中央環境審議会循環型社会部会(第46回)議事録

日時

令和5年6月5日(月) 14:30~17:00

場所

WEB 会議システムにより開催

議事次第

  1. 「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の変更について
  2. 次期廃棄物処理施設整備計画の策定について
  3. 静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会の設置について
  4. 第四次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて(ヒアリング)
  5.  G7 気候・エネルギー・環境大臣会合の結果報告(循環分野)
  6. その他

議事録

午後2時32分 開会
○総務課長 皆様、お待たせいたしました。ちょっと定刻を2分ほど過ぎましたが、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催させていただきます。冒頭の司会を務めさせていただきます総務課長の鮎川でございます。よろしくお願いします。
まず、委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回も今進行中のとおり、ウェブ会議でやらせていただいております。よろしくお願いいたします。
毎回のことでございますが、会議の運営についてお願いがございます。この後、部会長に進行をお任せすることになりますが、ご発言をいただく場合にのみ音声をオンということとさせていただきまして、それ以外のお時間はミュート、またビデオにつきましてはご発言の際のみオンにしていただければと、終わったらそれをオフにするという操作のほうをお願いいたします。回線の容量に制限がございますので、皆様が一斉にこの音声や画像をオンにしてしまうとパンクするということになりますので、ご協力をお願いいたします。
また、ご発言される際には挙手ボタンを押していただきます。それで、部会長からご指名をいただいてからのご発言ということでお願いいたします。
また、今回も引き続きまして、会議の模様につきましては、環境省YouTubeのほうでの同時配信ということで公開をさせていただいております。
それでは、まず、前回の部会から委員の変更がございましたので、ご紹介をさせていただきます。前回までをもちまして大熊委員がご退任をされまして、新たに公益社団法人全国都市清掃会議の金澤専務理事に委員としてご就任をいただいております。一言お願いします。
金澤委員、画面の下のほうにありますミュートの解除をお願いいたします。
○金澤委員 全国都市清掃会議の金澤でございます。新たに就任いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○総務課長 はい。ありがとうございます。失礼いたしました。
それでは、引き続き進行させていただきます。
じゃあ、まず、また今回の部会では、今、議事次第が画面上に表示されておりますが、議題の(4)ということで、循環基本計画の見直しについて、本日はヒアリングということで予定をさせていただいております。そのヒアリングさせていただくご対象といたしまして、まずは経済産業省さんから資源循環経済課長の田中課長様、また一般社団法人日本経済団体連合会から岩村常務理事、このお二人から取組のご説明をそれぞれいただく予定になってございます。田中様、岩村様はご都合により後ほど参加されますので、今回はそのご紹介をさせていただきました。後ほどプレゼンテーションをしていただきたいと思います。
なお、本日、委員総数28名のところ、23名に既にご出席をいただいております。部会として成立していますことをご報告させていただきます。
それでは、議事に先立ちまして、当局局長の土居よりご挨拶をさせていただきます。お願いいたします。
○環境再生・資源循環局長 本日は皆様ご参画いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、前回4月11日の部会に引き続きまして、廃棄物処理法の基本方針の変更について、また、次期廃棄物処理施設整備計画の策定について、ご審議いただく予定でございます。また、新しい話といたしまして、静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会の設置について、お諮りいたします。こちらにつきましては、循環経済工程表などで示しました資源循環の方向性を具体化していくための施策をご議論いただくことを考えてございます。さらに、第四次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて、先ほどご紹介させていただきました出席者の方々の取組についてご紹介させていただく予定でございます。また、4月に開催されましたG7気候・エネルギー・環境大臣会合での循環分野での結果についても、ご報告させていただきます。
本日は忌憚のないご意見をいただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
○総務課長 はい。土井局長、ありがとうございます。
じゃあ、次に資料のご確認をさせていただきたいと思います。今、画面にも資料一覧、資料1-1から資料5、あとは参考資料1から5まででございます。資料は都度都度、事務局にてこの画面に投影させていただきますが、必要に応じまして、またあらかじめお送りしたファイルなどもご覧いただければと思います。
それでは、以降の進行は酒井部会長にお願いしたいと思います。酒井部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 はい。鮎川課長、承りました。
部会長を務めております酒井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今、土井局長からご紹介がありましたとおり、今日は非常に盛りだくさんの議事と報告でございます。2時間半、若干長丁場になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、議題(1)「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本方針」、廃棄物処理法の基本方針の改定でございます。それでは、まず、事務局のほうから、資料1-1及び1-2について説明をいただきます。説明の後、委員の皆様からご質問、ご意見を頂戴するという、そういう段取りで参りたいと思います。
それでは、説明をどうぞよろしくお願いいたします。
○総務課企画官 酒井座長、ありがとうございます。総務課で企画官をしております黒部でございます。声は届いておりますでしょうか。
○酒井部会長 はい、届いています。どうぞ。
○総務課企画官 はい。ありがとうございます。
では、画面のほうに今出させていただいております基本方針の修正案、資料1-1、ページに沿って、修正箇所についてご説明を申し上げたいと思います。資料中、赤文字の箇所と青文字の箇所がございまして、赤文字の箇所は前回循環部会で委員の皆様にいただいたご意見、また関係省庁との調整を踏まえた修正箇所、青文字の部分はこの間に実施いたしましたパブリックコメントによる修正ということになってございます。
それでは、ページをめくっていただきまして、2ページでございます。2ページの真ん中の箇所になります。「加えて」以降のことです。2ページの修正は修辞上の修正でございます。この箇所につきましても、前回、浅利委員、大塚委員から、少し文章が長いので、記載ぶりについて省略も含めて検討されてはいかがかということで、サーキュラーエコノミーの定義等について取りまとめるなどの修辞上の修正を行ってございます。この点については中身に触れるものはございませんので、次のページ、2のところに進ませていただきたいと思います。
次のページ、お願いします。次のページ、3ページの2の(1)から(3)、ここも修辞上の修正、%の表現を片仮名に直す等の修正を行ってございます。具体的な数値目標に関しましては、前回ご説明したとおり、この後また始まります循環基本計画の指標、目標の議論を踏まえて、ここと統合する形で再度検討を進めてまいりたいと、このように考えてございます。
資料を進めていただきまして、4ページをお願いいたします。2の(1)のところでございます。国民の役割のところでございます。冒頭の「商品の購入に当たって」、ここは修辞の修正でございまして、そこから少し下に行っていただいて、2パラ下の「とりわけ食品については」の箇所でございます。「購入の際に、賞味期限」とさせていただいていたんですけれども、前回、浅利委員、根村委員からのご指摘、「期限表示」としたほうがよいのではというご指摘をいただきまして、ありがとうございます。そのようにさせていただいたところでございます。
少し下に行きまして、(2)事業者の役割の箇所でございます。この箇所について、耐久性に優れた商品、あと建物の長寿命化等、少し表現を取りまとめてはいかがかということで、大久保委員からご指摘いただきまして、この箇所、販売のところでございますけれども、「販売及び修繕体制の整備」という形で表現をまとめさせていただきました。なお前回の、赤字見え消しで右下のほうに入っております「建物の長寿命化」というのは、この「修繕体制」の少し左上にあります「耐久性に優れた商品」、ここのところで読み得るかなというところで、表現をまとめたということでございます。
さらに下の箇所、「また、消費者による環境に配慮した商品の選択」「排出抑制、再使用、分別収集が円滑に実施されるよう」以下の部分、ここは消費者コミュニケーションの箇所について記述を追加するべきではないかと、この点、充実も必要であるということでございました。大久保委員、浅利委員、末吉委員、根村委員からご指摘いただいた箇所かと思います。記載の充実をさせていただいたところでございます。「事業者は、製品の構造、製品・部品の材質名、処理時における安全性確保及び環境負荷低減のための注意事項等の情報を、企業等のホームページ、製品本体、取扱説明書等に記載する等、必要な情報の提供に努めるものとする。」とさせていただいたところでございます。
次の5ページのほうにおめくりいただきまして、5ページの箇所でございます。それは表現の末尾の部分でございます。一般廃棄物処理に伴う温室効果ガスの排出の量の削減等に向けた取組の推進等を行う「よう努めるものとする」と、この点は各種協議を踏まえた修正となってございます。
また、このページの真ん中の部分に青字の箇所がございます。パブリックコメントのところで、その表現の斉一を図ったほうがよいのではないかというご指摘をいただきまして、廃棄物処理の広域化・集約化に「当たって」ということで、表現を多少改めて、漢字を直したということでございます。
そのまま下にめくっていただきまして、国の役割の箇所でございます。5ページ目の下から6ページ目にかけてのところでございますけれども、この点、広域認定制度の追記をさせていただいております。またちょっと下に参りまして、「加えて」の箇所でございます。動静脈連携ということで追記をさせていただいていたんですけれども、船越委員から、産廃の中でも広域化を含めた制度の目出し、さらには大塚委員から、電子マニフェストを含む各種デジタル技術を活用した情報基盤整備という点の強調が必要でないかということでご指摘いただきましたので、この点を含めて記述を追記させていただいたということでございます。
少し下にめくっていただきまして、3の(1)一般廃棄物の処理体制の確保でございます。「その際」のパートでございます。この点については、髙橋委員、大塚委員からご指摘をいただきました。今後、高齢化に伴って分別がうまくいかなくなる。高齢化、ごみ出しに伴う困難というものも予想される点を追記しておいてはどうかということで、ごみ出しが困難となり得る点についての考慮という点も追記をさせていただいたところでございます。
7ページのほうにお進みいただきまして、「なお」以下の部分でございます。ここも高齢化に関するおむつのところでございまして、衛生面の問題もあるので、そこも含めて追記ということで、「高齢化に伴い排出の増加が見込まれる使用済紙おむつについては、衛生面を含む適正処理の確保にも留意をした上で、適切な再生利用等の促進」という項目を追記してございます。
また、その少し下に行っていただいて、「廃棄物の広域処理体制の構築の推進に努める」と、この点、この後の整備計画と記載を合わせる形で追記をしております。
また、前回、橋本委員から、都道府県域を超えた連携ということについてご指摘いただきました。「この際、必要に応じて二以上の都道府県の区域における広域化・集約化についても考慮することとする」と、この旨を追記してございます。
下に参りまして、(2)産業廃棄物の処理体制の確保でございます。赤字の箇所でございますけれども、船越委員からご指摘をいただいた「更なる広域認定制度の活用等を通じた産廃処理の広域化」「各種デジタル技術を活用した動静脈連携」ということで、広域処理の部分を追記してございます。
次に行きまして、(3)でございます。(3)及び(4)、この8ページは修辞上の修正でございますので、そのままお進みいただきまして、10ページまでお進みいただければと思います。10ページの一番上のパラの末尾でございますけれども、橋本委員から、ここの箇所、立地選定も含めて戦略的に推進する上での趣旨、廃棄物エネルギーの需要を踏まえるという趣旨をはっきり明確化してはどうかというご指摘を踏まえて、追記をさせていただいております。
また、そこから少し下に参りまして、このページの3パラ目でございますけれども、「安定的かつ効率的な廃棄物処理体制の構築の推進に努めるものとする」、これは先ほどの整備計画と合わせた修正でございます。「必要に応じて二以上の都道府県」、ここも先ほど説明した箇所と同じでございますので、割愛をいたします。
そのまま3のところに、少し下に行っていただきまして、「資源が集積する廃棄物処理施設等を循環資源の供給拠点として位置付け、その整備を推進する」、さらに「この際、回収した資源やエネルギーを有効活用できるよう、戦略的に進める」と、この点、橋本委員からもご指摘いただいたかと思います。戦略的に進める旨を追記させていただいたということでございます。
その他は修辞上の修正が少し続きまして、最後の14ページのところに進んでいただきます。14ページのところの上のところでございます。浅利委員、大塚委員からSAF(持続可能な航空燃料)、ここについても追記が必要でないかということでございまして、明記をさせていただいたということでございます。
また14ページ、少し下に行って2のところでございます。廃棄物の排出その適正な処理の確保のために必要な知識の普及及び人材育成等のところで、「食品の賞味期限」と書いてございましたけれども、ここは「期限表示」という形で修正をさせていただきました。
あとまた、集計を取りまとめさせていただいたパブリックコメントの結果についても簡単にご説明をさせていただきます。
資料1-2でございます。意見の件数につきましては16件、意見提出者は8者でございます。時間の制約もございますので、記名つきで、団体あるいはお名前の連絡先が明らかな方の意見を中心にご紹介できればと思ってございます。
番号の2でございますけれども、ここは先ほどご紹介した表記の斉一の箇所でございます。
少し進めていただきまして、4番、リチウム蓄電池の混入の火災事故対応、重点的な取組ということについて、分かりやすい表示の徹底など、製品事業者による回収の拡大を図るための取組を図ることが必要ではないかということの加筆についてご意見をいただきました。ご指摘の表示に係る取組については、我々も重要と考えておりまして、動脈を所管される経済産業省さんを中心に、さらに連携をしながら対策について検討を進めてまいりたいと思ってございます。よくご意見を踏まえて今後の施策展開を進めてまいりたいと思ってございます。
5と6はリース協会様からご意見をいただいております。5につきましては変更案に修正ということでございますので、ありがたいことでございます。ぜひ進めていただければと思います。
6でございまして、さらにBtoCだけではなくてBtoB、Business to Buzinessの中でも、レンタル・リース、こういったもののサービスというものが資源循環、廃棄物の削減のために有効であるというところで、事業者の役割としての記載ということでご意見をいただきました。我々も大変重要な観点と思ってございます。BtoBの関係に関して、どこまで記述を広げていけるかということについて、引き続き、ご意見を踏まえて、さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
7でございます。廃棄物の再生利用の観点では、単一素材化された商品、その中で特に再生利用が容易な、アルミニウム協会さんからでございますけれども、アルミニウム、再生利用が容易な素材をより多く用いるべきという点について、再生利用が容易な素材を用いた商品というものを追記いただきたいということでご意見をいただきました。右の箇所でございます。この点については、我々、既に文中に「再生利用が容易な設計の商品」ということを書かせていただいていまして、容易な設計というもの中に容易な素材の活用というものも読めるかというふうに思っております。その点をお答えさせていただいたということでございます。
次のページに行っていただきまして、8でございます。実際に事業者様にインセンティブを与えて、こういったリサイクル、3Rが進むような取組ということについてご指摘をいただきました。我々の既存の制度でも、自動車リサイクルの中に、あるいはプラスチック資源循環法の中の特に優れた設計の認定制度という形で、インセンティブを付与するような制度を設けておりますので、ご意見を踏まえて、さらに制度の検討といったのを進めていければと考えております。
9でございます。世界的な資源制約の顕在化を踏まえ、特に国内における廃棄物の再生利用の推進といったような点についてご指摘をいただきました。この点、我々も大変重要な視点と思っております。またその中でも、様々な金属資源、またその中でも、国外への前処理といったようなものも記述の中に読み込んでいる部分はありまして、原案どおりということにさせていただいてはおりますけれども、国内も含めて資源循環を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
10、11、12までは少し無記名のご意見でございます。ちょっとここは割愛をさせていただきまして、13まで進んでいただきまして、一般廃棄物の減量の中で、プラスチックですね。今後、既存施設の有効活用を図るために、設備改良についてということを明記いただけないかということでご意見をいただいております。この点についても、既に書かせていただいております「既存施設の有効活用等」の中に施設の設備改良も読み込んでおるというふうに考えておりまして、この点、コメントの中で明確に回答させていただいたということでございます。
あと14番、こちらは東京都資源回収事業組合、また日本再生資源事業協同組合から、意見交換の機会、また基本方針の実現に向けて積極的な意見交換というお申出をいただきました。ありがたいことでございますので、我々としてもさらに意見交換を積極的に進めてまいりたいと考えております。
時間の関係上、無記名の意見、少し割愛をさせていただきましたが、我々としてもこのパブリックコメント、このような考え方で取り組んでいるという点を丁寧に書かせていただきました。この点についても、ご指摘があればよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○酒井部会長 はい。どうもありがとうございます。今、基本方針に関しまして、資料1-1、1-2の説明をいただきました。
それでは、質疑に入らせていただきたいと思いますので、ご質問、ご意見のある方は、挙手ボタンで意思表示をよろしくお願いいたします。これまでと同じく、ご意見を一通り頂戴して、それからまとめて事務局のほうから回答いただくという、そういう段取りで参りたいと思います。
いかがでしょうか。これまでにいただいたご意見は、ほぼ反映をいただいているということの説明でございましたし、またパブリックコメント、非常にお答えの難しいご意見も頂戴していましたが、事務局には丁寧な回答に努めていただいたという、そういう経緯もございます。よろしいでしょうか。それでは、一回しっかりとご意見をいただいて修文しておりますので、よろしいですか。
事務局、特に手は挙がっていないという理解をしておりますが、よろしいですか。
○総務課企画官 はい。ありがとうございます。またこの後の全体を通しての意見も踏まえて、また整備計画ともよく調整を取ってまいりたいと思います。ありがとうございます。
○酒井部会長 はい。この後というよりは、本件に関してはこの段階で判断をしたいと思います。この段階で、この基本方針に関しては了承いただいたという解釈にさせていただいていいかと思っております。本日の案をもって今後必要な手続を進めてもらうということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ご異論のある方は手を挙げていただければと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○酒井部会長 はい。ということで、廃掃法に基づく基本方針変更案、ご了承いただいたということで取りまとめさせていただきたいというふうに思います。
それでは、議題1に関しては、これで終了ということにさせていただきます。ありがとうございます。
では、議題の2番目でございます。次期の廃棄物処理施設整備計画の策定について、入りたいと思います。事務局から、資料2-1から2-3までの説明をよろしくお願いいたします。
○廃棄物適正処理推進課長 廃棄物適正処理推進課の筒井でございます。聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 はい。よく聞こえております。
○廃棄物適正処理推進課長 それでは、ご説明させていただきます。
資料2-1のほうで、まずパブリックコメントの結果についてご説明をさせていただきたいと思います。前回お諮りさせていただきました廃棄物処理施設整備計画案について、パブコメを行っております。4月21日から5月22日ということで、意見としては18名の方、その期間にいただきまして、意見数34ということでございます。
じゃあ、スクロールしていただいて、1番から37番まで、順番に簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
1番目のところは字句の整理ということで、字句の統一ということで、字句の整理をさせていただくということでございます。
整理番号の2、3、これについては質問ということで、人口減少とごみ排出の相関関係、それから再処理処分場の使用年数はどうなるのかという話と、あとは中長期的視点で見た廃棄物の在り方は何かというご質問ですので、右のとおりお答えをさせていただいているところでございます。
それから少しスクロールしていただきまして、整理番号の4から5ですね。これはコメントということで、防災拠点としての活用のところのご不安とか、それからタイトルが少し分かりにくいのではないかということなんですけれども、タイトルについては、5については原案どおりとさせていただきたいというようなことで書かせていただきますし、4につきましては文面のとおりの答えをさせていただいているところでございます。
それから6番はご意見ということでございまして、温室効果ガスの排出削減の期待ということでございます。明記したほうがいいということなんですけれども、今後の課題という、資源循環での社会全体の温室効果ガスの分析、削減ポテンシャルの分析は課題ですということで、今後の検討の参考にさせていただくということでお答えさせていただいたところです。
次に整理番号7のところ、次のページ、2ページのところ。7については質問ということでございますので、お答えをさせていただいているということでございます。
それから8番目のところ、焼却残渣のセメント利用の話ですね。ここについては、整備計画の中で書いていますけれども、その重要性というのは認識させていただいているところでございます。
少しスクロールしていただけますとありがたいんですけど。すみません、またセメント残渣、9のところも同じようなコメントということでございます。
それから10番目のところでございます。これもコメントということでございますけれども、法規制値を上回る排ガス処理装置というようなところ、そういうようなものについて、少し過剰じゃないかというような設備を設けられることが多いということでございますので、そういうことについても、やはり引き続き繰り返すことが有効だということでコメントをいただいているところでございますので、今後の取組の参考とさせていただくということでございます。
次のページの3ページ目のところでございますね。それから次のところ、11番のところについては今後の課題ということで、人口減少などそういうようなところについてのご指摘をいただいていますので、取組の参考にさせていただきたいということでございます。
12番は30年のところの質問ですので、右のとおりの答えとさせていただいているというところでございます。
13番もご質問ということで、浄化槽に関しての質問ということで、浄化槽の合併への転換、それから省エネということが重要であるということを答えさせていただいているところでございます。
14番目、15番目、コメントということでございます。こちらのほうはLCCO2的なところ、先ほども申し上げましたけれども、今後の課題ということだと思っております。それから連携のところ、大規模熱利用とか農業、商業、産業などとの連携ということで、国に対する期待ということのコメントということでございます。
次、16番目でございますけれども、CCUSなどについては、国主導のしくみづくりの推進、それからガイドラインなどが望まれるということでございますので、今後の取組の参考にさせていただきたいということでございます。
17番目もコメントということでございまして、財政的な支援とか、そういうようなところでございます。
それから18でございますけれども、施設の整備に関して、一般処理施設の建屋、これについて、建屋を大きくしてしまうと、どうしてもそこにエネルギーがかかるので、一部を建屋なしにすることを事例として記載してほしいということでございまして、これは後ほどご紹介させていただきますけれども、少し修文をさせていただきたいということでございます。一部の施設について屋外とすることで、消費電力が削減できるのではないかということを書かせていただきたいということでございます。
19番目のところは文言の整理ということのコメントでございますので、文言の整理をさせていただくということでございます。
それから20番目は、バイオマスの活用に関する制度の要望ですので、右のような形で取組を進めていますので、解釈の明確化など、適正処理を前提にバイオマスの利活用については取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
21番目のところは質問ということで、これ、個々の場合によってケースが異なるというようなことでございますけれども。
22番目、次のページでございます。条件、高効率の利用というところでございます。これもコメントということでございます。コンビナートに立地していれば有利であるということとか、災害対策に対するコメントということでございまして、ここについてはご指摘のとおり、この整備計画の中でも記載させていただいているということでございます。
23番目のところは質問ということで、この何か指針はあるのかと、稼働不能とならないような検討や準備の実施について指針があるのかということにつきましては、右のとおり、災害廃棄物対策指針などへの記載を書かせていただいているところでございます。
24番目のところでございます。去年の台風15号の経験などからのコメントということでございますので、これについては災害廃棄物の策定、実効性の確保ということを引き続き進めていくということだと思っております。
25番目ということで、これもご質問ということでございますので、この右のとおり答えているということでございます。
26番目のところは、特に技術系の職員の不足とか、さらに契約の手引きの改定とか、こういうことのご指摘をいただいておりますので、今後の取組の参考とさせていただきたいというふうに考えております。
27のところ、質問と意見という形だと思いますけれども、前段のところについては右のとおりご対応をさせていただいておりますけれども、目標数値に対する曖昧な部分が多くて、具体的な策がなければ難しいんじゃないかというご意見を後段でいただいておりますけど、この辺は手引きやマニュアルを含めた支援をしていきたいというふうに考えているところです。
28番目は、適正処理困難物ができるだけ発生しないような施設をつくるべきというコメント。これについては、適正処理困難物を発生させないためには事業者との連携というのも重要でありまして、そういうような取組も引き続き推進させていただきたいということ。
29番目のところは、施設の設備によって受け入れる廃棄物の基準が決まるということで、分別が手間にならない施設を造ってほしいというようなコメントでございます。住民のご協力、ご理解をいただきながら、廃棄物処理というのは進めていく必要がありますし、整備もそのように進めていくことが必要であるということを書かせていただいています。
30番目もコメントでございます。太陽光パネルとかリチウムイオンの関係のところの整備の処分が難しいようなものを、こういうようなところに、ちょっと拡大生産者責任の採用とか広域的ブロックに関しての処分ということでございます。これについても右のとおり、お答えをさせていただいているところでございます。
31番目のところでございますけれども、これは補助のところのインセンティブづけということでございますので、そのようなご意見をいただいておりますので、今後の取組の参考とさせていただきたいと思っております。
それから32番目のところ、単独のし尿処理システムの補助は削減すべきだというコメントでございますけれども、基本的に循環型社会交付金ということで、資源循環を伴わない単独し尿処理施設の整備ということは、基本的には支援対象外であるということをお答えさせていただいているところでございます。
また、33番目は、生活排水処理施設を計画する策定の調査事業及び計画策定の義務化を検討してほしいということでございますので、これにつきましては、経済比較を基本としながら、人口減少なども踏まえた整備を進めて、適宜事業の再点検などを行うことも求めているところでございまして、併せて各自治体に対して整備に係る交付金や情報提供などの支援を行っているところでありますので、引き続き取組を推進していくということを答えさせていただいております。
それから、こちらの最後のところでございますけれども、エネルギー回収の関係でございます。これも出力、導入を後押しするという意義でも、この系統施設との関係の話のご意見をいただいております。意見募集の対象の意見ではございませんけども、一つの意見として承らせていただくということでございます。
これに基づきまして、資料2-2でございます。整備計画の案の修正案というのをお示しさせていただいているところでございます。順番に行かせていただきますけれども、1ページ目のところはスクロールしていただければ、1ページ、2ページのところは、文言の整理のようなところが一部、2ページの後半のところにはあるというだけでございます。
少しスクロールしてもらえますか。3ページ、4ページのところも基本的には同様ということでございまして、4ページ、5ページのところも同様ということでございます。
5ページの一番最後から6ページ冒頭のところでございます。ここのところは都道府県の役割のところ、これは関係省庁との調整の中で、これは役割としてやはり「推進に努める」と、努力というところで修正をさせていただきたいということで意見がありましたので、そういう形とさせていただいております。
また、2都道府県以上の区域での広域化・集約化。これは橋本委員からご意見をいただいた、先ほど基本方針のところでもお話がありましたけれども、そういうご意見をいただいておりますので、そこを修正させていただいているところでございます。
5ページ目の真ん中のほうですけれども、ここは文言の整理ということで、少しスクロールしていただけるとありがたいんですけれども、この辺は文言の整理でございます。
そして7ページ、8ページのところも、少し文言を整理して修辞的な修正をさせていただいております。
少し飛ばして、9ページ、10ページのところも文言のところの整理のところでございまして、12ページまで行っていただければと思うんですけど、先ほどちょっとパブリックコメントの中で、12ページの下のほうのところ。ここはパブリックコメントの中でもいただいた意見で、一部の施設を屋外に設置することで、その建築の中での電力なんかも削減することができるのではないかというようなことのご意見を反映させていただいているところでございます。
それから次、13ページ、14ページも文言上の整理のところでございます。
そして、15ページまでお願いいたします。「地域住民の理解と協力・参画」、これは崎田委員からいただいたご意見のところの部分でございます。このような形で反映させていただいておるところでございます。
その後でございます。スクロールしていただければと思うんですけれども、本文はそういうような形とさせていただきまして、その後の3.ですね。本文の2.はそのような形にさせていただきまして、3.のところ、スクロールしていただければと思うんですけれども、文言の整理が続いておりますけれども、20ページになるかと思います。浄化槽の関係ですね。これ、目標値を少し修正させていただいております。これは国土強靭化の計画の中での目標値と合わせていただいております。合併浄化槽というのは災害に強く、早期に復旧可能である施設でございます。一方で単独槽、浄化槽、単独槽、くみ取りから合併への転換というのは進めることが当然必要ということになっておるわけでございますけど、残存するこの単独槽、それからくみ取槽の中でも、老朽化が進んで災害での破損などのリスクが懸念されているということから、令和8年度の汚水処理概成という水質汚染の目標に加えて、災害対応力の強化という観点から、この76%という値を国土強靭化の取組の中で決めさせていただいておりますので、その値とさせていただきたいということでございます。
あとは修正点などはございません。
私からの説明は以上でございます。
○酒井部会長 筒井課長、どうもありがとうございました。
それでは、今の施設整備計画に対するパブコメの意見への考え方のところと、意見への対応を含めた次期の廃棄物処理計画の案につきまして、ご意見、あるいはご質問があれば、いただきたいと思います。同じく挙手ボタンで意思表示いただければと思います。いかがでしょうか。
それでは、ちょっと手が挙がる前に1点。
すみません、筒井課長。最後のこの浄化槽の人口普及率のところ、この数字の変更なんですけれども、これまで72.5%に災害対応力強化の観点で、この数字にするということですが、この浄化槽の人口普及率と災害対応力の強化という間の関係は、どのようにその関係性を理解すればいいのか、追加で解説をいただければ幸いです。
では、崎田委員、髙橋委員から手が挙がっておりますので、そのご意見、質問を含めて、まとめて回答いただければと思います。
それでは、どうぞ。崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 崎田です。ありがとうございます。
先ほどご説明の際にお話しいただきましたが、地域の参画など、修文していただいたということで、ありがとうございます。今後、大事になってくると思います。
今、手を挙げさせていただいたのは、特に修文などにつながってくる話ではないと思うのですが、気になりましたので。資料2-3のコンパクトにまとめた資料を拝見していると、例えばCCUSに関して、将来の脱炭素に向けた施設整備で常に将来的にはCCUSの検討も、と記載されていますが、2050年のカーボンニュートラル実現を考えて逆算していくと、施設の整備計画を立てるのには、10年とか時間がかかるわけですので、常に将来的にはと断るほど遠い話ではないと考えます。そういう意味で、資源循環だけではなく脱炭素、そしてCO2の利用という新しい時代の中で、様々な施設を考えるときに、より多様に、積極的に多くの技術に関して検討を重ねて、柔軟に進めていただきたいなということを、この資料を拝見して改めて強く感じましたので、一言申し上げたいと思います。特に修文に関することではありません。発言させていただいてありがとうございます。
○酒井部会長 崎田委員、どうもありがとうございました。
髙橋委員、どうぞ。
○髙橋委員 ありがとうございます。髙橋です。大変丁寧にご説明くださいまして、ありがとうございます。幾つか、細かいところばかりになってしまうのですけれども、気がついた点について申し上げたいと思います。
まず資料2-1ですけれども、4番目の意見のところ。災害時の防災拠点としての活用の可能性について、あまりよく理解されていないように思います。これにつきまして、例えば具体的な事例を伝えてもいいのかなというふうに思いました。例えば、宇都宮市のクリーンパーク茂原の焼却場、リサイクルセンターでは、東日本大震災後に広域避難者を実際1か月以上にわたり受け入れておりました。当時は停電とか計画停電とかいろいろあったんですけれども、電気も温水提供にも問題がなく、避難者さんが大変快適に過ごされたという話を聞いておりまして、こういった具体例というのは、宇都宮に限らず他でもあるかと思いましたので、そういった点を丁寧に伝えていただくと、なるほどとご理解いただけるのかなと思いました。
2点目ですけれども、12番のところの意見でございます。30年で老朽化とは短いというような意見がありました。実は私も同じようなことを感じておりまして、実際は30年で老朽化しなくて、もっと長期に耐えるように大変頑丈に造られている施設がほとんどではないかと思っております。もちろん目安ということで記載されておりますけれども、全体的にもっと長寿命化を考えてもいいのかなと思います。
ここの議題をちょっと超えているお話かもしれないのですけれども、新たに新規に建設するときの助成金だけではなくて、改修ですとか長寿命化とか、そのための助成金枠というのを新たにつくるとか、そういったことがあってもよろしいかと思います。自治体さんは、やはり助成金によって、廃棄物施設の建設を決めているというところがございますので、長寿命化を誘導されるような丁寧な助成金のスキームの在り方ということを今後検討してもいいのかなというふうに個人的には思いました。
次に32番であります。生ごみのバイオガス、電化燃料、利用等を促進させるためには、単なる助成金だけではなくて、恐らく生ごみ、燃料、あるいは熱利用のためのシステムなど、構造の変革や、そのための制度がもっと必要とされると思います。これは環境省さんの権限を超えることかもしれないと思いますが、外部にも幅広く呼びかけていくことが重要と思いました。
最後に、資料2-2、ページ数で言いますと6ページのところでございます。「バイオマスのメタン発酵で得られるメタン回収・活用等」と書いていまして、メタンがちょっと重複をしているように見えたました。メタンガスの熱とか燃料とか電気利用とか、幅広い利用というふうに書かれてもよろしいのかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、お二人の方からご意見をいただきました。事務局のほうに回しましょうか。お願いいたします。
○廃棄物適正処理推進課長 崎田先生のほうのところでございます。CCUSのところでございます。おっしゃるとおりでございまして、長期的にしっかり、環境省としても長期的な視野を持ちながら、今後そういう方向性で取組をさせていただきたいと思います。
それから髙橋先生のご意見のほうでございますけれども、このパブコメの回答に、まず具体的な事例を災害のところに入れてはいいのではないかというところ、ありがとうございます。少しそういうこともしっかりと伝えていきたいと思います。おっしゃるような事例もございますし、様々な事例がありますので、そういうところはしっかり伝えるようにしたいと思っております。
それから、20年、30年の老朽化のところでございます。どうしても廃棄物処理施設ということで、中の構造、酸化ガスというか酸性ガスの影響で、老朽化が普通の施設よりも激しくなってくるというところがございます。大規模補修とか基幹的な施設改良につきましては、今、循環型社会形成推進交付金の中でも交付メニューとさせていただいておりますので、引き続きその活用などを促していきたいというふうに考えておるところでございます。
それから、本文の6ページのところでございます。ちょっとここは文言を少し、よりいい表現があるのかが、これで、おっしゃられる表現と少し検討したいと思っております。
それから、酒井先生からいただきました浄化槽の関係でございます。こちらでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、浄化槽というもの、水質の改善、汚水処理施設の普及という観点で整備を進めてきているわけでございますが、昨今のところ、国土強靭化というところで、浄化槽について、災害に強くて早期に復旧可能であるということで、浄化槽の整備を進めていくべきというようなご意見も強くいただいているところでございまして、一方で既存の単独処理の浄化槽、くみ取槽というものは老朽化が進んでいて、災害時には汚水のくみ取りとか、そういうところの機能で影響を及ぼす可能性があるということで、そういうところの転換を進めていくということで、国土強靭化計画の中で、この76%という値をさらに国土強靭化の取組も併せて活用することによって、その値を目指していくということを考えているということでございます。
以上でございます。
○酒井部会長 はい。ありがとうございます。
いただいたご意見に関しては回答いただいているかと思いますので、加えて、石山委員から手が挙がっておりますので、お聞きしたいと思います。
石山委員、どうぞ。
○石山委員 お時間をいただきまして、ありがとうございます。石山です。
2点ございます。修正には入らないかもしれませんが、今議論されている廃棄物処理施設整備計画に基づいて、今後、施策が講じられることになりますと都市自治体と深く関わりますので、申し上げたいと存じます。
1点は施設整備に係る予算確保についてです。前回の本部会における説明の中でも、大変様々な諸条件で国の財政状況が厳しいというお話があったと思いますし、その点については重々承知しているところでありますけれども、施設の長寿命化や施設整備に係るコスト縮減につきましては、都市自治体においても以前から取り組んでおり、また引き続き取り組む所存でもございます。そのような状況でございますので、国におかれましては、都市自治体による計画的な施設整備に影響が及ぶことがないように、必要な予算の確保に最大限努めていただきたいということを、前回の議論も踏まえ、いま一度申し上げさせていただければありがたいと存じます。
もう1点は、交付金等の広域化・集約化に係る条件化についてです。廃棄物処理施設整備に係る財政支援について、国が推進する施策への取組状況を踏まえた予算配分や、支援の重点化の検討との記載が整備計画案にございます。廃棄物処理体制の広域化・集約化につきましては、これまでもスケールメリットを生かすべく取り組んできておるところでございますけれども、特に中山間地域等の広大な面積を持つ自治体においては、収集運搬に係る経費の増加や中継施設整備が必要となるなど、さらなる広域化・集約化の実施が困難な地域もございます。地域の実情に十分ご配慮いただきまして、都市自治体による施設整備に支障が生じることのないように、ぜひともお願いしたいと存じます。
意見2点でございます。ありがとうございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。ご意見、コメントということではございますが、筒井課長、今の石山委員のご発言に対して、少し対応していただいたらと思います。併せて、この関連で資料3、施設整備計画の全体のまとめ的な資料も用意をいただいておりますので、この趣旨も併せて、どうぞご説明をいただければと思います。
○廃棄物適正処理推進課長 はい。石山委員からいただきました予算確保のところ、国の財政事情は非常に厳しい状況でございます。その中で、循環型交付金を確保させてきていただいておりますけれども、今後この循環型社会交付金の需要というか、要望額というのは増えてきているという状況でございます。国としても最大限努力をしていきたいというふうに考えております。一方で、広域化・集約化、それから長寿命化とか、さらにできるところでの補助金などの取組などについても、国としても可能な限り自治体さんの指針となるようなものを引き続き示していきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
それから広域化・集約化のところ、中山間地など、そういうところの配慮をというお話でございます。今の交付金制度においても、過疎地とか離島とか、そういうようなところについては一定の配慮をさせていただいているところでございます。やはり各都道府県レベル、場合によっては都道府県を越えてということでの広域化・集約化ということで取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、そこの中での必要な配慮、そういうような合理的な中での必要な配慮ということについては、引き続きしっかり検討して対応させていただきたいというふうに考えております。
それから、資料2-3ですかね。資料2-3のところでございますけれども、施設整備計画の策定についてということで、すみません、これの説明を簡単にさせていただきます。
これ、中身を非常にコンパクトにまとめさせていただいたところでございます。もう今まで議論させていただいたところで、5年ごとの計画というようなお話とか、その辺のところの趣旨のところは1枚目でも書いておりまして、その中で、2ページ目のところはまとめということで、全体像ということで、もうご承知のとおりのカーボンニュートラルに向けた脱炭素化とかそういうようなところ、それから循環型社会に向けた強化というところの視点というのが大きなところで入ってきていて、基本的理念、それから廃棄物処理施設の運営の重点、効果的な実施的な整備と、それから重点目標のところのお話が全体像をまとめたものと。それぞれの基本的理念のポイントが3ページのところでまとめられているというところでございます。
今まで議論していただいたところをこれ、いろんなところに長い資料を、説明する中でポイントを説明する資料として活用させていただくということでございまして、少しめくっていただきまして、すみません、2.のところ、基本的理念のところのまとめですね。それから次のページの4ページのところは、整備及び運営の重点、効果的かつ効率的な実施なところのポイントということを書かせていただいております。(1)から(7)まで、次のページ、5ページのところで(7)のところでまとめということで、(1)から(7)のところ、こういうふうな形で、全体像を非常に簡単にまとめまして、いろんなところでのご説明に使わせていただきたいということで作られたパワーポイントでございます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。要領よくご回答いただいて、ありがとうございました。
それでは、この今回の施設整備計画、いただいたご意見を踏まえて、今日の資料の取扱いでございますが、先ほどメタンの用語の部分の表現、事務局からは、ちょっとよく見たいと、表現を考えたいというご発言がございました。併せて石山委員のほうから、修正を求めるものではないがというご発言であったわけですが、予算の点と広域化・集約化の要件化、これは2点ともこの施設整備計画と密接不可分の重要な論点という認識ですので、再度、今の原案を事務局と拝見させていただければというふうに思っております。すなわち、少なくとも微修正に係るご意見もあったということで受け止めさせていただきまして、この後、事務局のほうで必要な調整を行った上で、今後の必要な手続に進めたいというふうに思っております。この辺りの最終的な取扱いに関しては、私どものほうに一任いただければありがたいと思っております。このような扱いで、今回の施設整備計画の案を取り扱うということに関して、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○酒井部会長 ありがとうございます。それでは、今のお伺いに対して、挙手もございませんので、そのようにさせていただきたいと思います。若干の事務局調整、どうぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。
○廃棄物適正処理推進課長 はい、承知いたしました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 それでは、議題2につきましてはこれで終了したいと思います。
それでは、続きまして議題の3番目でございます。この静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会の設置について、入りたいと思います。事務局のほうから資料3の説明をお願いいたします。
○廃棄物規制課長 事務局の廃棄物規制課長の松田です。酒井部会長、聞こえているでしょうか。
○酒井部会長 はい。クリアに聞こえております。
○廃棄物規制課長 はい。分かりました。
それでは、私のほうから、静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会の設置について、資料3と参考資料1を用いて説明させていただきます。まず、参考資料1からちょっと説明したいと思いますので、表示のほうは参考資料1のほうをお願いします。
この参考資料1にありますけれども、この小委員会について、どのような目的でどういったことを審議いただくかということについて主に書いているものなんですけれども、この目的の記載にありますとおり、この循環部会では、昨年度は循環経済工程表を取りまとめていただきまして、また先ほども廃棄物処理法に基づく基本方針や施設整備計画についてもまとめていただいているところであるんですけれども、こうした政策、こうした中身に書かれてあるビジョン、こういったものをより具体的な施策として実現をしていくために、いろいろな政策ツールがあると思うんですけれども、この中身について、今般この新たな小委員会を設置して、集中的なご議論をお願いしたいというふうに思っております。
こちらの審議予定の内容に関しては、2.にもありますけども、特にサーキュラーエコノミー関係ですね。これは国内外でいろいろ大きな動きがあると認識しています。海外では、つい4月にありましたG7サミットで支持されたCEREPですか。こういったまさに先進国でまとまっている大きな方向性もございますし、また、特にヨーロッパなんかでやっているようなデジタルプロダクトパスポートの導入など、サプライチェーンでの取組ですか。こういったものについても、海外で大きい動きが出てきているというところでございます。
また、国内では、本日経産省さんに参加していただいていますけども、成長志向型の資源自律経済戦略、こういったものがまとまって、今後さらに深掘りした議論を進めていくということもございますし、また、政府全体でグリーン・トランスフォーメンション(GX)を進めていくという部分の中でも、資源循環に関して動静脈連携というのをより具体的に進めていくということになってきています。
こういった国内外の状況を踏まえつつ、まさに資源循環と脱炭素の両立を図っていくために、静脈産業として進めるべき取組というのは一体どういうものなのだろうかということをご議論いただきたく思っております。例えば、動脈企業と静脈企業が連携して、動静脈をぐるっと一周するような資源循環の取組、こういったものを進めるには一体どうしたらいいか、太陽光発電設備やリチウムイオン電池などの脱炭素製品のリサイクルをどう具体的に進めていくか、あとは先ほど施設整備計画の話もございましたけども、自治体主導の脱炭素の取組を、民間の力を活用してどう進めていけばいいか。加えて、資源循環ビジネス全体の底上げをどうしていけばいいか。そういったところについて、いろいろな論点があると思うんですけれども、これらの点についての必要な政策ツールのご議論をいただければというふうに思っています。
このほか、デジタルプロダクトパスポートもございますけども、環境省でも廃棄物処理法に基づいた電子マニフェスト、こういった情報基盤があるわけですけども、今後、資源循環をさらに進めていく上で、どういう情報を活用すればいいのか、又は今ある情報をどう活用していけばいいのか、これら点についてもご議論いただきたいなというふうに考えております。
スケジュールですが、この第1回を夏頃開催し、それから月1回程度開催して、年内を目途に一旦取りまとめの方向で進められないかというふうにも考えております。続いて資料3、よろしくお願いします。この資料3で、循環部会の中に静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会の設置ということで、本日部会でお諮りさせていただければというふうに思います。どうかよろしくお願いしたいと思います。
○酒井部会長 松田課長、どうもありがとうございました。新たな小委員会の背景と狙い、そして今日決議いただきたい事項、資料3の説明等がございました。
それでは、ここへのご質問、あるいはご意見がございましたら、手を挙げていただけますでしょうか。
それでは藤森委員、お願いいたします。
○藤森委員 ありがとうございます。すみません、ちょっと質問的な部分中心になるんですが、今、小委員会の設置の部分についてご説明をいただきまして、ありがとうございます。ちょっと私、分からないというかシステム構築に向けての小委員会ということで、その小委員会からの報告があったやつは、当然部会のほうに上がってくるわけでありますけども、その後、その報告内容をどのようにどう活かしていくのかというところについて、現段階で分かる範囲で教えていただければありがたいかなと思ったのが一つです。
もう一つは、これは用語の部分で、必要かどうかもあるんですけども、夏以降に4回、ご議論をいただくということでありますけども、ご議論をいただいたその結果ではなく途中経過的な部分というのも、部会が開かれたときにご報告いただくということはあるのかどうかということ。
その2点だけ、ちょっとお教えいただければありがたいです。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 藤森委員、どうもありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。
それでは、松田課長、お願いいたします。
○廃棄物規制課長 ありがとうございます。今、藤森委員からもこの小委員会、まだご了解をこれからいただければということでありますけど、もしできたという段階で、また、かつさらにその報告が取りまとまった後、どのように活用していくのかというご質問が、まず一つにございました。
我々とすれば、いろいろなこの、こういうサーキュラーエコノミーと脱炭素をやっぱり実現していく上で必要な政策というのが、これは例えば制度的な対応があったり、あとは予算的な支援制度もあったり、様々な政策ツールというのがあるんだろうというふうに思います。今回この小委員会をもしご了解いただいて、その後、議論いただいて取りまとめがなされれば、具体的な政策を実行するように、我々としてしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。それが一つ目です。
あと二つ目につきましては、部会の中に小委員会を設置するということで、小委員会の規定上、確かに小委員会が、こちらの資料3にもございますけども、小委員会の決議は、この循環部会長、酒井先生の同意を得れば、部会の決議とすることはできるというふうには、一般的な小委員会の規定はあるんですが、今、藤森委員からのお話もあったとおり、循環部会にも、この内容についてはもちろん報告もしていきたいと思いますし、また中途の部分について、今ご意見がございましたので、ここは酒井部会長とよく相談しながら、循環部会も後ほどお話もある循環計画の議論、これからもよく行いますので、そういったところで途中で報告するというようなことがあるのかどうか。この点も酒井部会長とも相談しながら対応を考えていきたいと思います。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。大分先の成果物の扱いとか、あるいはその間の手続について質問をいただきました。丁寧にお答えいただいているかと思っております。
ほかにはいかがでしょうか。何かご希望、ご発言はございますか。
(なし)
○酒井部会長 どうもありがとうございます。ただいまの説明の背景といたしましては、これは国際的な論点も含めて、またこれまでこの循環部会で審議してきた相当理念的なところの具体化ということでの施策の在り方を検討するという方針に関しても、現時点で極めて重要な課題と認識をしております。そういうことを含めまして、この循環産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会を設置することを決定いたしたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。異議がある方は手を挙げていただければと思います。
(異議なし)
○酒井部会長 それでは、特にないようでございますので、異議なしということで、この小委員会の設置を決定させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
それでは、議題3につきましては、これで終了ということにしたいと思います。
それでは、この後、議題の4番目、第四次循環基本計画の見直しにつきまして、ヒアリングに入りたいと思います。今回の部会以降、先進的な取組を行っている自治体、企業、NGOなどにヒアリングを行い、次期循環計画策定に向けた議論を深めていきたいというふうに考えているところです。
本日につきましては、その総論的な展開を図っておられます経済産業省、それから経済団体連合会、そして環境省のほうから報告をいただきたいと思います。本日は経済産業省の田中資源循環経済課長、それから経済団体連合会の岩村常務理事にご参加いただきます。そして、説明をいただきます。なお、岩村様はご都合で途中から参加されると伺っております。
進め方ですが、この後、環境省、経済産業省、経済団体連合会の順にそれぞれ10分程度のご説明を頂戴し、その後、一括して30分程度の質疑応答の時間を設けるというデザインでお願いできればというふうに思っております。
それでは、最初に環境省からでございます。資料4-1、4-2につきまして、説明をお願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。リサイクル推進室長兼循環型社会推進室長を務めております水谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、お示ししている資料4-1をご覧ください。今、酒井部会長からも若干ご説明をいただきましたけれども、第四次循環基本計画の見直しに向けたヒアリングについてということでございます。循環計画の見直しに当たっては、今後、現行の第四次の計画、そして昨年9月に取りまとめいただいた循環経済工程表を踏まえまして、まずは本年秋頃の指針の策定に向けて、本日を含めまして4回程度、ヒアリングを行いたいと考えております。具体的には、先進的な取組を行っている自治体、企業、NGO等を対象といたしまして、各回3団体程度ヒアリングを行いたいと思います。特に第四次の計画策定以降の先進的な取組についてご説明をいただいて、また併せて関係省庁などからも関連する取組についてご紹介をいただく予定というふうにしております。
なお、これらの取組につきましては、循環型社会の形成にとどまらず、持続可能な地域と社会づくりへの貢献といった観点についてもご紹介をいただけたらと考えております。
そして、下の今後のスケジュールでございます。スケジュールについては、本日この後になりますけれども、今後のヒアリングと検討のベースともなる内容を、私環境省、そして経産省、そして経団連の取組の紹介という形でご説明をさせていただきます。今後はまず7月26日、そして8月2日、31日という形でヒアリングを実施したいと考えております。
資料4-1は以上でございます。
続きまして、資料4-2をご覧ください。こちらは第四次の循環基本計画と循環経済工程表の概要についてということでございますけれども、前回計画策定以降、今年2月の委員の改選やその後に委員になられた方も多くおられますので、おさらいの意味も含めまして、簡単にこれらの内容についてご紹介をさせていただきたいと思います。
次のページをお願いいたします。まずこの全体の法体系でございますけれども、2000年に制定された循環基本法、こちらと前後して、下に並んでおります個別リサイクル法の制定が進んでまいりまして、そして一昨年には、中ほどにございます素材に着目したプラスチック資源循環法、こちらが制定されているという、そういった全体像になっております。
次のページをお願いいたします。そしてこの循環基本法では、オレンジの囲みの部分になりますけれども、循環型社会の定義と、あとは3RということでReduce、Reuse、Recycle、そしてリサイクルもできない場合の熱回収、適正処分を行うという優先順位を明示しております。また、一番右側になりますけれどもオレンジの部分、循環基本計画の策定がこの循環基本法に規定されているという、そういった内容になっております。
次のページをお願いいたします。次のページは現行の第四次の計画の概要となっております。循環基本法に基づき、循環型社会の形成に関する基本的な方針、そして政府が講ずべき施策等を定めるものというふうにされておりまして、最新の計画は2018年6月に第四次の計画という形で閣議決定をしております。
下がその構成となっておりますけれども、まず下の図の丸の部分でございますが、当時の重要な課題が列挙されております。地域循環共生圏の形成、また永遠のテーマでもある適正処理、そして福島第一原発事故からの環境再生、あとは国際資源循環と循環産業の海外展開、そして下の緑の部分でございますけども、気候変動の激甚化とともに深刻さが増している災害廃棄物の処理、そしてオレンジの部分ですけれども、近年極めて重要となっている、出口側、いわゆる静脈側だけではなくて入口側の製造販売といった動脈側も含めた、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環。そして横断的なものとして、上の水色の部分になりますけれども、「持続可能な社会づくりとの統合的取組」ということで、環境的側面だけじゃなくて、経済的、社会的な側面も含めた統合的な向上を図っていくということ。そして下の紫の部分になりますけれども、情報や技術、そして人材育成といった基盤整備、これら合計七つの重点分野でこの第四次計画が構成をされております。
次のページをお願いいたします。次のページは「循環経済工程表の策定について」とありますけれども、まずその背景、経緯といたしましては、この赤字の部分になりますが、2020年のカーボンニュートラル宣言、こちらを受けまして、カーボンニュートラルの実現に向けてという観点で、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を加速するための工程表、こちらの検討を行うということになりました。それを踏まえまして、令和3年12月から中央環境審議会循環型社会部会の場において、この基本計画の2回目の進捗点検を行いまして、点検結果を踏まえた今後の方向性の部分を、令和4年9月に循環経済工程表として取りまとめました。
具体的には、この工程表の概要は、後ろの参考の部分、19ページから21ページにありますが、さらに別途の参考資料4で全文もつけておりますので、適宜ご参考にしていただけたらと思います。
この具体的な内容を簡潔にご説明いたしますと、まず矢印のところでございますけども、現状の把握評価を行いまして、2030年のサーキュラーエコノミー関連ビジネス80兆円以上を目指すといった目標の達成に向けて、さらに2050年カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けて、素材ごと、また製品ごとの今後の方向性をお示ししております。
下にそのポイントということで示されておりますけれども、まずはプラスチックについてはプラスチック資源循環法に基づく3R+Renewable、そして金属については経済安全保障の観点から国内外でのリサイクルの推進、また太陽光パネルについては速やかに制度的対応を含めた検討、そしてファッションについてはサステナブル・ファッションの実現に向けて取組を推進していくという、そういった内容がポイントとして挙げられるかと思います。
こちらの2番、3番、太陽光パネルとファッションにつきましては、それぞれこの工程表も踏まえて、環境省と経産省の合同の検討会が設置されておりまして、現在議論が行われているという、そういった状況になっております。こちらの二つの検討会につきましては、この資料の一番後ろ、22ページと23ページに概要をつけておりますので、よろしければご参照いただけたらと思います。
次のページをお願いいたします。
次のページは、この計画の点検結果の概要という形になっております。直近の点検の結果でございます。この循環基本計画では、その進捗を図るための目安として、様々な指標が置かれています。2002年に決定された第一次の計画では13個、その後、第二次、第三次と増えてまいりまして、直近の第四次の計画では117の指標が設定されております。その指標については、この資料の14ページにも概要が参考としてついておりますし、また参考資料3という形で第四次の基本計画の本体がついておりますけども、そちらの80ページから91ページ、そちらに全ての指標が掲載されておりますので、ご参照いただけたらと思います。
こちらのページでは、代表的な四つの指標をお示ししております。まず入口の資源生産性、そして出口の最終処分量でございますけれども、これらについては○、◎ということで、目標達成見込み、または目標の水準に到達済みというふうになっております。
一方で、この真ん中にある循環利用率につきましては、入口側、出口側ともに△というふうになっておりまして、今後さらなる取組が求められているという、そういった評価になっております。
次のページをお願いいたします。
次のページは、廃棄物・資源循環分野の脱炭素化に向けた動きということでございますけれども、前回基本計画策定以降の非常に大きな動きということで、やはりまずは2050年カーボンニュートラル宣言が挙げられるかと思います。そして、その翌年4月の2030年度46%削減の中期目標の決定、そういったものがございましたけれども、これらを実現していくための政府の様々な戦略や計画が策定されております。下に五つほど並んでおりますけども、これらの多くにおいて、資源循環、そしてサーキュラーエコノミーへの移行が重要な課題というふうに位置づけられている。これは言い換えれば、カーボンニュートラル実現のために、このサーキュラーエコノミーが重要である、不可欠であるということが言えるかと思います。
次のページをお願いします。
そして、次のページはカーボンニュートラルと循環経済の同時達成となっておりますけども、こちら、持続可能な社会経済システム実現のためには、循環経済の実現とカーボンニュートラルへの移行を同時達成するということが必要と、工程表の中でも示されております。我が国の温室効果ガス排出量のうち、廃棄物分野の直接の排出量は3%でございますけれども、資源循環が貢献できる余地がある部門ということで、左のグラフの赤色の部分になりますけども、それらは合計で36%にも上るという、そういった推計がされております。また、一番下になりますけども、我が国全体でカーボンニュートラルを実現するためにも、この廃棄物分野においても、カーボンニュートラル、温室効果ガスの排出ゼロを目指すことが必要ということが示されております。
次のページをお願いいたします。
次のページは、この廃棄物分野の中でも、温室効果ガスの多くを排出しているプラスチックに関しての新しい法律、昨年4月から施行されているプラスチック資源循環法の概要でございます。こちらの法律におきましても、左下にございますが、このプラスチックのライフサイクル全体での資源循環を促進するということで、設計・製造や販売・提供も含めて網に掛けるというところが非常に大きなポイントとなってございます。
次のページをお願いいたします。
次のページはGXということで、グリーントランスフォーメーション実現に向けても、この資源循環が重要、特にこの動静脈の連携による取組が重要ということ、こちらは昨年のGX実行会議で使われた資料を修正したものとなっておりますけども、こういった取組が我が国の産業競争力や経済安全保障の強化にも貢献していくということをお示ししております。
そして、中ほどでございます。動静脈連携は、この右側の吹き出しの中になりますけども、動静脈両方にメリットがあるということで、動脈側にとっては、質の高い再生材の供給を安定して受けられる。また、静脈側にとっては、より解体、リサイクルしやすくなる、また、再生材を安定的に販売できるといった、まさに動静脈双方に大きなメリットがあるということが言えるかと思います。
そして、本体最後のページになります。次のページでございますけども、こちらは、本年2月に閣議決定されたGX基本方針の参考資料でございますが、資源循環産業の今後の道行きということでお示しをしております。中ほど、こちらに、政府として、今後10年間で、GX全体で20兆円の投資を行うという方針が示されておりますけれども、その中で、資源循環分野で約2兆円の投資を実施するということが、この方針でも示されているという、そういった説明になっております。
その後に、参考資料がいくつかついておりますが、そちらは適宜ご参考いただけたらと思います。
環境省からの取組の説明は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして経済産業省より国の取組ということで、ご説明をお願いしたいと思います。
田中課長、どうぞよろしくお願いいたします。
○経済産業省 酒井部会長、ご紹介いただきまして、ありがとうございます。
私、ご紹介いただきました経済産業省資源循環経済課長を拝命しております田中と申します。本日はよろしくお願いいたします。
10分程度ということですので、簡単にご説明したいと思います。既に、水谷室長から重複したご説明もありましたので、経産省としての視点、取組状況、今後取り組んでいきたい方向性をご紹介したいと思います。
それでは、早速1ページ目に進んでいただけますでしょうか。
まず、経済産業省として、新しい政策に向けて中期的に何を進めていくのかという重点化を「新機軸」と銘打って実施しております。この新機軸の14テーマの中に、左側の6番目に書いてありますけれども、世界的な課題を成長戦略に変えていく重要な課題の一つとして、この成長志向型の資源自律経済の確立というものを設定しているという状況であります。
次の2ページをご覧いただきますと、成長志向型の資源自律経済の確立がなぜ必要なのかという問題意識について、整理させていただいています。これは大きく分けて三つというところであります。まず、経済活動をしていくために欠かせない資源というものでありますが、これは昔から言われているものの、資源制約・リスクというものがより強く主張されているということで、これは日本だけではなくて、欧米諸国も含めて、経済の自律性をどう保っていくのかというのが、資源の文脈で非常に重視をされているというところであります。すなわち、世界的な経済成長、人口の増加に伴って、マテリアルの需要が、まだまだ伸びていっているという中で、特にこれは鉱物資源にこの傾向が強いが、レアメタルに限らず、多くのマテリアルがこの自然の中から採掘できる量が減少する、あるいはクオリティーがどんどん下がっています。また、この採掘に当たっては、人権問題、あるいはバイオダイバーシティの問題、様々な問題も引き起こすために、これはバージン素材をどんどん取っていくということ自体に制約が出てくるということであります。
また、これらの一部資源が一部の国に集中してしまっているということから、日本の自給率が低い中で、この資源制約を克服するためのツールとして、世界に先駆けてサーキュラーエコノミーに取り組んでいく必要があるということが非常に強く意識をされているということが1点目。
二つ目でありますけれども、環境制約・リスクについては、本来的に申し上げますと廃棄物の適正処理という文脈で始まってきているわけでありますけれども、先ほども水谷室長からご説明があったように、カーボンニュートラルの実現という中でも素材産業から出ているCO2が全体の3分の1を占めているものづくり立国の日本であるからこそ、このカーボンニュートラルを進めるためには、やはり循環資源の活用ということによっても、CO2削減に貢献していく必要があるという、このGX文脈での大きな波が一つあるということが2点目であります。
それから、3点目でありますけれども、やはり経済産業省ということでありますので、資源循環の取組が持続可能な成長に寄与していくということも併せて確認が必要ということであります。これはもう世界の数字を見れば、先進国のみならず、新興国においても、廃棄物処理問題、資源循環問題というものは待ったなしの状況になっているということであります。ですので、世界的な動きとしては、資源の循環性を様々な理由から担保しなければ、製品自体も売れない、あるいは国際的なルールで、より厳しい循環性が求められていくという環境になりつつあるということだと思います。
したがって、将来の国内だけじゃない、世界グローバルのマーケットを取りにいくことにつながるということから、積極投資を求めていくという動きにしていきたいというのが3点目であります。
次の3ページをご覧いただきますと、経産省として、この成長志向型のという冠をつけて、今回、議論してまいりましたのは、やはり経済的な市場も拡大をしていくという、ambitionを設けて、左側にございますけれども、2030年には80兆、2050年には120兆という国内のサーキュラーエコノミー市場の規模ということで、かなりアンビシャスな数字にはなっている。同率で伸びていくという予想もあったりしますので、こういったものに向けて、取り組んでいく必要がある。これによって、右側にございますけれども、CO2削減、経済安全保障の確保及びバイオダイバーシティへの改善、緩和への貢献及び最終処分場への逼迫緩和への貢献といったところに好循環を生み出すのであります。
次のページをご覧いただきます。こうしたものを具体的なアクションにしていくために、きちんと確認をした上で、今後、何を実施するべきか、ということを今年の3月に取りまとめたわけであります。これが昨年の10月以来、ご所見を賜りながら議論を進めてきたかというものであります。
今回の研究会の成果の一つとしては、最先端の海外の情勢のかなり詳しく方、例えば欧州委員会の成長総局、あるいは環境総局の方にも、実際に規制を起草・立案しているような組織のディレクターの方にも出ていただいたり、あるいはグローバルな動きとしての先端機器とMicrosoftやAppleの取組をお伺いしたりしました。後ほど言及したいと思いますけれども、このサーキュラリティを担保するために、情報もサーキューレーションしなければいけないということで、ドイツの自動車産業全体での情報の交換プラットフォームとしてあるCatena-Xといったような取組を引っ張られているような方からもプレゼンをいただき、海外の動きを横目でにらみながら、日本国内の資源循環市場をどう構築していくかという観点から議論いただきました。
5ページをご覧いただきますと、研究会の委員の皆様、メンバーでありまして、この循環型社会部会の中では、末吉委員に私どもの研究会にもご出席をいただきました。また、環境省さんもオブザーバーとしてご出席をいただいて議論を進めさせていただきました。
やはり、先ほど動静脈連携というお話がありましたけれども、産業界としても、これを取り組むべき非常に重要な課題としてコミットしていただくということが何よりも必要であるということから、財界のトップの方々にも、あえて、ちょっとランクが高く研究会を設定して、議論いただいているということでありました。また、省内としても、経産省としてのコミットメントを高めるということから、38課室のプロジェクトチームをつくりまして、この議論を進めてまいりました。
次のページをご覧いただけますでしょうか。6ページであります。それでは、どのようなことをやっていこうかという戦略のアクションのご紹介でありますけれども、大きく分けて、三つというふうに整理をさせていただいております。(1)(2)(3)と下の図で書いてありますが、既存の施策が左下にあって、これはCE関連制度ということで、先ほど水谷室長からもご紹介がありましたけれども、様々な横串の法制であったり、個別製品のリサイクル法制、こういったものがございます。こういったものを、一つは新たな政策手段の充実ということで、面的に広げるということで、これまでは、この法制を中心に進めていたわけでありますが、それプラス、やはり循環実態を把握して、先ほど資源生産性といったようなお話もありましたが、やはり個別の材であったり資源において、経済界の活動としての個別のターゲットといったものも設定をしていただく。これに対するコミットをしていただける方には、財政的な支援、予算的な措置も含めて投資をしていくというようなフレームを提供したい。先ほどご紹介のあったGXの予算措置のフレーム、2兆円の投資の支援ということで、2兆円が財政支出ではなくて、投資は向こう10年で2兆円されるように、財政的な負担も行うということで、この予算を使って、R&Dであったり、あるいは実装をするための投資、これはデジタルの投資も含むというふうに我々としては考えておりますけども、こういったものへのご支援をしていくのが一つ。
二つ目は、(2)と書いてありますけども、既存施策のカバレッジ拡充といっています。要は深掘りというふうにお考えいただければといいと思います。経産省としても取り組ませていただいている資源有効利用促進法(3R法)の深掘りといったようなところで、先ほどご紹介があったような、例えば、太陽光パネルであったり、衣服であったり、あるいは問題になっているバッテリーの循環をどうするかといったような話。こういったところの議論を、経産省としても今後深めていきたいというふうに思っております。
それから、3番目でありますけれども、こういった個別の業界、あるいは材ごとの取組の深掘りということは、当然、あめとむちで規制、ルールと財政的支援、こういったもので推進をしたいと思うわけであります。具体的には、個別個別の議論になりますので、これを議論いただくための産官学のパートナーシップをこの夏に立ち上げて具体論を、民主導で、官もこれに寄り添いながら進めていくというような形ができればいいのかなというふうに思っているところであります。
この中に、ぜひとも環境省さんと連携をさせていただいて、やはり静脈側から資源が戻ってくるということと、戻しやすくするために動脈側でさらに商品設計をどうすべきか。こういった議論ができるように、ぜひとも自治体の皆様のご参画も賜りたいということであります。
次のページをよろしくお願いします。ギア①、ギア②、ギア③と、今申し上げたとおりでありますけれども、三つの塊として進めていきたいということでありまして、具体的には、予算要求もしつつ法改正、法律でなければ、法律の下の政省令改正になるかもしれませんが、その議論をこの夏以降にしていき、予算要求戦線、あるいは法令改正手続につなげていき、その中身のあんこのところをパートナーシップで進めていくということを考えております。
この中で、一つ重要と思っておりますのは、このDX化支援というところでありまして、次のページをご覧いただきますと、8ページですけれども、このぐるぐるっと動静脈全体、設計、製造、販売、利用、回収及びリサイクルという各段階でやるべきことがあるということでありますが、各段階でなされたことがお互いに分かるというようなことが何よりも大事ということです。先ほどDPP、デジタルプロダクトパスポートのお話もありましたが、やはりこういう情報の連携、流通というものは肝になってくるというふうに思っておりますので、その真ん中に書いてありますインフラとして、情報流通のプラットフォームを各業界でつくっていくというもののご支援をしていきたいと思っております。こういったものができることによって、今問題となっているようなカーボンフットプリントであったり、それをライフサイクルでアセスメントするといったようなこと、さらには、それによって循環度がどれだけなっていくかというものが、ミクロの基礎づけのあるマクロデータというような世界にもなってくると思っています。これはまさに、ヨーロッパの真似ではありますけれども、欧州でも今、まさにフロムスクラッチでアーキテクチャをつくろうとしているところでありますけれども、これに遅れじということで、日本としても取り組んでいくためのご支援をしていきたいというふうに思っております。
以上が経産省としての今後の進め方ということでの戦略で取りまとめた内容であります。あとはGX予算のご紹介なんかは、先ほど水谷室長からもありましたので、ぜひご参照いただければと思います。
私からは以上になります。お時間いただきまして、ありがとうございました。
○酒井部会長 田中課長、どうもありがとうございました。
若干、ちょっとご発言が途切れたんですが、ほぼ聞き取れておられることを願っております。
それでは、引き続きまして、経済団体連合会のほうからのご説明を頂戴したいと思います。岩村理事、ご用意できておりますでしょうか。
今、資料4-4は画面に提示いただきましたが、それでは岩村常務理事、どうぞよろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。
○日本経済団体連合会 酒井部会長、ご紹介ありがとうございます。
声は届いておりますでしょうか。
○酒井部会長 はい。クリアに届いております。どうぞよろしくお願いいたします。
○日本経済団体連合会 改めまして、経団連常務理事の岩村でございます。
本日は循環型社会、循環経済に向けた経団連の取組について、ご説明の機会を頂戴し、誠にありがとうございます。
それでは、現在画面共有されております資料4-4に基づいて、ご説明申し上げます。
1ページをお願いします。初めに、環境分野への取組に関する経団連の考え方をご紹介いたします。経団連では、社会性の視座に立脚した「サステイナブルな資本主義」を掲げ、Society5.0 for SDGsの実現を目指してございます。このサステイナブルな資本主義を実践する上で、環境分野におけるサステイナビリティの確保は重要課題の一つとなります。そこで経団連では、この図にございますように、GX(グリーントランスフォーメーション)、CE(サーキュラー・エコノミー)、NP(ネイチャーポジティブ)の3分野について、一体的に取り組む方針を打ち出し、これら全てに取り組む必要があると考えてございます。この中で、資源循環と脱炭素がトレードオフになる場合もあると考えられることから、全体最適を考えて、取組を進める必要があると認識しております。
2ページをお願いいたします。循環型社会形成自主行動計画をご紹介させていただきます。経団連では、温暖化対策と併せまして、廃棄物、リサイクル対策について、「循環型社会形成自主行動計画」を1997年より策定いたしまして、産業廃棄物最終処分量の削減を中心に、自主的な取組を推進してまいりました。数次にわたりまして、目標値を引き上げつつ、その進捗状況を確認するために、毎年度フォローアップを行っております。その結果を、(1)の下のグラフでお示ししてございます。2021年度の最終処分量は、2000年度比で約78.4%減となっており、目標を達成ところでございます。また、最終処分量の削減以外にも、業種ごとの特性、実情に応じまして、再資源化率の維持、向上といった業種別の独自目標を掲げ、取組を進めております。
加えて、海洋プラスチックごみ問題等を背景として、2019年度からは、プラスチック資源循環の推進に貢献する目標を設定しております。現時点で40業種からの目標表明がございまして、各業種での検討を深め、さらなる充実化を目指しているところでございます。
経団連では引き続き、循環型社会の形成及びサーキュラーエコノミーの実現に向け、主体的に取り組んでまいりたいと思ってございます。
続きまして、資料の3ページをお願いします。ここから5ページにかけまして、本年2月に公表したサーキュラーエコノミーの実現に向けた提言について、ご説明を申し上げます。
政府におかれましては、本提言を踏まえ、循環型社会形成推進基本計画や今後の資源循環関連の施策をぜひご検討いただきたいと考えております。
3ページでございます。ご案内のとおり、国内外の様々な情勢変化からサーキュラーエコノミー実現の重要性が日本を含む世界各国で指摘されてございます。このような中、経団連の提言では、サーキュラーエコノミーの実現を通じて、我が国が目指すべき方向性を3点挙げてございます。資料の下段の2.に書いてございますけれども、1点目は資源の確保を通じた資源制約の克服、2点目は資源の循環を通じた環境制約の克服、CNへの貢献、3点目は経済成長、産業競争力の強化でございます。これらの目指すべき方向性の下、必要となる施策を取り組むべき課題として9項目にまとめました。
その中身を順次ご説明申し上げます。まずは4ページをご覧ください。
まず、製品のライフサイクルに沿って、5項目を挙げてございます。左上の設計・製造段階は、(1)環境配慮設計の促進と(2)再生材の活用、部品リユースの普及促進でございます。環境配慮設計については、自主的設計ガイドライン策定に向けた議論の促進や新素材、新技術の開発に向けた支援を求めております。また、再生材活用や部品リユースについては、再生材の品質に関する規格・基準のあり方の検討やリマニュファクチャリング支援などを提言いたしました。
右上の販売段階は、(3)「利用型ビジネスモデル」の普及促進であります。シェアリング、サブスクリプションなど、利用型ビジネスモデルの社会的な認識向上に向けた取組を求めています。
右下の消費・利用段階は、(4)消費者の行動変容でございます。環境配慮型の製品、サービスの普及促進のため、消費者への啓発活動や環境教育の促進、加えて環境価値の評価方法、認証制度の検討を求めてございます。
左下の収集・再資源化段階は、(5)循環資源の効率的な収集、再資源化の拡大でございます。サーキュラーエコノミーの実現に向けましては、いかに効率的に収集するかが鍵を握りますので、広域認定制度や再生利用認定制度の活用促進、廃棄物処理法に係る許可、認定取得の審査効率化を求めてございます。廃棄物の適正処理を大前提とした規制緩和につきましても、ぜひご検討いただければと考えております。
5ページをお願いいたします。4ページの図でご提示したようなライフサイクルでの効率よい資源循環を創出するためには、国内外での主体間の連携が大きなポイントになると考えてございます。そこで上の箱の(6)でありますけれども、地球規模での環境負荷低減、国をまたいだサプライチェーン構築といった観点から、海外における資源循環体制の構築への協力を提言しております。さらに、(7)でございますけれども、デジタル技術を活用した情報流通プラットフォームの構築の必要性も指摘いたしました。経団連といたしましても、動静脈間での資源循環関連情報の共有が非常に重要だと考えております。
また、サーキュラーエコノミーに向けて、積極的に取り組む企業が投資家、消費者をはじめとするステークホルダーから適正に評価される環境整備も必要であります。そこで、ISOやEUなどにおける国際的議論と整合性を取る形で、企業のサーキュラーエコノミーへの貢献度、すなわち、「循環度」の評価方法について検討するよう(8)にて求めてございます。
併せて、(9)企業と投資家、金融機関の建設的対話を促進するべく、政府のサーキュラー・エコノミーに係るサステナブルファイナンス促進のための開示・対話ガイダンスのさらなる普及に向けて取り組むべきとしてございます。また、我が国のベストプラクティスを国内外に共有し、発信することも重要と指摘したところでございます。
以上が提言の概要となりますけれども、この提言でも言及しております通り、サーキュラーエコノミーの実現に向けましては、官民連携が重要と考えてございます。
そこで、6ページをお願いします。官民連携の実例をご紹介申し上げます。環境省、経済産業省と私ども経団連が一昨年に設立いたしました環境経済パートナーシップ、いわゆる「J4CE」をご紹介いたします。J4CEでは、日本の事業者によるサーキュラーエコノミーの取組事例を収集いたしまして、国際会議の場などで国際的な発信をしております。例えば、温暖化のCOPでは、環境省が主体となって、日本の事業者の注目事例を各国の関係者に2年連続でPRしていただいております。私どもといたしましても、引き続き官民対話や動静脈の企業間連携を見据えたビジネス交流会を継続的に開催してまいりたいと考えております。
簡単ではございますけれども、私のご説明は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○酒井部会長 岩村常務、どうもありがとうございました。
それでは、ここから質疑の時間に入りたいと思います。環境省、経産省、そして経団連からのご説明に対しまして、ご質問、ご意見のある方、手を挙げていただければと思います。いかがでしょうか。
では、高岡昌輝委員のほうからお願いいたします。
○高岡(昌)委員 ありがとうございます。私のほうからは2点、経産省の田中様にお聞きしたいと思います。
ご説明ありがとうございました。スライドの6ページの、新たな政策手段の充実というところで、「非連続への挑戦」とお書きいただいておるんですけれども、ここの非連続への挑戦というのは、例えばどういったものが最初に非連続を迎えるかといったようなイメージがもしございましたら、教えていただきたいと思います。
それからもう一つは、8ページの情報流通プラットフォームのところですけれども、こちらも各業界でつくっていくとおっしゃったんですけれども、各業界でそれぞれ少し時間の遅れ等もありながらつくっていくとは思うんですけれども、そもそも全体の標準的なプラットフォームを経産省から提示されることはないのかということをお尋ねしたいと思います。
ありがとうございました。
○酒井部会長 高岡昌輝委員、どうもありがとうございます。
大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。
今、環境省、経済産業省、経団連の話を聞いていまして、やはり環境省が、どちらかというと、これまで静脈側をある程度メインに、そこから循環型社会を目指すというところと、また産業界、この経済産業省のほうからの成長志向型の資源自律型の経済ということですかね。経済戦略、そちらのアプローチというところが、より今後両者が融合していくことの大切さということを理解しました。
その意味で、これはちょっと質問というわけではないんですけども、次の循環基本計画においては、いかに今回の経済産業省が打ち出したような戦略をうまく取り込み、反映していくのかというところが一つの論点かなというふうに思っております。特に、この動静脈連携というところのキーワードが出てきますけども、どちらかというと、動脈側からがより積極的にコミットしていくということ。つまり循環経済というのは、市場価値をいかに共通化していけるかというところだと思うので、その中でブランドオーナー、生産側がいかにコミットしていくのか。静脈側から出てきた再生材を、いかにそこにちゃんとしたプライスを認めてくれるのかどうか。それが結果的に投資から見た企業の価値、それから最終的な消費者が製品にどうやって価値づけしていくか。そこに多分、今からの社会変革が必要になるというふうに理解したので、ぜひ、経産省の打ち出した戦略、それから循環基本計画の今後の議論の中で、いかにそこが融合したような議論ができるかというところでお願いできればなというふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
引き続いて、小屋委員、お願いできますか。
○小屋委員 ご説明ありがとうございました。環境省、経済産業省、経団連の取組み事例について大変勉強になりました。
具体的な政策やアクション、それから、先ほどもありました動静脈連携につきましても、環境省、経産省の連携が取られており、さらなる連携を期待したいと思います。産業界としても、特に成長志向型の資源自律経済の確立の重要性を改めて理解しましたので、今後加速した取組をしていきたいと考えております。
本日ご説明ただいた取組内容につきまして、中小企業はこれをどのように活用していくのか、参画していくのか、まだ具体的なイメージが湧かないところでございます。今後、ぜひ現場の声を議論により取り入れていただいて、全ての中小企業が参画して取り組める仕組みづくりの検討をお願いいたします。
その上で2点意見を申し上げさせていただきます。繰り返し申し上げておりますが、中小企業を取り巻く状況につきましては十分理解しているものの、個社で循環型社会の取組みを実施している事業者がいる一方、取り組もうにも始められない事業者も相当数おり、一足飛びには実現できるものではないと思っております。特に経済価値の創出、いかに経済成長につなげられるかというところがポイントだと思いますので、どのようなアクションが求められ、どの程度コストの負担があるのか、できる限りクリアな道筋を提示していただきたいと考えております。
特に資源循環に関しましては、個社ごとに取り組むより地域全体、業界横断といった大きな枠組みで取り組むことによって、実現や好循環に結びつくものと考えておりますので、この枠組みづくりを期待いたします。小委員会等も開かれるとのことですので、具体的なアクションにつなげていただきたいと思います。
二つ目は、資料の中に一部にありますが、今後、循環経済を実現するとともにカーボンニュートラルを同時達成していくために、生物多様性への貢献の観点も必要と考えます。資源循環によって、生物多様性損失の回避や抑制につながるなど、密接に関係しておりますので、併せて議論ができればと思っております。また、資源循環の分野は、事業者にとっては、サプライチェーン全体に関わる課題です。そのため、人権のリスクについても、もし現在検討されているものや今後検討する予定がありましたら、確認させていただければと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 小屋委員、どうもありがとうございました。
時間があとちょっと、30分弱と押してきております。多くの手が挙がっておりますので、ちょっと要点を押さえたご発言をお願いできれば幸いでございます。
引き続き岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 岡村でございます。ご指名ありがとうございます。また、ご説明いただいたお三方におかれましては、丁寧なご説明ありがとうございました。
既にご発言された委員のご意見と非常に密接に関わるところではありますが、私も、資源循環に関する取組が産業の競争力強化に結びつく必要があると思います。そのためには、産業界の取組が、適正に評価されて見える化されること、さらに、価値として市場に受け入れられることが非常に重要だと思っております。環境省、経産省、経団連のご説明の中で、共通のポイントとして挙げられておりましたけれども、デジタル技術を活用した情報流通プラットフォームの構築に関しては非常に期待するところがございます。有効に機能するプラットフォームを、ぜひつくり上げていただきたいと思います。処理に関わる事業者の貢献が見えるようにすることが非常に重要だと思っております。また、それが見える化されるだけではなく、消費者にきちんと価値あるものとして受け入れられるようにするために、環境教育等によって、消費者が価値として受け入れられるように変えていくことも必要かと思います。
加えてもう一点、今後の資源循環の関連施策において、脱炭素とのバランスを取る上では、実態に即したものとなるように、関係者の声をぜひお聞き取りいただきたいと思っております。
私からは以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
引き続いて、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。崎田です。
やはり今日のお話を伺って、政府も産業界も非常に真剣に今後に関して意見交換を進めていただいているというのが大変よく分かりました。ありがとうございます。
私は経済産業省と経団連に、質問させていただきたいのですけれども、経済産業省のパワーポイントの8ページに、ライフサイクル全体での動静脈連携ということで、かなり明確にサーキュラーエコノミーをどうつくっていくかという図が描いてあります。私はやはり、消費者自身が単に製品を受け取るというだけではなく、ライフスタイルを変えていく、一緒に歩んでいく、ステークホルダーとして歩んでいくことが、この環を成功させる大事なところなのではないかなと感じました。もちろん、これは環境政策などで連携していくことが大事ですけれども、経産省の検討の中では、消費者とどういうふうに、この場をつくっていくかということに関しては、どういう話合いがなされたか。その辺を教えていただければありがたいと思いました。
次に経団連の岩村様にお伺いしたいのですけれども、資料の4ページにやはりサーキュラーエコノミーの図があって、ここには、かなり明確に利用者のサブスクリプションとか、利用型のビジネスということも書いてあって、その辺のライフスタイルのことに言及されたような形で絵ができています。ぜひこういう流れでやっていただきたいと思うのですが、実は経団連に所属されている皆さんは、ものづくりの企業が大変多く、CO2でいえば業務部門の参加企業が割に少ない印象です。私は、カーボンニュートラル行動計画の第三者評価委員をさせていただいており、そういうような印象を持っています。ぜひ、販売網を広げておられる多くの業界のようなところも一緒に盛り上げて、消費行動の変化に一緒に取組んでいただければうれしいなと思いました。
その辺、どういうふうにお感じになっているか、教えていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
関口委員、お願いいたします。
○関口委員 ありがとうございます。
聞こえておりますでしょうか。
○酒井部会長 はい、聞こえています。どうぞ。
○関口委員 本日は環境省、経産省、両省からご説明をいただきまして、誠にありがとうございました。
今後の循環型社会の形成に向けては、環境対策の視点に加えて、経済安全保障の視点、あるいはそれを機会として、新たな経済成長につなげるという視点が非常に大事だと思います。ご説明にありましたとおり、両省の連携をぜひ密にして今後の検討を進めていただきたいと思います。
その上で一点、要望を申し上げたいと思います。私ども産業界としても、動静脈連携、業種の枠を超えた連携の重要性については重々承知をしております。一方で、ビジネスとしての経済合理性を無視するわけにはいかないのは当然のことでございます。特にここ2年程、エネルギー価格、あるいは電気代が急激に高騰し、ビジネス環境は激変にさらされております。このような観点からは、ビジネス環境をいかに平準化していくのかという点も、今後の循環型社会の形成に向けて、大きな課題の一つになろうかと思います。
幾つかの政策の中で、設備投資や技術開発に対する支援のメニューは盛り込んでいただいておりますけれども、加えて、ぜひ持続的にビジネスを回すための政策的な支援もお考えいただければ、大変ありがたいと思っております。
最後に、一つ質問させていただきたいと思います。官民連携の文脈で、産官学のパートナーシップにおけるビジョン・ロードマップの策定や情報流通プラットフォームの構築についてご説明がありました。どの程度のスケジュール感で検討を進めていくのか。現時点でお示しいただけるのであれば、お聞かせいただきたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 どうもありがとうございます。
経済産業省さんにちょっと質問というか、意見も入るかもしれませんが、申し上げさせていただきたいと思います。
EUの動きとタイプしていらっしゃるところがあると思いますが、この競争とかを、このリサイクルの部分とかで言っていただくのは、私も20年前ぐらいから言っていたんですけど、今回非常に大々的に入れていただいて、競争上の公平というところも含めて入れていただいて、それはまた成長との関係を含めて、特に資源の確保というのが大事だということも私も主張していましたが、入れていただいて大変よかったなと思っています。非常に抜本的に改革されていく感覚がしますが、大いに賛同させていただきたいと思います。
その上で、2点ほどちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、一つは、2ページのところに、資源自律経済の確立に向けた問題意識ということで、三つ分けて書いてありますが、これは私も大賛成で、経済の自律性という経済安全保障の点が、サーキュラーエコノミーの一つのパーツであることは、実は、EUとかでも基礎にはありますので、同じような発想になっていて、ここは人々を説得する上でも、非常に重要な点だと私も思っております。ただ、実際に経済安全保障が問題になるケースというのは、全ての物質では全然ないので、やはりクリティカルメタルが中心になると思いますし、ベースメタルも入ってくると思いますけども、例えばプラスチックとかがこれに入るかどうかは、なかなか入らないんじゃないかという気もしますが、そういう意味では、これは極めて重要だと私も本当に思ってはいるんですけども、やはり環境制約・リスクのところの問題というのも非常に大きいので、それは忘れないでいただいたほうがいいですし、ちょっとこれはなかなか政治的な話になるかもしれませんけど、EUがサーキュラーエコノミーについて、こういう資源の制約とかについて考えながら、サーキュラーエコノミーのものを出していることは間違いない。EUもしたたかですので、間違いないんですけども、表はやはり環境を表に出しているので、その辺はちょっとお気をつけいただかないと、ちょっとこの政策は、私は本当大変いいと思っているんですけど、他方、この政策は海外の人もご覧になっているので、海外から見ると、ややきつく見られる可能性があると思いますので。例えば、特に先ほどおっしゃっていただいたような資源が割と出てきているような国とかから見るとということを考えていただくといいと思いますが、だから、そういう意味では、やはり環境を表に出したほうがややマイルドには見えるので、その辺は、もしよかったらお気をつけいただけると大変ありがたい、日本のためにいいかなという感じはちょっとしています。
それから二つ目ですけど、8ページのところで、このような循環も非常に重要だと思いますし、それから、さっきデジタルパスポートの話もしていただいて、大変よかったと思っていますが、これで結局、実際に大問題になるのは、再生材についての一定の活用に関しての利用に関しての義務化のような話が実際には一番問題になってきますので、今まで日本はそれはあまりやってこなかったと言っていいわけですけども、さっきの3R+Renewableのところに関係しますけど、そこがまさに大きな問題になるということを、ちょっと指摘させていただきたいと思います。
いずれにしても、大変新しい抜本的な取組をしていただくことに敬意を表したいと思います。
以上です。
○酒井部会長 大塚委員、ありがとうございます。
篠木委員、どうぞ。
○篠木委員 ありがとうございます。
私は経団連のプレゼンテーションに対して、1点、質問させていただければと思います。
4ページの部分で、行動変容の図がありましたが、行動変容を考えたとき、恐らく経済産業省や環境省で取り組むことが可能な内容と、経団連の側面から考える行動変容の内容というのは、共通の部分もあれば、経団連独自の部分もあるのではないかと思います。行動を変えていこうという点を考えたときに、経団連の独自性というのがどこにあるのかということと、それから、そういった独自性の部分が、環境省や経済産業省の住民や国民に対する行動変容の戦略に応用可能なものがあるのかどうかという、その辺りの見解について教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
高村委員、お願いします。
○高村委員 ありがとうございます。大きく2点、発言したいと思います。
今日、環境省、経産省、経団連からお話をいただきましたけれども、既に多くの委員からご指摘があるように、やはり動脈、静脈の連結、それは言うなれば産業間の連携が必要ですし、回収、リサイクル、こうした資源を元に戻していくという意味でも、地域との連携というのが非常に重要だということだと思います。これはマテリアルそのものの循環だけでなく、情報をしっかりつなげていく上でも重要な連携だと思っていまして、今日は3者から共通してその問題意識をお示しいただいたので大変ありがたいと思いますし、ある意味で、非常に大きな基盤をつくって、非常に重要なサーキュラーエコノミーに向けて、基盤をつくっていく重要なタイミングだということを改めて実感をいたしました。
その上で1点目、質問でございますけれども、これは環境省さんと経産省さんかと思います。これは、実は関口委員から先ほどご質問のあった点ですが、環境省さんは多分この文脈でいくと、循環の計画の中でということだと思いますけれども、そういう意味では経産省さんのところに、田中さんにお伺いすることかもしれませんが、この検討をどういうスケジュール感で、どういう議題で進めていかれるのかということの大きな方向性なり感覚がありましたら、教えていただきたいという点です。
恐らく全体的な方針や、あるいは、それを支える、制度を支える基盤をしっかりつくっていくという検討がまず必要なんだというふうに思います。これは先ほど、これも関口委員でしたでしょうか。やはりほかの委員からもあったと思いますけれど、岡村委員もあったかもしれませんが、サーキュラリティの観点から優れた製品、サービスがしっかり市場で評価をされて、選択されるということを政策が支える。そういう政策が導入される必要があるというふうに思います。これは経団連の岩村さんからもご指摘があったように、例えば環境価値の評価方法見える化、これはCO2だけでなく、生産、ライフサイクルを通じての環境負荷の評価も含めて、例えばこうした方法論というのは、やはり国が主導していかないといけない点ではないかと思っている基盤的事項かと思います。
それから、一定の規制的な手法の可能性についても書かれていたのは、これも私、市場でしっかりそうした製品、サービスが評価されるという意味で、競争条件を整えるという意味でも重要だと思いますし、これは輸入産品との関係でも重要だと思っていまして、こうした点についての基本的な考え方、方針を整理していただくということかというふうに思っております。
併せて、次は多分、もう一つ、サーキュラリティに関しては、製品、サービスによっても特質が異なってくると思いますので、国として、やはり重点を置いて取り扱うべき品目なり、エリアというものを特定していただくということが必要ではないかなと思っておりますけれども。すみません、質問は戻って、どういう重点議題を持って、どういうスケジュール感で議論をされるご予定か、もし分かっているところがあれば、教えていただきたいというのが1点目です。
それから二つ目は、先ほど一つ前の議題で藤森委員が小委員会に関わってご指摘になったところと関わります。もう明らかに環境省、経産省、場合によってはバイオマスに関しては農水省さん等々も含めて、省庁間の連携が本当に政策形成において不可避になってきていると思います。小屋委員もおっしゃったように、ステークホルダーがそもそも多い。しかも連携なしには事が進まないということですと、やはりそれを政策の中でどうやってつくっていくかというのは非常に重要だと思います。一つ、その連携の在り方については、今回はお考えをお示しいただいてはいますけれども、具体的に、やはり省庁間連携の一つとして、この循環部会でしっかりやるんだったら、例えば経産省さんの検討について共有をいただいて議論ができる。あるいは、これは逆もそうですけれども、そうした場をしっかりつくっていただきたいということを要望したいと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
髙橋委員、どうぞ。
○髙橋委員 ありがとうございます。大変興味深く、環境省さん、経済産業省さん、経団連さんの基本的なコンセプトにつきまして、丁寧なお話をありがとうございました。
私からは2点、3点ぐらいちょっと申し上げたいとおもいます。まず一つは、資源効率性の原則についてであります。この度、ご存じのようにG7の札幌気候・エネルギー・環境大臣会合でも採択された原則なのですけれども、循環経済だけではなくて、資源効率性というのがとても重要なキーワードであったかと思います。私が見逃してしまっただけかもしれないですが、資料4-2で、環境省さんが1か所書かれておられるんですけれども、資料4-3、4-4では、両方見ることができませんでした。先ほど「循環経済と脱炭素のトレードオフ」という言葉があったんですけれども、適切に設計すれば、むしろ相乗効果をもたらすということもあり得ます。それを促すためにも、資源効率性というのはとても重要な概念になるはずであります。ですので、これがどういうふうに位置づけられておられるのか。どのような全体計画の中に入れられるのかということについて、ぜひ教えていただきたいというふうに思いました。
一例として、私、ずっとスウェーデンと日本の都市ごみの処理管理を見てきたんですけれども、スウェーデンでは、日本の16倍もの再エネを同じ都市ごみの処理から生み出していて、そこから200倍ぐらいの経済効果を上げているんですね。これを支えているのは、まさにGXであり、ビジネス化です。さらにいいますと、ごみ焼却の熱量も、ただサーキュラーエコノミーを回すために活用しているだけでなく、そのほかの、例えば工場排熱とか木質バイオとか、あるいは地中熱、ヒートポンプとか、いろんなものと併せて活用しています。もちろん地域暖房のようなインフラがあるかないとかというような違いがあるということは、もう十分に承知しているんですけれども、それを踏まえても、もっと有効な活用法というのがきっとあるかと思います。そういった資源効率性をぜひお考えいただく必要があるというふうに思いました。
もう一点は、発生抑制です。いずれもとても重要だということは書いておられるんですけれども、今書いてある内容で、本当に発生抑制が進むのか難しいところです。長寿命化、長期利用も、いわゆる推奨するだけでは難しく、先ほどおっしゃっておられたように、あめとむち、規制や経済的手法というものが、とても重要ではないかと思います。
たとえば、昨年、久しぶりにスウェーデンに行きますと、プラスチックレジ袋が消えているスーパーが多くありましつあ。あるいは値段自体も、もう売っていても50円、60円が当たり前みたいな、そういうような状況でしつあ。そして小さなビニール袋も随分姿を消しているというところを見てきました。こういったことは、やはりあめとむちのむちのほう、あるいは経済的手法がすごく利いていると思うのです。デポジット制も含めて、思い切った政策というのが必要ではないか。よく言うポーター仮説では、適切な規制は、むしろ国際競争力の強化につながるので、そういった点を、ぜひお考えいただければいいのではないかと思いました。
以上です。
○酒井部会長 時間が5時まであと5分ということになっております。ここまでご意見を聞いてきておりますので、手を挙げていただいた方は全員ご発言いただきたいと思っています。ということで、少し時間の延長をお許しいただければというふうに思います。
粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。
聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 聞こえています。どうぞ。
○粟生木委員 私からは大きく2点、お話しさせていただければと思います。皆さん、ご発表ありがとうございました。
1点目なんですけれども、経産省さんのほうからもKPIですとか、循環度の測定、経団連さんからも循環度の測定のお話がありました。まさに基本計画で、今後どういう指標を選んでいくかと。どういう目標を立てていくかということにも関わってくるかと思いますので、この点について、より積極的に省庁間、また官民で情報連携する場を設けていただければと思います。
2点目ですけれども、私、先週ですけど、プラスチック条約の政府間交渉委員会の会議に出てまいりました。私は、各国が条約下で行う取組のほう、core obligationの議論を中心に見ていたんですけれども、多くの国から聞かれたのはSafe / sustainable circular economu, hfull lifecycle approach, Science-based、national circumstances(国の状況に応じて)ということですけれども、まさに今後の基本計画、特にプラスチックですけども、基本計画工程表、資源有効利用促進法の見直しに関係してくることかと思われます。
この条約においても、今後詳細な議論をしていくに当たり、動静脈の現場の声ですとか、科学的専門性の高い知見が求められるということになっています。ですので、国として現時点のできること/できないこと、時間をかければ、状況が変わればできること/できないこと、取組の実現に必要な時間、また何人かの委員からご指摘があった取組のタイムフレームとともに、詳細を検討する必要があって、またそこの複雑な作業を比較的短時間で行うことが求められているようにも感じられますので、農水省ですとか、ほかの省庁も含めて、こういった情報共有を、また幅広いステークホルダーと行う場ということを検討いただければ幸いです。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
船越委員、どうぞ。
○船越委員 すみません。説明ありがとうございます。
1点、環境省さんのスライド10ページ目を見ていて、ちょっと感じるところをコメントさせていただきます。この中に資源循環ということで、幾つかの例が出ているわけですけども、大きく二つ分けて考えるべきだろうというふうに思っています。例えばここで、金属等ということで、国内資源の確保、恐らくスクラップとかアルミなんかはそういうものになるんだろうと思いますし、リチウムとかコバルトとか、希少資源のところも恐らくそうだろうと思いますけども、いわゆる、今既にスクラップなんかは商売として循環系が成り立っていますので、どちらかというと、輸出しているものを日本にとどめておかないといけないんじゃないかという、話がある一方で、プラスチックとかSAFとかというものは、例えばSAFでいうと、エタノールにしろ何にしろ、できるものは一緒の中で、廃棄物から作るということからすると、コストがかかる中で、先ほどからも何人かの委員から意見がございましたけども、できるものは一緒なんだけども値段が高いと。それはサーキュラーなり、脱炭素というところから、そういう価値の裏側としてコストがかかる、即ち自然体では商売としては成り立たないという話もあるということを認識しておく必要があると思います。
その後者のほうについては、やはりある程度の規制も必要でしょうし、使うほうの意識も変えるために、実際にどれだけのコストがかかるのかということを表に出していく、すなわち、廃棄物を処理するのに、それは税金であれ何であれ、コストがかかっているわけなので、トータルの今かかっているコストと今後の新たなプロセスでかかるコストというものを見えるようにしていく中で、国民全体に数値でもって理解していくということが非常に大事だろうというふうに思います。コストの意識がない中で、物を進めていくというのは非常に難しいということですし、それも、幅広い範囲のコストという中で捉えるべきだということだと思っています。
2点目、今、リサイクルの絵が映っていますけども、やはり集荷、要するに集める、あるいは運ぶといった辺りが非常に難しかろうと思います。廃棄物は相当末端で発生しているものを、最終的にはこれを集めて、工業ベースでつくっていくということになると、集めて運ぶというところの仕組みができないと、つくりましょう、使いましょうといっても、なかなか現実的にはこのサイクルは回っていかないというふうに思いますので、その辺はプラスチックの容器包装リサイクル法なんかの一つの先進的な事例もありますので、そういったことで、具体的な対応策が必要ではないかというふうに思っています。
以上です。
○酒井部会長 船越委員、どうもありがとうございました。
斉藤委員、どうぞ。
○斉藤委員 斉藤です。ありがとうございます。ご説明ありがとうございました。
動静脈連携を通じて、経済成長につなげていく、また、産業の競争力を強化させていくという点について、私も大賛成しております。それを進めていくに当たって、やはりどういうふうに基準を設けるのか、評価をしていくのかというルールづくりも含めて、国内だけではなくて、国内外でちゃんとそれを回していくということがすごく大事になってくるかなという気がしますので、そこの議論をしっかりこれからしていかなければいけないかなということを感じたのが一つです。
また、もう一つは、これから、そういった産業競争力を強化していくということを考えていったときに、全体的に底上げができればいいんですけども、なかなかそれにスムーズに行けるところといけないところという、分野によって違いが出てくるのかなという気がしますので、それをいかにスムーズに移行させていくのか。あるいは、逆に不利になっていくであろうところに対して、どういう配慮をしていくのかということも重要ではないかなと思いますので、今後そういったところも含めて、議論させていただければなと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
根村委員、どうぞ。
○根村委員 根村でございます。
今後の方向性についてご説明くださり、ありがとうございました。消費者もライフサイクル全体を変える必要が求められていることが分かりましたが、それに際しては、正確で分かりやすい情報発信をぜひお願いしたいと思っております。
また、行動変容には理念だけではなく、消費品やサービスを選ぶことで何か今までとは違った価値観といったものが感じられるような体験も必要かと思いますので、そういったことが伝わる情報発信であって欲しいと思います。
それから、デジタル製品パスポートについてのお話が出ていたかと思うんですが、これは、消費者の使用状況等の情報も関わってくるのでしょうか。もしそうであれば、個人情報の管理に関する部分も大切にしていっていただきたいと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
村上委員、どうぞ。
○村上委員 どうもありがとうございます。
ほかの方とかぶるところは抜きにします。なので、経団連さんの資料の5ページ目ですかね、取り組むべき課題②とお書きいただいているところで、「循環度」等の評価であるとか、企業、投資家云々とかという辺りのところで、その評価に関わることをお書きいただいているのは非常にありがたいかなと、ISOに関わっている身として思ってございます。他方で、この手の話に対して、直接的に規格づくりみたいなほうに貢献できる人材が確実に不足しているというふうに、日々切実に思っているところでございまして、その辺の人材育成みたいなものというのは、ちょっとここら辺の直球の話ではないんですけども、非常に大きな話ですので、どこかでご検討いただいておいたほうが、先々意味のあることかなというふうに思ってございますので、それだけコメントさせてください。
どうもありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。多くのコメントを頂戴しました。この後は環境省、経産省、経団連と、それぞれ全部網羅することは不可能だと思いますが、コメントといいますか、回答をいただきたいと思います。
その際に1点、私のほうから一つだけすみません。経産省のほうの8ページのところで示していただいている「国際ルール形成」という言葉を出していただいています。先ほどの斉藤委員の基準評価云々というところのご意見、それから、今の村上委員の規格づくりの人材不足という指摘、そこと密接に関わる部分ですが、国際ルール形成はどういう方針で、どういう戦略で進められるのか、ちょっと一言ご説明があればありがたいと思っています。
それでは、水谷室長からどうぞ。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。
ちょっと時間もないので駆け足になりますけれども、まず、小屋委員から中小企業のお話がございました。こちらは、まさに我々の所管している静脈、廃棄物処理・リサイクル業者の多くも中小企業でございますので、ヒアリングの中でも、そういった中小企業の声も取り上げて、検討の参考にしていきたいと思っております。
また、人権のリスクについてもお話がございましたけども、これは、太陽光パネルなどでも議論がある話でございますが、国内資源循環を進めることによりまして、特定のリスクのある国、人権などでリスクのある国への依存が減ってくるとか、鉱山での児童労働などが減ってくるという、そういったような効果があるのんではないかと思っております。
あとは、コストの見える化という話もございました。こちらは、まさに家庭の廃棄物に関していえば、今、環境省もごみ処理の有料化を進めているところでございますけども、まさに、こういったコスト面、そして温室効果ガスの排出も含めて、見える化を進めていくということが、全体として重要と思っております。
また、船越委員からのお話であったと思いますけども、集荷あとは運搬をうまくやらないと回っていかないということで、容器包装リサイクル法ではその回収とリサイクルが回っているというような話がございました。まさに、このGXの中、資源循環の中でも、ペットボトルのボトルtoボトルというのが非常に優良事例と言えるのではないかと思っておりますので、まさに今後、ボトルtoボトルに続く、水平リサイクルの事例をつくっていくということが重要かと思っております。こういったところも、この計画の検討の中で含めていきたいと思っております。
あとは循環度の話もございました。こちらも経産省からもお話があるかと思いますけども、こちらも先ほどのコストなどと並んで、やはり見える化、これがまさに市民の皆様にとっても、非常に重要な話になってくるかと思いますので、こちらは動静脈全体で、まさに連携して進めていきたいと考えております。
あとは、こちらは高村先生からでしたか、バイオの話もございました。こちら、まさに今後、政府の取組の中で農水省のヒアリング、国交省のヒアリングも行っていきたいと思っております。まさに農水省からもその辺の話があろうかと思いますけども、非常に重要なテーマでありますので、その点も議論を含めていきたいと思っております。
あと資源効率性のお話が髙橋委員からあったと思います。こちらは指標の中、資源生産性という指標を似たような形で掲げております。G7でも、この資源効率性の話、重要なテーマとなっておりますけども、こちらもまた、重要な指標の一つとして、次の計画の議論の中でも検討を進めていきたいと思っております。
私からは、取りあえずそんなところかと思います。
以上になります。
○酒井部会長 田中課長、どうぞ。
○経済産業省 経産省、田中でございます。たくさんご質問いただきまして、ありがとうございます。ちょっと全部カバーできるか分かりませんが、回答いたします。
まず、我々の資料の6ページの「非連続への挑戦」の具体的なイメージということがあったんですけれども、結構いろんな分野が非連続かなというも気もしておりまして、例えば再生材をどれくらい入れていくのかというものも、足元から伸ばすというよりは、グローバルなターゲットがどうなっているか、ちゃんと見ながらやって、その中には、プラみたいなものも含めて、考えていくということかなとも思っています。再生材利用だけではないと思うんですけども、KPIをきちんと定めて、46%削減への貢献であったり、あるいはグローバルレベルでの横並びを考えていくという意味であれば、全体的に非連続になるかなと思います。難しい分野、例えばテキスタイルなんかは世界中で問題になっていますが、何をやったらいいのかというと、まずカーブアウトしていくこと。そういったところからやっていく必要があるという意味で、例えば衣類みたいなところは非常にambitiousなゴールが必要なのかなという気がしております。
それから、情報流通プラットフォームのところで、各業界ごとにつくるという説明があったが、全体の標準的なプラットフォームとか、そういったものを経産省から提示されるというふうなことはないのかというご質問について回答します。ご説明させていただいたとおり、まずは、業界ごとに情報流通プラットフォームを作り上げ、その上で、相互に連携が必要なデータ等のやりとりができるように、最低限のインタラクティブであるという意味でのインターオペレーショナブルということを担保する必要がある。情報流通のための共通的なルールの整備といったところは併せて進めて参ります。これは情報政策と連携して一緒にやっていくということを予定しております。G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合で発表された国内のデータ連携イニシアティブであるウラノスというもので議論を進めているところであります。そのほかにも、一つは中小企業の活用というところで、まさにこれは日本だけじゃなくて、グローバルに問題になっている話でありまして、欧州も、例えばDPP一つやろうと思っても、中小企業をどうするんだという問題が必ず出てくるということがあります。ですので、これはちょっとどれだけマーケットの中でバリューをつけてという話と密接に関わってくると思っております。けれども、やはり再生材の循環というものが、ビジネスなりお金になっていくという実態がある。裏側でのメリットがないと、なかなかこういったものを取り組めない。特に、中小企業になればなるほど難しくなっていくかなという気がしておりますので、当然のことながら予算的支援施策のようなものは、中小も含めてみたいなものは措置をしていきたいと思っております。併せて、取り組むメリットというようなものを合わせていくということをやることになって、中小企業も取り組めるような道筋をつくっていくということには配慮していきたいというふうに思っております。
それから、METIとしての今後のスケジュールといったようなところ、産官学パートナーシップ構築に向けたビジョンロードマップ作成に係るスケジュールがあるかというお話もありましたが、これはちょっと夏以降、夏に立ち上げられればいいかなと思っておりますし、あと、あめとむちの「あめ」といったところの高精度のようなところについては、この夏から審議会を立ち上げて議論していきたいなというふうに思っているところであります。
それから、DPPは消費者情報も含むのかというお話がありましたが、これは基本的には、個人情報は含まない。むしろ製品の中の組成情報であったり、リサイクルコンテンツがどれくらいか、あるいは忌避物質が入っているか。そのようなところが中心になってくるものでございます。
○酒井部会長 田中課長、すみません。DPPの説明はまだ聞けていましたが、その後の発言は、ちょっと聞けていません。
○酒井部会長 今日出されたコメントを重要コメントだけで結構ですので、ちょっと一度言葉に落としていただいて、委員に提供いただける手段がないか、ちょっと検討いただけませんか。
○経済産業省 承知しました。(※通信不良による影響部分は補足説明資料参照)
○酒井部会長 それじゃあ、岩村さん、お願いいたします。
それでは、岩村さん、お願いいたします。
○日本経済団体連合会 まず、崎田先生、私どものカーボンニュートラル行動計画第三者評価委員会委員としてご指導いただき、ありがとうございます。
本日のご下問でございますけれども、先ほどご紹介した提言は、業務部門の企業の方を含め、幅広い業種の方にご参加いただいて、取りまとめたものでございます。サーキュラーエコノミーを回していく上で、業務部門等の企業の参画は、全体の中で取り組むべき課題だと認識してございますので、引き続き、私どもとしてもしっかりフォローしていきたいと思っております。
それから、篠木先生からの消費者の行動変容に関するオリジナリティは何かというご下問でありますが、私どもは「環境価値の見える化」がキーワードであると考えてございます。環境価値を見える化することが、消費者の行動変容につながるかと思いますので、環境整備や運用面の検討が必要だと考えてございます。例えば、先ほどご紹介した環境配慮設計の促進に関連して、日本の素材メーカーは現段階でも、サーキュラーエコノミーを回していく上で貢献できるような技術や製品を持っております。しかしながら、消費者サイドからすると最上流ということもあり、なかなか見える化できていないということもございます。この点、見える化に向けた取組が重要かと考えてございます。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
時間のデザイン、あるいはそもそも時間が少ない、そういう課題は今日感じております。次回以降、事務局とうまく工夫をしていくようにしたいと思います。
もう時間がありませんので、ここで一旦締めくくりということにさせていただきたいと思います。まず長時間のご説明、あるいは質疑にご対応いただいて、特に3名の説明者、どうもありがとうございました。
それからもう一点だけすみません。あと、簡単に説明いただきたいと思います。
G7の気候・エネルギー・環境大臣会合の結果報告、循環分野のところの資料をいただいております。これも極めて重要ですので、ポイントだけでも説明をよろしくお願いします。
○循環型社会推進室長 また水谷から説明させていただきます。
あと一点、すみません。先ほどの質問の中で、ネイチャーポジティブについてご指摘いただいて、答えていなかったと思いますが、こちらは同時並行でやっている環境基本計画の方でも重要なテーマとなっておりますので、そこを踏まえて、またヒアリング、そして検討を進めていきたいと思っております。
すみません、資料5についておめくりいただいて、この4月に札幌で行われたG7の気候・エネルギー・環境大臣会合の概要でございます。こちら、日本が議長国を進めまして、G7以外の国なども招待した形で開催されております。
まず一つ目が、全体の概要となっておりますけれども、こちらは一点だけ。概要の5番目の矢羽根がございます。こちらにご注目ください。
「2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心に合意」と書いてございます。こちらは大阪ブルー・オーシャン・ビジョン、日本がG20議長国の際に合意したものでございますが、そちらを単純に10年前倒ししたという報道が多く見受けられるんですけれども、こちらはあくまでも2040年までにゼロにする「野心」に合意ということで、実際の意味合いは若干異なっているという点に注意が必要と考えております。
次のページをお願いします。
次のページは、こちらは循環経済分野の結果の概要となっております。下記の意が得られたということでございますけれども、一つ目、重要鉱物等ということで、いわゆるクリティカルミネラルと言われるレアメタルなどの鉱物、「等」ということでこちらは原材料ということになっておりますけども、こちらを国内外を含めた回収リサイクルを強化するということで、特定の国への依存を減らすという観点から、合意に至ったもので、途上国の環境規制や能力開発、環境整備の促進も含めた内容となっております。こちらはG7サミットにおいても、同じ内容が合意をされております。
続きまして、「循環経済及び資源効率性の原則」いうことで、こちらはCEREP(セレップ)と呼ばれているものでございますけども、民間企業の循環経済と資源効率性に関する行動指針でございます。こちらを策定するということで合意がされております。こちらは今後、具体的には先ほど経団連からもご紹介いただきましたJ4CEなどの場を活用して、さらにこの普及、広めていきたいというふうに思っております。こちらもG7サミットにおいて、支持がされております。
その後、廃棄物分野の脱炭素化。こちらはもう言わずもがなの話でございます。
あとは次のバリューチェーンということで、先ほどの動静脈連携にも通じた話でございますけれども、こちらも話が出た循環性の測定、そして情報の共有の重要性というところが、これまであったG7資源効率アライアンスを通じた協力など進めていくということで、その重要性が共有されております。
そして最後、国際協力の強化ということで、例えば国際金融機関ということでADBとか、世界銀行などを念頭に置いておりますけども、そういったところも含めて協力をしていくという、そういった内容が非常に駆け足でございますけども、この循環部分の概要となっております。
それ以降は様々、個別の内容について、参考資料もついておりますので、ご参考いただけたらと思います。以上でございます。
○酒井部会長 時間デザインが悪くてすみません。このG7のコミュニケ含めて、極めて重要な整理をされているというふうに認識しております。今後のこの計画の検討の中でも、適宜振り返りながら、議論をさせていただければというふうに思っておりますので、またそういうような観点でのこの資料の活用の仕方を事務局においても配慮されますように、よろしくお願いいたします。
それでは、ちょっともう全体を通じてのご意見というのは、このタイミングでは省かせていただきます。どうもすみません。
活発な議論をどうもありがとうございました。進行を事務局にお返しします。
○総務課長 酒井部会長、ありがとうございました。ちょっと議題の多さと、タイムスケジュール等のデザインにつきまして、事務局の不手際がありました。申し訳ありませんでした。
委員の皆様におかれましても、お忙しいところ長時間ありがとうございます。また、申し訳ありません。さらに本日、ヒアリングにご対応いただきました経産省様、経団連様、本当に貴重な取組のご紹介をどうもありがとうございます。
次回の循環型社会部会につきましては、事務局から改めてご連絡させていただきます。
以上で、本日の部会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。失礼いたします。
午後5時21分 閉会