環境省ホーム > 政策分野・行政活動 > 政策分野一覧 > 自然環境・生物多様性 > 生物多様性の観点から重要度の高い海域 > 沖合表層域 > 407 黒潮・本州海域
【注記】沖合表層域は物理的に流動する(海流の流路や季節により海域特性が変動する、またこれらにともない生物の産卵場、分布域なども変動する)特色があることから、重要海域の区域を空間的に固定して抽出することは困難である。また、利用できるデータや手法も現段階では非常に限られている。これらの課題はあるが、沖合表層図は、平成23-25年度時点で活用出来るデータ、解析手法を用いて機械的に行った結果として、沖合表層域の重要な海域の確率論的な分布を示すものとして作成された。しかし、生態学的特徴からは連続していると考えられるような場所が、機械的な解析により分断されているなど問題もあるので、今後の見直しまでにさらなる調査を行ってデータの充実を図り、また解析手法の見直しも行い、精度を上げていく必要がある。
面積(平方キロメートル) | 172264 |
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※抽出基準ごとに表示されている数字は各重要海域の解析スコアの最大値を表示している。
基準2、3、5、6、8が高く、MARXANにより選定されたため
当該海域は、黒潮・亜熱帯水域のうち、九州南部沖合から房総半島沖で続流となるまでの黒潮とその内側(陸側)にあたる海域である。四国沖をはじめ黒潮よりも沖合の亜熱帯水域には西に向かう黒潮反流が形成される。この海域は、黒潮による浮遊性の生物の輸送を介した沿岸域と黒潮、黒潮と亜熱帯水域の生物の移動があり、世界的にみても海洋生物の多様性が非常に高い海域と言える。黒潮は高温・高塩分、栄養塩類の少ない表層流であり、黒潮および亜熱帯水域の一次生産は主として微小な植物プランクトンが支えている。黒潮により暖水性の生物相が見られ、微生物食物連鎖と小型動物プランクトン、中深層性魚類・イカ類、小型浮魚類、大型回遊魚類、海鳥類、鯨類が含まれる複雑な食物網が形成されている。また、黒潮内側域には、イワシ類、サバ類が豊富である。
■基準2 |
【哺乳類】 |
スナメリ(繁) |
【魚類】 |
イカナゴ(産) |
イサキ(産) |
イトヒキダラ(産) |
ウルメイワシ(産) |
オオニベ(産) |
カタクチイワシ(産) |
ケンサキイカ(産) |
ゴマサバ(産) |
タチウオ(産) |
トラフグ(産) |
ヒラメ(産) |
ブリ(産) |
マアジ(産) |
マイワシ(産) |
マコガレイ(産) |
マサバ(産) |
マダイ(産) |
【頭足類】 |
アオリイカ(産) |
イイダコ(産) |
ホタルイカ(産) |
ヤリイカ(産) |
■基準3 |
【魚類】 |
Carcharodon carcharias |
Centrophorus squamosus |
Narke japonica |
※掲載種は抽出基準に合致するとして解析に用いた種のリストであって、当該海域に分布する種全てではない。
(繁):繁殖地
(産):産卵海域