白糸の滝
かつて冷涼な気候のため寒村であった軽井沢は独特かつ飛躍的な発展を遂げてきました。その歴史の中でも、戦後まもない昭和26年(1951年)には、国から「国際親善文化観光都市」として他にない重要性が認められ、昭和26年(1951年)からは軽井沢国際親善文化観光都市建設法が制定されています。
さらに昭和48年(1973年)には、同法の主旨を尊重した町民の心構えとして「軽井沢町民憲章」が制定されています。
平成19年(2007年)には、それまでの取り組みと軽井沢町の自然・歴史・文化を踏まえたまちづくりの最高規範条例として「軽井沢町まちづくり基本条例」が制定されました。
当町においても外国人観光客は増加しつつありますが、現時点では商業施設でのショッピングなどが主要な目的となっていると思われます。また、当町は京都や奈良などの他の著名な観光地に比べた場合、歴史的・文化的な観光資源は多くないともいえます。しかしながら、町域の多くが上信越高原国立公園や国指定鳥獣保護区に指定されており、世界有数ともいえる活火山の浅間山、そしてムササビ、ニホンザル、カモシカ、ヤマドリ、アオゲラなど日本固有の哺乳類や鳥類のほか、大型哺乳類のツキノワグマなども生息しており、さらに浅間山を水源とする清らかな水に生息するイワナやヤマメ等の魚類や草原から森林までの様々な植物など、自然観光資源が豊富に存在しています。また、当町は世界にも誇りうる野生動物(ツキノワグマ、ニホンザル等)の保護管理の取り組みも行っています。これらの自然観光資源や野生動物の保護管理の取り組みは、海外からの観光客にとっても高い魅力を持つ観光資源になりうると考えられます。
また、当初は外国人の避暑地として発展してきた経緯から、建築物等の文化面においても我が国の他地域にはない独特の魅力が存在しているともいえます。
さらに、当町では平成28年(2016年)にG7交通大臣会合、令和元年(2019年)にG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合が開催された実績を踏まえ、国際会議都市を目指しております。
また、我が国では令和3年(2021年)に2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、令和7年(2025年)に大阪万博が開催されるなど、今後さらに多くの外国人観光客が、我が国そして軽井沢を訪れることが予想されます。このような機会に備えて、我が国ならでは当町ならではの自然観光資源を保全しつつ活用するエコツーリズムは、海外からの観光客の受け入れにおいても大変有効な手法といえます。
地域の自然を大切にしながら歴史と文化を育んできた当町ですが、近年の社会情勢の変化などに鑑み、豊かな自然と都市機能が共生するまちづくりを進めつつ、将来にわたって持続的に発展していくことを目的として、当町では平成25年(2013年)に「第5次軽井沢町長期振興計画」を策定しました。
同計画では基本理念を、「自然と文化が奏でる軽井沢」とし、今後のまちづくりの課題として以下の5点を挙げています。
■軽井沢のさわやかな環境を守り、また楽しさを享受し、自然と人がいかに共生していくか
■保養地としての活力を生む新たな産業システムをどのように創りあげるか
■歴史ある国際性、また、現代性ある芸術・文化的資質をいかに活用していくか
■ホスピタリティを持った受け入れと、住民の生活環境のバランスをいかに図るか
■住民(町民・別荘所有者・滞在者等)が一体となったまちづくりの体制をいかに強化していくか
また、当町の外国人宿泊者数は、平成27年(2015年)から平成30年(2018年)において急増していることから、軽井沢町と(一社)軽井沢観光協会におきまして令和元年9月に「軽井沢インバウンドビジョン」を策定いたしました。サスティナブル(持続可能)なリゾート地を目指すため、当協議会においても連携し、今後においてアジア圏はもとより欧米やオセアニアにも力点をおきPRするべく、豊かな自然や景観、独特の文化が残っている軽井沢にとって大きなチャンスになると思われます。
このように観光面では今後大きく期待されるところですが、一方では、自然豊かな地域であるが故の課題も少なからず存在しています。例としては、野生動物対策があげられます。
当町は、人口が2万人程度の地域であるにも関わらず、別荘が1万5千軒以上存在しており、その多くが森林部に建てられています。そのため、かつては森林に生息しているツキノワグマがゴミ置き場を荒らし、時にゴミに餌付いて人慣れしたクマが市街地にまで現れるといった事態が発生していました。町を中心とした10年以上に渡る個体管理の取り組みにより被害は少なくなっていますが、現状でも管理には大きな労力がかかっています。同様の事態はニホンザルについても発生しており、群れごとの監視や追い払い等が行われています。また、ペットとして持ち込まれ放棄されたアライグマなどの外来種対策も続けられています。
さらに、かつて別荘地として開発が始められた頃の当町は広く草原に覆われており、当時咲き乱れていたサクラソウ(町花)等は、近年の森林化によりその姿をあまり見かけられなくなった等の変化も生じています。
このような各種の課題に対して、今後は「自然観光資源として活用する」ための取り組みも必要とされていると考えられます。
このような課題に対処するため、「軽井沢町のゾーニング」と「都市デザイン」の観点から「将来ビジョン」を掲げ、これを実現するため「基本構想」に以下の8つの「基本方針」を設定し取り組みを進めています。
1.森と高原の快適環境
2.交流を促す円滑交通
3.災害に強い安全・安心のまち
4.軽井沢ブランドを活かした交流のまち
5.安心して暮らせる健康福祉のまち
6.人を育てる教育・文化
7.住民が主役の共同参画のまちづくり
8.持続と自律の地域主権
様々な課題もある一方で、これまでの努力によって守られてきた自然観光資源や、これらに密接に関連した歴史・文化資源等、数多くのかけがえのない財産も存在しています。
このような当町の財産と今後の発展の方向性を踏まえた時、「自然環境の保全」、「観光振興」、「地域振興」、「環境教育」を効果的に連携させたエコツーリズムの推進は大変有効な取り組みの一つであるといえます。
また、当町では上記のような現状の課題への対応も行いつつ、50年後、100年後の当町へのあり方への問題提起として、「軽井沢モダン」を基調とした「高原保養都市」としての軽井沢の未来像「軽井沢グランドデザイン」を平成27年(2015年)に発表し、町民とともに将来を見据えた取り組みを進めています。
一方、我が国の昨今の状況においては、平成15年(2003年)のビジット・ジャパン事業を開始し、さらに平成19年(2007年)に観光立国推進基本法が施行されて以降、海外からの訪日観光客は増加傾向にあり各地域にその影響力を高めています。平成30年(2018年)の12月時点で既に3,000万人を超え、令和2年(2020年)には、4,000万人の目標を掲げています(日本政府観光局(JNTO)発表)。
ツキノワグマと人との共存のために働く犬「ベアドッグ」は、クマには勇敢に立ち向かい、人には優しく穏やかな性質を持つ犬です。
ツキノワグマの生態に精通しているハンドラー(ベアドッグの飼育兼訓練士)がご案内するクマの冬眠期限定の特別ツアーです。
目の前には雄大な浅間山、眼下には森に囲まれた軽井沢の街。遥か彼方には妙義山の山並みも。片道約1時間の手軽さで、絶景と登山気分を楽しめるツアーです。
小浅間山の頂上付近は、標高1600mでありながら通常2500m以上に生育する高山植物を見ることができる特殊な環境です。草のように低い背丈の樹木ガンコウラン、コケモモ、シラタマノキの小さな愛らしい花や、秋には赤や白の小さな実も見つけることができます。
「軽井沢野鳥の森」を歩きながら、四季折々の旬の生き物を観察するツアーです。歩行距離は2キロメートル弱。小さなお子様からご年配の方まで、どなたでも気軽にお楽しみいただけます。四季折々に花が咲き、虫が訪れ、野鳥がさえずり、リスやキツネが行き交います。その日その時ならではの「いちばんおもしろい生き物」をいろいろ観察できる、バラエティボックスのようなツアーです。
複数の家族で、様々なアドベンチャーに挑戦! 今まで気づかなかった子どもたちの新たな一面に気づけたり、子どもたちへのかかわり方を考え直してみたり、パパ&ママがお互いに新たな一面を再発見したり、家族の在り方を考えたり。 家族の絆を深めるとともに、複数家族同士で新たな絆を深めて頂けるプログラムです。 毎年、いろいろなドラマが生まれるプログラムでもあります。
緑豊かな森に囲まれた別荘地、明治時代以降に建てられた教会や洋館、文豪の碑など軽井沢には見どころがたくさんあります。そんな軽井沢の見どころを、一緒に散策しながら訪れてみませんか?軽井沢の風土や歴史などを学んだメンバーがガイドします。
近年、訪日外国人旅行客の関心が「モノ消費」から「コト消費(体験消費)」に移行しています。コト消費を拡大するため、体験型観光コンテンツの充実が望まれています。
サイクリングやスキーなどのアクティビティや文化などを、肌で体験することができます。さまざまなコト(体験)を外国人旅行者にとって価値あるサービスとして提供していきます。