阿蘇中岳火口
阿蘇地域は、阿蘇五岳が位置する阿蘇市、高森町、南阿蘇村を中心に周辺の外輪山が位置する南小国町、小国町、産山村、西原村、山都町の8つの市町村を範囲です。
特筆すべき景観と云える阿蘇カルデラは、阿蘇地域の中央に位置し、南北25Km、東西18km、周囲128kmあり、世界最大級の地形です。約27万年前の「阿蘇1火砕流」から約9万年前の「阿蘇4火砕流」まで、過去4回の大噴火によって形成された特徴的な景観です。カルデラ湖の成立を経て出現したカルデラ床には、現在約5万人が生活しており、平地部では田畑が広がり、中央火口丘や外輪山では日本一の面積を誇る草原が人々を魅了しています。これらの土地利用の在り方が評価され、2017年に国の重要文化的景観に選定されました。
先人の記憶により、阿蘇火山を神格化した健磐龍命の阿蘇開発にまつわる神話伝承が数多く残されています。命を祀る阿蘇神社(国指定重要文化財)を核とする信仰が根付いており、その信仰の在り方を示す阿蘇の農耕祭事(国指定重要無形民俗文化財)など、多様な民俗行事が、今なお脈々と伝えられています。また、この地域は温泉が豊富な場所としても知られています。多くの文豪が訪れた内牧温泉、全国的にも有名になった黒川温泉、弘法大使が訪れたと伝えられる杖立温泉、阿蘇中岳に近い地獄温泉などが点在します。さらに、多くの湧泉もあり、日本名水百選にも選ばれている白川水源を始めとし、その数は1,500ヶ所以上にのぼります。
阿蘇地域の自然の魅力を伝え、地域経済への波及効果を高めていくためには、ビジネスとして実施できる態勢を整備し、滞在交流型の観光へと誘導していくことが重要です。近年、インバウンド観光が増加しているため、国外に向けた情報発信やガイド、案内サインにおける外国語対応を検討していかねばなりません。
2.草原や火山地帯のマナーと安全管理阿蘇地域の特徴的な景観である草原では、牧野組合との約束事やマナーを守っていくことが重要です。火山活動が継続する阿蘇地域では、登山者等への火山情報の提供及び伝達、避難計画、防災施設、ヘルメット等の防護具の配置等が課題です。
3.生物多様性保全を意識ツーリズムの舞台として活用する一方で、その自然環境を損なうことなく保全していくことが求められます。希少な種を保護するだけでなく、生物多様性に留意して、阿蘇地域の自然環境を守り残していくことが必要です。
4.環境負荷や利用マナーへの意識向上阿蘇五岳周辺は、九州でも有数の登山のメッカで、アクセス道路が整備されているため、マイカーやバスを利用すれば比較的容易に登山できます。ゴミのポイ捨てや立入禁止区域への侵入等、環境に配慮する意識やマナーについて、来訪者の意識向上に向けた取組みが必要です。
5.よりよいエコツーリズムを実現するための広域連携本構想の対象エリアは、単一の行政区でないため、広報・情報発信に留まらず様々な面で広域連携が必要です。滞在施設や交通機関の面でも阿蘇地域としての行政区を越えたサービスを提案していくことが求められます。
雄大な地形、景観と、長い年月をかけて成立した草原の景観、それを守り続けてきた農家をはじめとした地域の人々の存在が阿蘇地域の最大の財産です。より多くの来訪者に魅力が伝わる阿蘇ならではの体験にこだわったエコツーリズムを目指します。
阿蘇地域の豊かな自然環境とその恵みを損なうことなく守り、継承していきます。また、過去の災害の歴史から災害にまつわる教訓、体験談、自然回帰過程や復興の取組み、生きている大地の証として伝承していきます。大地の営みと生物多様性を体感することができるエコツーリズムを進めつつ、地域のスペシャリストを発掘し、地域住民と一緒に学んでいく取組みを行います。
市町村にまたがる広域性を活かすために、多様な主体の連携・協働の場づくりを大切にします。関係者間の協議や勉強会等の取組みを通じた人的交流を行うとともに、滞在交流型ツーリズムの実現に向けた体験プログラム、交通機関、宿泊施設等の協力・連携を検討します。
熊本地震復興支援ツアー
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蘇陽峡カヌー体験
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草原トレッキング
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ホーストレッキング
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阿蘇ジオツアー
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野焼きボランティア体験
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アドベンチャートラック
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北外輪渓流トレッキング
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草原ライド
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熱気球体験
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