吉野川紀の川 源流ツーリズム推進全体構想

１　全体構想の目的

国内有数の多雨地帯として知られる大台ヶ原や大峯山脈を源流とし、紀伊水道へ流れ出る一級河川、吉野川（紀の川）。その最初の一滴が生まれる水源地の村である川上村は、流域に水の恵みを届ける大切な役割を担っている。川上村には、「水源地の森」に代表される多様な生物が織りなす豊かな天然林と人々が綿々と紡いできた吉野林業の人工林と歴史、そこに息づく文化がある。そうした自然観光資源の保全と活用とともに、観光業をはじめとした各産業の活性化をめざし、川上村版エコツーリズムである「吉野川紀の川 源流ツーリズム推進全体構想」を作成した。

２　エコツーリズム推進全体構想の概要

◇源流ツーリズムを推進する地域

川上村は、吉野川（紀の川）水源地の村として自然環境を大切にしてきており、また村内全域がユネスコエコパークに登録され、観光・地域振興のために持続可能な利用が求められる重要な地域である。こうしたことから、源流ツーリズムの推進を図る地域として川上村全域を対象とする。

◇対象となる自然観光資源

○主な自然観光資源

（自然環境に係るもの）

• 吉野川源流−水源地の森、滝、渓流、青根ヶ峰、白鬚山、伯母谷覗、星空、イヌワシ、クマタカ、ナガレヒキガエル、カジカガエル、ゴイシツバメシジミ、ギフチョウ、蘚苔類　など

（風俗習慣、伝統的な生活文化に係るもの）

• 吉野林業と関連する文化、土倉庄三郎関連史跡、後南朝の歴史と伝承、伝統食（柿の葉寿司、とちもち等）、山の神信仰　など

◇源流ツーリズムの実施方法

川の源流域の深い自然・文化体験ができる川上村のブランドを確立し、自然の恵みを受ける人全員が自然の保全に参加し、次の世代につなぐとともに、地域関係者の利益につながる仕組みを作ることを目指し、源流ツーリズムを推進する。

○主なエコツアー

• 水源地の森ツアー（原生林の保全・継承）、星空観察会（自然の夜の魅力伝達）、キャニオニング（源流域での清流体験を通した学び）、苔観察トレッキング（小さな生命の観察と環境意識醸成）、洞窟探検（自然の中での冒険）　など

◇源流ツーリズムの推進体制

吉野川紀の川源流ツーリズム推進協議会

（川上村、川上村議会、川上村商工会、川上村漁業協同組合、一般社団法人吉野かわかみ社中、川上村観光協会、公益財団法人吉野川紀の川源流物語、一般財団法人グリーンパークかわかみ、株式会社二升五合、青空ファン、ヨイヨイかわかみ　ほか）

＞＞３．お問い合わせ先、参考ページ