自然環境・生物多様性
第2回世界自然遺産候補地に関する検討会の概要
日時
平成15年3月25日(火)10:00~12:45
会場
新宿御苑インフォメーションセンター会議室
出席委員
岩槻邦男放送大学教授、上野俊一国立科学博物館名誉研究員、
大澤雅彦東京大学教授、小泉武栄東京学芸大学教授、
土屋誠琉球大学教授、三浦慎悟森林総合研究所東北支所地域研究官、
吉田正人日本自然保護協会常務理事
議事
- (1)詳細検討対象地域の選定について
- (2)その他
概要
- 第1回検討会で概ね了承された手順に沿って、母集団の基礎データに基づき実施した分析結果が事務局より示された。
- その結果をもとに検討委員の審議が行われ、以下の17地域を詳細検討対象地域とすることが了承された。
- 審議において出された主な意見は以下のとおり
- Udvardyの生物地理区分が、日本の植物地理区分と完全に一致しているものではないが、世界遺産の検討に使われているという観点から、考え方のみ踏襲したい。
- 植生だけではなく、動物や地形も含めた総合評価で検討を行った方がよい。
- 日本では珍しい動植物が分布していたとしても、国際的に見れば広く分布している場合もある。そういう世界的な比較も必要。
- 例えば、生物分布の南限(暖流の影響により分布の南限の位置が下がる)といった点も、価値評価の対象となるのではないか。
- 新しい火山は動植物相は貧弱だが、短期間に新たな大森林が形成されている地域もあり、そうした点は評価できるのではないか。
- 南日本の常緑広葉樹林帯には、生物地理学的に見ても重要なものが存在している。 ただし、これまで開発等の影響により残った箇所は小面積である。
- 小笠原諸島と南西諸島以外の島嶼部は全て面積要件で落とされてしまっているが、 優れた照葉樹林がみられたり、火山が特徴的など、評価すべき島嶼もある。
- 世界的に見ても残雪が見られる地域は限定されており、それが植生や地形に様々の影響を与えていることは特徴的。
- 詳細検討対象地域の検討資料の中では、是非、天然記念物や固有種に関するデータを示して欲しい。また、参考に対象地域の保護区に関する情報も知りたい。
- 細かい地区ごとに評価するよりは、まとめられるところはまとめて、広い地域全体として詳細検討を行った方がよい地域がある。
- 南西諸島や小笠原諸島は、それぞれ1つの地域として捉えるべき。
- 次回検討会においては、各詳細検討対象地域ごとの詳細検討資料(個票)を事務局が準備し、それについて議論される予定。
- 利尻・礼文・サロベツ原野
- 知床
- 大雪山
- 阿寒・屈斜路・摩周
- 日高山脈
- 早池峰(はやちね)山
- 飯豊(いいで)・朝日連峰
- 奥利根・奥 只見(ただみ)・奥日光
- 北アルプス
- 富士山
- 南アルプス
- 祖母山(そぼさん)・ 傾山(かたむきやま)・ 大崩山(おおくえやま)、九州中央山地と周辺山地
- 阿蘇山
- 霧島山
- 伊豆七島
- 小笠原諸島
- 南西諸島