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エコツーリズム推進法

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2.白川村のエコツーリズム推進全体構想はどのようなものですか?

白川村エコツーリズム推進全体構想

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1 全体構想の目的

岐阜県北西部に位置する白川村は、1995年に世界遺産(文化遺産)に登録された白川郷合掌造り集落、白山国立公園や天生県立自然公園などの素晴らしい文化資源、自然資源があり、また2009年には東海北陸自動車道が全線開通し、2015年に北陸新幹線が開通し、コロナ禍前には年間約200万人観光客が訪れています。

しかし近年は、交通の利便性の向上とともにすっかり通過型の観光地化が定着しています。このため、地域固有の自然・文化資源を生かしたツアーのラインナップを増やし、より地域の魅力を伝えられる着地型観光への移行を目指しています。今後、これらの取り組みを踏まえ、地域の活性化を図りつつも、エコツーリズムの考えに基づく環境への配慮を促す観光推進のシステムを構築し、持続可能性のある観光立村を目指すことを目的に全体構想をまとめました。

2 エコツーリズム推進全体構想の概要

(1)エコツーリズムを推進する地域

白川村全域を対象とします。白山国立公園を中心とする南部地域の豊かな自然、世界遺産合掌造り集落に限らず、村の面積の95.7%を占める森林や河川など、全域に豊かな自然や地域固有の文化資源が存在しており、それら資源をいかしたエコツーリズム推進のためには、白川村全エリアを対象にする必要があると考えられるからです。

(2)エコツーリズムの対象となる主たる自然観光資源の名称及び所在地
① 自然環境に係るもの

■動植物の生息地又は生育地その他の自然環境に係るもの

  • 国の天然記念物であるニホンカモシカ、ヤマネの他、オコジョ、ホンドテン、ホンドイタチ、ツキノワグマ、ニホンリス、ホンドモモンガ、ムササビ、ノウサギ、ホンドキツネ、ニホンアナグマ、ホンドタヌキ等
  • 猛禽類のイヌワシ、クマタカは奥山上空に飛来、飛行が見られ、里ではオオタカ、トビ、ハイタカ等
  • 甲虫類はヒメオオクワガタ、ミヤマクワガタ、アカアシクワガタ、コクワガタ、カブトムシ、ハンミョウ等
  • 白山国立公園・大白川地区、大窪池、三方岩岳、野谷荘司山等
② 風俗習慣、伝統的な生活文化に係るもの

■自然環境と密接な関係を有する風俗習慣その他の伝統的な生活文化に係るもの

  • 荻町地区、春駒、どぶろく祭、民謡・こだいじん(県指定 重要無形文化財)、茅刈り 合掌屋根の葺き替え、トチ餅(栃ひろい、あく抜き作業含む)、ヒデ細工、蚕がい祭り

(3)エコツーリズムの実施方法
① エコツーリズム推進のためのルール

■協議会、ツアー実施者及び観光関係者のルール

(ア)多様な関係者による話し合い(協議会)の効果的な活用

(イ)情報発信

(ウ)多様な主体の連携

(エ)地域産業の活用・振興

(オ)広域的な連携の推進

(カ)こども達への取り組みの推進

② ツアーを行う上でのルール

■ルールによって保護・維持・向上する対象

(ア)参加者の安全確保及び新型コロナ感染予防策の徹底

(イ)自然環境及び自然観光資源の保全

(ウ)野生動植物とその生息地・生育地などの保護

(エ)地域住民・土地所有者への配慮

(オ)景観、史跡、伝統文化、伝統芸能等への配慮

(カ)その他環境全般の保全

(キ)ツアーの質の向上

③ ルールで保護する事項

(ア)野生動植物とその生息地・生育地など

(イ)景観、史跡、建造物、伝統文化(伝統芸能等)など

(ウ)環境全般

(エ)地域住民の生活環境

(オ)参加者の安全対策

④ ルールの運用にあたっての実効性確保の方法

ツアー実施者がツアーを行う上でルールに適合するよう次の方法で実効性を確保します。

(ア)ツアーを実施する団体は、企画したツアーを実施する前段階においてツアーの企画・実施に関する報告書によりルールの運用を協議会へ報告します。

(イ)協議会は、報告書を確認し、ルールに適合しない場合は当該団体へツアー内容の是正を要求します。

(ウ)ツアー実施者は、ツアーを実施する前にツアーを行う上でのルールの運用のチェックリストによりルールの運用を自らチェックします。チェックリストはツアーを実施する団体が保管し、必要に応じて協議会がルールの運用の状況を確認します。

(エ)ツアー実施者は必要に応じてツアーの予約等の受付時又はツアー開始時に参加者に対して定められたルールとその必要性を説明することとし、参加者の理解及び協力が得られるようにします。

(オ)ルールの定期的な見直し
全体構想の定期的な見直しにあわせてルールも見直します。

⑤ 本地域における案内(ガイド)及びツアー

基本的な考え方は、白川村における案内(ガイド)及びツアーは、エコツーリズムの推進を実践するためのものであり、自然及び自然と密接な関係のある自然観光資源や、その他の観光資源を保全しながら、観光振興、地域内循環型経済による産業振興、村民への普及啓発による地域振興、そして持続可能な社会をつくることの重要性を認識するための環境教育の場として役割を担います。

■主な案内(ガイド)及びツアーの内容

案内(ガイド)の方法には、専門のガイド等が参加者に対して解説及び体験の指導をする直接的な方法並びにガイド及び専門家の意見を踏まえて作られた解説板、パンフレット等を用いた間接的な方法があります。本地域で実施するツアーについては、本地域の魅力を効果的に伝えるために専門ガイド等が解説及び体験を指導する直接的な方法を主とします。

■主なツアーの内容としては以下のものが考えられます。

(ア)豊かな森林を活用したツアー

白川村は豊かな森林に恵まれた村です。森林は人に様々な恵みをもたらしてくれますが、その恵みは物質的なものにとどまらず、精神的な安らぎ等幅広い範囲に及びます。また、地域のこども達への森林に対する理解を深めるための森林を活用した環境教育等、森林の様々な恵みを利用したツアーを開発及び実施します。

(イ)山岳を活用したツアー

  • 白山登山 日本三名山(霊山) 百名山 「花の白山」
  • 三方岩岳 日本三百名山
  • 天生県立自然公園

(ウ)水辺を活用したツアー

  • 白水湖でのラフトボート体験
  • 大白川河川でのシャワークライミング

(エ)豊かな文化を継承し、伝統を活かした多種多様な追体験をすることを目的とするもの。

  • 合掌造りの技を体験

(夏)ネソ練り、ネソ掛けの技で一本橋をかける

(秋)茅刈り&ニュウづくり体験

  • ヒキギリやムカデの技術継承を目的とした体験イベントの実施
  • わらじづくり体験

(オ)農業等を活用したツアー

  • 白川郷田植え祭り
  • いちじく摘み取り体験ツアー
  • ブルーベリー摘み取り体験ツアー
⑥ モニタリング及び評価
  • ツアーで活用されている自然観光資源については、保全の観点から継続的にモニタリングを行い、必要に応じて対策を行い、改善していきます。
  • モニタリングの対象と方法

モニタリングは、白山ユネスコエコパーク協議会の基本方針に基づいて進めます。モニタリングの対象は次に示す4つとし、各ツアー実施者や関係者は、ツアー実施時や下見時に気づいた点があれば、随時協議会に電話、FAX、協議会ホームページ及びメール等で報告します。

  • ツアーで活用している動植物の生息地・生育地の状況
  • エコツアーで活用頻度の高い動植物の生息地・生育地
  • 森林環境
  • 河川環境

ツアー実施者がエコツアーの下見や実施の際に確認した動植物(希少種・外来種など)を事務局に報告します。

⑦ 協議会の参加主体

協議会の構成員は、協力してエコツーリズムの推進に努めます。尚、協議会の構成員に加える旨の申入れがあった際には、協議会の規約に則り、総会及び臨時総会等での手続きをもって構成員とします。

⑧ その他エコツーリズムの推進に必要な事項

1.地域振興

ツアー実施者は、エコツーリズムが地域振興の有効的な手段となるため、ツアーの実施に関連して使用する備品、提供する飲食物等については、地元産を積極的に活用することで地域振興につなげます。

2.地域住民との連携

エコツーリズムの推進に当たって、協議会及びツアー実施者は、地域住民の視点に立って、地域の生活環境、習わし、農林水産業及び土地所有者に悪影響を及ぼすことのないように慎重な配慮を持って推進します。

3 全体構想の公表

全体構想の作成、変更・廃止を行ったときは、白川村役場ホームページや広報しらかわで周知を行います。また、白川村役場での閲覧やホームページへの掲載、説明パンフレットの配布などにより、一般に公開します。

4 全体構想の見直し

全体構想は、協議会において毎年度実施状況について点検を行います。また、概ね5年ごとに見直しを行います。ただし、早急に対応が必要と判断された場合には、適宜見直しを行います。

大白川 白水湖
三方岩岳の紅葉
大白川 白水湖 三方岩岳の紅葉


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