南島
小笠原諸島は、東京から南に約1,000~1,800km の太平洋上に散在する30 余りの島々の総称で、北から聟島列島、父島列島、母島列島、火山(硫黄)列島、及び西之島、南鳥島、沖ノ鳥島の三つの孤立島から構成されています。日本最南端の沖ノ鳥島と日本最東端の南鳥島が属していることから、日本の排他的経済水域の約3割は小笠原諸島の存在によって確保されています。
小笠原諸島に最初に定住したのは、捕鯨などのためにハワイから移住した欧米人とハワイの先住民で、1830(文政13)年のことでした。その後、江戸幕府や明治政府の調査・開拓により1876(明治9)年には国際的に日本領土として認められ、1880(明治13)年から東京府の管轄となりました。
太平洋戦争後には、米国の占領下に置かれることとなりましたが、1968(昭和43)年に23 年ぶりに日本に復帰しました。
小笠原諸島は、島の誕生以来、他の陸地と地続きになったことがない海洋島で、その形成過程を示す地質と共に小笠原諸島固有の動植物が多く生息しています。2011年には、生態系の独自性が評価され国内4番目の世界自然遺産に登録されています。
村内で実施されているエコツアーの区分としては、山域のガイドツアー、ナイトツアー、スターウォッチング、スキューバダイビング、スキンダイビング、シーカヤック、ドルフィン&ホエールウォッチング、南島上陸・海域周遊(一部属島上陸含む)&ドルフィンスイムが挙げられます。
ツアーは、基本的に1日単位ですが、定期船入出港日には半日ツアーも催行され、ナイトツアーやクルーズ船向けのツアーのように2,3時間程度のものもあります。これらツアーは地元の事業者によって運営されており、世界自然遺産登録後の来島者増もあり地域への経済効果は高いと言えます。
課題としては、自然地域を利用したある程度の体力が必要なツアーが多いため、近年増加しているシニア層の旅行者にも対応可能な多様なツアーメニューづくりが必要となっています。
また、世界自然遺産登録によって観光客数が増加したことから、利用に伴う自然環境への負荷が変化するという懸念があります。よって、利用される自然資源に対して継続的なモニタリングや評価を行ないながら適正にエコツーリズムを推進することにより、自然環境の保全に貢献していくことが求められます。
また、観光客を受け入れる水準の維持・向上のため、ガイドを中心とする観光事業者のスキルやホスピタリティー、安全管理に対する配慮を向上していくことや、行政機関や各種団体等が役割分担のもと、ツアーで利用する自然観光資源の保全措置を進めることに加え、安全面を含めた適切な環境整備を図る必要があります。
小笠原諸島の豊かで美しい自然や独自の文化を次世代に継承していくために、環境教育的視点も持ちながら、村の自立発展のための資源として保全と利用のバランスを図りながら地域振興を目指します。また、持続可能な島づくりを進めるために以下の点に留意してエコツーリズム推進に取り組みます。
シュノーケリング
シーカヤック
ホエールウォッチング、ドルフィンスイム、クルーズツアー など
シュノーケリング、スキンダイビング、スキューバダイビング、シーカヤック、アウトリガーカヌー など
森・山のガイドツアー
ナイトツアー、ウミガメツアー、スターウォッチング など
ウミガメ教室