海洋プラスチック汚染のモニタリングデータ及びデータベースの 活用に向けた国際ワークショップ

海洋プラスチック汚染のモニタリングデータ及びデータベースの 活用に向けた国際ワークショップ(2025年)

 2025 年11 月17日、海洋プラスチックごみのモニタリング活動、データベース等によるデータ収集の状況及びこれらデータに基づく汚染実態把握等の各種研究や政策決定への活用方法に関する議論を目的として、国際ワークショップ「Utilization of monitoring data and database related to marine plastic pollution」がオンラインで開催されました。本ワークショップでは、海洋表層、水柱及び底質それぞれにおけるマイクロプラスチックの調査・モニタリングを実施している、あるいはモニタリングデータを用いた長期変動に関する研究や、モニタリングデータベースの政策決定への活用等、様々な観点から研究やその実施に取り組んでいる研究者及び国際機関の専門家から発表を行いました。

開催趣旨

 近年、マイクロプラスチックを含む海洋ごみは重要かつ喫緊の問題となっています。地球規模でのプラスチックごみの削減に向けて、科学的知見に基づく政策を推進していくためには、海洋プラスチックごみの分布状況などの科学的な知見を世界各国で共有していく必要があります。これまで、海洋表層に漂流するマイクロプラスチックの実態調査では、調査の目的に応じて異なる調査手法が取られていたため、データの比較が困難でした。 
 これらを踏まえ、環境省ではサンプリングと分析の手法を比較する実証事業を実施し、国内外の専門家による国際専門家会合での議論を経て、令和元年5月に「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」(Guidelines for Harmonizing Ocean Surface Microplastic Monitoring Methods) の初版を公開しました。 
 調和ガイドラインに沿ってモニタリングすることで、漂流マイクロプラスチックの調査データを比較することが可能になりましたが、世界中のモニタリングデータは、いまだ比較可能な状態で網羅的には整理されていません。また、海洋表層に加えて水柱や底質においてもマイクロプラスチックの分布等の把握が課題であり、徐々に研究が進んできているものの、プラスチック汚染の実態の共有及び理解を更に促進する必要があります。 
 こうした背景の下、環境省では、海洋プラスチックごみのモニタリング活動、モニタリングデータの収集状況、及びこれらのデータに基づく汚染実態把握等の各種研究や政策決定への活用方法に関する議論を目的として、国際ワークショップ「Utilization of monitoring data and database related to marine plastic pollution」をオンラインで開催しました。 
 本ワークショップでは、海洋表層、水柱及び底質におけるマイクロプラスチックのモニタリングデータに関する情報共有や、これらのデータを用いた長期変動に関する研究事例の紹介、モニタリングデータの政策決定への活用提言について、研究者及び国際機関の専門家から発表が行われました。 

開催概要/資料

(1)概要 
   日  時:2025年11月17日 18:00~20:10(日本時間) 
   開催方法:オンライン(ZOOM) 
   主 催:環境省 
(2)プログラム


(3)資料
Ocean Cleanup Peter Puskic氏
IAEA Marc Metian氏 
東京大学 高橋一生氏
OECD Ruben Bibas氏
UNEP GPML Nao Takeuchi氏