいと思います。車載用のリチウムイオン電池については、まだ廃棄されるものはそれほど多くないんじゃないかと思うんですけども、どうなっているか教えていただければと思います。
それから、富山環境整備さんですけども、これも11ページのところで、再生材100%のごみ袋ができているということですけど、これは作ることによって、消費者に知らせて、使われるようにしていく必要が高いと思いますけれども、その経済的な面に関して何か工夫されていることがあるかどうか、お教えいただければと思います。
以上です。恐れ入ります。
○酒井部会長 大塚委員、どうもありがとうございました。
では、引き続きまして、浅利委員、お願いします。
○浅利委員 ありがとうございます。すごく目をみはるような活動も多くて大変勉強になりました。ちょっとごめんなさい。ビデオが開始できないようなので、すみません、このままいかせていただきます。
全体を通しての、皆様から教えていただきたいことなんですが、特に、座間市さんのほうでも、環境の皆様、現場の皆様が頑張られて、そこが民間も刺激して新たな事業が生まれてきた事例をご紹介いただきましたが、そこでも、自治体の中で、いわゆる縦割りを乗り越えてされてきたのかなと感じているんですけれども、実際にどういう体制でされているのか。また、それに当たっての工夫等があれば教えていただきたいなと思いました。
それは、ほかの自治体さん、あと民間も逆に、相手として自治体さんと取り組まれる中で、そういった壁を乗り越える体制、工夫、教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて、大久保委員、お願いします。
○大久保委員 ありがとうございます。座間市と愛知県に質問させていただきます。
まず、座間市につきましては、廃棄物の収集の職員と、それから市民、住民との対話というのは大変重要だと思うのですけれども、小田急と協定を締結されたという中で、小田急のコミットメントが具体的によく分からなかったので、恐らく情報システムと関連すると思いますけれども、システム構築、またはその活用についての貢献なのか、具体的な役割を教えてください。
それから、次に、愛知県については、細かく3点あります。一つは今回のCEの推進プランにつきまして、従来も、マッチングでありますとかコーディネーターでありますとか、あるいは認定制度というのは、各地の都道府県が取り組んでこられましたし、あるいは愛知県もそうだと思うのです。今回のCEのプランが、従来の取組とコンセプトの違いは分かりましたが、具体的な施策レベルにおいて、どこが最も大きな違いなのかというところを教えていただければと思います。
それから、第2点目ですけれども、動静脈連携といっても、やはり動脈産業がきちんとないと、なかなか連携がうまくいかないと思いますので、その意味で、愛知県での取組というのは大変注目するべきものだと思っておりますが、そうはいっても、素材がどこから来るかとか、あるいは実際に回す場合にも、県内だけで閉じるわけではないと思いますので、広域連携をどのように考えていらっしゃるかということです。
それから、3点目といたしまして、先ほど富山環境整備さんから国として取り組むべき具体的な政策提案などが示されましたけれども、愛知県として、むしろ国が先導的に取り組むべき役割として何があるかということを、現在抱えている課題との関係でありましたら教えていただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて、高岡委員、どうぞ。
○高岡(昌)委員 ありがとうございます。私のほうからは、座間市に2点、それから富山環境整備さんに1点ございます。
まず座間市さんのほうですが、大変興味深い発表でございました。ごみの環境教育というか啓発を大変推進されているということですが、これを図る何らかの指標を市でお持ちなのかどうかというようなことを1点お聞きしたいと思います。
それからもう一つは、WOOMSの収集のプロジェクトですけれども、これは、座間市さんの場合は全て直営なのか、それとも委託業者も含めているのか。含めても全く問題ないのかということをお尋ねしたいと思います。
それから、富山環境整備さんにつきましては、早生樹の活用に向けた官民連携ということをされておるとのことで、大変興味深い取組だと思うんですが、この中で富山環境整備さんの役割というのはどういうところ担っておられるのかということをお尋ねしたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて、根村委員、どうぞ。
○根村委員 根村でございます。大変興味深い、すばらしい活動紹介が多く非常に勉強になりました。ありがとうございます。
消費者が暮らしの中で当事者として資源循環に加わっていくとか実践していくためには、富山環境整備様がご紹介くださったような様々な技術の開発が必要であると同時に、市民というか消費者自ら積極的に取り組んでいくことが必要かと思います。
それで、座間市様にお伺いします。様々な啓発活動をされているというご紹介がありましたが、市民のみなさまの反応というところがちょっとよく分かりませんでした。多くの方たちは「資源循環である」ということを特に意識せずとも、もう生活の中に取り入れていらっしゃると捉えてよいでしょうか。
よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 根村委員、ありがとうございました。
では、引き続いて石山委員、石山市長、お願いいたします。
○石山委員 石山です。よろしくお願いいたします。私は愛知県さんに1点、質問をさせていただきます。
あいちサーキュラーエコノミー推進PTが進んでいきますと、大変すばらしい循環型社会ができていくと思います。各PTには、参画メンバー、事業者さんが多数いらっしゃると思いますが、このようなPTの動かし方、各事業者さんの参加モチベーションをどのように維持しながら推進できているのか、という点について教えていただけるとありがたく思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大迫委員、引き続いてどうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。まず、愛知県のほうにご質問ですけども、広域自治体の中でも大変先進的な取組を行っていただいていると思います。これまでの廃棄物・循環行政から、新たな循環経済CEの施策展開というところでのプラットフォームの機能を、役割を果たそうとされているんだと思いますが、苦労している点とか、あるいは課題として、国への要望等も含めて思われている点があれば教えてください。特に、幾つかの事業も立ち上げられて、そのプロジェクトの事業評価みたいなものをどうしていくのかというところ、あるいは法制度的なところでの課題がないのか。何かありましたら、お聞かせいただければと思います。
それから、豊田通商さんのほうに関して、産業界の中で商社の立ち位置、機能、役割というのは大変重要かと思っております。新しいビジネスを創生していく、いろんなステークホルダーを巻き込んでマッチングしていくということの中で、いろんな課題、あるいはご苦労もあると思うんですが、そういう中で国への何か要望等もありましたら、お教えいただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。
引き続いて、粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。いずれのご発表も非常に様々取り組んでおられて、感銘いたしました。また、少しだけ貢献させていただいた愛知県のプランも実施に入られているということで、うれしく思っております。
私からは、座間市さんと豊田通商さんに一つずつご質問をさせていただきます。
座間市さんですけれども、少し大久保委員のご発言でも触れられていましたが、収集システムと波状収集のところが小田急と連携されたということなんですけれども、このシステムなんですけれど、もともと小田急さんのほうで持たれていた何かの技術が基礎となってこれが発展したのか、座間市さんと小田急さんが連携して1から作り上げたシステムなのかというところを教えていただければと思います。
2点目、豊田通商さんですけれども、最後、EUの使用済み自動車の規則案について触れられていましたけれども、プラスチックのリサイクル材が義務化される方向ということで、基本的にはELV由来のものを使われるのかなと思うんですけども、それで足りない部分、それ以外の部分で、ELV由来以外の部分で素材として想定されているものの展望ですとか、それに当たっての課題などを教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 粟生木委員、ありがとうございます。
橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。様々な先進的な取組をご紹介いただきまして、ありがとうございました。座間市さんと富山環境整備さんに1点ずつ、ご質問させていただければと思います。
座間市様のほうですけども、フードコートの紙ごみ、非常にすごい取組だなと思って伺ったんですけども、これは実際に、紙ごみだけ集めることができても結構大変な処理かと思うんですけども、実際にフードコートですと、その他のいろんなものも混ざってくるかなと思いまして、脱プラで全て紙にされているということなのかもしれないんですが、最初の分別のところで課題みたいなものがないのかどうかというのを少しお聞かせいただければと思います。
また、富山環境整備さんのほうで、熱を農業のほうに利用されているという、この取組もすばらしいと思って聞かせていただきました。質問は、実際の廃棄物の熱量に対して、利用されている熱量というのが、この規模でやられていて、どのぐらいのものなのかというのを少し教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 引き続いて、金澤委員、お願いします。
○金澤委員 ありがとうございます。私からは、富山環境整備さんにお伺いをいたします。
まず、私ども全国都市清掃会議の総会が5月にございまして、その際、富山環境整備さんへ、各自治体の廃棄物の担当者がバス2台で施設見学をさせていただきました。本当にありがとうございました。その際、先ほどご紹介いただきましたアグリプロダクトで作られたトマトをいただきまして、大変おいしいトマトだということを皆さんにご紹介したいと思います。
私からは、特に、プラスチック資源循環促進法、いわゆるプラ新法がございまして、各自治体はその対応に大変苦慮しているところでございます。先ほどご紹介いただきました、中間処理や高度選別という大変先進的な技術を持つ富山環境整備さんから、そういった意味で、各自治体、苦慮しておりますので、何かご意見、ご提言があればということでお願いをしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、最後に篠木委員、お願いします。
○篠木委員 ありがとうございます。どのご報告も大変勉強になりました。ありがとうございました。私は、富山環境整備さんに一つご質問がございます。
御社のような存在というのは、富山県でも、住民の皆さんも自分たちの近くにこういった活動をされている方がいらっしゃるということを心強く思っていると思います。実際に、雇用に関して地域住民の方を何%ぐらい雇われているのかということを教えていただければというのが一つです。
また、プレゼンテーションの中で、非常に地域住民の方に気を遣われて活動されているということが資料からよく分かりましたが、一方で、地域住民が富山環境整備さんのほうに何か働きかけをして、一緒になって行っているようなプロジェクトがあるのか。住民との双方向にやり取りが成立しているのかというところについて教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。委員のほうから多くのご質問をいただきました。
それでは、順番に、ご回答いただけるところをご回答いただくということで、マイクを回していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは最初に、座間市の佐藤市長からお願いいたします。
○座間市 座間市役所の中嶋と申します。市長の佐藤は公務がありまして退出しておりますので、代わりに担当の職員から回答させていただきます。
まず、私からは、油のついた紙をどのように処理をしているかということについてですが、こちらにつきましては、古紙再生促進センターで規定している難解再生古紙という、難古紙と業界では言われているものになりますけれども、こちらを、日本で処理できる会社は、私の知り得る限りで2社存じ上げております。一つは四国にある会社で、もう一社が静岡県にある、私どもが契約をしている、コアレックス信栄という会社さんです。こちらの技術を使いますと、油がついているものであっても、時間をかけてきちんと紙に再生をできます。
次に、フードコートから出た紙ごみについて、プラスチックなどのストローも混ざっていることについて、その分別についてどう処理しているのかというご質問ですけれども、こちらにつきましては、ごみを集める場面で、まずフードコートの袋を、清掃する方が、袋を集めるときに、プラスチックが入っていたら、そこは目視で確認をして、プラと紙に分別をするという対応を取っていると聞いております。もちろん、プラスチックが混ざって完全に取り切れないというのはありますが、こちらについては、先ほど申し上げましたコアレックス信栄のような会社ですと、多少であれば混ざっていても、紙として問題なく再生処理できますので、そちらについては正直、少量であれば全然、ミックスペーパーで出して問題ないということで、今現状、処理をしていただいております。
私から、紙系の質問につきましては以上でございます。担当が代わります。
○座間市 クリーンセンターの平野と申します。私からは収集員の啓発の内容についてご説明させていただきます。
初めに、体制についてですが、基本的には、収集員だけではなくて、本庁の職員も前に立ってやっております。本庁だけではどうしてもカバーし切れないような啓発内容、収集車を出したりとか、そういったところでお手伝いさせていただいている状況です。小田急さんと連携協定を結んでおりますが、こちらもシステムのみならず、啓発の部分でもお手伝いいただいているところです。
次に、啓発の指標につきましては、特に設けておりませんが、先ほど説明させていただいたとおり、実施の回数40回ということで認識しています。収集については直営で収集しております。また、一部の業務委託をさせていただいておりまして、資源物は委託業者が回収しています。市民からの反応につきましては、小学校や保育園、各種イベントへこちらから出向いて啓発活動を行い、子どもたちに、収集した中から廃棄物となってしまった段ボールやペットボトルキャップを利用して段ボール迷路やキャップアートを作ってという形で、子どもたちからは喜ばれていると認識しています。
私からは以上です。
○小田急電鉄株式会社 代わりました、小田急電鉄の米山と申します。本日はありがとうございます。私からは、収集システムの概要についてご回答させていただきます。
こちらは当社、小田急がもともと技術的に持っていたものなのかというご質問だったかと思いますが、技術につきましては、アメリカにございますルビコン・テクノロジーズ社という会社様の技術提供をいただいて、日本仕様に合わせてローカライズしたシステムとなってございます。このルビコン・テクノロジーズ社は、アメリカ以外でも、ヨーロッパなど世界各国でごみの収集支援システムの提供を行っている会社でございます。
私たちは、サーキュラーエコノミーの実現において、収集運搬の果たす役割は非常に大きいというふうに実感をしている一方で、担い手不足が非常に我が国、日本においては深刻な職種でもあると認識をしている中で、こういったドライバーさん、働く方々に寄り添うということを目指していたところ、同じようなビジョンを掲げてシステム開発提供を行っているルビコン・テクノロジーズ社の存在を知り、アプローチをしたところ、協業に至るまで長い時間はかからなかったというところで、協業が成立しております。
一方で、アメリカのごみ収集と日本のごみ収集のやり方とか規模感というところが全く異なっていたために、こちらのシステムを日本仕様に合わせるということを目的として、座間市様には、そのテクノロジーの、かなり日本に持ってきた初期の段階から、現場で実証実験にご協力をいただいて、日本仕様に合わせたローカライズを行って、システムの開発にご協力をいただいたという関係で今に至っております。
私からは以上でございます。
○酒井部会長 座間市からのご回答、どうもありがとうございます。協業の小田急の担当の方からも、それぞれ質問に的確にお話しいただけたというふうに思っております。どうもありがとうございます。
それでは、引き続きまして、愛知県のほうからのご回答ということでお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○愛知県 愛知県でございます。
まず、大塚先生からのご質問、本県認証制度、認定制度についてはどういう内容かということでございますけれども、実はまだ、今現在、制度設計も含めまして、検討をこれから進めていくという段階でございます。ただ、これにつきましては、今回のPTのメンバーの方からこういった提案が出まして、ぜひとも進めてほしいということで、これから検討を進めていくというものでございます。
次に、浅利先生からの縦割りについて、どう解決、打破していくのかということでございまして、私ども確かに、これまでは環境部局の中でマッチングをいろいろ検討してきたということであったんですけども、それではいけないということで、特に県庁内でも、産業部局との連携が重要であると。これまでなかなか進んでいなかったんですけども、そういったことを特に強く意識して進めております。さらに、県庁内だけではなくて、国の地方機関、中部経済産業局さんとも連携を取りながら、今回のプラン、PTを進めていくということにしております。
次に、大久保先生から三ついただいております。まず、こういった企業とのマッチングは、これまでもあったんだろうけれども、違いは何かということでございます。今回、先ほど説明の中にもちょっと触れさせていただきましたけれども、前回のプランにつきましては、従来の3R、要するに、静脈産業側だけに着目したものでありましたけれども、今回サーキュラーエコノミーということで、動脈側にも着目してやっている。ここが大きな違いであると。要するに、もっと広い、静脈、動脈を絡めてマッチングをしているというところが今回の特徴であるというふうに考えております。
次に、特に、動脈産業も入ったけども、広域連携についてはどうかということでございます。これまで、どうしても県内の企業さんに着目した取組を進めておりましたけども、今回からは、特に先導的な取組をされているところにつきましては、愛知県内ということにこだわらず、県外の方々もお招きして検討を進めているということでございます。
もう一つが、国に求めるものは何かということでございましたけれども、まずは、国で、今回も議論させていただいておりますけれども、そういった貴重な情報と、あとは、どうしても最後は金銭的な補助と支援が欲しいという声が届いております。また、あわせて、時々には現状の法整備、法制度の見直し等もしてほしいという声も届いております。
もう一つが、石山先生からの、事業者さんのモチベーションは何になるのかということでございます。これは、これまでなかなか1者、要するに、民間事業者さんだけではなかなか事が進まないということにつきまして、行政も入り、あるいは他業種、異業種の方々が連携してやるということで、ある程度思い描いたものが現実化できるということ。さらには、今の社会の中で、こういったことに取り組んでいるということの対外的なアピール、あるいは社のイメージアップにつながるということの声をよく聞いております。
大迫先生からのご質問につきましては、担当から答えさせていただきます。
○愛知県 愛知県資源循環推進課の滝口と申します。普段私がサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチームを担当させていただいておりますので、大迫先生のほうから3点、プロジェクトチームの運営について苦労している点、課題、それから事業評価についてご質問いただきましたので、私のほうからご回答させていただきます。
まず、苦労している点、いろいろあるんですけども、やはり、いろんな立場の事業者さんが集まって、サーキュラーエコノミーを事業化していこうということで取組を進めておるんですけども、各社さんそれぞれの立場、それぞれの利益を大事にしないといけないというところで、大きな課題に向かっていくというところと、各社さんのその立場、ビジネスの利益を両立するといったところ、ちょっと苦労しております。実際に、理念としては皆さん共有いただいて、取組を進めていくんですけども、やはり、それぞれ各社さんの立場で利益を出していくというのも、これは大事ですので、実際、細かい具体的な議論を進めていくと、なかなか一歩、壁を壊せない、踏み出せないというような場面が多々あります。そういったところを、従来どおりではなくて、より深い、広い連携にしていく、それをこう、モチベーション維持も含めてなんですけども、いかにそのように運営していくかというのは、我々もちょっと試行錯誤しながら、苦労しながら、今進めているところでございます。
2点目の課題はといったところが、一つ目のご質問ともちょっと連携するんですけども、やはりそういったところで、従来回っていないような循環を回していくという上では、本当に事業者さんの連携、いろんな立場を超えて連携して、バリューチェーンを作っていくというのが非常に大事だと考えております。動静脈連携、我々は従来から言葉としては言って、進めてはおるんですけども、やはり、まだまだ全然進んでいないなというイメージでおりまして、これをいかに進めていくかといったところが、本当に我々も課題だなというふうに考えております。いかに行政の立場から、動脈、静脈をつないでいくか、それが今後の課題かなというふうに考えております。
3点目の事業評価なんですけども、まだこちらのプロジェクトチームについては、今年の1月に立ち上げて、まだまだ取組の内容を議論しているところで、これからという段階ではあるんですけども、やはり事業性を、ちゃんと指標を設定して評価していかないといけないかなというふうに考えております。こちらも、これからの検討にはなるんですけども、やはりサーキュラーエコノミーということで、例えば廃棄物の削減量ですとか、資源の投入量、こういったものがどれぐらい減ったのかという資源循環の面での指標を設定して評価していく。あと、サーキュラーエコノミーというのはカーボンニュートラルの手段だというふうにも考えておりますので、CO2の削減効果、こういったものも、今後それぞれのモデル事業の成果を見える化して評価していくような、そういう取組が必要だというふうに考えておりまして、今後検討していきたいというふうに考えております。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、愛知県のご回答はここまでにさせていただきます。
引き続きまして、豊田通商、室井部長からお願いいたします。
○豊田通商株式会社 では、まず一つ目、大塚様からいただきましたELVの海外流出につきまして、何を回収しているのかというご質問でした。まず、部品系が多くて、エンジン、その他、足回り系、ステアリングから車輪に至る辺りの部材です。あとは、そもそものボディーを、ハーフカットと言いまして、前後にハーフにカットして、それをコンテナに入れて輸出するというようなことで、表面的には廃車として抹消登録がなされてはいるんですけれども、その後、国内に資源が循環するわけではなく、部品、その他の形で海外に流出していくというような状況に今なっております。それを、海外からのバイヤーであったり、もう解体事業そのものを国内に開設しまして、自ら、日本からの資源、資源という捉え方というよりは、質のいいエンジンであったり足回りの部品という形で流出しますので、アルミ、鉄、もしくはハーフカットの中に入っていますカッパー、銅線等々が、日本から見ると資源の形で流出していってしまうという状況にございます。
もう一つ、電池につきましては、日本はまだ、EV車はそれほど走っておりませんし、EV車、実際の電池として世の中に出てくるのは、大体15年ぐらい車が使われた後になります。ですので、今はまだ、使用済みという形では、EVの電池というものは流通しておりません。
一方で、トヨタ自動車を中心に、ハイブリッド車の中に搭載されている低容量の電池につきましては、流出は今、なされている状況でして、中古で回収された、廃車になったものは日本に残るんですけれども、こちら、弊社もトヨタ自動車さんと一緒に国内の回収方法というものを整えているんですが、一方で、中古車の形で、例えばプリウスとかアクアみたいなものが、そのまま中古車として良質な状態で、価値を持って外に出ていく。日本車の出ていき先としては、ニュージーランド、あとはモンゴル等々で、実はハイブリッド車由来の電池というものが各国で発生をしております。そういったものを、資源循環の観点から現地で回収をして、日本に持って帰ってきて、それを再生資源化する、ニッケル分なんかが多いものですから、再生資源化するというようなことで、何とか流出したものをまた戻すというようなことを、経済の中でやっているという状況でございます。
続きまして、浅利様と大迫様の行政関係、国へのご要望という形でのご質問につきましては、一緒にお答えをさせていただきたいなと思います。要望があるとすると、規制づくりと補助金という形になるかと思います。規制づくりにつきましては、やはり、今まで価値があるものが、基本的には国内で、売買の中で流通していき、これがリサイクルと言われてきたという歴史的な背景があると思います。
一方で、これからは、価値が表面的には見いだしにくいもの、プラスチックとか、先ほど申し上げたようなカーボンファイバーとか、こういったものが、価値がないものをどう正しく処理をしてくれるところに、越境しながら集約し、スケール化を図って、規模の経済で、経済合理性を成立させていくかということが課題になってくるという状況におきましては、やはり、この広域認定の出し方、ハードルであったりというところの見直しというものが、ある程度、柔軟になされていく必要があるのではないのかなと思っております。
また、規制の観点では、弊社での実際の取組であったんですけれども、トヨタさんのハイブリッドシステムをリマニュファクチャリングしてカートに転用できないかというような取組をしたことがございまして、こういったときに実証車を出すんですけれども、やはり日本の仕組みとして、ナンバー申請等をするときに、量産車を前提とした申請の仕組み、許可の仕組みしかなくて、ナンバーを取るのが非常に困難であったと。小規模でも、まずは1回作ってみて、それを、どのような形で使えるのか、トライ&エラーを繰り返すことを前提にしたような申請と許認可の仕組みというような、簡便性を図っていくということを考えていただけると、もう少しサーキュラーエコノミー、資源循環の中でブレークスルーできるものがあるのではないのかなというふうに感じるところがございます。
もう一点、補助金につきましては、こちらは例えば、リサイクル設備を造る際の設備投資の補助ということをよくやっていただけることが多いと思うんですけれども、実際に、先ほど申し上げたように、資源そのものは、経済原理に基づいて様々な形で海外に流出をしていってしまいます。これも流出してしまうと、せっかく造った設備が遊休化することになり、設備投資して造ったものの稼働率が伸びない、増えないという状況になってしまうかと思います。こういった状況の中で、補助金をどのように活用していくかということでの提言といたしましては、やはり出口、国内で正しく流通する、この流通、このルートで回収され、この技術で再資源化され、そして素材が国内に還流するといった、仕組みそのものに対してのインセンティブとしての補助金というものが必要なのではないのかなと思います。
例えば、車の買換え促進というものがあったと思うんですけれども、この車の買換え促進があったときには、やはり補助金が出て、ハイブリッド車への切替えというものが進み、そのときに、ちゃんとハイブリッド車に買い換えたときに、適正なルートで国内で回収され、国内に還流するというような仕組みまでありましたので、当時は国内の廃車発生台数と資源の確保というものもできていたかと思うんですけれども、こういった出口側で、消費者の皆さんが正しくここに出せば、今まで成立していなかった、例えば逆有償、お金を払って処理しないといけなかったものが、ただで引き取ってもらえるけれども、その先には正しい国内での資源回収流通が出来上がっているというものに対してのインセンティブを与えていくというようなことができると、これから国内の資源循環・資源環流というものは、より力強いものになっていくのではないのかなというふうに思っております。
最後に、ELV、欧州のELVに関してのご質問があったかと思います。プラスチックにつきましては、ちょうど7月13日に、欧州のELVレギュレーションに対する提案、提言というものが出されました。この中でうたわれていますのは、リサイクル材につきましては、ELV由来のものを再生材の中の25%は入れてください、残りのものは、ポストコンシューマ材と呼ばれる、PCRと呼ばれる使用済みのもの、例えばプラスチック容器であったり、家電由来のプラスチックだったりというものも含めてのリサイクル、再生資源としてのプラスチックを使いなさいというような方向性で提言がなされておりますので、ELV由来は、一部としては重要ではあるんですけれども、それ以外の製品プラ等々、容器プラ等々のミックス、これをどのように、再生プラスチックとして自動車メーカーが新たに使えるプラスチックの品質にしていくかというようなところが今後課題になってくるかと思います。やはり、プラスチックtoプラスチックというのは非常に、組成からいっても難しいものがございますので、入り口が雑多なものになったものを、どのようにうまくアウトプットのプラスチック製品としての品質を上げていくかという、このギャップをいかに埋めるかというところが今後の課題になるかと思っております。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。室井部長、背景も含めて丁寧にご説明をいただきましたので、よく分かったかと思います。ありがとうございます。
引き続きまして、富山環境整備、松浦社長、よろしくお願いいたします。
○株式会社富山環境整備 すみません、順不同になりますが、お答えをさせていただきます。
まず、ごみ袋のほうから少し説明させていただきますが、私どもこの容器包装リサイクルをやり始めて20年余りたちます。その際、この20年の間に、多くの婦人会やら市民の方々、毎年、大体1,000名ぐらいずつ見学に来られます。そのとき作っていたのが、物流資材のパレットとか、建設資材のボードとかというのを作っていました。これは婦人会や、そういった皆さんにはなかなか分かりにくい。一生懸命説明するんですけれども、分かりにくい部材であったと思いました。そこで、今回いろんな高度選別を採用することによって、異物除去など、聞こえていますか。
○酒井部会長 はい、聞こえております。
○株式会社富山環境整備 すみません。
○酒井部会長 大丈夫です。
○株式会社富山環境整備 要するに、高度選別することによって異物除去などが成功して、こういったごみ袋の薄いものを作ることができたことになる。何を言いたいかといいますと、まず、ごみ袋という市民の皆さんにとって一番分かりやすいものを作ることでプラスチック資源循環が推進されるものと思って、このごみ袋としました。ぜひ、自治体さんへの何か要望がないかということもありましたけれども、やはり市町村さん、今、こういったごみ袋、指定ごみ袋というのを作っていらっしゃる市町村さんもいらっしゃいますが、やっぱり市町村さんによって仕様が違うんですね。ほとんどの伸びとか、そういった強度面においては、私どもが知り得る限りでは、今回のこのごみ袋はクリアしていると思いますので、そういった面に加え、リサイクル材100%など環境配慮面も入れていただければと思います。
それから、経済性においても、十分、今、公表されている中での価格帯には収まっているものと考えておりますので、今、私たちが進めているのは、こういったごみ袋を一括回収させていただいている市町村さんにまずお届けをして、市民の美化活動なんかにまず利用していただくことから、この普及啓発につなげていきたいというふうに思っております。
それから、ごみ袋だけではなくて、実は今回SIPの事業にも昨日採択を受けました。これは、プラスチックの高度リサイクルのことにつながるわけですけれども、市民に分かりやすいやつを片方で進めつつ、他方で、高度な高品位再生プラスチック材の製造プロセスの開発というテーマに今回参画させていただきますので、こういったことも同時に合わせて進めていくことが、資源循環につながるものと考えております。
続きまして、早生樹についてですけれども、私どもの役割は何かと申しますと、この早生樹協議会のメンバーは、富山県、富山市、森林組合、富山環境整備と、この四つの団体が入っているわけですけれども、私どもの役割は、場所の提供、それから将来へのエネルギー化、バイオマス発電所へのエネルギー化ですね。つまり、簡単に言いますと、一番手のかかる、汗をかいて仕事をすることが私どもの役割となっております。
次に、地元の住民の雇用はどれくらいあるかということでしたけれども、まず、基本的に、うちの職員は富山県内がほぼ100%でして、地元富山市がそのうちの50%、さらに、富山市も結構広いので、その中のいわゆる地元と呼ばれるものは、そのうちの50%が地元となっております。
それから、住民からの働きかけは何かあるかということですが、今まで、ここで35年余り廃棄物処理、リサイクルをやっていますけれども、廃棄物とか公害とか、そういったところの問題はなくて、この説明にもしましたように、農業への協力でありますとか、あるいは子どもたち、学校へのそういった環境教育面的なことをどんどんやってほしいということになっています。これはスライド8に書いております。
次に、ハウス栽培のエネルギー利用はどれぐらいカバーしているのかということでありますが、現在28棟ハウスがあるんですけれども、そこで使っている使用電力というのは、2,800kWぐらい使っているんですけれども、ちなみに、先ほど説明いたしました廃棄物発電のところでは、私ども、5,200kW発電をいたしております。ですので、これを場内利用して使用しておりますので、完全にハウスのほうはそちらで賄えるということになっております。
以上であります。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。的確にご回答いただけたかと思います。どうもありがとうございます。
それでは、質疑応答はここまでにさせていただければと思います。長時間のご説明、そして、その質疑応答にご対応いただきまして、どうもありがとうございました。各団体の方々に深く感謝申し上げます。
それでは、後半の議論に入りますので、各団体の方々は、ここでのご退室をお願いできれば幸いでございます。
進行を務めさせていただきます循環型社会推進室長の近藤でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、委員総数28名のところ、20名の委員の方にご出席をいただいておりますので、部会として成立しておりますことをご報告いたします。
また、本日は、次期循環型社会形成推進基本計画の策定に向けたヒアリングということで、座間市長の佐藤様、愛知県環境局技監、近藤様、豊田通商株式会社サーキュラーエコノミー事業推進部長の室井様、株式会社富山環境整備代表取締役の松浦様から、取組内容等のご説明をいただきます。
今回も、WEB会議で開催をさせていただきます。会議の運営について、お願いでございますけれども、マイクは発言をいただく際にのみオンとして、それ以外はミュートとしていただきますようにお願いいたします。また、ビデオはご発言の際にのみ、オンしていただければと思います。また、発言をされる際には挙手ボタンでお知らせをいただきまして、部会長からのご指名を受けて、ご発言をお願いいたします。
なお、会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開をしております。
それでは、議事に先立ちまして、角倉環境再生・資源循環局次長よりご挨拶をさせていただきます。
角倉次長、お願いいたします。
○環境再生・資源循環局次長 近藤室長、聞こえますでしょうか。近藤さん、聞こえていますか。
○循環型社会推進室長 はい、聞こえております。
○環境再生・資源循環局次長 皆様、おはようございます。環境省で環境再生・資源循環局次長を務めさせていただいております角倉と申します。
本日ご出席の委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中ご参画いただき、改めて御礼申し上げます。
本日は、先ほど近藤室長から申し上げましたとおり、次期循環型社会形成推進基本計画の策定に向けたヒアリングとして、四つの団体から取組内容等についてご説明いただく予定としております。
本日ご参画いただきました座間市、愛知県、豊田通商株式会社、そして株式会社富山環境整備の皆様方には、改めて御礼申し上げたいと思います。
本日、ヒアリングで伺いました内容につきましては、今後の議論にしっかりと反映させていただきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
また、本日は、次期循環型社会形成推進基本計画の策定のための新案についてもご議論いただく予定としております。カーボンニュートラルに加えて資源循環の分野でも政府として取組を加速化し、循環型社会の構築を目指すとともに、地方創生、そして国際競争力の強化や経済安保といった観点も含めて、しっかりとした取組を進めていきたいと考えておりますので、本日、委員の皆様方におかれましては、ぜひとも忌憚のないご意見をいただければと考えております。
本日は、どうかよろしくお願いいたします。
○循環型社会推進室長 角倉次長、ありがとうございました。
次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
本日は資料1-1から1-5まで、それと資料2、また参考資料1から5でございます。
資料は事務局にて画面に投影いたしますけれども、必要に応じて、あらかじめお送りしたファイルをご覧いただければと思います。
それでは、以降の進行は酒井部会長にお願いしたいと思います。
酒井部会長、よろしくお願い申し上げます。
○酒井部会長 おはようございます。酒井でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速ではございますが、議題の一つ目、第四次循環基本計画の見直しにつきましてのヒアリングということでございます。
まず、事務局から資料1-1の説明をよろしくお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。
資料の1-1をご覧いただければと思います。
次期の循環型社会形成推進基本計画の策定に向けまして、先進的な取組に関するヒアリングを行うこととさせていただいております。
一番下の工程票を見ていただきますと、今回第3回目、8月2日でございまして、座間市さん、愛知県さん、豊田通商さん、それから富山環境整備さんからのご発表をいただくことになっております。
本文の三つ目の段落、「なお」のところでございますけれども、各主体におきまして、先進的な取組を進める上で必要となる制度、情報、技術、人材等についてもご紹介いただく予定となっております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日、4団体から説明をいただきます。先ほど近藤室長からご紹介のあったとおりでございます。それぞれから10分程度ご説明いただきまして、その後、一括して質疑応答の時間を設けさせていただくという手順でお願いしたいと思います。
なお、各団体のご説明におきまして、9分が経過した段階で、事務局から残り1分ということのアナウンスをさせていただくことになることをご了承いただければ幸いでございます。
それでは早速、初めに座間市より資料1-2についてのご説明をよろしくお願いいたします。
○座間市 皆様、こんにちは。「日本一、元気で楽しいまち・座間」を目指している、座間市長の佐藤弥斗と申します。
本日は、本市のサーキュラーエコノミーの推進と取組についてお話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
次のスライドをお願いします。初めに、簡単に本市の紹介をさせていただきます。
場所は神奈川県のほぼ中央に位置しており、古くは自動車のまちとして、また、現在は都心へのアクセスのよさなどからベッドタウンとして発展してきました。
市の風物詩としては、この8月には約55万本のひまわりが咲き誇るひまわりまつりが開催され、全国から多くの観光客が来場します。市のマスコットキャラクターは、市の花、ひまわりをモチーフにした「ざまりん」がおります。非常にかわいらしいルックスから、市民にも大変愛されているキャラクターです。
また、江戸時代から200年以上続く大凧揚げの伝統文化があり、毎年5月4日、5日に重さ約1t、大きさ13m四方の百畳敷なんですが、大凧が空を舞う大凧まつりが開催され、多くの市民でにぎわいます。
次のスライドをお願いします。さて、そんな本市のごみ処理の沿革ですが、昭和の大量生産、大量廃棄の時代には、主に収集体制の整備に注力をしてまいりました。そこから、循環型社会形成推進基本法の制定など、世の中では天然資源を大切にし、環境負荷の低減を目指す新たな社会的要請が生まれる中、本市が特に力を入れてきたのが市民啓発です。
資源物を効率的に資源化するには、市民の分別への理解と協力が不可欠であり、ごみに対するイメージを変えてもらおうと、臭い、汚いというイメージを持たれやすいパッカー車に市のマスコットキャラクター「ざまりん」のラッピングをしました。今では、パッカー車が通ると子どもたちが手を振ってくれるほどで、清掃作業員のモチベーションの向上にもつながっています。そこで、子ども向けの環境教育にも清掃作業員たちが自らの意思で参加し、収集業務の終了後に啓発活動に励むようになりました。
また、令和元年に小田急電鉄株式会社とサーキュラーエコノミーの推進に係る連携協定を結びまして、タブレット端末を活用したDX収集の実証実験を開始し、現在運用しているところです。
次のスライドをお願いします。では、本市が収集のDX化に取り組むきっかけとなった、本市と小田急電鉄株式会社との協定締結についてお話をしたいと思います。
まず、先ほども少し触れましたが、本市のごみ収集現場で働く清掃作業員は、収集作業のほか、市民に対する啓発活動も実施してきました。啓発活動は市民からも好評で、保育園や幼稚園、小学校、そして地域のお祭りなどで、コロナ禍を除けば年間で何と40回以上、実施しているところです。この活動は、結果として、清掃作業員の仕事のやりがいにもつながっています。
一方で、小田急電鉄株式会社は、SDGsの観点から、新しい価値を提供するため、新規事業の創出を目指しており、まちづくり事業と親和性の高いサーキュラーエコノミーの事業化を推進するためWOOMSを立ち上げ、環境問題に高いモチベーションを持って取り組めるパートナーとして組織を探していたところ、本市の清掃作業員のモチベーションの高さに興味を持っていただき、お互いの目的が合致したことがきっかけとなりました。
次のスライドをお願いします。そして、令和元年6月に、本市と小田急電鉄株式会社は、「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に関する協定」を締結しました。
この協定は、サーキュラーエコノミーの実現に資する活動や、情報発信活動に関することを協力して行っていくといったものです。この協定から、DX収集やフードサイクルプロジェクトなどの連携事業につながっていきました。
次のスライドをお願いします。小田急電鉄株式会社との取組で、本市に非常に大きな効果をもたらしたのが、塵芥収集支援システムを活用したDX収集です。塵芥収集支援システムは、従来、紙ベースで行っていた収集ルートの最適化などのルートサポート機能と、ごみ収集場のごみの取り忘れ防止や車両の収集状況に応じた車両間での応援要請などのワークサポート機能を有した収集業務全体の効率化を目指したシステムです。これを本市の全てのパッカー車に搭載し、実証実験を始めました。また、システムは、清掃作業員の要望などによりアップデートされ、より座間市仕様の形になっているところです。これにより、今まで個々の車両で対応していた収集業務がチームとして対応できるようになり、チームワークの醸成にもつながりました。
次のスライドをお願いします。では、この実証実験の成果をご覧ください。導入前と比較すると、パッカー車1台当たりの平均積載率が約11%も上がり、片道で約10kmほど離れた市外にある焼却炉への運搬回数も、約16%、回数にして1,800回もの減少につながりました。
これにより、燃料の削減による経費削減、CO2削減はもちろんですが、収集業務の効率化によって得られた時間と人力を活用し、剪定枝の収集も始めました。
次のスライドをお願いします。剪定枝の排出は、これまで申込制の戸別収集としていましたが、実態としては、「燃やすごみ」の日に、集積所に出されることが多く、リサイクルされずに焼却されていました。この課題にDX収集を活用しました。
まず、「燃やすごみ」の収集に行ったパッカー車は、剪定枝が排出されている収集所の位置情報を通報します。すると、通報が地図上にマーキングされ、剪定枝のある集積所のマップが出来上がります。システムにより、剪定枝収集用の効率的なコースが構築され、後発のトラックは剪定枝のみを収集していきます。このような一連の流れのことを波状収集と名づけました。市民は、戸別収集の申込みも原則は不要になりましたので、市民サービスの向上にもつながっているものと捉えております。
次のスライドをお願いします。では、この剪定枝の波状収集による成果をご覧ください。剪定枝の収集量は前年度比で約800t、442%の増につながり、家庭系の可燃ごみは約1,630t、7.7%の減量となりました。数字的な成果はもちろんですが、この取組は清掃作業員にとって、最先端の技術を業務改善に活用しているという、仕事に対する誇りやモチベーションにつながっていることも非常に大きな成果であったと感じています。
次のスライドをお願いします。次に、本市が取り組んでいる官民連携事業のうち、フードサイクルプロジェクトとミックスペーパーリサイクルプロジェクトについて簡単に紹介します。
次のスライドをお願いします。フードサイクルプロジェクトは、農林水産省の農山漁村振興交付金を活用し、小田急電鉄株式会社と農林水産省、そしてローカルフードサイクリング株式会社の協力を得ながら、令和4年度から実施をしています。家庭から出た生ごみを堆肥に変え、出た堆肥は農家に届け、農産物を栽培し、再び家庭へ、地域の食循環を目指し取り組んでいます。令和4年度は、市民モニター約280名に堆肥づくりにご協力いただき、生ごみ約3.9tが、約1.2tの堆肥に生まれ変わりました。本年の6月には、その堆肥でできたジャガイモが無事に収穫されたところです。
次のスライドをお願いします。次に、ミックスペーパーリサイクルプロジェクトを紹介します。本市は、今年1月、イオンモール座間と連携し、フードコートから出る紙ごみのリサイクルを始めました。加えて、家庭ごみのミックスペーパーの分別区分も拡大し、従来は燃やすごみに混ざって排出されていた紙の回収も始めました。
具体的には、フードコートから出た紙ごみを家庭から出る紙とともに回収し、静岡県に所在する企業でトイレットペーパーにリサイクルをしています。ご存じのように、フードコートの紙ごみは、食べかすや油分の付着により再生が難しく、燃やされてきておりました。本市の事業系可燃ごみの中に混ざる紙の割合は、7割を超える現状があります。
こうした中、イオンモール座間から、フードコートから出る紙ごみをリサイクルできないかと相談を受け、試行錯誤の末、取組を実現させました。これにより、本市のミックスペーパーの回収量は以前と比べ4割以上増え、分別も簡単になったため、市民からも好評をいただいております。
○総務課法令係長 事務局でございます。ご説明は残り1分程度でお願いします。
○座間市 次のスライドをお願いします。以上のように、廃棄物行政のイメージ改善のための取組や、市民の理解を深めるための啓発事業が清掃職員のモチベーションを高める効果を生み出しました。このモチベーションの高さは、環境問題に係る新規事業を創出するためのパートナーを求める小田急電鉄株式会社からの注目を得ることになり、連携と協力に係る協定を結ぶことになりました。
また、協定の下に実施された事業は、業務の効率化につながり、サーキュラーエコノミーや官民連携事業をさらに推進していく原動力となっているのです。
最後のスライドをお願いします。今後も、本市は職員一丸となり、企業の皆さんとの連携も大切にしながら、市民の皆さんのご理解、ご協力を得られるようなサーキュラーエコノミーの推進に努めてまいりたいと考えております。
本日はご清聴、ありがとうございました。
○酒井部会長 佐藤市長、どうもありがとうございました。
○座間市 ありがとうございました。
○酒井部会長 多くの内容を短時間でいろいろご説明いただきまして、よく分かりました。どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、愛知県から資料1-3の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○愛知県 皆様、こんにちは。愛知県環境局の近藤でございます。この度は、このような機会をいただきまして誠にありがとうございます。
愛知県では、昨年3月に「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を策定しておりまして、本日は、このプランに基づく取組についてご紹介、ご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
次のスライドをお願いします。まず初めに、愛知県の概要についてでございますけれども、自動車をはじめ、様々な産業が盛んな全国有数の産業集積県となっております。特に、製造業につきましては、製造品出荷額等が44年連続で全国第1位となっておりますが、このほかにも、商業や農業等も盛んな地域でございます。
また、産業県である一方で、県内の約4割が森林でありまして、豊かな自然環境も有しております。地理的には、日本のほぼ中央に位置しておりまして、陸・海・空の交通網が発達した、流通の要とも言える地域となっております。
産業県であるがゆえに廃棄物の排出量が多いといった一方で、県土の地域特性を生かした資源の効果的な循環利用を進めることができるポテンシャルの高い県であるということができるのかなというふうに思っております。
次のスライドをお願いします。本県では、全国一の産業県であるからこそ環境面でもトップランナーであるべきという考え方の下、各種施策を進めております。2022年3月に、全国に先駆けまして、今日ご説明する「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」を策定しております。その背景といたしましては、世界的な資源消費や廃棄の増加に加えまして、昨今問題となっているプラスチックや、将来的に大量廃棄が見込まれます太陽光パネル等の社会課題、またカーボンニュートラルの実現手段としてのサーキュラーエコノミーの重要性などがございます。
こうした背景を踏まえまして、従来型の廃棄を前提としたリニアエコノミー、あるいはリサイクリングエコノミーといったものから、将来を見据えて、循環経済、まさにサーキュラーエコノミーへの転換を目指すため、本県の資源循環に関する指針として、このプランを策定したものでございます。
次、お願いいたします。こちらがサーキュラーエコノミーによる循環型社会形成のイメージでございます。サーキュラーエコノミーでは、製品のライフサイクルをバリューチェーン全体で考えて、設計、生産から、小売・流通、利用、回収、リサイクルの各段階で、廃棄の低減や資源の有効利用に取り組むことが重要と考えております。
各段階で必要な取組としては、例えば、設計の段階では、製品の長寿命化やリサイクルまで考えたエコデザイン、また利用段階では、製品のサービス化、PaaSやシェアリング等といった新しい利用形態による廃棄の低減などが挙げられます。
このプランでは、計画期間である2022年から2031年までの10年間をサーキュラーエコノミーヘの移行期間として、ライフサイクル全体での徹底した資源循環を目指してまいります。
次、お願いいたします。本プランでは、サーキュラーエコノミーの転換を目指しまして、大きく四つの施策を進めております。
一つ目が、左上にありますサーキュラーエコノミー推進モデルの展開です。こちらは、この後、詳しくご説明させていただきます。右に行きまして、二つ目が、循環ビジネスの振興支援です。循環ビジネスにサーキュラーエコノミーを取り入れていただくことが重要でございますので、県が設置したコーディネーターや補助金による支援に加えまして、今後、認証・認定制度についても検討を進めてまいります。左下に行きまして、三つ目が、人材育成・情報発信。最後、右へ行きまして、四つ目に、多様な主体との連携と、これら4本柱の施策について、循環ビジネス支援の拠点として、本県の県庁内に設置しました「あいち資源循環推進センター」を中心に取組を進めております。
次のスライドをお願いします。本プランでは、本県の地域特性や産業のポテンシャルを踏まえ、サーキュラーエコノミー型の循環ビジネスを牽引し、社会課題を解決する役割を担うものとして、六つの推進モデルを創設しております。ここにお示ししましたプラスチック、太陽光パネルをはじめとする六つのモデルの分野で、動脈産業と静脈産業が連携した取組を促進してまいります。
ちなみに、右のスライドは、このプランの冊子の表紙に描かれたものでございますけれども、花型の写真の中には、上から繊維、太陽光パネル、食品等の六つのモデルのそれぞれを表現、イメージして、策定しております。
なお、このプランを検討する際に、本日の部会委員でもあられます地球環境戦略研究機関の粟生木先生にもご協力をいただいております。
次、お願いいたします。サーキュラーエコノミー推進プランにつきまして、六つのうちの二つをご紹介させていただきます。
まず、こちらは、プラスチック循環利用モデルでございます。このモデルは、本県のプラスチック製造品出荷額等が全国第1位ということであることから設定したものでございます。
このモデルは、リサイクル素材を活用した生産、流通における容器包装のリサイクル、IoTやトレーサビリティを活用した効率的な循環利用、こうしたことによりまして、廃プラスチックのマテリアル利用、あるいはケミカル利用を高めつつ、プラスチックの価値をできる限り長期間維持する、そうした技術や仕組みを構築してまいります。
次、お願いいたします。こちらは、太陽光パネル循環利用モデルでございます。このモデルは、本県が住宅用太陽光パネル設置数で全国第1位ということもありまして、2030年代後半に予想されますパネルの大量廃棄、これに備える必要があるということから立ち上げたものでございます。
このモデルは、リサイクルにおける処理能力向上や、リユースパネルの品質確保など、今から将来の大量廃棄を見据えまして、処理体制の構築やリユース品の有効な活用など、広域的な取組とともに、パネルの大部分を占めますガラスの循環利用に向けました用途開発を進めるものでございます。
次、お願いいたします。プラスチックや太陽光パネル等の六つの推進モデルにつきまして、理想の絵を描くだけでなく、実際のビジネスの場で具体化していくというためには、事業者、有識者、行政からなる体制が必要でございますので、私どもとしては、サーキュラーエコノミー推進プロジェクトチームを今年の1月に立ち上げております。
現在、プラスチックは二つでございますので、ここにあるような七つのプロジェクトチームを立ち上げまして、合計62社、延べ79の事業者の方に参画していただいております。
加えまして、オブザーバーとして、環境省中部地方環境事務所をはじめ、経済産業省中部経済産業局、三井住友信託銀行様にもご参画いただきまして、一つの者では難しい課題に多様な主体が連携して取り組みながら、それぞれの分野で約5年を目途にモデルの事業化を目指しているところでございます。
次、お願いいたします。参考までにご紹介いたしますと、こちらがプラスチック循環のPTの参画メンバーでございます。複数の素材が混ざって、現状では、その多くが廃棄またはサーマルリサイクルに回されている混合プラスチックを、より付加価値の高いマテリアルリサイクルに回して循環利用することを目指しまして、ここにお示しした事業者の皆様に参画いただいております。
特徴といたしましては、メーカー、リサイクル、再生原料製造と様々な立場の事業者に参画いただきまして、動脈、静脈の垣根を越えた連携を図っております。
次、お願いいたします。
○総務課法令係長 事務局でございます。ご説明、残り1分程度でお願いいたします。
○愛知県 分かりました。
こちらは、太陽光パネル循環のPTの参画メンバーです。こちらも、県内の主要なパネルリサイクル業者の参画に加えまして、メーカーとして京セラさん、ガラスメーカーとしてAGCさん、発電事業者として中部電力さん等、様々な立場の事業者に参画いただきまして、連携を図って進めているところでございます。
次、お願いいたします。以上、簡単ではございますが、愛知県におけるサーキュラーエコノミー推進の取組につきましてご紹介させていただきました。このプランに基づく取組は、まだ始まったばかりではございますけれども、2031年、サーキュラーエコノミーが浸透する循環型社会の形成を目指しまして、多様な主体の皆様方としっかり連携を図り、今後も取組を進めてまいりたいというふうに考えております。引き続き、ご理解、ご協力、ご支援のほど、お願い申し上げます。
ご清聴、ありがとうございました。
○酒井部会長 近藤技監、どうもありがとうございました。時間どおりに要領よくご説明いただきまして、感謝申し上げます。
それでは、引き続きまして、豊田通商株式会社から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○豊田通商株式会社 豊田通商サーキュラーエコノミー事業推進部の室井と申します。よろしくお願いいたします。本日は、弊社のサーキュラーエコノミー事業をご説明させていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、説明のほうに入らせていただきます。
次のスライドをお願いいたします。本日、三部構成にしておりまして、弊社の全体会社概要、そしてサーキュラーエコノミーの事業概要、最後、主な事業会社/関連会社のご説明なんですけれども、こちらは数が多いものですから、三つ目はご説明を省かせていただきまして、二つ目までのご説明とさせていただきます。
次、お願いいたします。こちらは弊社の会社概要でございますけれども、こちらのスライドで申し上げたいところとしましては、株主構成として、トヨタ自動車様、そして豊田自動織機様が合計で約33%程度の株式を保有いただいているという状況でございます。この背景から、後ほどご説明させていただきますが、自動車関連のサーキュラーエコノミー、そこから発展すると世の中のサーキュラーエコノミーというようなところを、我々は自動車を起点として考えていっているという状況でございます。
次、お願いいたします。こちらは弊社の重要課題、マテリアリティと呼ばれるものなんですけれども、六つの分野がございます。この中で、循環型動脈事業戦略というものを重要課題のうちの一つと捉えておりまして、私が所属していますサーキュラーエコノミー事業推進本部のみならず、全社的に循環型の社会、ビジネスを創っていくというようなことを全社で取り組んでいるという状況でございます。
次、お願いいたします。こちらはサーキュラーエコノミー事業推進部の組織体制になるんですけれども、金属本部という本部に所属をしております。こちらは後ほどご説明させていただきますが、金属のスクラップの商売、売買というものを起点に始めておりますので、今、金属本部というところに所属しております。
金属本部の中に、四つのSBU、ストラテジックビジネスユニットと呼ばれるものがございまして、その中の資源循環SBUという組織に所属しております。二つ組織がございまして、一つは非鉄資源循環事業部という呼ばれる部署でして、こちらは主に、アルミの溶湯、溶けたまま自動車産業の生産工場にアルミを供給するという事業をなりわいとしている部署でございます。
そして、サーキュラーエコノミー事業推進部につきましては、こちら、ご覧のとおり、六つのグループと室から成っておりまして、それぞれ海外、国内の事業会社の管理をする部署であったり、金属リサイクルをする部署、あとはELV、廃車のリサイクルに特化をしている部署、ウェイスト事業開発につきましては、廃棄物を中心に事業開発をしている部隊、そして、バッテリー3Rグループというのは、車載用の電池がEV化もしくはハイブリッド自動車の生産増によって世の中に出回ってきたものを、どう社会課題を解決していくかというようなことを扱っているグループ、そして最後に、CEイノベーション室と呼ばれる室につきましては、トヨタグループでの動・静脈連携を図るべく、トヨタグループのみならず全社、そして世の中全体の産業に横串を通していくようなことを事業として作り上げていくようなことをイメージしまして立ち上げている部署でございます。
次、お願いいたします。こちらは全体の人数のイメージ感なんですけれども、豊田通商本体で約60名弱、国内の事業会社への出向で20名、海外で約20名ということで、総勢100名程度、そして海外の事業会社の現地の従業員等々も含めますと、もう少し大きな規模感での体制で事業を推進しております。
次、お願いいたします。こちらは事業領域ということで、よくご覧になられることも多いかと思います。バタフライ図でございますが、右側のリユース、リファービッシュ、リビルド、そしてリサイクルというようなところを中心に担っていくことを、事業領域、ポートフォリオの対象としております。
次、お願いします。こちらは弊社の歴史でございますけれども、金属スクラップの再生事業というものを皮切りに、外部環境の変化に合わせまして、モータリゼーションの大きなうねりの中で、トヨタ自動車様とジョイントベンチャーで豊田メタルというものを1970年代に設立してまいりました。そして、産業廃棄物の処理ということで豊田ケミカルエンジニアリングを設立しまして、その後、トヨタさんのグローバル生産の増加、もしくは自動車リサイクルに対してのリサイクル法の強化等々の中で事業を展開してきたというような経緯がございます。
次、お願いいたします。こちらが、サプライチェーンと、リバースサプライチェーンと我々は呼んでいますけれども、ものづくり、生産して消費者の方に届けるというサプライチェーンの裏側にありますそれを素材産業に戻していくというようなものの中で、弊社がどのような事業を行っているかということを表した図でございます。
機能として、五つ必要なものがあると思っておりまして、一つは、しっかり、まず廃棄されたものを回収するという機能、そして回収されたものを再生資源化する機能が二つ目、再生資源化せずとも、まだ使えるものをまたマーケットに戻すというリユース、再利用する機能が三つ目、そして、どうしても再資源化できず、無害化して廃棄しないといけない、適正に処理をするという機能が四つ目、そして、このリバースサプライチェーン全体のみならず、ものづくり側、使われる側とデータでつないでいくというようなトレサビを含めたプラットフォーム、こういったところの事業を行っていく機能、トレサビ/データ提供機能というものを、五つの必要な機能として捉えております。
次、お願いいたします。こちらから、自動車産業におけるサーキュラーエコノミーの課題、これは社会課題も一部含んでおりますけれども、一つは欧州を中心に法規制が強化されていくという大きな流れがございます。例えば、リサイクル樹脂の使用率が定められている。これが、欧州向けの販売のみならず、欧州からグローバルな動きになってくるというものに対してどのように対処していくかというようなことを我々は解決していかないといけないと思っております。
また、車載の電池につきましても、再生資源率、もしくは、作ったものの、再生率というものが規定される動きがございますので、こういったものに対応したものづくりをいかに継続していくかという、これをトヨタグループの一員としてどのように対処していくかということが、我々の取り組むべき課題だと思っております。
二つ目は、資源の流出でございます。国内の自動車生産は900万台ございますけれども、新車、中古車の形で輸出されておりまして、国内での廃車の発生台数というものは300万台弱と言われております。この中で、我々が注目しておりますのは、最近、資源の取り合いになってきている中で、海外のバイヤー、海外の方が、自ら解体業を開いて、その中で抹消登録された車両をハーフカットにして、資源という形で海外に輸出していくというような動きがございまして、実質、資源の価値としては、100万台から200万台分ぐらいしか残っていないと言われております。こういったところへの解決も必要だろうと思っております。
そして三つ目、再エネの課題としまして、ものづくりをする中でのエネルギー調達、再エネする中で、やはり、太陽光パネルであったり風車のブレードのリサイクルというものが必要になってきますので、こういったものに取り組んでいく必要があると思っております。
次、お願いいたします。こちら、最後になりますけれども、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの関連性についてでございます。エレンマッカーサー財団によりますと、GHGの発生の約45%は生産に由来するものと言われております。そのうちの45%はサーキュラーエコノミーを推進することで課題解決ができると言われておりまして、従来の弊社が取り組んでまいりました資源循環という事業の取組に対して、カーボンニュートラルという視点を新たに加えまして、こちら右側にございますけれども、再生資源をしっかり確保して、生産活動のGHGの発生を減らしていくこと、そして、資源循環という観点では、CO2そのものを回収し利活用していくようなCCUの技術開発も必要だろうということで取り組んでおります。
そして、三つ目、減らす、なくす、創るという観点から、カーボンニュートラルから新たな価値を創造するということで、やはりトレサビであったり、消費者を巻き込んで、リサイクルする、資源循環させることって、こんな新たな価値を生むんだということで、巻き込みの幅を広くしまして、新たな価値を、今までなかった、再生資源することによる価値というものを創り出していくというようなことを、今後、取り組んでまいりたいというふうに思っております。
説明としましては、以上となります。ご清聴ありがとうございました。
○酒井部会長 どうも室井部長、事業構想を含めましてのご説明、どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、株式会社富山環境整備から説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○株式会社富山環境整備 ありがとうございます。富山環境整備の松浦と申します。よろしくお願いします。
それでは、会社の概要のほうから説明させていただきます。
次、お願いします。株式会社富山環境整備は1972年に創業し、社員数は現在350名になっております。拠点は、富山市郊外の婦中町という中山間地域で事業を展開しております。
当社は最初に清掃事業からスタートし、時代の流れ、社会のニーズとともに廃棄物処理をしていき、そして総合的なリサイクル、有害物の適正処理、アグリ事業、こういったことを地元の皆さんとともに、地域循環共生圏事業に取り組んでおります。
それを行う敷地面積は200ha、東京ドーム約43個ぐらいとなっております。
次、お願いします。初めに、廃棄物処理について説明させていただきます。
この施設は最近できたものですが、近赤外線アナライザー並びに光学式選別機など光学式センサーを組み合わせた高度選別センターを設置いたしました。私どもが今まで培いました容器包装リサイクルの技術を生かして、これまで難しかったプラスチック系の廃棄物をアナライザーで検出し、それを光学式選別機で選別を行う。これを行うことによって、より多くの資源を抽出することで、最終処分場の延命化や、さらに資源の純度を高め、顧客ニーズに応え、品質の高い再生材を製造いたします。
次、お願いします。これが実際の選別エリアになります。合計9台の光学式選別機を設置しております。ここでは、多くのセンサーを活用して、コンベアラインで流れてくるプラスチック廃棄物の組成、素材をまず判別、選定します。そして、このプラントでは主にPP、PE、PSなどの複数の材料の素材を取り出すことが可能となっております。現時点においては、こうした選別した材料を原料として使ってもらえるよう、製造者の皆様と調整、協議しておりますが、廃棄物由来ということでなかなかハードルが高い現状がございます。ぜひともサーキュラーエコノミーの考え方が普及しているヨーロッパのように、日本国内においても、動脈側、静脈側が制度的に担保されるような仕組みの制度に向けて、この部会でもご検討いただければと思っております。
次、お願いします。次に、発電併用焼却施設になります。当社では処理方法の異なる発電併用焼却施設を2基有しております。種類、性状、サイズなど、様々な廃棄物の処理が可能となっております。また、第一発電焼却施設では、環境大臣より認定を受けて、低濃度PCB廃棄物の無害化処理を行っております。そして、令和3年6月からは、PCB汚染物の0.5%超のものに対応できる施設の拡充、強化を図っております。
次、お願いします。続きまして、アグリプロダクトの説明を行います。最初に、最終処分場を設置する際、地元の皆さんとお約束をしました。この処分場を埋立てした後に、地域に発展、活用するものを何かしてほしいということで、農業をスタートさせております。そのスタートさせたものが、中山間地域における農業です。農業を行うことによって、雇用の創出をすることで、地域の発展と貢献にできればと考えております。この施設は、次世代施設園芸施設として国から採択を受けて、現在はトマト、イチゴ、トルコキキョウを栽培しております。この栽培に必要となるエネルギーは全て廃棄物焼却施設から得ております。
次、お願いします。次に、地域振興であります。当社がこの地域で最終処分場を運営しているのも、地域の皆さんの支えのおかげと思っております。そこで、私たちも地域の一員として、脱炭素社会の形成を視野に、また、中山間地域の担い手の不足や耕作放棄地の増加といった地域課題を踏まえ、地域の方々と協力しながら、そうした土地でバイオマス燃料や資源作物の栽培に取り組んでおります。
次、お願いします。
一方で、それ以外にも様々な機会を通じて地元の皆さんと交流を図り、今年4月には花見を開催したり、たくさんの地域住民の皆様の方々、社員の皆さんが参加して、そして、昨年の11月には、地元小学校に通われる小学校の保護者の方の提案で、環境教育を実施してほしいということで、出前講座を小学校のほうで開催いたしました。そうした取組のほか、地元で知的障害者の就労支援やパラアスリートの雇用、競技の支援も行っております。さらに、今年5月には、富山県内を襲った豪雨によって地域の河川が崩落し、地元の方々と一緒になって、その復旧作業にも取り組みました。
次、お願いします。この図は、令和3年度の環境白書にも掲載させていただきました。ありがとうございます。この内容は、当社が現在取り組んでいる地域循環共生圏に向けたものです。最近力を入れております地域循環、防災・エネルギー分野を、次の番号1から番号3について説明をさせていただきます。
次、お願いします。まず、番号1にありますプラスチックのリサイクル製品であります。家庭で集められましたプラスチックごみと事業系で集められたプラスチック類を使って、リサイクル材100%のごみ袋を、大阪の袋メーカーさんや関東のリサイクラーと共同して、伸び、強度を備えたごみ袋の開発に成功いたしました。こうした取組は、地元だけではなく、県内外の自治体さんからも評価を得ており、プラスチック新法に基づく大臣認定一括回収を一緒にと、お話を多くいただいておるところであります。
さらに右は、リサイクルボックスの開発を行いました。再生材100%を利用した身近な製品の普及は、プラスチックなどのごみ、ごみの減量化、発生抑制、エコライフサイクルの実践、定着を進めることが可能となるものと期待しております。
次、お願いします。次は森林管理の取組であります。当社が位置する中山間エリアには、荒廃農地や里山林に、成長に優れた早生樹を植栽し、バイオマス燃料等として活用する実証事業を実施するため、令和4年4月に、地元自治体さんと一緒に、富山市早生樹活用協議会を設立いたしました。官民連携事業として取り組んでおります。圃場によって違いはあるものの、100日経過したもので、最初15㎝だったものがおおよそ2mぐらいに成長したものもあり、今後の可能性に期待しているところであります。
次、お願いします。次は、最終処分場の整備状況についてです。令和2年12月4日付で新たに最終処分場の設置許可をいただきました。今回、新たな最終処分場建設予定地は、画面の右側の赤いところで、点線で囲ってあるところになります。この地に、埋立面積17ha、埋立容量744万㎥の管理型最終処分場を建設すべく、現在整備しておるところであります。
次、お願いします。これは最終処分場のイメージです。最終処分場の周囲は森林を残し、景観にも配慮した処分場を計画しております。こうした最終処分場など、廃棄物処理施設ですが、皆さんご存じのとおり、処理施設は地域の廃棄物処理や資源循環を担う根幹的施設であると同時に、地震、津波、水害など、災害時にはとりわけ重要性が高くなるものと感じております。つい先月も、国内各地で降雨災害があり、多くの土砂や災害廃棄物が発生しており、こうした廃棄物の迅速かつ適正な処理が課題となっております。
次、お願いします。近年の大規模災害における災害廃棄物発生量の処理と期間を表にしたものです。かなりの廃棄物が発生し、その処理には相当な期間を有していることがここで分かります。当社でも、令和元年の台風19号の長野災害、この早期復旧を目指す自治体さんからの要請を受け、微力ながらお手伝いをさせていただきました。
次、お願いします。こうした災害廃棄物の処理は、規模がやや大きいものは海面最終処分が想定され、通常起こり得るやや大きめな規模の災害については都道府県で判断されることのようになっていると思います。
また、自治体は民間と連携して、災害廃棄物処理に係る計画をつくって、それに沿ってやっていくということになっていると思いますが、そこでですが、当社が長野で災害廃棄物処理を行うに当たって一番厄介だったのは、平時から搬入している排出事業者の廃棄物を一旦止めなければならず、その調整がちょっと難しかったことを覚えております。
次、お願いします。
○総務課法令係長 事務局でございます。ご説明、残り1分程度でお願いいたします。
○株式会社富山環境整備 はい。
そこで、提案ですが、民間の最終処分場を活用し、あらかじめ災害廃棄物を搬入できる枠を、国や自治体などが直轄で確保できる仕組みをつくってはどうかと思っております。災害廃棄物の迅速かつ円滑な処理は、被災地域の復旧・復興に向けて最優先課題であり、こうした取組は、その達成に非常に貢献できるのではないかと思います。
次、お願いします。これは、ちょっとその次も併せて、現在の富山県内の一般廃棄物の最終処分場の公開情報ですけれども、残り残余容量が45万㎥となっております。これは、例えば長野の廃棄物発生量がおおよそ30万t出ていますので、それだけで、この富山県内の処理がいっぱいになってしまうということから、先ほどの提案をさせていただいたということになります。
どうもありがとうございました。
○酒井部会長 松浦社長、どうもありがとうございました。ちょっと時間が短く申し訳ございません。最後の、災害廃棄物の民間処分構想などは、災害廃棄物の検討会等でもまた聞かせていかなければならない話というふうに認識しております。どうもありがとうございます。
それでは、4団体からご説明をいただきました。この後、質疑応答の時間に入りたいと思いますので、ご質問、ご意見のある方は、挙手ボタンを押していただければというふうに思います。
それでは、大塚先生からお願いをいたします。
○大塚委員 恐れ入ります。それぞれ一つずつぐらいあるんですけど、すみません。
まず、座間市さんですけども、最後のところで、リサイクルのフードコートのところの話ですけど、油分が多い紙に関してのリサイクルについて、ちょっと早口でよく分からなかったんですけど、それをトイレットペーパーにされるということだと思いますが、これはもともと、かなり難しい問題だと思います。ここはどういうふうにやっていらっしゃったかという話を、少し詳しく説明してください。
それから、愛知県さんですけども、5ページのところで、サーキュラーエコノミーの製品の普及に向けた認証・認定制度の検討というのがありますが、これは具体的にどういうことをやっていらっしゃるかを教えていただければと思います。特に、マークをつけるようなことが大事になってくるのかと思いますけれども、その辺はどうされているかということを教えていただければと思います。
それから、豊田通商さんですが、国内ELVの資源の海外流出のところでございますけれども、これは、具体的には何を回収されても海外に持っていかれてしまっているのかということを、教えていただければありがたいと思います。車載用のリチウムイオン電池については、まだ廃棄されるものはそれほど多くないんじゃないかと思うんですけども、どうなっているか教えていただければと思います。
それから、富山環境整備さんですけども、これも11ページのところで、再生材100%のごみ袋ができているということですけど、これは作ることによって、消費者に知らせて、使われるようにしていく必要が高いと思いますけれども、その経済的な面に関して何か工夫されていることがあるかどうか、お教えいただければと思います。
以上です。恐れ入ります。
○酒井部会長 大塚委員、どうもありがとうございました。
では、引き続きまして、浅利委員、お願いします。
○浅利委員 ありがとうございます。すごく目をみはるような活動も多くて大変勉強になりました。ちょっとごめんなさい。ビデオが開始できないようなので、すみません、このままいかせていただきます。
全体を通しての、皆様から教えていただきたいことなんですが、特に、座間市さんのほうでも、環境の皆様、現場の皆様が頑張られて、そこが民間も刺激して新たな事業が生まれてきた事例をご紹介いただきましたが、そこでも、自治体の中で、いわゆる縦割りを乗り越えてされてきたのかなと感じているんですけれども、実際にどういう体制でされているのか。また、それに当たっての工夫等があれば教えていただきたいなと思いました。
それは、ほかの自治体さん、あと民間も逆に、相手として自治体さんと取り組まれる中で、そういった壁を乗り越える体制、工夫、教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて、大久保委員、お願いします。
○大久保委員 ありがとうございます。座間市と愛知県に質問させていただきます。
まず、座間市につきましては、廃棄物の収集の職員と、それから市民、住民との対話というのは大変重要だと思うのですけれども、小田急と協定を締結されたという中で、小田急のコミットメントが具体的によく分からなかったので、恐らく情報システムと関連すると思いますけれども、システム構築、またはその活用についての貢献なのか、具体的な役割を教えてください。
それから、次に、愛知県については、細かく3点あります。一つは今回のCEの推進プランにつきまして、従来も、マッチングでありますとかコーディネーターでありますとか、あるいは認定制度というのは、各地の都道府県が取り組んでこられましたし、あるいは愛知県もそうだと思うのです。今回のCEのプランが、従来の取組とコンセプトの違いは分かりましたが、具体的な施策レベルにおいて、どこが最も大きな違いなのかというところを教えていただければと思います。
それから、第2点目ですけれども、動静脈連携といっても、やはり動脈産業がきちんとないと、なかなか連携がうまくいかないと思いますので、その意味で、愛知県での取組というのは大変注目するべきものだと思っておりますが、そうはいっても、素材がどこから来るかとか、あるいは実際に回す場合にも、県内だけで閉じるわけではないと思いますので、広域連携をどのように考えていらっしゃるかということです。
それから、3点目といたしまして、先ほど富山環境整備さんから国として取り組むべき具体的な政策提案などが示されましたけれども、愛知県として、むしろ国が先導的に取り組むべき役割として何があるかということを、現在抱えている課題との関係でありましたら教えていただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて、高岡委員、どうぞ。
○高岡(昌)委員 ありがとうございます。私のほうからは、座間市に2点、それから富山環境整備さんに1点ございます。
まず座間市さんのほうですが、大変興味深い発表でございました。ごみの環境教育というか啓発を大変推進されているということですが、これを図る何らかの指標を市でお持ちなのかどうかというようなことを1点お聞きしたいと思います。
それからもう一つは、WOOMSの収集のプロジェクトですけれども、これは、座間市さんの場合は全て直営なのか、それとも委託業者も含めているのか。含めても全く問題ないのかということをお尋ねしたいと思います。
それから、富山環境整備さんにつきましては、早生樹の活用に向けた官民連携ということをされておるとのことで、大変興味深い取組だと思うんですが、この中で富山環境整備さんの役割というのはどういうところ担っておられるのかということをお尋ねしたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて、根村委員、どうぞ。
○根村委員 根村でございます。大変興味深い、すばらしい活動紹介が多く非常に勉強になりました。ありがとうございます。
消費者が暮らしの中で当事者として資源循環に加わっていくとか実践していくためには、富山環境整備様がご紹介くださったような様々な技術の開発が必要であると同時に、市民というか消費者自ら積極的に取り組んでいくことが必要かと思います。
それで、座間市様にお伺いします。様々な啓発活動をされているというご紹介がありましたが、市民のみなさまの反応というところがちょっとよく分かりませんでした。多くの方たちは「資源循環である」ということを特に意識せずとも、もう生活の中に取り入れていらっしゃると捉えてよいでしょうか。
よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 根村委員、ありがとうございました。
では、引き続いて石山委員、石山市長、お願いいたします。
○石山委員 石山です。よろしくお願いいたします。私は愛知県さんに1点、質問をさせていただきます。
あいちサーキュラーエコノミー推進PTが進んでいきますと、大変すばらしい循環型社会ができていくと思います。各PTには、参画メンバー、事業者さんが多数いらっしゃると思いますが、このようなPTの動かし方、各事業者さんの参加モチベーションをどのように維持しながら推進できているのか、という点について教えていただけるとありがたく思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大迫委員、引き続いてどうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。まず、愛知県のほうにご質問ですけども、広域自治体の中でも大変先進的な取組を行っていただいていると思います。これまでの廃棄物・循環行政から、新たな循環経済CEの施策展開というところでのプラットフォームの機能を、役割を果たそうとされているんだと思いますが、苦労している点とか、あるいは課題として、国への要望等も含めて思われている点があれば教えてください。特に、幾つかの事業も立ち上げられて、そのプロジェクトの事業評価みたいなものをどうしていくのかというところ、あるいは法制度的なところでの課題がないのか。何かありましたら、お聞かせいただければと思います。
それから、豊田通商さんのほうに関して、産業界の中で商社の立ち位置、機能、役割というのは大変重要かと思っております。新しいビジネスを創生していく、いろんなステークホルダーを巻き込んでマッチングしていくということの中で、いろんな課題、あるいはご苦労もあると思うんですが、そういう中で国への何か要望等もありましたら、お教えいただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。
引き続いて、粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。いずれのご発表も非常に様々取り組んでおられて、感銘いたしました。また、少しだけ貢献させていただいた愛知県のプランも実施に入られているということで、うれしく思っております。
私からは、座間市さんと豊田通商さんに一つずつご質問をさせていただきます。
座間市さんですけれども、少し大久保委員のご発言でも触れられていましたが、収集システムと波状収集のところが小田急と連携されたということなんですけれども、このシステムなんですけれど、もともと小田急さんのほうで持たれていた何かの技術が基礎となってこれが発展したのか、座間市さんと小田急さんが連携して1から作り上げたシステムなのかというところを教えていただければと思います。
2点目、豊田通商さんですけれども、最後、EUの使用済み自動車の規則案について触れられていましたけれども、プラスチックのリサイクル材が義務化される方向ということで、基本的にはELV由来のものを使われるのかなと思うんですけども、それで足りない部分、それ以外の部分で、ELV由来以外の部分で素材として想定されているものの展望ですとか、それに当たっての課題などを教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 粟生木委員、ありがとうございます。
橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。様々な先進的な取組をご紹介いただきまして、ありがとうございました。座間市さんと富山環境整備さんに1点ずつ、ご質問させていただければと思います。
座間市様のほうですけども、フードコートの紙ごみ、非常にすごい取組だなと思って伺ったんですけども、これは実際に、紙ごみだけ集めることができても結構大変な処理かと思うんですけども、実際にフードコートですと、その他のいろんなものも混ざってくるかなと思いまして、脱プラで全て紙にされているということなのかもしれないんですが、最初の分別のところで課題みたいなものがないのかどうかというのを少しお聞かせいただければと思います。
また、富山環境整備さんのほうで、熱を農業のほうに利用されているという、この取組もすばらしいと思って聞かせていただきました。質問は、実際の廃棄物の熱量に対して、利用されている熱量というのが、この規模でやられていて、どのぐらいのものなのかというのを少し教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 引き続いて、金澤委員、お願いします。
○金澤委員 ありがとうございます。私からは、富山環境整備さんにお伺いをいたします。
まず、私ども全国都市清掃会議の総会が5月にございまして、その際、富山環境整備さんへ、各自治体の廃棄物の担当者がバス2台で施設見学をさせていただきました。本当にありがとうございました。その際、先ほどご紹介いただきましたアグリプロダクトで作られたトマトをいただきまして、大変おいしいトマトだということを皆さんにご紹介したいと思います。
私からは、特に、プラスチック資源循環促進法、いわゆるプラ新法がございまして、各自治体はその対応に大変苦慮しているところでございます。先ほどご紹介いただきました、中間処理や高度選別という大変先進的な技術を持つ富山環境整備さんから、そういった意味で、各自治体、苦慮しておりますので、何かご意見、ご提言があればということでお願いをしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、最後に篠木委員、お願いします。
○篠木委員 ありがとうございます。どのご報告も大変勉強になりました。ありがとうございました。私は、富山環境整備さんに一つご質問がございます。
御社のような存在というのは、富山県でも、住民の皆さんも自分たちの近くにこういった活動をされている方がいらっしゃるということを心強く思っていると思います。実際に、雇用に関して地域住民の方を何%ぐらい雇われているのかということを教えていただければというのが一つです。
また、プレゼンテーションの中で、非常に地域住民の方に気を遣われて活動されているということが資料からよく分かりましたが、一方で、地域住民が富山環境整備さんのほうに何か働きかけをして、一緒になって行っているようなプロジェクトがあるのか。住民との双方向にやり取りが成立しているのかというところについて教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。委員のほうから多くのご質問をいただきました。
それでは、順番に、ご回答いただけるところをご回答いただくということで、マイクを回していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは最初に、座間市の佐藤市長からお願いいたします。
○座間市 座間市役所の中嶋と申します。市長の佐藤は公務がありまして退出しておりますので、代わりに担当の職員から回答させていただきます。
まず、私からは、油のついた紙をどのように処理をしているかということについてですが、こちらにつきましては、古紙再生促進センターで規定している難解再生古紙という、難古紙と業界では言われているものになりますけれども、こちらを、日本で処理できる会社は、私の知り得る限りで2社存じ上げております。一つは四国にある会社で、もう一社が静岡県にある、私どもが契約をしている、コアレックス信栄という会社さんです。こちらの技術を使いますと、油がついているものであっても、時間をかけてきちんと紙に再生をできます。
次に、フードコートから出た紙ごみについて、プラスチックなどのストローも混ざっていることについて、その分別についてどう処理しているのかというご質問ですけれども、こちらにつきましては、ごみを集める場面で、まずフードコートの袋を、清掃する方が、袋を集めるときに、プラスチックが入っていたら、そこは目視で確認をして、プラと紙に分別をするという対応を取っていると聞いております。もちろん、プラスチックが混ざって完全に取り切れないというのはありますが、こちらについては、先ほど申し上げましたコアレックス信栄のような会社ですと、多少であれば混ざっていても、紙として問題なく再生処理できますので、そちらについては正直、少量であれば全然、ミックスペーパーで出して問題ないということで、今現状、処理をしていただいております。
私から、紙系の質問につきましては以上でございます。担当が代わります。
○座間市 クリーンセンターの平野と申します。私からは収集員の啓発の内容についてご説明させていただきます。
初めに、体制についてですが、基本的には、収集員だけではなくて、本庁の職員も前に立ってやっております。本庁だけではどうしてもカバーし切れないような啓発内容、収集車を出したりとか、そういったところでお手伝いさせていただいている状況です。小田急さんと連携協定を結んでおりますが、こちらもシステムのみならず、啓発の部分でもお手伝いいただいているところです。
次に、啓発の指標につきましては、特に設けておりませんが、先ほど説明させていただいたとおり、実施の回数40回ということで認識しています。収集については直営で収集しております。また、一部の業務委託をさせていただいておりまして、資源物は委託業者が回収しています。市民からの反応につきましては、小学校や保育園、各種イベントへこちらから出向いて啓発活動を行い、子どもたちに、収集した中から廃棄物となってしまった段ボールやペットボトルキャップを利用して段ボール迷路やキャップアートを作ってという形で、子どもたちからは喜ばれていると認識しています。
私からは以上です。
○小田急電鉄株式会社 代わりました、小田急電鉄の米山と申します。本日はありがとうございます。私からは、収集システムの概要についてご回答させていただきます。
こちらは当社、小田急がもともと技術的に持っていたものなのかというご質問だったかと思いますが、技術につきましては、アメリカにございますルビコン・テクノロジーズ社という会社様の技術提供をいただいて、日本仕様に合わせてローカライズしたシステムとなってございます。このルビコン・テクノロジーズ社は、アメリカ以外でも、ヨーロッパなど世界各国でごみの収集支援システムの提供を行っている会社でございます。
私たちは、サーキュラーエコノミーの実現において、収集運搬の果たす役割は非常に大きいというふうに実感をしている一方で、担い手不足が非常に我が国、日本においては深刻な職種でもあると認識をしている中で、こういったドライバーさん、働く方々に寄り添うということを目指していたところ、同じようなビジョンを掲げてシステム開発提供を行っているルビコン・テクノロジーズ社の存在を知り、アプローチをしたところ、協業に至るまで長い時間はかからなかったというところで、協業が成立しております。
一方で、アメリカのごみ収集と日本のごみ収集のやり方とか規模感というところが全く異なっていたために、こちらのシステムを日本仕様に合わせるということを目的として、座間市様には、そのテクノロジーの、かなり日本に持ってきた初期の段階から、現場で実証実験にご協力をいただいて、日本仕様に合わせたローカライズを行って、システムの開発にご協力をいただいたという関係で今に至っております。
私からは以上でございます。
○酒井部会長 座間市からのご回答、どうもありがとうございます。協業の小田急の担当の方からも、それぞれ質問に的確にお話しいただけたというふうに思っております。どうもありがとうございます。
それでは、引き続きまして、愛知県のほうからのご回答ということでお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○愛知県 愛知県でございます。
まず、大塚先生からのご質問、本県認証制度、認定制度についてはどういう内容かということでございますけれども、実はまだ、今現在、制度設計も含めまして、検討をこれから進めていくという段階でございます。ただ、これにつきましては、今回のPTのメンバーの方からこういった提案が出まして、ぜひとも進めてほしいということで、これから検討を進めていくというものでございます。
次に、浅利先生からの縦割りについて、どう解決、打破していくのかということでございまして、私ども確かに、これまでは環境部局の中でマッチングをいろいろ検討してきたということであったんですけども、それではいけないということで、特に県庁内でも、産業部局との連携が重要であると。これまでなかなか進んでいなかったんですけども、そういったことを特に強く意識して進めております。さらに、県庁内だけではなくて、国の地方機関、中部経済産業局さんとも連携を取りながら、今回のプラン、PTを進めていくということにしております。
次に、大久保先生から三ついただいております。まず、こういった企業とのマッチングは、これまでもあったんだろうけれども、違いは何かということでございます。今回、先ほど説明の中にもちょっと触れさせていただきましたけれども、前回のプランにつきましては、従来の3R、要するに、静脈産業側だけに着目したものでありましたけれども、今回サーキュラーエコノミーということで、動脈側にも着目してやっている。ここが大きな違いであると。要するに、もっと広い、静脈、動脈を絡めてマッチングをしているというところが今回の特徴であるというふうに考えております。
次に、特に、動脈産業も入ったけども、広域連携についてはどうかということでございます。これまで、どうしても県内の企業さんに着目した取組を進めておりましたけども、今回からは、特に先導的な取組をされているところにつきましては、愛知県内ということにこだわらず、県外の方々もお招きして検討を進めているということでございます。
もう一つが、国に求めるものは何かということでございましたけれども、まずは、国で、今回も議論させていただいておりますけれども、そういった貴重な情報と、あとは、どうしても最後は金銭的な補助と支援が欲しいという声が届いております。また、あわせて、時々には現状の法整備、法制度の見直し等もしてほしいという声も届いております。
もう一つが、石山先生からの、事業者さんのモチベーションは何になるのかということでございます。これは、これまでなかなか1者、要するに、民間事業者さんだけではなかなか事が進まないということにつきまして、行政も入り、あるいは他業種、異業種の方々が連携してやるということで、ある程度思い描いたものが現実化できるということ。さらには、今の社会の中で、こういったことに取り組んでいるということの対外的なアピール、あるいは社のイメージアップにつながるということの声をよく聞いております。
大迫先生からのご質問につきましては、担当から答えさせていただきます。
○愛知県 愛知県資源循環推進課の滝口と申します。普段私がサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチームを担当させていただいておりますので、大迫先生のほうから3点、プロジェクトチームの運営について苦労している点、課題、それから事業評価についてご質問いただきましたので、私のほうからご回答させていただきます。
まず、苦労している点、いろいろあるんですけども、やはり、いろんな立場の事業者さんが集まって、サーキュラーエコノミーを事業化していこうということで取組を進めておるんですけども、各社さんそれぞれの立場、それぞれの利益を大事にしないといけないというところで、大きな課題に向かっていくというところと、各社さんのその立場、ビジネスの利益を両立するといったところ、ちょっと苦労しております。実際に、理念としては皆さん共有いただいて、取組を進めていくんですけども、やはり、それぞれ各社さんの立場で利益を出していくというのも、これは大事ですので、実際、細かい具体的な議論を進めていくと、なかなか一歩、壁を壊せない、踏み出せないというような場面が多々あります。そういったところを、従来どおりではなくて、より深い、広い連携にしていく、それをこう、モチベーション維持も含めてなんですけども、いかにそのように運営していくかというのは、我々もちょっと試行錯誤しながら、苦労しながら、今進めているところでございます。
2点目の課題はといったところが、一つ目のご質問ともちょっと連携するんですけども、やはりそういったところで、従来回っていないような循環を回していくという上では、本当に事業者さんの連携、いろんな立場を超えて連携して、バリューチェーンを作っていくというのが非常に大事だと考えております。動静脈連携、我々は従来から言葉としては言って、進めてはおるんですけども、やはり、まだまだ全然進んでいないなというイメージでおりまして、これをいかに進めていくかといったところが、本当に我々も課題だなというふうに考えております。いかに行政の立場から、動脈、静脈をつないでいくか、それが今後の課題かなというふうに考えております。
3点目の事業評価なんですけども、まだこちらのプロジェクトチームについては、今年の1月に立ち上げて、まだまだ取組の内容を議論しているところで、これからという段階ではあるんですけども、やはり事業性を、ちゃんと指標を設定して評価していかないといけないかなというふうに考えております。こちらも、これからの検討にはなるんですけども、やはりサーキュラーエコノミーということで、例えば廃棄物の削減量ですとか、資源の投入量、こういったものがどれぐらい減ったのかという資源循環の面での指標を設定して評価していく。あと、サーキュラーエコノミーというのはカーボンニュートラルの手段だというふうにも考えておりますので、CO2の削減効果、こういったものも、今後それぞれのモデル事業の成果を見える化して評価していくような、そういう取組が必要だというふうに考えておりまして、今後検討していきたいというふうに考えております。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、愛知県のご回答はここまでにさせていただきます。
引き続きまして、豊田通商、室井部長からお願いいたします。
○豊田通商株式会社 では、まず一つ目、大塚様からいただきましたELVの海外流出につきまして、何を回収しているのかというご質問でした。まず、部品系が多くて、エンジン、その他、足回り系、ステアリングから車輪に至る辺りの部材です。あとは、そもそものボディーを、ハーフカットと言いまして、前後にハーフにカットして、それをコンテナに入れて輸出するというようなことで、表面的には廃車として抹消登録がなされてはいるんですけれども、その後、国内に資源が循環するわけではなく、部品、その他の形で海外に流出していくというような状況に今なっております。それを、海外からのバイヤーであったり、もう解体事業そのものを国内に開設しまして、自ら、日本からの資源、資源という捉え方というよりは、質のいいエンジンであったり足回りの部品という形で流出しますので、アルミ、鉄、もしくはハーフカットの中に入っていますカッパー、銅線等々が、日本から見ると資源の形で流出していってしまうという状況にございます。
もう一つ、電池につきましては、日本はまだ、EV車はそれほど走っておりませんし、EV車、実際の電池として世の中に出てくるのは、大体15年ぐらい車が使われた後になります。ですので、今はまだ、使用済みという形では、EVの電池というものは流通しておりません。
一方で、トヨタ自動車を中心に、ハイブリッド車の中に搭載されている低容量の電池につきましては、流出は今、なされている状況でして、中古で回収された、廃車になったものは日本に残るんですけれども、こちら、弊社もトヨタ自動車さんと一緒に国内の回収方法というものを整えているんですが、一方で、中古車の形で、例えばプリウスとかアクアみたいなものが、そのまま中古車として良質な状態で、価値を持って外に出ていく。日本車の出ていき先としては、ニュージーランド、あとはモンゴル等々で、実はハイブリッド車由来の電池というものが各国で発生をしております。そういったものを、資源循環の観点から現地で回収をして、日本に持って帰ってきて、それを再生資源化する、ニッケル分なんかが多いものですから、再生資源化するというようなことで、何とか流出したものをまた戻すというようなことを、経済の中でやっているという状況でございます。
続きまして、浅利様と大迫様の行政関係、国へのご要望という形でのご質問につきましては、一緒にお答えをさせていただきたいなと思います。要望があるとすると、規制づくりと補助金という形になるかと思います。規制づくりにつきましては、やはり、今まで価値があるものが、基本的には国内で、売買の中で流通していき、これがリサイクルと言われてきたという歴史的な背景があると思います。
一方で、これからは、価値が表面的には見いだしにくいもの、プラスチックとか、先ほど申し上げたようなカーボンファイバーとか、こういったものが、価値がないものをどう正しく処理をしてくれるところに、越境しながら集約し、スケール化を図って、規模の経済で、経済合理性を成立させていくかということが課題になってくるという状況におきましては、やはり、この広域認定の出し方、ハードルであったりというところの見直しというものが、ある程度、柔軟になされていく必要があるのではないのかなと思っております。
また、規制の観点では、弊社での実際の取組であったんですけれども、トヨタさんのハイブリッドシステムをリマニュファクチャリングしてカートに転用できないかというような取組をしたことがございまして、こういったときに実証車を出すんですけれども、やはり日本の仕組みとして、ナンバー申請等をするときに、量産車を前提とした申請の仕組み、許可の仕組みしかなくて、ナンバーを取るのが非常に困難であったと。小規模でも、まずは1回作ってみて、それを、どのような形で使えるのか、トライ&エラーを繰り返すことを前提にしたような申請と許認可の仕組みというような、簡便性を図っていくということを考えていただけると、もう少しサーキュラーエコノミー、資源循環の中でブレークスルーできるものがあるのではないのかなというふうに感じるところがございます。
もう一点、補助金につきましては、こちらは例えば、リサイクル設備を造る際の設備投資の補助ということをよくやっていただけることが多いと思うんですけれども、実際に、先ほど申し上げたように、資源そのものは、経済原理に基づいて様々な形で海外に流出をしていってしまいます。これも流出してしまうと、せっかく造った設備が遊休化することになり、設備投資して造ったものの稼働率が伸びない、増えないという状況になってしまうかと思います。こういった状況の中で、補助金をどのように活用していくかということでの提言といたしましては、やはり出口、国内で正しく流通する、この流通、このルートで回収され、この技術で再資源化され、そして素材が国内に還流するといった、仕組みそのものに対してのインセンティブとしての補助金というものが必要なのではないのかなと思います。
例えば、車の買換え促進というものがあったと思うんですけれども、この車の買換え促進があったときには、やはり補助金が出て、ハイブリッド車への切替えというものが進み、そのときに、ちゃんとハイブリッド車に買い換えたときに、適正なルートで国内で回収され、国内に還流するというような仕組みまでありましたので、当時は国内の廃車発生台数と資源の確保というものもできていたかと思うんですけれども、こういった出口側で、消費者の皆さんが正しくここに出せば、今まで成立していなかった、例えば逆有償、お金を払って処理しないといけなかったものが、ただで引き取ってもらえるけれども、その先には正しい国内での資源回収流通が出来上がっているというものに対してのインセンティブを与えていくというようなことができると、これから国内の資源循環・資源環流というものは、より力強いものになっていくのではないのかなというふうに思っております。
最後に、ELV、欧州のELVに関してのご質問があったかと思います。プラスチックにつきましては、ちょうど7月13日に、欧州のELVレギュレーションに対する提案、提言というものが出されました。この中でうたわれていますのは、リサイクル材につきましては、ELV由来のものを再生材の中の25%は入れてください、残りのものは、ポストコンシューマ材と呼ばれる、PCRと呼ばれる使用済みのもの、例えばプラスチック容器であったり、家電由来のプラスチックだったりというものも含めてのリサイクル、再生資源としてのプラスチックを使いなさいというような方向性で提言がなされておりますので、ELV由来は、一部としては重要ではあるんですけれども、それ以外の製品プラ等々、容器プラ等々のミックス、これをどのように、再生プラスチックとして自動車メーカーが新たに使えるプラスチックの品質にしていくかというようなところが今後課題になってくるかと思います。やはり、プラスチックtoプラスチックというのは非常に、組成からいっても難しいものがございますので、入り口が雑多なものになったものを、どのようにうまくアウトプットのプラスチック製品としての品質を上げていくかという、このギャップをいかに埋めるかというところが今後の課題になるかと思っております。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。室井部長、背景も含めて丁寧にご説明をいただきましたので、よく分かったかと思います。ありがとうございます。
引き続きまして、富山環境整備、松浦社長、よろしくお願いいたします。
○株式会社富山環境整備 すみません、順不同になりますが、お答えをさせていただきます。
まず、ごみ袋のほうから少し説明させていただきますが、私どもこの容器包装リサイクルをやり始めて20年余りたちます。その際、この20年の間に、多くの婦人会やら市民の方々、毎年、大体1,000名ぐらいずつ見学に来られます。そのとき作っていたのが、物流資材のパレットとか、建設資材のボードとかというのを作っていました。これは婦人会や、そういった皆さんにはなかなか分かりにくい。一生懸命説明するんですけれども、分かりにくい部材であったと思いました。そこで、今回いろんな高度選別を採用することによって、異物除去など、聞こえていますか。
○酒井部会長 はい、聞こえております。
○株式会社富山環境整備 すみません。
○酒井部会長 大丈夫です。
○株式会社富山環境整備 要するに、高度選別することによって異物除去などが成功して、こういったごみ袋の薄いものを作ることができたことになる。何を言いたいかといいますと、まず、ごみ袋という市民の皆さんにとって一番分かりやすいものを作ることでプラスチック資源循環が推進されるものと思って、このごみ袋としました。ぜひ、自治体さんへの何か要望がないかということもありましたけれども、やはり市町村さん、今、こういったごみ袋、指定ごみ袋というのを作っていらっしゃる市町村さんもいらっしゃいますが、やっぱり市町村さんによって仕様が違うんですね。ほとんどの伸びとか、そういった強度面においては、私どもが知り得る限りでは、今回のこのごみ袋はクリアしていると思いますので、そういった面に加え、リサイクル材100%など環境配慮面も入れていただければと思います。
それから、経済性においても、十分、今、公表されている中での価格帯には収まっているものと考えておりますので、今、私たちが進めているのは、こういったごみ袋を一括回収させていただいている市町村さんにまずお届けをして、市民の美化活動なんかにまず利用していただくことから、この普及啓発につなげていきたいというふうに思っております。
それから、ごみ袋だけではなくて、実は今回SIPの事業にも昨日採択を受けました。これは、プラスチックの高度リサイクルのことにつながるわけですけれども、市民に分かりやすいやつを片方で進めつつ、他方で、高度な高品位再生プラスチック材の製造プロセスの開発というテーマに今回参画させていただきますので、こういったことも同時に合わせて進めていくことが、資源循環につながるものと考えております。
続きまして、早生樹についてですけれども、私どもの役割は何かと申しますと、この早生樹協議会のメンバーは、富山県、富山市、森林組合、富山環境整備と、この四つの団体が入っているわけですけれども、私どもの役割は、場所の提供、それから将来へのエネルギー化、バイオマス発電所へのエネルギー化ですね。つまり、簡単に言いますと、一番手のかかる、汗をかいて仕事をすることが私どもの役割となっております。
次に、地元の住民の雇用はどれくらいあるかということでしたけれども、まず、基本的に、うちの職員は富山県内がほぼ100%でして、地元富山市がそのうちの50%、さらに、富山市も結構広いので、その中のいわゆる地元と呼ばれるものは、そのうちの50%が地元となっております。
それから、住民からの働きかけは何かあるかということですが、今まで、ここで35年余り廃棄物処理、リサイクルをやっていますけれども、廃棄物とか公害とか、そういったところの問題はなくて、この説明にもしましたように、農業への協力でありますとか、あるいは子どもたち、学校へのそういった環境教育面的なことをどんどんやってほしいということになっています。これはスライド8に書いております。
次に、ハウス栽培のエネルギー利用はどれぐらいカバーしているのかということでありますが、現在28棟ハウスがあるんですけれども、そこで使っている使用電力というのは、2,800kWぐらい使っているんですけれども、ちなみに、先ほど説明いたしました廃棄物発電のところでは、私ども、5,200kW発電をいたしております。ですので、これを場内利用して使用しておりますので、完全にハウスのほうはそちらで賄えるということになっております。
以上であります。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。的確にご回答いただけたかと思います。どうもありがとうございます。
それでは、質疑応答はここまでにさせていただければと思います。長時間のご説明、そして、その質疑応答にご対応いただきまして、どうもありがとうございました。各団体の方々に深く感謝申し上げます。
それでは、後半の議論に入りますので、各団体の方々は、ここでのご退室をお願いできれば幸いでございます。
(各団体 退室)
○酒井部会長 それでは、次に、議題の2番目でございます。この基本計画の見直しにつきましてのディスカッションに入りたいと思います。
それでは、指針(案)の準備を今回事務局でいただきましたので、資料2について説明をお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。循環型社会推進室長の近藤でございます。資料のほう、簡単にご説明申し上げます。
2ページ目に入っていただきまして、まず冒頭の部分でありますが、今回の第五次循環基本計画は、環境基本計画との並行した審議、策定となっておりますので、冒頭の3行目になりますけども、第六次環境基本計画とも整合を取りながら進めていくと記載させていただいております。それでは、内容のほうに入っていきます。
まず、1.のキーワードは、循環経済の移行による持続可能な地域と社会づくりということになっています。
循環型社会のドライビングフォースとも言える循環経済というものについては、従来の3Rの取組に加えまして、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動ということで位置づけておりますが、この定義につきましては、ISOの専門委員会等、国際的な場でも議論されていますので、それを見つつ、また深めていきたいと思っております。
二つ目の丸ですけども、循環経済の取組自体、国際的な資源確保の強化の動き、あるいは人権・環境デューデリジェンスのルール形成も含めた国際情勢等も踏まえながら、資源確保や資源制約への対応、国際競争力の強化、それから経済安全保障にも通じるところがありますので、こういうものを見据えながら進めていきたいと思っております。全体としては、バリューチェーン全体における資源効率性あるいは循環性の向上、コストの低減の視点でも、効果的な循環経済アプローチを進めていきたいと思っております。
また、循環経済への移行につきましては、カーボンニュートラル、あるいは自然資本への負荷軽減等を通じたネイチャーポジティブへの貢献といったものもありますので、最大限トレードオフを回避しつつ、相乗効果が出るように進めていきたいと思っております。
四つ目の丸になりますけれども、中ほど、例えばということで、廃棄物分野からの直接的なCO2排出量は3%にとどまりますけれども、全体としては36%の貢献ができるという試算もありますので、こういうものを見据えながら、政策パッケージを進めていきたいと思っております。
また、ネイチャーポジティブにつきましては、資源の効率的な使用、長期的な利用、循環利用といったことを通しまして、資源の採取時の環境ストレスを低減するといったことで、ネイチャーポジティブとの統合的な施策を進めていきたいと思っております。
最後に、こういうような取組を通じまして、地域課題の解決や地場産業の振興といったことも意識をしていきたいと思っております。
1.は以上でございます。
続きまして、2.でありますが、キーワードは動静脈連携ということでございます。
最初の丸で、資源確保の段階、生産、流通、使用、廃棄、それぞれの段階におきまして最適化を進め、動静脈連携を進めていくことが重要と考えております。特に、例えばとして示しておりますが、重要鉱物のサプライチェーンの強靭化ということを見据えて、金属資源の循環の強化といったことも進めていきたいと思っております。
その次の丸でございますが、、動脈側につきましては、環境配慮設計の推進、持続可能な調達、リデュース、リユース、バイオマス化・再生材の利用、自主回収等の取組はありますし、シェアリング、サブスクリプション、リペア・メンテナンス、あるいはリコマースといったような、様々な長期利用の取組もありますので、こういうものも記載をしていきたいと思っております。
静脈側につきましては、そのような動脈側の取組を受けまして、脱炭素型の資源循環システム構築のための連携を強化する施策を打ち出していきたいと思っております。
また、分別・収集・利用の分野においては、消費者の方々、住民の方々の意識変革、あるいは行動変容につなげるための施策というものも示していきたいと思っております。
続いて、循環経済工程表での今後の方向性を基にしまして、素材・製品別の取組も示したいと思っております。素材につきましては、プラスチック、廃油、バイオマス、金属、土石・建設材料等、製品につきましては、既に個別のリサイクル法がありますけれども、建築物、自動車、小電・家電といったものに加えまして、温暖化対策等で新たに普及した太陽光発電設備やリチウムイオン電池等、あるいは最近話題になっておりますファッション、繊維分野での取組といったことも記載をしたいと思っております。
こういうものも踏まえました足元50兆円と言われるところ、2030年までに80兆円ということに向けて、GXへの投資等を活用した投資をしていきたいと思っております。
また、この際、資源循環の情報、あるいはそれに向けた基盤整備、あるいはポリシーミックスということで、拡大生産者責任の適用、自主的な行動の促進、経済的インセンティブの活用、情報、あるいはパートナーシップの促進といったものを活用していきたいと思っております。
2.は以上でございます。
3.でございますが、キーワードは地方創生でございます。
これは、政府全体の施策の中で地方創生という大きな流れはありますけれども、特に地域ごとの循環ということで、都市も含めまして、各地域での循環ということを促進していくということを意図しております。
まず(1)番、地域の循環システムづくりということで、循環資源を、各地域、各資源に応じた最適な規模で循環させていくことで、活気あるまちづくりを進めていきたいと思っております。
一つ飛ばしまして、具体的な取組ということで、食品ロスの削減、リユース、有機廃棄物や未利用資源等のバイオマス資源の肥料やエネルギーとしての利用でございます。またプラスチック、金属資源の循環、食品の廃棄物、あるいは使用済み紙おむつのリサイクルといった分野を、各地域の産業として確立させることで、地域コミュニティの再生、雇用の創出、地場産業の振興、あるいは高齢化していく中でリサイクル、資源循環がうまく進むような対応含めて、地域課題の解決を進めていきたいと思っております。
この分野においては、地域金融機関の役割も非常に大きいと思っておりますし、最後の丸のところで、分散型の資源回収拠点ステーション等の資源循環基盤の構築と、廃棄物処理の広域化・集約化を各地域で実践するための施策が必要になってくると思っております。
5ページに行きまして、適正な処理の推進ということで、不適正処理への対応、アスベスト等有害廃棄物対策、それから、PCB廃棄物についても期限が迫っておりますので、それについても示していきたいと思います。
(3)番としまして、廃棄物により汚染された環境の再生ということで、マイクロプラスチックを含む海洋中のごみ対策。
あと(4)番ということで、東日本大震災からの環境再生。これは、放射性物質に汚染をされました廃棄物の適正処理、除去土壌等の最終処分に向けた減容・再生利用。また、福島県内の地元のニーズを踏まえまして、復興につながるような未来志向での施策を示したいと思っております。
4番でございますが、キーワードは基盤の強靭化ということであります。
最初の丸のところで、トレーサビリティの確保、あるいはデジタル技術やロボティクス等の最新技術の活用。
三つ目の丸のところで、資源循環を担う人材の育成と確保、あるいは様々な場での教育や主体間連携の促進。
最後の丸のところで、ライフスタイルに新しいものをいろいろと採用しています若者の世代に対してどう働きかけていくのか、その取組をどう進めていくのかといったことについても示したいと思っております。
6ページに入りまして、ESG投資が拡大をする中で、事業者には循環経済に関する情報の開示、あるいは投資家との建設的な対話といったものを後押ししていきたいと思います。
(2)番は災害廃棄物処理体制の構築ということで、平時から様々な主体間において、地域レベル、全国レベルで重層的なシステムの強靭化ということを進める必要がございます。特に、災害時にはアスベストや化学物質等、普段出てこないごみが大量に出てまいりますので、こういうものへの対策、あるいは仮置場の事前の確保といったことも含めまして、実効性のある災害廃棄物処理計画の策定・改定といったことを後押ししていきたいと思っております。
5.のキーワードは国際でございます。
最初の(1)でございますが、G7、G20、OECDといったような様々な政策形成の場で国際的な議論をリードしていくということ。
(2)番のところで、ASEAN、OECD等の海外で発生をした重要鉱物資源を含む金属資源、これを国内で循環させるような資源循環体制の構築。あるいは、不法の輸出入対策も合わせて進めるということを示したいと思っております。
(3)番でございますが、我が国の循環産業の国際展開の推進と途上国の循環インフラの整備ということで、現時点では廃棄物処理が中心になっておりますけれども、我が国の制度の構築、あるいは技術の導入、人材育成といったものをパッケージで途上国に展開する後押ししていきたいと思っております。
また、浄化槽等につきましては、非常に特徴のある技術ですので、各国の国情、地域の実情に合わせながら、これの導入促進をしていきたいと思っております。
最後にアジア、アフリカでございますが、我が国が主導する国際的なプラットフォームもございますので、こういうものを活用しながら、廃棄物管理の需要拡大、あるいは我が国の技術の導入促進というところにつなげていければと思っております。
最後、指標の分野でございます。
Evidence Based Policy Making(EBPM)というものが今、流れになっておりますけども、それをベースとする中で、現行計画の指標の数が多いというご指摘を踏まえて、計画全体の政策効果をより分かりやすく把握できる指標数に絞って検討していくということ。あるいは、指標に位置づけていないようなデータ、事例についても進捗を評価していくといったことで、全体としての計画の評価・点検を行う方針を示していきたいと思っております。
以上でございます。
○酒井部会長 はい。どうも近藤室長、ポイントを押さえた説明どうもありがとうございました。この指針(案)、今後の循環基本計画の改定に向けまして、極めて重要な整理のペーパーということになっているかと思います。
それでは、ディスカッションに移りたいと思います。ただいまの事務局の説明に対しまして、ご質問、ご意見のある方は挙手ボタンを押してください。
なお、本日ご欠席の崎田委員からコメントの提出がございました。今から委員のご意見をお聞きした後に、事務局から紹介をお願いしたいというふうに思っております。
それでは、委員からのご質問、ご意見をお願いいたします。
まず、船越委員、お願いいたします。
○船越委員 ありがとうございます。聞こえておりますでしょうか。
○酒井部会長 はい。よく聞こえています。よろしくお願いします。
○船越委員 今回ご提示いただいた指針について、非常に明確に、脱炭素・資源循環施策提示の方針を明確に示していただいているということで、基本的には評価しております。産業界としても、引き続き、実行に向けて最大限ご協力をしていきたいと思っております。
その中で3点、意見になります。
1点目は、これは前回の部会でもちょっと申し上げたことなんですけども、やはりサーキュラー、非常に大事なんですが、経済的に成り立つものと成り立たないものの二つがあるということで、経済的に成り立つものは、これはビジネスとしてやれますので何も心配ないわけですけども、経済的に成り立たないものもしっかりやっていく。すなわち、社会的にコストがかかってもサーキュラーをしっかりやっていくということが非常に大事だというふうに思っております。コストが見えることによって、さらにプロセスイノベーションもあるわけでして、サーキュラーエコノミーの確立には、一部コストをかけてやる必要があるものがあるということを明示していくことが重要ではないかなというふうに思うのが1点。
それと、2点目は、地域の循環システムづくりということで、「地域」という言葉が出てくるわけですけども、よく内容を読みますと、二つの意味で使われているように思います。一つは、いわゆる「コミュニティ」という単位での資源循環の最適化等の議論で、これは、都会だろうが地方だろうが、いわゆる「コミュニティ」という単位の概念であり、もう一つは、都市圏との対比で「地方」という意味で、その活性化や再生という議論で、この二つのものが、やや混在しているように思われます。ここは非常に重要な意味を持つ課題ですので、「コミュニティ」と「地方」といったものを混在しない形での書き分けが必要ではないかと思います。
3点目、地域での資源循環という課題の中で、(4)に東日本大震災からの環境再生ということが書かれております。内容を見ると、オールジャパンでやっていくということが書かれているんですけども、地域での資源循環ということの中でこの項目を書くと、何か福島だけで解決する問題のように見えるような気がしておりまして、かつ、参考資料で送っていただいた平成29年の指針を見ますと、適正処理の更なる推進と環境再生の中に、東日本大震災からの環境再生が出てきますので、できれば地域での資源循環というタイトルではないところで取り上げるということがよいのではないかというふうに思っております。
以上、3点でございます。
○酒井部会長 船越委員、どうもありがとうございました。ちょっと多くの挙手をいただいていますので、すみません、大分、今日は12時半までの予定でございますので、ちょっと要点を押さえたご発言をお願いできれば幸いでございます。
引き続き、関口委員、お願いいたします。
○関口委員 ありがとうございます。私からは、全般的なお話が一つと、項目の2番、3番、5番、6番について、意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、全般につきましては、今回、非常に多岐にわたる内容が網羅されておりますので、現行法の枠の中で進める項目と、新たな法整備を目指すものとを色分けしてお示しいただければ、より多くの方の理解の促進に役立つと思いました。
次に、項目の2番でございます。特に、1番目の丸に「国内における金属資源循環の強化」という記述がございますけれども、私どもが携わっております非鉄金属のマテリアルリサイクルなどは、国内マーケットが小さ過ぎて、国内だけではビジネスが成り立たない規模感でございます。そうしたことから、これまで廃棄されていたもの、あるいは国外に流出していたものを止めるといった対策によって、国内マーケットを拡大していく方向性なのか、または、この後に書かれております国際連携の中で、国内の民間企業等が取り扱う資源量を増やしていくという意味合いを持たせておられるのか、その点をもう少し明確に教えていただきたいと思っております。
また、同じ2番には、循環資源の分別・収集・利用等に関して消費者等の意識改革を図るという記載がございます。いずれにしても、分別・収集にはコストがかかってくるので、そのコスト負担の在り方も含めて、どのような啓蒙活動を進めるのか、最終的には明らかにしておいたほうがよいと考えております。
次に、項目の3番でございます。私の受け取り方ではありますが、特に(2)、(3)については、地域の問題とするには、テーマが大き過ぎるのではないかと思います。適正処理、あるいはマイクロプラスチックの海洋汚染云々は、地域の問題というより、むしろ国の施策としてどう取り組むのかという、大前提に近いことではないかという印象を受けました。環境省さんで取りまとめられる際の方向性によっては、この整理の仕方でよいのかもしれませんが、今の段階では、この二つの点については違和感を覚えました。
続いて、項目の5番の国際連携に関する記述についてでございます。実際に、私どもが東南アジア等で事業を展開し、当該国の政府関係者と面談などをさせていただくと、日本の技術力に対する期待は非常に高いものがございます。ぜひ、政府としても、全面的な育成・支援に取り組んでいただきたいと思います。
最後に、項目の6番に、企業や地域において参考となる指標を示すと書かれてございますが、現時点で具体的なイメージをお持ちであれば、お示しいただきたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございました。
引き続いて、藤森委員、お願いいたします。
○藤森委員 聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 はい、聞こえています。よろしく。
○藤森委員 ありがとうございます。
私は、まず指針内容について、方向性については見解が一致だなというように思っております。ただ、それを、いざ施策ツールということになりますと、全てを同時期に発進させられるのか。関係各主体の理解が得られるのかという部分もあると思われますので、とりわけ次期計画中に具体化させるに当たっては、丁寧な議論と各関係主体の意見を取り入れていただくようお願いをしたいなと思っています。
その上で、4ページ3.に出したような、地域の循環システムによる地域創生の(1)の中の最後の丸にありますように、地域における拠点づくりの推進には、拠点とともにそれを支える人材が必要というように考えております。
さらに、これの関係でいきますと、5ページにあります4.の(1)の三つ目の丸で言及をされております。今は先行地域による取組をサポートする段階でありますけども、その先の面的展開を展望すると、人材確保は急務でありますが、官民で進めるにいたしましても、公的セクターでの確保は特に今、厳しくなっております。そのことも踏まえながら、4.にあります基盤の強靭化の取組を下支えする公的セクターへの投資が促進される、そういうものも必要かなというように考えています。
最後に、6ページの(2)であります。一つ目の丸で、重層的な廃棄物処理システムの強靭化について触れていただいております。自治体においては、廃棄物処理を平時でも何とか遂行できるのが現状でありました。災害時の体制の構築に向けては、今回示されております各レベルでの連携や、そのためのイニシアチブなどについて、これまでの対応の検証、そして今後のシステムづくりに自治体等の意見を十分踏まえていただくよう、このことだけお願いをさせていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうも藤森委員、ありがとうございました。
引き続いて、石山委員、どうぞ。
○石山委員 ありがとうございます。石山です。
動静脈連携の部分は大変大事だと思っており、今般のヒアリングでも、大変重要なポイントを教えていただいたと思っております。従前から申し上げておりますが、動静脈連携の部分のうち、2ページに、静脈部分について強く書かれていると思いますが、動脈部分の環境配慮設計として、解体後に循環しやすい、設計段階から解体しやすい製品を作っていただくという視点も、ぜひ考えていただけるとありがたく思います。よろしくお願いします。
○酒井部会長 石山委員、どうもありがとうございます。
岡村委員、どうぞ。
○岡村委員 どうもご指名ありがとうございます。岡村でございます。
次期循環型社会形成推進基本計画の策定に際して、次の5年間はサーキュラーエコノミーの実現に取り組む重要な時期になると認識しています。その中では、適正処理を前提とした上で、動静脈連携等を進めることを通じ、廃棄物の循環処理を効率的に、しかも経済合理性の高い形で行っていくことが非常に大事だと思っております。
さらに、カーボンニュートラルという視点が今般加わってきております。以前から申し上げております通り、資源循環と脱炭素がトレードオフになる局面もありますので、その点もきちんと認識しながら、様々な処理メニュー、循環メニューを適正に活用していくことが非常に大事なのではないかと考えております。
その観点から、本日の富山環境さんの資料10ページに示されたモデルは非常によいと思いました。高度な選別技術から廃棄物焼却発電、さらには最終処分まで、様々なメニューを取りそろえて、外部、異業種と適切に連携しながら進めておられる。だからこそ、うまくいくということがあるのだと思います。
一方で、高度選別など難しい技術の適用にはコストもかかってまいりますので、いかに解決するかを検討することも非常に重要だと思っております。その点、本日、豊田通商さんが質疑の中でおっしゃっておられた、許認可の簡便化や廃棄物処理の広域化、また、経済合理性を確保していくことが非常に重要である中で、政策的なインセンティブの必要性などについては、非常に共感するところがございます。
先ほど船越委員も、経済合理性のことをご指摘になられたと思います。今後、資源循環と脱炭素をしっかりと進めていくため、産業界の意見も踏まえながら、ビジネスの持続可能性、経済合理性をいかに担保していくかということにもぜひ配慮して、進めていただくことをお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。
引き続いて、大久保委員、お願いします。
○大久保委員 ありがとうございます。
事前にコメントしたことを除きまして、幾つかコメントさせていただきたいと思います。一つは有害物質対策ですけれども、有害物質対策については、有害廃棄物対策ということで1か所出てきて、あとは化学物質管理という用語で1か所出てくるだけです。やはり循環を進めていく上での有害物質対策をしっかり行っていくという視点が、それぞれの段階で、もう少し強調されたほうがいいのではないかと。生物多様性、カーボンニュートラル以外に、公害対策との連携・統合という観点でも必要かと思います。それが1点です。
それから、2点目は、この中に、事業者とのパートナーシップとか、あるいは事業者相互の対話という言葉は出てくるのですけれども、NPOとかNGOとか市民社会の位置づけが全くそれ固有としては出てこなくて、様々な主体の連携という形でしか出てきていないのですが、やはりプラスチック対策、あるいは食品ロス対策も含めまして、NPO、NGOの役割というのも大変重要だと思いますので、そことの対話、パートナーシップというものがきちんと明記されたほうがよいのではないかと。若者等の話も出てくるのですが、それの中でも、対話、パートナーシップといった用語を加えたほうがいいのではないかというのが2点目です。
それから、3点目は、ちょっと細かい話なのです。3ページの10行目に、厳しい国際情勢という文言が出てくるのですけれども、これは何を言っているのかよく分からなくて、これを削っても、その後のところで分かるので、これは削ったほうがいいということと、その下の動脈側の話はかなり詳しいんですが、静脈側については、消費者等の部分は施策がかなり抽象的になっていますので、ここはバランスを取って、この3.4.の丸も充実させたほうがいいのではないかという、以上でございます。
○酒井部会長 大久保委員、ありがとうございました。具体的な指摘を含めて、どうも感謝申し上げます。
引き続いて、小屋委員、お願いいたします。
○小屋委員 ご説明ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 聞こえています。よろしくお願いします。
○小屋委員 ご説明ありがとうございます。まずは全体を通して申し上げます。
今後、具体的な施策について議論するに当たり、冒頭にもあるとおり、現在議論が進められている次期環境基本計画などの国全体の計画でも前提として掲げられている環境・経済・社会の三つの統合的向上に資する内容となるよう検討を進めていただきたいと思います。
加えて、中小企業の立場から2点申し上げます。中小企業においは、循環型社会の形成に向けて、人手不足など様々な制約により、取組を十分に進められていない厳しい状況です。
消費者の意識変革、行動変容の促進とともに、事業者が資源循環の取組をリスクではなくチャンスとして捉え、取り組めるよう、ぜひとも後押しとなる施策の検討をお願いします。
また、6.の指標について、企業や地域においても参考となる指標を示すとされているところ、地域や業種、規模による取組が異なることをご配慮いただき、多くの主体が参照できる指標を設定いただくようお願いします。
以上です。
○酒井部会長 小屋委員、どうもありがとうございました。
では、次、諏訪委員、お願いいたします。
○諏訪委員 ありがとうございます。
私からは、指針(案)の4の(2)災害廃棄物処理体制の構築について申し上げたいと思います。
小規模自治体におきまして、職員の数も少ない、それから、その上に、一人の担当者が複数の業務を抱えて災害対応に当たっているというのが現実でございます。今回の指針では、国があらゆる関係者と連携の上、廃棄物処理の施策を示すとありますので、自治体の負担が軽減されるんじゃないかということで、ご期待を申し上げているところでございます。
地域ブロックレベルの対応といたしまして、これまでも、隣接県等からの人的支援の面では体制構築等を進めていただいているところでございますが、廃棄物処理施設についても同様に、処理能力を補完、支援する体制を検討・構築する必要があると考えております。
とりわけ焼却施設につきましては、個別施設の処理能力に十分な余力がないという中で、大規模な災害時の対応が困難になることも想定がされております。
他方、大規模な災害に備えて、個別の施設に過大な処理能力を持たせることは現実的ではございませんので、国におきましては、地域ブロックレベル、あるいは全国レベルで処理能力を把握し、国が主導して自治体の処理施設に災害時を想定した処理能力に余力を持たせる、そのための財政支援をするとか、広域的なストックヤードを確保するとか、広域的に処理施設が利用できるよう、総合的調整を主導的に担っていただくことを期待するところでございます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。2点ほど、よろしくお願いします。
1点目は、文章の中で循環共生型社会という言葉が2か所出てくるかと思うんですけども、これまで上位計画の環境基本計画の地域循環共生圏という言葉を使ってきたかと思うんですが、そことの関係、3ページの一番上の辺りが定義に相当するのかもしれないんですけども、そことの関係について少しご説明いただければと思います。
もう一点が、最後のところの、企業や他地域においても参考となる指標を示すというところなんですけども、この計画での指標は、この計画の進捗点検のための指標ということだと基本的には思うんですけども、その中で、企業とか地域でも使えるようなものを示すという趣旨という理解でよろしいかどうかという点、以上2点です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、続いて、大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 恐れ入ります。全体的に、とてもよくまとまってきているとは思いますが、大きい話一つ、小さい話を一つだけ申し上げたいと思いますけども、大きい話としては、今回、前の循環基本計画のときに比べて新しく問題になっていることは、従来型の、従来からのものが続いているものも、もちろんあるんですけど、新しく問題になっているのは、一つはサーキュラーエコノミーが広がってきているという話で、これはEUを起点にしているわけですが、これだけどうしてもやらざるを得なくなってきているのは、先ほど豊田通商さんのスライドの中にもありましたけども、このEUの規則とか指令とかができていて、幾つかの物品についてですけども、それが広がりつつあると。それで、再生材の利用について義務づけをするというところができていて、これは拡大生産者責任なんですけども、これがさらに、人権・環境のデューデリジェンスの話を最初のほうに私が申し上げて、書いていただいていますが、などを通じて、日本の企業のほうにも及んでくることが予想されるという辺りが実は最終的な起爆剤になっているということは、どこかでご認識いただいたほうがいいんじゃないかと思います。これが第一点の大きな違いということだと思います。もちろん、そこにはESGが大きく関係しているわけです。
それから、もう一つの大きな違いは、経済安全保障の観点が、先ほど最初に角倉次長がおっしゃってくださったようにございまして、3ページの、この厳しい国際情勢は多分、環境省さんは具体的に書きにくかったんじゃないかと思いますが、大久保委員からもご発言がございましたが、ちょっと表現に気をつけて、修正とか、あるいはしていただいたほうがいいかもしれませんけど、これは具体的に言うと、今、米中対立が始まって、ガリウムとかを輸出しないとかという話も、制約するという話も中国はし始めていますので、レアメタルとかガリウムとか、これらは中国に天然資源が今、集中しているわけですね。そういうところが鉱物資源等の需給逼迫とかにつながっていくので、2010年に日本がレアメタルの輸出を中国から制限されたことも記憶に新しいところですけども、その種の経済安全保障の話が重要な課題になってきているというところが、今回の大きな違いということではないかと思います。そういうこととの関係で、国際競争力も踏まえて資源の確保のようなことが問題になっており、
それはEUのサーキュラーエコノミーの中にもまさに入っている考え方です。ちょっとWTO中心の今までの発想だけではうまくいかないというようなことが出てきていて、経済安全保障の重視は、必ずしも望ましいことではないという面もあると思いますが、ただ、これは別に日本だけで国際的な在り方を決定対応できるわけではなく、国際情勢が変わってきてしまっている、あるいはWTO自体が弱まっている中で、我が国も実は大きな影響を受けているということだと思います。
そうした中で、4ページのところで拡大生産者責任のことも書いていただいてよかったと思いますが、これは我が国でも循環型社会形成推進基本法に既にあることなので、ちょっともう一度、振り返っていただき、循環基本法には四つの拡大生産者責任の施策が書いてありますので、情報の開示というような、それほど大変ではないようなことも入っていますけども、これはもう一度、見直していくというか、振り返っていく必要があるということではないかと思います。
1点だけ、ちょっと修文というか、お聞きしたいのは、2ページの下のところで、「高齢化等地域課題の解決や」と書いてあって、これは事前にご説明いただいたときに注文させていただいて、4ページのほうは修正されているんですけど、そのときのご説明だと、サーキュラーエコノミーをやって地域循環を共生させていくことによって高齢化問題も解決が図れるというご趣旨だったと思いますが、私がそれを伺ったときは、かなり間接的な影響かなと思って、わざわざ書くほどになるかどうか、よく分からなかったので、すみません、ご説明いただけると大変ありがたいんですけども。そのときのご説明では、私は必ずしも十分説得されなかったので、一言申し上げさせていただきました。
以上です。恐れ入ります。
○酒井部会長 どうも大塚委員、ありがとうございました。
続いて、大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。私もちょっとまだ、どのような整理が一番いいのかというのは、答えはないんですけども、ちょっと感想、意見になりますけども、まず、最初の柱立ての一つ目のタイトルの中に地域という言葉が入っている意味合いが、ちょっと十分理解できなくて、最初の一つ目が多分、今回の指針の中では理念的な大きなところを示している、方向性を示している一番重要なところだというふうに思っていまして、環境・社会・経済、そういうそれぞれの大切な部分を、循環型社会あるいは循環経済という、この社会づくりの中の意味合いとして書き込んでいただいている部分だというふうに思っております。有害物質の問題もここで書き込んでいただいていたり、3Rあるいはリニューアブルの問題も書き込んでいただいているということで、ここの地域というのは、後半のほうでまた地域創生が出てきますので、そちらのほうでシンプルに書いていってもいいかなというふうに思ったのが1点目です。
また、この一つ目の柱立ての中に、今日のヒアリング等をお聞きしていても、循環経済のマーケットにおいて、消費者とか、あるいはビジネスとか、そういったいろんなプレーヤーの方々がいかに共通の価値観を作っていくのかということが大変重要かなと。コストをどのように負担していくかということも含めてですけども、そういったところで、それを国が先導していくというようなところの循環経済における価値観の共通化みたいなところの理念がちょっと見えてきたらいいかな、と思いました。
それから、最後、ちょっと最初の方で出ましたけども、東日本大震災からの環境再生、この部分は、日本にとっての大きなEPOCでもありましたので、何か意味合いが薄れないように、明確に、シンプルに伝わるように、柱立ての工夫等もしてもいいかなというふうに私も思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。
では、村上委員、どうぞ。
○村上委員 ありがとうございます。手短に。
まず一つ目ですが、何回か申し上げていることですが、やはり循環経済という言葉の定義がまだ少し曖昧なのかなと思っていて、一つ目の、2ページ目のところの塊の中でも、例えば循環経済の取組と言ったり、循環経済の移行と言ったり、循環経済アプローチと言ったりしていて、これは全く同じ言葉にひもづいて出てきている事項というか組合せになっているのかどうか、ちょっとまだ少し自信がないので、この辺の整理はもう少しきれいになるといいかなというふうに思いましたというのが一つ目です。
あと、何人かの委員からもありましたけれども、経済安全保障的な話が今回強く出ていること自体は広く理解できるのですが、ある種、国策としての経済安全保障みたいなものが目指す絵姿と、世界全体として持続可能な資源の使い方みたいな話が必ず整合的であるという保証はないはずなので、その辺り、矛盾が出ないようにしていただくといいのかなと。特に、後ろのほうにある国際資源循環の絡みの辺りの部分で、日本の事情としての進めたいことと、例えばですが、どこからか高品位な循環資源を持ってくるみたいな話をしたときに、輸出している側の国にとってそれが本当に正しいかどうかみたいなところは難しいところもあると思うので、気をつけて書くべきだろうなと思います。
あともう一つ、ちょっと小さいところになってしまいますが、3ページ目でしたかね。消費者や住民の前向きで云々の意識変革や行動変容につながるための施策とお書きいただいているのはひどく重要だと思う一方で、こちらから促さなくても、若い人たちを中心に、そもそも変わっている世代が出てきているところでもあるので、まず、そもそも起きている変革を捉えてから、その上で何かをするんだと思うので、そこを見逃さないようなことが大事だというようなところも踏まえていただくとよろしいかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○酒井部会長 村上委員、ありがとうございました。
では、最後に粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。最後に申し訳ありません。
私からは手短に1点、先ほど、最後、村上委員からもご指摘のあった、循環資源の分別・収集・利用等に関してのところなんですけれども、私が思うには、先ほど村上委員がおっしゃった、既に変化が起きている若い世代というところを踏まえるということが一つということと、逆に言うと、前向きで主体的な意識がない方々にも、自動的に分別行動に持っていっていただけるような仕組みの転換ということが必要だろうということを考えております。
それに当たって、消費者とか住民というミクロの単位だけではなくて、ビジネスでの循環資源の物流をどのように適正化していくかというような視点も必要ではないかなというふうに思います。前回のところでも、国土交通省さんのほうからリサイクルポートというお話もありましたけれども、それだけではなくて、どういった形で、最も循環資源が少しでも経済合理性の高い形で国内で流通していくのかといったところの、どういう仕組みをつくっていくかという視点が大事ではないかというふうに思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、これで一通り、手の挙がった委員からのご意見をいただきました。
この段階で、欠席の崎田委員からのコメント提出がございますので、ここでご紹介をまずいただけますでしょうか。
○循環型社会推進室長 近藤でございます。ご紹介申し上げます。
資料のほうは出ますでしょうか。まず、口頭で申し上げます。
崎田先生からいただいた意見は全部で4点ございます。
まず、1点目でございますけれども、気候変動対策や資源制約の対応など世界的な課題の顕在化に対応して、変化する時代の新たな循環基本計画を策定するという意欲が感じられる指針案となっており、六つの大項目に分けた設定に賛同する。特に脱炭素・循環型・自然共生社会の実現に向けた持続可能な社会づくりは、環境基本計画の見直し方針とも合致している。
なお、今後内容を深めた後、その実現に向けた道筋を検討する際、事業者と行政、市民・消費者の率先行動と連携が重要となり、その実現に向けた具体的施策の提示など記載することを望みますというのが1点目でございます。
2点目でございますけども、循環経済の実現に向けた静脈と動脈の連携による資源のライフサイクル全体での循環は、重要な具体策となる。特に静脈産業のトレーサビリティや再生資源とメーカーをつなぐ情報連携、環境配慮設計による製品情報の消費者への適切な発信など、各主体の行動変容に向けた情報連携は重要であり、電子マニフェスト情報の見直しや、消費者や住民に向けた製品情報の表示など含め、多様な視点での検討が必要と考える。これが2点目でございます。
3点目、食品ロス削減は食料問題だけでなく、気候変動対策としても重要性が高まっている。国連機関のデータでは、世界のCO2排出量の21から37%は食料問題から、特に食品ロス8%程度を占めているとのこと。食料の約6割を輸入する国として、世界の食料資源、水、肥料、労働力とエネルギーをかけて輸入した大事な資源を、しっかり食べ切るための施策の徹底は重要と考える。これが3点目でございます。
最後ですが、東日本大震災と原子力発電所事故による環境回復、環境再生の重要な時期に入っており、中間貯蔵施設の地域の方の信頼を得た管理の徹底や、除去土壌の減容化、再生利用などに関する社会的な関心や信頼の醸成など、リスクコミュニケーションの重要性が一層高まっている。
また、地域の方々や福島復興に思いを寄せる多くの方々の参画を得て、環境政策らしい浜通りの環境回復の姿を描く道筋づくりを期待すると。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、今日いただきましたご意見、多くは、この指針案の修文に向けて参考にしていただければということの扱いに基本はさせていただくのがいいかなと思っているんですけれども、個別個別へのご回答というよりそういう整理で臨ませていただくのがいいかなと思っていますが、事務局の方のお考え方があればご発言いただきたいことと、若干、質問的なところもありましたので、例えば大塚委員から、高齢化問題の捉え方の書き方で、修正できているところとできていないところがあるんじゃないかみたいなところもありましたので、そのようなところはちょっと事務局のほうからご発言いただければと思います。
先に、ちょっと私のほうから、最後に粟生木委員と、それから若干村上委員も触れられたんですが、若年層の変革の動きというところなんですが、この辺りちょっと具体的に、どういうような具体的な動きなのかというところを、少し説明をしておいていただけませんか。委員間で同床異夢になってもいけませんので、そういった意味での確認をお願いしたいということで、粟生木委員、その後、村上委員、お願いできればと思います。
粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。
若者については、比較的、積極的に、そういう環境に優しいと、企業のグリーンウォッシュの懸念もあるんですけれども、選択しているようになっているというところがあります。
それに加えて、それだけではなくて、私の場合は、意識のない方にも伝わるように、認証とかのシステムということも重要ではないかなというふうには思っております。
以上です。
○酒井部会長 グリーンな製品の選択行動という意味で、若年層の意識が高い。それで、具体的にそういう行動が多く見られるという、分かりました。
村上委員、どうですか。
○村上委員 ありがとうございます。
粟生木委員と同じところ、グリーンに対する選択をしやすいみたいなところが一つと。
あと、途中でシェアリング、サブスクみたいなことをお書きいただいているので、その辺に関してのやはり抵抗感みたいなものが圧倒的に少ない、所有にこだわらないみたいなところもあるのかなというふうに理解をしておりますので、その辺の普及に関連してという趣旨の発言でした。
○酒井部会長 今の話はDX、デジタル機器への、そういう意味では抵抗感が極めて小さい世代というようなことの背景も含めてという、そういう理解でよろしいですね。
○村上委員 はい。私に関してはそれで結構です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それじゃあ、ちょっと事務局にマイクを渡します。いかがでしょうか。
○循環型社会推進室長 環境省の近藤でございます。
それぞれ、簡単にはなりますけどコメントさせていただきます。
まず、船越委員からいただきましたご意見のうち、1点目は受け止めさせていただくとして、「地域」という言葉の意味として、「コミュニティ」と「地方」の書き分けについては検討させていただきます。
また、ほかの委員からも出ましたが、震災部分の適正処理等の柱立ての部分、ご意見を踏まえまして、検討させていただきたいと思います。
それから、関口委員からのご指摘を踏まえて検討させていただく部分が多くありますけれども、柱立ての部分も含めまして検討いたします。
国際起源金属の資源循環の中で、国内と国外はどちらなのかというところにつきましては、両方にやはり目配りが必要だと思いますので、それを踏まえた内容にしていきたいと思います。
それから、藤森委員のご指摘も、人材育成は基盤の整備に加えて必要ということ、あるいは災害についての各レベルでの対応の検証が必要ということで、さらに検討をしていきたいと思います。
それから、岡村委員、非常に経済合理性の部分、ご指摘を強くいただいております。ここのところは、やはり動脈と静脈でいろいろと、今回の愛知県さんのご発表にもありましたが、双方向でお話をしていく、共通言語を作っていくことの中で経済合理性を見いだしていける部分もあると思いますので、そういうことにも目配りをしながら示していきたいと思います。
それから、大久保委員から、化学物質管理への記載のこと、あるいはNPOや市民とのパートナーシップのこと、ここのところの記載が足りないというご指摘、ここも文章化する中で深めていきたいと思います。
それから、厳しい国際情勢の部分、大塚委員からもご指摘がありましたが、ほかの部分と併せて記載をどうするか検討したいと思います。
それから、小屋委員からの指標の部分のご指摘がありましたが、地域で使えるような指標につきましては、今、別のワーキングのほうで検討を深めている最中ですので、今後の部会の中で分かるところから、ご説明申し上げていきたいと思っております。
それから、諏訪委員からの、国の主導による総合的調整への期待ということで、こちらも検討を深めていきたいと思います。
それから、大塚委員から、2ページの一番下のところの高齢化等の部分についてのご説明をという話がございました。この部分、修正もれで、本来、落とすべきと思っておりましたので、その方向で修正をしたいと思っております。基本的には、先ほどご説明申し上げたとおり、高齢化をした中でも資源循環やリサイクルが進む対応ということで考えておりますので、後半のほうの記載でカバーをしていきたいと思っております。
それから、大迫委員からのご指摘も、先ほどの3.の地域、地方という部分の柱立てに関するものを踏まえて検討していきたいと思います。
それから、共通の価値を作っていくということが重要ということにつきましては、先ほど申し上げました動脈と静脈の対応もありますけども、消費者も含めた対応ということも含めて記載をしていきたいと思っております。
それから、村上委員からの、循環経済の用語の使い方のご指摘、これを踏まえて文章化するときに整理をしていきたいと思いますし、国際資源循環と相手国からの見え方等々についても配慮した記載をしていきたいと思います。
それから、若者のところにつきましては、酒井先生から整理をいただいたような形での、ご指摘様々ありますので、特に若い世代の動きを捉えて、それに乗っかってどのようにしていくのかということも含めて、施策の中で整理をしていきたいと思います。
簡単にはなりますが、以上でございます。
○酒井部会長 それでは、ただいまの質問への再質問というのは、ちょっと時間の関係で今日は飛ばさせていただきたいと思います。
今お答えいただいた以外のところでも、地域循環共生圏と共生型社会という新たな言葉の部分とかの整理といったようなところもございましたので、今後の検討の参考にさせていただくということで、今日のところはまとめさせていただければというふうに思います。
それでは、ちょうど12時半きっかりでございますので、本日の議事は以上ということにさせていただきまして、進行を事務局にお返しします。
○循環型社会推進室長 酒井部会長、ありがとうございました。
次回の部会につきましては、8月31日木曜日10時からの開催を予定しておりますけれども、詳細につきましては、事務局から委員の皆様に改めてお知らせ申し上げます。
以上で、本日の部会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
それでは、指針(案)の準備を今回事務局でいただきましたので、資料2について説明をお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。循環型社会推進室長の近藤でございます。資料のほう、簡単にご説明申し上げます。
2ページ目に入っていただきまして、まず冒頭の部分でありますが、今回の第五次循環基本計画は、環境基本計画との並行した審議、策定となっておりますので、冒頭の3行目になりますけども、第六次環境基本計画とも整合を取りながら進めていくと記載させていただいております。それでは、内容のほうに入っていきます。
まず、1.のキーワードは、循環経済の移行による持続可能な地域と社会づくりということになっています。
循環型社会のドライビングフォースとも言える循環経済というものについては、従来の3Rの取組に加えまして、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動ということで位置づけておりますが、この定義につきましては、ISOの専門委員会等、国際的な場でも議論されていますので、それを見つつ、また深めていきたいと思っております。
二つ目の丸ですけども、循環経済の取組自体、国際的な資源確保の強化の動き、あるいは人権・環境デューデリジェンスのルール形成も含めた国際情勢等も踏まえながら、資源確保や資源制約への対応、国際競争力の強化、それから経済安全保障にも通じるところがありますので、こういうものを見据えながら進めていきたいと思っております。全体としては、バリューチェーン全体における資源効率性あるいは循環性の向上、コストの低減の視点でも、効果的な循環経済アプローチを進めていきたいと思っております。
また、循環経済への移行につきましては、カーボンニュートラル、あるいは自然資本への負荷軽減等を通じたネイチャーポジティブへの貢献といったものもありますので、最大限トレードオフを回避しつつ、相乗効果が出るように進めていきたいと思っております。
四つ目の丸になりますけれども、中ほど、例えばということで、廃棄物分野からの直接的なCO2排出量は3%にとどまりますけれども、全体としては36%の貢献ができるという試算もありますので、こういうものを見据えながら、政策パッケージを進めていきたいと思っております。
また、ネイチャーポジティブにつきましては、資源の効率的な使用、長期的な利用、循環利用といったことを通しまして、資源の採取時の環境ストレスを低減するといったことで、ネイチャーポジティブとの統合的な施策を進めていきたいと思っております。
最後に、こういうような取組を通じまして、地域課題の解決や地場産業の振興といったことも意識をしていきたいと思っております。
1.は以上でございます。
続きまして、2.でありますが、キーワードは動静脈連携ということでございます。
最初の丸で、資源確保の段階、生産、流通、使用、廃棄、それぞれの段階におきまして最適化を進め、動静脈連携を進めていくことが重要と考えております。特に、例えばとして示しておりますが、重要鉱物のサプライチェーンの強靭化ということを見据えて、金属資源の循環の強化といったことも進めていきたいと思っております。
その次の丸でございますが、、動脈側につきましては、環境配慮設計の推進、持続可能な調達、リデュース、リユース、バイオマス化・再生材の利用、自主回収等の取組はありますし、シェアリング、サブスクリプション、リペア・メンテナンス、あるいはリコマースといったような、様々な長期利用の取組もありますので、こういうものも記載をしていきたいと思っております。
静脈側につきましては、そのような動脈側の取組を受けまして、脱炭素型の資源循環システム構築のための連携を強化する施策を打ち出していきたいと思っております。
また、分別・収集・利用の分野においては、消費者の方々、住民の方々の意識変革、あるいは行動変容につなげるための施策というものも示していきたいと思っております。
続いて、循環経済工程表での今後の方向性を基にしまして、素材・製品別の取組も示したいと思っております。素材につきましては、プラスチック、廃油、バイオマス、金属、土石・建設材料等、製品につきましては、既に個別のリサイクル法がありますけれども、建築物、自動車、小電・家電といったものに加えまして、温暖化対策等で新たに普及した太陽光発電設備やリチウムイオン電池等、あるいは最近話題になっておりますファッション、繊維分野での取組といったことも記載をしたいと思っております。
こういうものも踏まえました足元50兆円と言われるところ、2030年までに80兆円ということに向けて、GXへの投資等を活用した投資をしていきたいと思っております。
また、この際、資源循環の情報、あるいはそれに向けた基盤整備、あるいはポリシーミックスということで、拡大生産者責任の適用、自主的な行動の促進、経済的インセンティブの活用、情報、あるいはパートナーシップの促進といったものを活用していきたいと思っております。
2.は以上でございます。
3.でございますが、キーワードは地方創生でございます。
これは、政府全体の施策の中で地方創生という大きな流れはありますけれども、特に地域ごとの循環ということで、都市も含めまして、各地域での循環ということを促進していくということを意図しております。
まず(1)番、地域の循環システムづくりということで、循環資源を、各地域、各資源に応じた最適な規模で循環させていくことで、活気あるまちづくりを進めていきたいと思っております。
一つ飛ばしまして、具体的な取組ということで、食品ロスの削減、リユース、有機廃棄物や未利用資源等のバイオマス資源の肥料やエネルギーとしての利用でございます。またプラスチック、金属資源の循環、食品の廃棄物、あるいは使用済み紙おむつのリサイクルといった分野を、各地域の産業として確立させることで、地域コミュニティの再生、雇用の創出、地場産業の振興、あるいは高齢化していく中でリサイクル、資源循環がうまく進むような対応含めて、地域課題の解決を進めていきたいと思っております。
この分野においては、地域金融機関の役割も非常に大きいと思っておりますし、最後の丸のところで、分散型の資源回収拠点ステーション等の資源循環基盤の構築と、廃棄物処理の広域化・集約化を各地域で実践するための施策が必要になってくると思っております。
5ページに行きまして、適正な処理の推進ということで、不適正処理への対応、アスベスト等有害廃棄物対策、それから、PCB廃棄物についても期限が迫っておりますので、それについても示していきたいと思います。
(3)番としまして、廃棄物により汚染された環境の再生ということで、マイクロプラスチックを含む海洋中のごみ対策。
あと(4)番ということで、東日本大震災からの環境再生。これは、放射性物質に汚染をされました廃棄物の適正処理、除去土壌等の最終処分に向けた減容・再生利用。また、福島県内の地元のニーズを踏まえまして、復興につながるような未来志向での施策を示したいと思っております。
4番でございますが、キーワードは基盤の強靭化ということであります。
最初の丸のところで、トレーサビリティの確保、あるいはデジタル技術やロボティクス等の最新技術の活用。
三つ目の丸のところで、資源循環を担う人材の育成と確保、あるいは様々な場での教育や主体間連携の促進。
最後の丸のところで、ライフスタイルに新しいものをいろいろと採用しています若者の世代に対してどう働きかけていくのか、その取組をどう進めていくのかといったことについても示したいと思っております。
6ページに入りまして、ESG投資が拡大をする中で、事業者には循環経済に関する情報の開示、あるいは投資家との建設的な対話といったものを後押ししていきたいと思います。
(2)番は災害廃棄物処理体制の構築ということで、平時から様々な主体間において、地域レベル、全国レベルで重層的なシステムの強靭化ということを進める必要がございます。特に、災害時にはアスベストや化学物質等、普段出てこないごみが大量に出てまいりますので、こういうものへの対策、あるいは仮置場の事前の確保といったことも含めまして、実効性のある災害廃棄物処理計画の策定・改定といったことを後押ししていきたいと思っております。
5.のキーワードは国際でございます。
最初の(1)でございますが、G7、G20、OECDといったような様々な政策形成の場で国際的な議論をリードしていくということ。
(2)番のところで、ASEAN、OECD等の海外で発生をした重要鉱物資源を含む金属資源、これを国内で循環させるような資源循環体制の構築。あるいは、不法の輸出入対策も合わせて進めるということを示したいと思っております。
(3)番でございますが、我が国の循環産業の国際展開の推進と途上国の循環インフラの整備ということで、現時点では廃棄物処理が中心になっておりますけれども、我が国の制度の構築、あるいは技術の導入、人材育成といったものをパッケージで途上国に展開する後押ししていきたいと思っております。
また、浄化槽等につきましては、非常に特徴のある技術ですので、各国の国情、地域の実情に合わせながら、これの導入促進をしていきたいと思っております。
最後にアジア、アフリカでございますが、我が国が主導する国際的なプラットフォームもございますので、こういうものを活用しながら、廃棄物管理の需要拡大、あるいは我が国の技術の導入促進というところにつなげていければと思っております。
最後、指標の分野でございます。
Evidence Based Policy Making(EBPM)というものが今、流れになっておりますけども、それをベースとする中で、現行計画の指標の数が多いというご指摘を踏まえて、計画全体の政策効果をより分かりやすく把握できる指標数に絞って検討していくということ。あるいは、指標に位置づけていないようなデータ、事例についても進捗を評価していくといったことで、全体としての計画の評価・点検を行う方針を示していきたいと思っております。
以上でございます。
○酒井部会長 はい。どうも近藤室長、ポイントを押さえた説明どうもありがとうございました。この指針(案)、今後の循環基本計画の改定に向けまして、極めて重要な整理のペーパーということになっているかと思います。
それでは、ディスカッションに移りたいと思います。ただいまの事務局の説明に対しまして、ご質問、ご意見のある方は挙手ボタンを押してください。
なお、本日ご欠席の崎田委員からコメントの提出がございました。今から委員のご意見をお聞きした後に、事務局から紹介をお願いしたいというふうに思っております。
それでは、委員からのご質問、ご意見をお願いいたします。
まず、船越委員、お願いいたします。
○船越委員 ありがとうございます。聞こえておりますでしょうか。
○酒井部会長 はい。よく聞こえています。よろしくお願いします。
○船越委員 今回ご提示いただいた指針について、非常に明確に、脱炭素・資源循環施策提示の方針を明確に示していただいているということで、基本的には評価しております。産業界としても、引き続き、実行に向けて最大限ご協力をしていきたいと思っております。
その中で3点、意見になります。
1点目は、これは前回の部会でもちょっと申し上げたことなんですけども、やはりサーキュラー、非常に大事なんですが、経済的に成り立つものと成り立たないものの二つがあるということで、経済的に成り立つものは、これはビジネスとしてやれますので何も心配ないわけですけども、経済的に成り立たないものもしっかりやっていく。すなわち、社会的にコストがかかってもサーキュラーをしっかりやっていくということが非常に大事だというふうに思っております。コストが見えることによって、さらにプロセスイノベーションもあるわけでして、サーキュラーエコノミーの確立には、一部コストをかけてやる必要があるものがあるということを明示していくことが重要ではないかなというふうに思うのが1点。
それと、2点目は、地域の循環システムづくりということで、「地域」という言葉が出てくるわけですけども、よく内容を読みますと、二つの意味で使われているように思います。一つは、いわゆる「コミュニティ」という単位での資源循環の最適化等の議論で、これは、都会だろうが地方だろうが、いわゆる「コミュニティ」という単位の概念であり、もう一つは、都市圏との対比で「地方」という意味で、その活性化や再生という議論で、この二つのものが、やや混在しているように思われます。ここは非常に重要な意味を持つ課題ですので、「コミュニティ」と「地方」といったものを混在しない形での書き分けが必要ではないかと思います。
3点目、地域での資源循環という課題の中で、(4)に東日本大震災からの環境再生ということが書かれております。内容を見ると、オールジャパンでやっていくということが書かれているんですけども、地域での資源循環ということの中でこの項目を書くと、何か福島だけで解決する問題のように見えるような気がしておりまして、かつ、参考資料で送っていただいた平成29年の指針を見ますと、適正処理の更なる推進と環境再生の中に、東日本大震災からの環境再生が出てきますので、できれば地域での資源循環というタイトルではないところで取り上げるということがよいのではないかというふうに思っております。
以上、3点でございます。
○酒井部会長 船越委員、どうもありがとうございました。ちょっと多くの挙手をいただいていますので、すみません、大分、今日は12時半までの予定でございますので、ちょっと要点を押さえたご発言をお願いできれば幸いでございます。
引き続き、関口委員、お願いいたします。
○関口委員 ありがとうございます。私からは、全般的なお話が一つと、項目の2番、3番、5番、6番について、意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、全般につきましては、今回、非常に多岐にわたる内容が網羅されておりますので、現行法の枠の中で進める項目と、新たな法整備を目指すものとを色分けしてお示しいただければ、より多くの方の理解の促進に役立つと思いました。
次に、項目の2番でございます。特に、1番目の丸に「国内における金属資源循環の強化」という記述がございますけれども、私どもが携わっております非鉄金属のマテリアルリサイクルなどは、国内マーケットが小さ過ぎて、国内だけではビジネスが成り立たない規模感でございます。そうしたことから、これまで廃棄されていたもの、あるいは国外に流出していたものを止めるといった対策によって、国内マーケットを拡大していく方向性なのか、または、この後に書かれております国際連携の中で、国内の民間企業等が取り扱う資源量を増やしていくという意味合いを持たせておられるのか、その点をもう少し明確に教えていただきたいと思っております。
また、同じ2番には、循環資源の分別・収集・利用等に関して消費者等の意識改革を図るという記載がございます。いずれにしても、分別・収集にはコストがかかってくるので、そのコスト負担の在り方も含めて、どのような啓蒙活動を進めるのか、最終的には明らかにしておいたほうがよいと考えております。
次に、項目の3番でございます。私の受け取り方ではありますが、特に(2)、(3)については、地域の問題とするには、テーマが大き過ぎるのではないかと思います。適正処理、あるいはマイクロプラスチックの海洋汚染云々は、地域の問題というより、むしろ国の施策としてどう取り組むのかという、大前提に近いことではないかという印象を受けました。環境省さんで取りまとめられる際の方向性によっては、この整理の仕方でよいのかもしれませんが、今の段階では、この二つの点については違和感を覚えました。
続いて、項目の5番の国際連携に関する記述についてでございます。実際に、私どもが東南アジア等で事業を展開し、当該国の政府関係者と面談などをさせていただくと、日本の技術力に対する期待は非常に高いものがございます。ぜひ、政府としても、全面的な育成・支援に取り組んでいただきたいと思います。
最後に、項目の6番に、企業や地域において参考となる指標を示すと書かれてございますが、現時点で具体的なイメージをお持ちであれば、お示しいただきたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございました。
引き続いて、藤森委員、お願いいたします。
○藤森委員 聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 はい、聞こえています。よろしく。
○藤森委員 ありがとうございます。
私は、まず指針内容について、方向性については見解が一致だなというように思っております。ただ、それを、いざ施策ツールということになりますと、全てを同時期に発進させられるのか。関係各主体の理解が得られるのかという部分もあると思われますので、とりわけ次期計画中に具体化させるに当たっては、丁寧な議論と各関係主体の意見を取り入れていただくようお願いをしたいなと思っています。
その上で、4ページ3.に出したような、地域の循環システムによる地域創生の(1)の中の最後の丸にありますように、地域における拠点づくりの推進には、拠点とともにそれを支える人材が必要というように考えております。
さらに、これの関係でいきますと、5ページにあります4.の(1)の三つ目の丸で言及をされております。今は先行地域による取組をサポートする段階でありますけども、その先の面的展開を展望すると、人材確保は急務でありますが、官民で進めるにいたしましても、公的セクターでの確保は特に今、厳しくなっております。そのことも踏まえながら、4.にあります基盤の強靭化の取組を下支えする公的セクターへの投資が促進される、そういうものも必要かなというように考えています。
最後に、6ページの(2)であります。一つ目の丸で、重層的な廃棄物処理システムの強靭化について触れていただいております。自治体においては、廃棄物処理を平時でも何とか遂行できるのが現状でありました。災害時の体制の構築に向けては、今回示されております各レベルでの連携や、そのためのイニシアチブなどについて、これまでの対応の検証、そして今後のシステムづくりに自治体等の意見を十分踏まえていただくよう、このことだけお願いをさせていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうも藤森委員、ありがとうございました。
引き続いて、石山委員、どうぞ。
○石山委員 ありがとうございます。石山です。
動静脈連携の部分は大変大事だと思っており、今般のヒアリングでも、大変重要なポイントを教えていただいたと思っております。従前から申し上げておりますが、動静脈連携の部分のうち、2ページに、静脈部分について強く書かれていると思いますが、動脈部分の環境配慮設計として、解体後に循環しやすい、設計段階から解体しやすい製品を作っていただくという視点も、ぜひ考えていただけるとありがたく思います。よろしくお願いします。
○酒井部会長 石山委員、どうもありがとうございます。
岡村委員、どうぞ。
○岡村委員 どうもご指名ありがとうございます。岡村でございます。
次期循環型社会形成推進基本計画の策定に際して、次の5年間はサーキュラーエコノミーの実現に取り組む重要な時期になると認識しています。その中では、適正処理を前提とした上で、動静脈連携等を進めることを通じ、廃棄物の循環処理を効率的に、しかも経済合理性の高い形で行っていくことが非常に大事だと思っております。
さらに、カーボンニュートラルという視点が今般加わってきております。以前から申し上げております通り、資源循環と脱炭素がトレードオフになる局面もありますので、その点もきちんと認識しながら、様々な処理メニュー、循環メニューを適正に活用していくことが非常に大事なのではないかと考えております。
その観点から、本日の富山環境さんの資料10ページに示されたモデルは非常によいと思いました。高度な選別技術から廃棄物焼却発電、さらには最終処分まで、様々なメニューを取りそろえて、外部、異業種と適切に連携しながら進めておられる。だからこそ、うまくいくということがあるのだと思います。
一方で、高度選別など難しい技術の適用にはコストもかかってまいりますので、いかに解決するかを検討することも非常に重要だと思っております。その点、本日、豊田通商さんが質疑の中でおっしゃっておられた、許認可の簡便化や廃棄物処理の広域化、また、経済合理性を確保していくことが非常に重要である中で、政策的なインセンティブの必要性などについては、非常に共感するところがございます。
先ほど船越委員も、経済合理性のことをご指摘になられたと思います。今後、資源循環と脱炭素をしっかりと進めていくため、産業界の意見も踏まえながら、ビジネスの持続可能性、経済合理性をいかに担保していくかということにもぜひ配慮して、進めていただくことをお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。
引き続いて、大久保委員、お願いします。
○大久保委員 ありがとうございます。
事前にコメントしたことを除きまして、幾つかコメントさせていただきたいと思います。一つは有害物質対策ですけれども、有害物質対策については、有害廃棄物対策ということで1か所出てきて、あとは化学物質管理という用語で1か所出てくるだけです。やはり循環を進めていく上での有害物質対策をしっかり行っていくという視点が、それぞれの段階で、もう少し強調されたほうがいいのではないかと。生物多様性、カーボンニュートラル以外に、公害対策との連携・統合という観点でも必要かと思います。それが1点です。
それから、2点目は、この中に、事業者とのパートナーシップとか、あるいは事業者相互の対話という言葉は出てくるのですけれども、NPOとかNGOとか市民社会の位置づけが全くそれ固有としては出てこなくて、様々な主体の連携という形でしか出てきていないのですが、やはりプラスチック対策、あるいは食品ロス対策も含めまして、NPO、NGOの役割というのも大変重要だと思いますので、そことの対話、パートナーシップというものがきちんと明記されたほうがよいのではないかと。若者等の話も出てくるのですが、それの中でも、対話、パートナーシップといった用語を加えたほうがいいのではないかというのが2点目です。
それから、3点目は、ちょっと細かい話なのです。3ページの10行目に、厳しい国際情勢という文言が出てくるのですけれども、これは何を言っているのかよく分からなくて、これを削っても、その後のところで分かるので、これは削ったほうがいいということと、その下の動脈側の話はかなり詳しいんですが、静脈側については、消費者等の部分は施策がかなり抽象的になっていますので、ここはバランスを取って、この3.4.の丸も充実させたほうがいいのではないかという、以上でございます。
○酒井部会長 大久保委員、ありがとうございました。具体的な指摘を含めて、どうも感謝申し上げます。
引き続いて、小屋委員、お願いいたします。
○小屋委員 ご説明ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 聞こえています。よろしくお願いします。
○小屋委員 ご説明ありがとうございます。まずは全体を通して申し上げます。
今後、具体的な施策について議論するに当たり、冒頭にもあるとおり、現在議論が進められている次期環境基本計画などの国全体の計画でも前提として掲げられている環境・経済・社会の三つの統合的向上に資する内容となるよう検討を進めていただきたいと思います。
加えて、中小企業の立場から2点申し上げます。中小企業においは、循環型社会の形成に向けて、人手不足など様々な制約により、取組を十分に進められていない厳しい状況です。
消費者の意識変革、行動変容の促進とともに、事業者が資源循環の取組をリスクではなくチャンスとして捉え、取り組めるよう、ぜひとも後押しとなる施策の検討をお願いします。
また、6.の指標について、企業や地域においても参考となる指標を示すとされているところ、地域や業種、規模による取組が異なることをご配慮いただき、多くの主体が参照できる指標を設定いただくようお願いします。
以上です。
○酒井部会長 小屋委員、どうもありがとうございました。
では、次、諏訪委員、お願いいたします。
○諏訪委員 ありがとうございます。
私からは、指針(案)の4の(2)災害廃棄物処理体制の構築について申し上げたいと思います。
小規模自治体におきまして、職員の数も少ない、それから、その上に、一人の担当者が複数の業務を抱えて災害対応に当たっているというのが現実でございます。今回の指針では、国があらゆる関係者と連携の上、廃棄物処理の施策を示すとありますので、自治体の負担が軽減されるんじゃないかということで、ご期待を申し上げているところでございます。
地域ブロックレベルの対応といたしまして、これまでも、隣接県等からの人的支援の面では体制構築等を進めていただいているところでございますが、廃棄物処理施設についても同様に、処理能力を補完、支援する体制を検討・構築する必要があると考えております。
とりわけ焼却施設につきましては、個別施設の処理能力に十分な余力がないという中で、大規模な災害時の対応が困難になることも想定がされております。
他方、大規模な災害に備えて、個別の施設に過大な処理能力を持たせることは現実的ではございませんので、国におきましては、地域ブロックレベル、あるいは全国レベルで処理能力を把握し、国が主導して自治体の処理施設に災害時を想定した処理能力に余力を持たせる、そのための財政支援をするとか、広域的なストックヤードを確保するとか、広域的に処理施設が利用できるよう、総合的調整を主導的に担っていただくことを期待するところでございます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。2点ほど、よろしくお願いします。
1点目は、文章の中で循環共生型社会という言葉が2か所出てくるかと思うんですけども、これまで上位計画の環境基本計画の地域循環共生圏という言葉を使ってきたかと思うんですが、そことの関係、3ページの一番上の辺りが定義に相当するのかもしれないんですけども、そことの関係について少しご説明いただければと思います。
もう一点が、最後のところの、企業や他地域においても参考となる指標を示すというところなんですけども、この計画での指標は、この計画の進捗点検のための指標ということだと基本的には思うんですけども、その中で、企業とか地域でも使えるようなものを示すという趣旨という理解でよろしいかどうかという点、以上2点です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、続いて、大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 恐れ入ります。全体的に、とてもよくまとまってきているとは思いますが、大きい話一つ、小さい話を一つだけ申し上げたいと思いますけども、大きい話としては、今回、前の循環基本計画のときに比べて新しく問題になっていることは、従来型の、従来からのものが続いているものも、もちろんあるんですけど、新しく問題になっているのは、一つはサーキュラーエコノミーが広がってきているという話で、これはEUを起点にしているわけですが、これだけどうしてもやらざるを得なくなってきているのは、先ほど豊田通商さんのスライドの中にもありましたけども、このEUの規則とか指令とかができていて、幾つかの物品についてですけども、それが広がりつつあると。それで、再生材の利用について義務づけをするというところができていて、これは拡大生産者責任なんですけども、これがさらに、人権・環境のデューデリジェンスの話を最初のほうに私が申し上げて、書いていただいていますが、などを通じて、日本の企業のほうにも及んでくることが予想されるという辺りが実は最終的な起爆剤になっているということは、どこかでご認識いただいたほうがいいんじゃないかと思います。これが第一点の大きな違いということだと思います。もちろん、そこにはESGが大きく関係しているわけです。
それから、もう一つの大きな違いは、経済安全保障の観点が、先ほど最初に角倉次長がおっしゃってくださったようにございまして、3ページの、この厳しい国際情勢は多分、環境省さんは具体的に書きにくかったんじゃないかと思いますが、大久保委員からもご発言がございましたが、ちょっと表現に気をつけて、修正とか、あるいはしていただいたほうがいいかもしれませんけど、これは具体的に言うと、今、米中対立が始まって、ガリウムとかを輸出しないとかという話も、制約するという話も中国はし始めていますので、レアメタルとかガリウムとか、これらは中国に天然資源が今、集中しているわけですね。そういうところが鉱物資源等の需給逼迫とかにつながっていくので、2010年に日本がレアメタルの輸出を中国から制限されたことも記憶に新しいところですけども、その種の経済安全保障の話が重要な課題になってきているというところが、今回の大きな違いということではないかと思います。そういうこととの関係で、国際競争力も踏まえて資源の確保のようなことが問題になっており、
それはEUのサーキュラーエコノミーの中にもまさに入っている考え方です。ちょっとWTO中心の今までの発想だけではうまくいかないというようなことが出てきていて、経済安全保障の重視は、必ずしも望ましいことではないという面もあると思いますが、ただ、これは別に日本だけで国際的な在り方を決定対応できるわけではなく、国際情勢が変わってきてしまっている、あるいはWTO自体が弱まっている中で、我が国も実は大きな影響を受けているということだと思います。
そうした中で、4ページのところで拡大生産者責任のことも書いていただいてよかったと思いますが、これは我が国でも循環型社会形成推進基本法に既にあることなので、ちょっともう一度、振り返っていただき、循環基本法には四つの拡大生産者責任の施策が書いてありますので、情報の開示というような、それほど大変ではないようなことも入っていますけども、これはもう一度、見直していくというか、振り返っていく必要があるということではないかと思います。
1点だけ、ちょっと修文というか、お聞きしたいのは、2ページの下のところで、「高齢化等地域課題の解決や」と書いてあって、これは事前にご説明いただいたときに注文させていただいて、4ページのほうは修正されているんですけど、そのときのご説明だと、サーキュラーエコノミーをやって地域循環を共生させていくことによって高齢化問題も解決が図れるというご趣旨だったと思いますが、私がそれを伺ったときは、かなり間接的な影響かなと思って、わざわざ書くほどになるかどうか、よく分からなかったので、すみません、ご説明いただけると大変ありがたいんですけども。そのときのご説明では、私は必ずしも十分説得されなかったので、一言申し上げさせていただきました。
以上です。恐れ入ります。
○酒井部会長 どうも大塚委員、ありがとうございました。
続いて、大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。私もちょっとまだ、どのような整理が一番いいのかというのは、答えはないんですけども、ちょっと感想、意見になりますけども、まず、最初の柱立ての一つ目のタイトルの中に地域という言葉が入っている意味合いが、ちょっと十分理解できなくて、最初の一つ目が多分、今回の指針の中では理念的な大きなところを示している、方向性を示している一番重要なところだというふうに思っていまして、環境・社会・経済、そういうそれぞれの大切な部分を、循環型社会あるいは循環経済という、この社会づくりの中の意味合いとして書き込んでいただいている部分だというふうに思っております。有害物質の問題もここで書き込んでいただいていたり、3Rあるいはリニューアブルの問題も書き込んでいただいているということで、ここの地域というのは、後半のほうでまた地域創生が出てきますので、そちらのほうでシンプルに書いていってもいいかなというふうに思ったのが1点目です。
また、この一つ目の柱立ての中に、今日のヒアリング等をお聞きしていても、循環経済のマーケットにおいて、消費者とか、あるいはビジネスとか、そういったいろんなプレーヤーの方々がいかに共通の価値観を作っていくのかということが大変重要かなと。コストをどのように負担していくかということも含めてですけども、そういったところで、それを国が先導していくというようなところの循環経済における価値観の共通化みたいなところの理念がちょっと見えてきたらいいかな、と思いました。
それから、最後、ちょっと最初の方で出ましたけども、東日本大震災からの環境再生、この部分は、日本にとっての大きなEPOCでもありましたので、何か意味合いが薄れないように、明確に、シンプルに伝わるように、柱立ての工夫等もしてもいいかなというふうに私も思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。
では、村上委員、どうぞ。
○村上委員 ありがとうございます。手短に。
まず一つ目ですが、何回か申し上げていることですが、やはり循環経済という言葉の定義がまだ少し曖昧なのかなと思っていて、一つ目の、2ページ目のところの塊の中でも、例えば循環経済の取組と言ったり、循環経済の移行と言ったり、循環経済アプローチと言ったりしていて、これは全く同じ言葉にひもづいて出てきている事項というか組合せになっているのかどうか、ちょっとまだ少し自信がないので、この辺の整理はもう少しきれいになるといいかなというふうに思いましたというのが一つ目です。
あと、何人かの委員からもありましたけれども、経済安全保障的な話が今回強く出ていること自体は広く理解できるのですが、ある種、国策としての経済安全保障みたいなものが目指す絵姿と、世界全体として持続可能な資源の使い方みたいな話が必ず整合的であるという保証はないはずなので、その辺り、矛盾が出ないようにしていただくといいのかなと。特に、後ろのほうにある国際資源循環の絡みの辺りの部分で、日本の事情としての進めたいことと、例えばですが、どこからか高品位な循環資源を持ってくるみたいな話をしたときに、輸出している側の国にとってそれが本当に正しいかどうかみたいなところは難しいところもあると思うので、気をつけて書くべきだろうなと思います。
あともう一つ、ちょっと小さいところになってしまいますが、3ページ目でしたかね。消費者や住民の前向きで云々の意識変革や行動変容につながるための施策とお書きいただいているのはひどく重要だと思う一方で、こちらから促さなくても、若い人たちを中心に、そもそも変わっている世代が出てきているところでもあるので、まず、そもそも起きている変革を捉えてから、その上で何かをするんだと思うので、そこを見逃さないようなことが大事だというようなところも踏まえていただくとよろしいかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○酒井部会長 村上委員、ありがとうございました。
では、最後に粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。最後に申し訳ありません。
私からは手短に1点、先ほど、最後、村上委員からもご指摘のあった、循環資源の分別・収集・利用等に関してのところなんですけれども、私が思うには、先ほど村上委員がおっしゃった、既に変化が起きている若い世代というところを踏まえるということが一つということと、逆に言うと、前向きで主体的な意識がない方々にも、自動的に分別行動に持っていっていただけるような仕組みの転換ということが必要だろうということを考えております。
それに当たって、消費者とか住民というミクロの単位だけではなくて、ビジネスでの循環資源の物流をどのように適正化していくかというような視点も必要ではないかなというふうに思います。前回のところでも、国土交通省さんのほうからリサイクルポートというお話もありましたけれども、それだけではなくて、どういった形で、最も循環資源が少しでも経済合理性の高い形で国内で流通していくのかといったところの、どういう仕組みをつくっていくかという視点が大事ではないかというふうに思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、これで一通り、手の挙がった委員からのご意見をいただきました。
この段階で、欠席の崎田委員からのコメント提出がございますので、ここでご紹介をまずいただけますでしょうか。
○循環型社会推進室長 近藤でございます。ご紹介申し上げます。
資料のほうは出ますでしょうか。まず、口頭で申し上げます。
崎田先生からいただいた意見は全部で4点ございます。
まず、1点目でございますけれども、気候変動対策や資源制約の対応など世界的な課題の顕在化に対応して、変化する時代の新たな循環基本計画を策定するという意欲が感じられる指針案となっており、六つの大項目に分けた設定に賛同する。特に脱炭素・循環型・自然共生社会の実現に向けた持続可能な社会づくりは、環境基本計画の見直し方針とも合致している。
なお、今後内容を深めた後、その実現に向けた道筋を検討する際、事業者と行政、市民・消費者の率先行動と連携が重要となり、その実現に向けた具体的施策の提示など記載することを望みますというのが1点目でございます。
2点目でございますけども、循環経済の実現に向けた静脈と動脈の連携による資源のライフサイクル全体での循環は、重要な具体策となる。特に静脈産業のトレーサビリティや再生資源とメーカーをつなぐ情報連携、環境配慮設計による製品情報の消費者への適切な発信など、各主体の行動変容に向けた情報連携は重要であり、電子マニフェスト情報の見直しや、消費者や住民に向けた製品情報の表示など含め、多様な視点での検討が必要と考える。これが2点目でございます。
3点目、食品ロス削減は食料問題だけでなく、気候変動対策としても重要性が高まっている。国連機関のデータでは、世界のCO2排出量の21から37%は食料問題から、特に食品ロス8%程度を占めているとのこと。食料の約6割を輸入する国として、世界の食料資源、水、肥料、労働力とエネルギーをかけて輸入した大事な資源を、しっかり食べ切るための施策の徹底は重要と考える。これが3点目でございます。
最後ですが、東日本大震災と原子力発電所事故による環境回復、環境再生の重要な時期に入っており、中間貯蔵施設の地域の方の信頼を得た管理の徹底や、除去土壌の減容化、再生利用などに関する社会的な関心や信頼の醸成など、リスクコミュニケーションの重要性が一層高まっている。
また、地域の方々や福島復興に思いを寄せる多くの方々の参画を得て、環境政策らしい浜通りの環境回復の姿を描く道筋づくりを期待すると。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、今日いただきましたご意見、多くは、この指針案の修文に向けて参考にしていただければということの扱いに基本はさせていただくのがいいかなと思っているんですけれども、個別個別へのご回答というよりそういう整理で臨ませていただくのがいいかなと思っていますが、事務局の方のお考え方があればご発言いただきたいことと、若干、質問的なところもありましたので、例えば大塚委員から、高齢化問題の捉え方の書き方で、修正できているところとできていないところがあるんじゃないかみたいなところもありましたので、そのようなところはちょっと事務局のほうからご発言いただければと思います。
先に、ちょっと私のほうから、最後に粟生木委員と、それから若干村上委員も触れられたんですが、若年層の変革の動きというところなんですが、この辺りちょっと具体的に、どういうような具体的な動きなのかというところを、少し説明をしておいていただけませんか。委員間で同床異夢になってもいけませんので、そういった意味での確認をお願いしたいということで、粟生木委員、その後、村上委員、お願いできればと思います。
粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。
若者については、比較的、積極的に、そういう環境に優しいと、企業のグリーンウォッシュの懸念もあるんですけれども、選択しているようになっているというところがあります。
それに加えて、それだけではなくて、私の場合は、意識のない方にも伝わるように、認証とかのシステムということも重要ではないかなというふうには思っております。
以上です。
○酒井部会長 グリーンな製品の選択行動という意味で、若年層の意識が高い。それで、具体的にそういう行動が多く見られるという、分かりました。
村上委員、どうですか。
○村上委員 ありがとうございます。
粟生木委員と同じところ、グリーンに対する選択をしやすいみたいなところが一つと。
あと、途中でシェアリング、サブスクみたいなことをお書きいただいているので、その辺に関してのやはり抵抗感みたいなものが圧倒的に少ない、所有にこだわらないみたいなところもあるのかなというふうに理解をしておりますので、その辺の普及に関連してという趣旨の発言でした。
○酒井部会長 今の話はDX、デジタル機器への、そういう意味では抵抗感が極めて小さい世代というようなことの背景も含めてという、そういう理解でよろしいですね。
○村上委員 はい。私に関してはそれで結構です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それじゃあ、ちょっと事務局にマイクを渡します。いかがでしょうか。
○循環型社会推進室長 環境省の近藤でございます。
それぞれ、簡単にはなりますけどコメントさせていただきます。
まず、船越委員からいただきましたご意見のうち、1点目は受け止めさせていただくとして、「地域」という言葉の意味として、「コミュニティ」と「地方」の書き分けについては検討させていただきます。
また、ほかの委員からも出ましたが、震災部分の適正処理等の柱立ての部分、ご意見を踏まえまして、検討させていただきたいと思います。
それから、関口委員からのご指摘を踏まえて検討させていただく部分が多くありますけれども、柱立ての部分も含めまして検討いたします。
国際起源金属の資源循環の中で、国内と国外はどちらなのかというところにつきましては、両方にやはり目配りが必要だと思いますので、それを踏まえた内容にしていきたいと思います。
それから、藤森委員のご指摘も、人材育成は基盤の整備に加えて必要ということ、あるいは災害についての各レベルでの対応の検証が必要ということで、さらに検討をしていきたいと思います。
それから、岡村委員、非常に経済合理性の部分、ご指摘を強くいただいております。ここのところは、やはり動脈と静脈でいろいろと、今回の愛知県さんのご発表にもありましたが、双方向でお話をしていく、共通言語を作っていくことの中で経済合理性を見いだしていける部分もあると思いますので、そういうことにも目配りをしながら示していきたいと思います。
それから、大久保委員から、化学物質管理への記載のこと、あるいはNPOや市民とのパートナーシップのこと、ここのところの記載が足りないというご指摘、ここも文章化する中で深めていきたいと思います。
それから、厳しい国際情勢の部分、大塚委員からもご指摘がありましたが、ほかの部分と併せて記載をどうするか検討したいと思います。
それから、小屋委員からの指標の部分のご指摘がありましたが、地域で使えるような指標につきましては、今、別のワーキングのほうで検討を深めている最中ですので、今後の部会の中で分かるところから、ご説明申し上げていきたいと思っております。
それから、諏訪委員からの、国の主導による総合的調整への期待ということで、こちらも検討を深めていきたいと思います。
それから、大塚委員から、2ページの一番下のところの高齢化等の部分についてのご説明をという話がございました。この部分、修正もれで、本来、落とすべきと思っておりましたので、その方向で修正をしたいと思っております。基本的には、先ほどご説明申し上げたとおり、高齢化をした中でも資源循環やリサイクルが進む対応ということで考えておりますので、後半のほうの記載でカバーをしていきたいと思っております。
それから、大迫委員からのご指摘も、先ほどの3.の地域、地方という部分の柱立てに関するものを踏まえて検討していきたいと思います。
それから、共通の価値を作っていくということが重要ということにつきましては、先ほど申し上げました動脈と静脈の対応もありますけども、消費者も含めた対応ということも含めて記載をしていきたいと思っております。
それから、村上委員からの、循環経済の用語の使い方のご指摘、これを踏まえて文章化するときに整理をしていきたいと思いますし、国際資源循環と相手国からの見え方等々についても配慮した記載をしていきたいと思います。
それから、若者のところにつきましては、酒井先生から整理をいただいたような形での、ご指摘様々ありますので、特に若い世代の動きを捉えて、それに乗っかってどのようにしていくのかということも含めて、施策の中で整理をしていきたいと思います。
簡単にはなりますが、以上でございます。
○酒井部会長 それでは、ただいまの質問への再質問というのは、ちょっと時間の関係で今日は飛ばさせていただきたいと思います。
今お答えいただいた以外のところでも、地域循環共生圏と共生型社会という新たな言葉の部分とかの整理といったようなところもございましたので、今後の検討の参考にさせていただくということで、今日のところはまとめさせていただければというふうに思います。
それでは、ちょうど12時半きっかりでございますので、本日の議事は以上ということにさせていただきまして、進行を事務局にお返しします。
○循環型社会推進室長 酒井部会長、ありがとうございました。
次回の部会につきましては、8月31日木曜日10時からの開催を予定しておりますけれども、詳細につきましては、事務局から委員の皆様に改めてお知らせ申し上げます。
以上で、本日の部会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
午後12時29分 閉会