自然環境・生物多様性

自然公園指導員

自然公園指導員について

 自然公園指導員の制度は、昭和32年に119名の「国立公園臨時指導員」が当時の厚生省国立公園部長から委嘱されたことに始まります。

 当時は、昭和28年に初めて厚生省の国立公園管理員(レンジャー)が上高地などにおかれてまもなくの頃であり、19の国立公園に25名の管理員が配置されているのみでした。戦後の復興が進み、国民生活も安定しつつあった頃、旅行が大衆化し、国立・国定公園を訪れる利用者が急増していました。一方で、自然保護思想や利用マナーは十分普及しておらず、また、登山の大衆化により国立公園内の山岳で遭難事故が多発し、公園利用のマナーと遭難事故が大きな問題となっていました。

 このような背景から、発足当初の指導員の業務は、高山植物の採取などの規制行為の制止(自然保護)、キャンプ場、山小屋等の施設の利用指導、環境衛生・美化、火災予防(利用道徳)、登山装備、食料携行の注意、天候、コースの指示(事故防止)に絞られ、都道府県と山岳団体からの推薦により主として登山の指導員に委嘱していました。

 昭和41年には「自然公園指導員」と改称され、その後、業務内容も探勝コースの選び方や自然についての助言・解説(利用に関する助言)、公共施設の毀損やゴミ等による環境汚染の通報(情報提供)も加えられました。このため、スキー、水泳等の指導員や公園内または付近に居住し、公園の実状に精通されている方々などにも委嘱するようになりました。

 自然公園への国民の期待が多様化するとともに指導員の役割も多様化してきましたが、自然環境保全や自然解説等に関わる各種ボランティアやプロとして活動する人々が増加してきているなど社会状況が変化し、指導員に求められる役割も変化してきたため、平成22年に任務を再整理し、基本的に国立・国定公園利用者に対し公園利用の際の遵守事項、マナー、事故防止等の必要な助言及び指導を行うとともに、必要な情報の収集及び提供を行うこととしました。

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