環境省ホーム > 政策分野・行政活動 > 政策分野一覧 > 自然環境・生物多様性 > 生物多様性の観点から重要度の高い海域 > 沖合表層域 > 415 日本海・対馬暖流海域
【注記】沖合表層域は物理的に流動する(海流の流路や季節により海域特性が変動する、またこれらにともない生物の産卵場、分布域なども変動する)特色があることから、重要海域の区域を空間的に固定して抽出することは困難である。また、利用できるデータや手法も現段階では非常に限られている。これらの課題はあるが、沖合表層図は、平成23-25年度時点で活用出来るデータ、解析手法を用いて機械的に行った結果として、沖合表層域の重要な海域の確率論的な分布を示すものとして作成された。しかし、生態学的特徴からは連続していると考えられるような場所が、機械的な解析により分断されているなど問題もあるので、今後の見直しまでにさらなる調査を行ってデータの充実を図り、また解析手法の見直しも行い、精度を上げていく必要がある。
面積(平方キロメートル) | 89698 |
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※抽出基準ごとに表示されている数字は各重要海域の解析スコアの最大値を表示している。
基準2、5が高く、MARXANにより選定されたため
当該海域には、黒潮と東シナ海の中国沿岸水などの混合した対馬海流が北上している。対馬暖流は高温、高塩分、低栄養塩類の表層流であるが、リマン海流との複雑なフロント海域では、親潮―黒潮移行領域と似た高い一次生産が起きる。主に東シナ海を産卵場とする暖流系魚類(クロマグロ、ブリ、アジなど)とスルメイカが対馬暖流に沿って北上し、秋以降には山陰-東シナ海の産卵場に南下回遊する。大陸棚および斜面域には、南は暖流系、北は寒流系の種が多い。深海域にはズワイガニ類が多く生息する。魚類では、キュウリエソ、ノロゲンゲなどが優占する。その他には兵庫県から島根県にかけての沖合水深200m前後にはホタルイカなどが分布し、重要な産卵場ともなっている。富山湾では急峻な地形により、海底部から湧昇流が起こり、陸水起源の伏流水も豊富なため、多くの栄養塩が表層へ運ばれ、植物・動物プランクトンの大発生が起こるのも本海域の特徴である(桜井私信)。ホタルイカの生産量が高いことでも有名な海域である(中田私信)。