自然環境・生物多様性

第65次南極地域観測隊同行日記12

幕後3:旅するだいだらポジ-

2024年3月18日(月)

みなさまこんにちは。
お元気にしていますか?
 
南極観測船しらせは北上を続け、3月12日ついに南緯55度線を越えました。
南緯55度線は南極地域観測隊が「極地」としている境界線であり、これで観測隊としても南極を離れたことになります。旅の終わりのオーストラリア到着までもう指折りとなってきました。
 
さて私は今回の同行で、環境省から一人仲間を連れてきていました。
以前から同行日記の写真に写っておりましたが、ネイチャーポジティブのイメージキャラクターで、名前をだいだらポジーと言います。



                <暴風圏を進むしらせとだいだらポジー>

今回は、私が自然保護官(レンジャー)として巡視で訪れた場所を、だいだらポジーとともに振り返っていきたいと思います。



これは南極観測船しらせが東オングル島に接岸したときの写真です。
昭和基地では埠頭などでイメージされる接岸とは異なり、荷物を運ぶ雪上車などが通行可能な厚さの海氷がある地点まで進み停泊することを指します。



こちらはラングホブデ氷河です。氷河は南極の特徴的な景観のひとつであり、南極の自然環境を形作る重要な現象です。
ここが最初にして最長の野外滞在となりました。



同じくラングホブデの雪鳥沢です。陸と海の生態系がユキドリによって繋がる、南極において重要な環境のひとつといえる場所でした。



スカルブスネス鳥巣湾にあるアデリーペンギンのルッカリーです。ペンギンは南極の生態系の中でも高位捕食者であり、南極の海の豊かさのパロメーターと言える存在でした。



こちらはスカーレンと呼ばれる場所です。スカルブスネスからさらに南に20km、昭和基地からおよそ60km南にある露岩帯で、だいだらポジーの後ろに見える大氷瀑が特徴的な場所です。
ここでも観測小屋があり、さまざまな調査が行われていました。



南極大陸の中でも内陸にある、S16と呼ばれる場所です。ここはドームふじ基地などへ向かう雪上車たちの基地となっている場所で、ドームふじの調査を終えて帰ってきた雪上車たちが一堂に会する姿は圧巻でした。
ここでは、ペネトレータと呼ばれる機器の実施試験に同行していました。





そして、先日の同行日記でお話ししたアムンゼン湾とトッテン氷河です。
 
 
私とともに、だいだらポジーも南極の様々な景色を知りました。
私と同じようにだいだらポジーもきっと、この記憶を胸にすごしてくれることでしょう。
 
……と、ここまで書いてから、昭和基地と一緒にだいだらポジーを撮影した写真が無いことに気づいてしまいました。
どうやら撮ったつもりになっていたようです。
あとの祭り。撮るにはまた南極に行く必要があります。
 
こうして早々に、次の南極自然保護官にお願いすることが一つ決まったのでした。




※だいだらポジーとは
ネイチャーポジティブキャラクター「だいだらポジー」 | 環境省 (env.go.jp)

     

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