日時
平成19年11月12日(月) 14:00~16:00
場所
虎ノ門パストラル新館プリムローズ
出席者
- 委員
- 池谷 奉文 (財)日本生態系協会会長
- 小野 勇一 北九州市立自然史・歴史博物館館長
- 近藤 健雄 日本大学理工学部海洋建築工学科教授
- 進士 五十八 東京農業大学地域環境科学部造園科学科教授
- 辻井 達一 (財)北海道環境財団理事長
- 広田 純一 岩手大学農学部農林環境科学科教授
- 吉田 正人 江戸川大学社会学部ライフデザイン学科教授
- 鷲谷 いづみ 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
- 主務省庁
- 環境省、農林水産省、国土交通省から関係課室長等出席
議事
会議は公開で行われた。(傍聴者約10名)
議題1 自然再生推進法に基づく自然再生協議会の概要
環境省より資料1に沿って、昨年より新たに設置された自然再生協議会と概要について説明がされた。委員からの主な発言は以下のとおり。
- それぞれの自然再生事業について、どういう点を目標にしているかを分かり易く整理して欲しい。また、どれだけの団体が参加しているかや、金額についてもかければ書いて欲しい。
議題2 自然再生事業実施計画について
事務局より資料2-1に沿って助言のスキームや専門家会議のあり方について説明がされた。
各省より資料2-2,2-3,2-4,2-5に沿って全体構想と各実施計画の概要の説明がされた。
委員からの主な意見は次のとおり。
- 雷別地区自然再生事業実施計画について
- 笹地になった後の生態系の姿として何が望ましいのか、そしてそこに行き着くためにどれくらいの人為をかけるのかということを検証するとともに、それぞれの釧路湿原に対しての影響や負荷などを説明するとよい。
- 樹木をすぐ植えるのではなく、自然の遷移にまかせながら森林を再生するというのはよい。枯死したトドマツを栄養として残すために立ち木のまま置くことなども検討して欲しい。
- 霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区自然再生事業実施計画[B区間]について
- 50年前、30年前、30年後に考えることは異なる。なぜ50年前当時に牧場開発をしたのか、なぜ衰退したのか、なぜ酪農振興しなければならないのか、そういう議論が出来る場を考えて頂きたい。
- 各省庁で視点が違うのもアプローチが多様で良い。この計画は土木事業のように見える。直線水路と沈砂池の設置でよいのか、水路を蛇行化させ、その中で沈砂させるのが本当ではないか。
- 霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区自然再生事業実施計画[A区間]について
- 霞ヶ浦の環境は、流域河川と流域の土地利用との関係から霞ヶ浦に入ってくる面源負荷が大きな意味を持っている。全体でどうするのかというストーリーの中で、今回の湖岸のところでどうするという話をするとわかりやすい。
- 実施計画の単位についても、どのような単位でつくるのがよいか検討して欲しい。
議題3 自然再生推進法施行後5年を経過した場合の見直しについて
環境省より、資料3に沿って、自然再生推進法施行後5年を経過した場合の見直しについて説明がされた。
委員からの主な意見は次のとおり。
- 生態系タイプによっては、自然再生が進んでいないところもあると思うので、今度の自然再生基本方針の中に、生態系タイプ別の10年後の目標のようなものを盛り込むべきではないか。
- 自然再生推進法に基づくもの以外の自然再生の取組についても整理し、トータルでどういう状況になっているのかが見えるようにして欲しい。
- 各省からの補助の枠組みでは、自然公園や鳥獣保護区など法の枠組みの中の場所が中心になり、それ以外の白地の場所の自然再生が進まないため、支援の枠組みについても見直すべきではないか。
- 自然再生は、生態系がどう機能するかということであり、高次消費者がどう住めるかということがキーポイントになる。それを考え、目標をきちっと持つということが必要。
- 自然再生、自然を守るということは、基本的には土地利用をどうするかということであり、例えば土地の買収の目標を掲げ、そのための財政的な措置をどうするかを議論した上で明記すべき。
- この法律の改正でできるのかはわからないが、地域がある方向を目指して進んでいけるよう、総合的な自然再生という視野を持って、科学的にプランをつくるような何らかのシステムが必要なのではないか。
- 自然再生推進法が出来て5年であり、最初に動き始めたものは5年だが、まだ3年、2年、1年というものもある。また5年というのも、大きなスケールでみればまだ5年しかたっていないというもので、結果もまだ出ていないというところが多いので、あまり慌てる必要はないと思う。ただし、部分修正は重要で、足りない点は修正していく必要がある。
- ボトムアップ型の取組ということで5年経過しており、利害関係者の間でどう合意形成を図るかというのがポイントであるので、合意形成のプロセスを丁寧に記録に残し、何が問題なのかを検証、整理して欲しい。