自然環境・生物多様性

第65次南極地域観測隊同行日記12

幕後1:南極の動物たち

2024年3月11日(月)

みなさまこんにちは。
お元気にしていますか?
 
前回あれだけ終わりのような雰囲気を出しておりましたが、私たちが日本に帰るのは3月の後半。昭和基地の出発したのが2月中頃だったので、まだまだ南極地域観測隊は終わりではありませんでした。
それに、こちらで書きたいこともまだありますので、もう少しだけ続きます。
 
今回は、あまり同行日記で触れることができなかった、南極の動物を写真でお伝えしようと思います。
南極に到着した当初は生物の気配を感じることができませんでしたが、今思い返すと、日本と南極とでは見るべき場所が違うというのが正しかったかもしれないと感じました。



クジラは、しらせの航海中に時々見ることができました。しかしクジラ発見の放送が入った時にはもう去ってしまっていたり、見えても遠くで潮を吹いているだけだったりとなかなかシャッターチャンスに恵まれません。
このクジラは種類はわかりませんが、定着氷域を出て流氷域に入った時に見えたもので、薄い氷を割りながら泳いでいたのが印象的でした。



ウェッデルアザラシは氷の上でよく見かけました。多い時は船の上から10分に1回のペースで観察でき、彼らの個体数やそれを支える魚類やオキアミなどの量をうかがい知ることができます。





氷の上は外敵がいないのか仰向けに転がっていたり、時々思い出したかのように足を上げてみたりと、完全に"グデッテル"アザラシになっていました。



ペンギンは、昭和基地周辺ではアデリーペンギンのみでしたが、船の上からはコウテイペンギンが見えることがあります。



アデリーペンギンが手を広げて元気に走りがちなのに対して、コウテイペンギンは猫背気味にノシノシと歩きがちなので、慣れてくると遠目にもなんとなく見分けがつくようになりました。



海鳥は航行中常に船の周りを飛び交っています。ユキドリをはじめ5~6種類はいたと思うのですが、動きが早くなかなか撮影できません。
これはナンキョクフルマカモメと呼ばれる鳥で、定着氷域以外の多くの場所で見ることができました。



もちろん、南極にも微生物はいます。
この写真は雪解け水の中に生えていた藻の中に住んでいた微生物です。
 
他にも魚やナマコなど海中の動物を含めると、意外なほどたくさんの生物が南極に生息していることがわかります。
その片鱗を一部でも感じてもらえたら幸いです。




 

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