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エコツーリズム推進法

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1.まんのう町ではどのようにエコツーリズムに取り組んでいるのですか?

地域の概況

大川山のイヌシデ林

大川山のイヌシデ林

まんのう町は、香川県の南西部、讃岐山脈北側の丘陵地に位置し、中でも、山間部の琴南地域は、香川県内で最も自然環境や森林資源に恵まれた地域で、県内唯一の一級河川である土器川の源流域となっており、南は讃岐山脈で徳島県境に接しています。

この地域には県内で最も標高の高い竜王山(1,059.8m)、第二峰の大川山(1,042.8m)があり、優れた自然景観を有することから、県内唯一の県立自然公園である大滝大川県立自然公園(町内1,282ha:特別地域270ha、普通地域1,012ha)に指定されています。

また、本地域にはかつての賑わいを窺い知ることのできる文化財等が多く残されています。近代以前においては、阿波の国(現在の徳島県)からの街道が整備され、歴史的にも古くからの寺社仏閣、道標などが残っており、自然環境と密接な関係を有する風俗習慣や伝統的な生活文化の宝庫でもあります。

しかしながら、最近の30年間に過疎化が進行し、特に山間部においては、車社会の進展もあり、公共交通機関の利便性が低下しました。その一方で、高松市等の市街地からは自家用車で1時間程度でアクセスできるようになり、比較的手ごろに豊かな自然が楽しめることから、自家用車を使った家族単位でのキャンプやトレッキング、森林浴など様々な自然体験を目的とした観光客が訪れるようになっています。

そのため、琴南地域では、これまでも自然環境を生かした野外宿泊施設としてのキャンプ場整備などを行ってきましたが、必ずしも地域の活性化などにつながっているとは言えない状況であり、人と自然との関りについても、地域住民の高齢化と農林業の従事者の減少が相まって、地域社会全体において希薄化しつつあります。

現状と課題

まんのう町の総合計画では、本町の発展課題の一つに、「自然・歴史遺産の保全と活用」を掲げています。それは、本町の7割が林野、1割が農地で、町民は、都会にはない「里地里山」の豊かな景観や生態系に囲まれて暮らしているからです。

また、本町には、国指定史跡「中寺廃寺跡」など、ロマンあふれる貴重な歴史遺産が数多く遺されていることから、古代からの本町の優れた歴史を多くの人が肌で感じられる空間にするなど、歴史遺産をまちづくりに有効に活用していくことを謳っています。

さらに、先人が築き、脈々と受け継いできた「里地里山」の自然を後世に引き継いでいくため、農林業の長期的視野に立った振興を図っていくことなどにより、「豊かな自然を活かし みんなで創るまち まんのう~地域のつながりを大切にするまちづくり~」を基本理念に、まちの将来像を、「元気まんまん まんのう町 ~水と緑がひとを育み支えあうまち~」と定め、水と緑により新しい人材や地域産業が育ち、社会や経済を力強く支え、人口減少の抑制、住民1人ひとりの活力の向上、地域の自治力の向上につながる「元気まんまん」のまちをめざしています。

これらは、地域の自然を保全しながら、その恵みを生かした暮らしの創造と地域づくりを目的としたものであり、エコツーリズムに通じるものです。

しかしながら、現状は、豊かな自然環境はあるものの、その良さについては町外には十分に知られておらず、その利用は限られたものになっています。そのため、自然の活用は主に森林・山岳のトレッキング、名勝地の景観鑑賞などにとどまっている状況です。加えて、町内には宿泊施設が少なく、中でも山間部である琴南地域などでは宿泊施設は1箇所、キャンプ場が2箇所あるのみで、日帰り客の利用が主となっています。

さらには、近年の過疎化の進行など社会情勢の変化により、かつての生活文化や伝統文化が失われつつあるほか、最近では、地域住民の暮らしにおいても、自然とのかかわりは第1次産業の衰退により限られたものになりつつあり、地域活性化における地域内の担い手の確保が難しくなっています。

このような状況を踏まえ、本町では、山村部に普通にある豊かな自然環境を活かしながら地域コミュニティを活性化する手法として、これまでに、琴南地域を対象に、森林の利活用を目的とした「森林空間利用促進事業」を実施してきました。この中で、県内の団体が各種の自然体験・森林体験を行う機会と、それによる交流人口を増やすことを目的に、それらのプログラム開発を行うほか、健康志向からの森林散策や森林浴などの活動と温浴施設等とを連携した利用を促進する取り組みを進めています。

それらを踏まえて、生き物を専門とする自然保護団体やアウトドアプログラムを実施する団体の誘致、森林インストラクターや地域おこし協力隊員の受け入れなど、具体的な担い手の導入などに努めていますが、今後は、これらの様々な関係団体間のネットワークの形成や、いろいろな場面での連携した取り組みを推進する必要があります。


取組

まんのう町では、エコツーリズムの推進によって目指す地域の姿を、「豊かな自然の恵みを享受して、ゆったり暮らせる地域」とします。

また、これを実現するために次の3つの基本方針に基づいて事業を推進していきます。

  • <基本方針1>「里地里山」の豊かな景観や生態系の保全と継承
  • <基本方針2>地域資源の活用による自然と人と地域の交流の活性化
  • <基本方針3>「里地里山」の暮らしを活かした持続可能な地域づくり

さらに、本町が有する利点を効果的に活かすため、エコツアーを企画・実施する際の要点として、次のとおり「5つの推進ポイント」を設定します。

  1. 地域の豊かな自然環境、生活文化や伝統文化の良さを再評価し、広くアピールする
  2. 多様なプログラムを開発し、施設の利用率のアップと利用者のリピーター化を図る
  3. 地域産物の商品化やエコツアーによる利益の地元還元の仕組みをつくる
  4. 地域住民がエコツアーの実施に関わり元気になる仕組みをつくる
  5. 地域内外からエコツアーの担い手を育成する


主なツアープログラム

森を歩く・森で過ごすツアー

森をゆっくり歩くツアーです。森歩きの初心者の方、生き物の生態のおもしろさを知りたい方、森のいやしを感じてみたい方におすすめです。

春は若葉が芽吹き、秋は美しい紅葉に囲まれながら森の中でのヨガ体験です。初めての方でも気軽に楽しめる内容となっています。

森を歩く・森で過ごすツアー 森を歩く・森で過ごすツアー

讃岐山脈のトレッキングツアー

大川山や竜王山の1000m級の山や、讃岐山脈などの山々を歩くツアーです。時間をかけて山を歩くため、本格的な山登りがお好きな方、興味がある方にもおすすめです。

讃岐山脈のトレッキングツアー 讃岐山脈のトレッキングツアー

ツリークライミング体験ツアー

いつもは見上げるだけの高い木の樹冠部までロープで登ります。初心者でも安全に自分の力で登れる体験ツアーです。日頃見ることのない森の光景が広がります。

ツリークライミング体験ツアー

里山の自然と歴史・文化を巡るツアー

里山の自然を楽しみながら、かつての阿波と讃岐を結ぶ街道や平家の落人伝説、歴史ある神社や雨ごい踊り、山岳信仰など地域の歴史と文化に思いを馳せるツアーです。

里山の自然と歴史・文化を巡るツアー 里山の自然と歴史・文化を巡るツアー

トレイルランニング

大川山、竜王山、笠形山を周回するトレイルランニングレースです。総距離約40kmを走り、累積標高約3,800mを登るハードコースです。

トレイルランニング トレイルランニング

>>2.まんのう町のエコツーリズム推進全体構想はどのようなものですか?