環境省ホーム > 政策分野・行政活動 > 政策分野一覧 > 自然環境・生物多様性 > 生物多様性の観点から重要度の高い海域 > 沖合表層域 > 403 本州東方混合水域
【注記】沖合表層域は物理的に流動する(海流の流路や季節により海域特性が変動する、またこれらにともない生物の産卵場、分布域なども変動する)特色があることから、重要海域の区域を空間的に固定して抽出することは困難である。また、利用できるデータや手法も現段階では非常に限られている。これらの課題はあるが、沖合表層図は、平成23-25年度時点で活用出来るデータ、解析手法を用いて機械的に行った結果として、沖合表層域の重要な海域の確率論的な分布を示すものとして作成された。しかし、生態学的特徴からは連続していると考えられるような場所が、機械的な解析により分断されているなど問題もあるので、今後の見直しまでにさらなる調査を行ってデータの充実を図り、また解析手法の見直しも行い、精度を上げていく必要がある。
面積(平方キロメートル) | 104067 |
---|
※抽出基準ごとに表示されている数字は各重要海域の解析スコアの最大値を表示している。
基準2、5、6が高く、MARXANにより選定されたため
当該海域は、黒潮親潮移行域あるいは混合水域とも呼ばれる親潮と黒潮の混合する海域であり、暖水・冷水渦を含む複雑なフロント構造が発達するとともに、三陸海岸から沖合には、津軽海流が流れ込み、非常に複雑な海洋環境となっている。このため、温帯性種と亜寒帯性種とが共存する独特の生物相を形成するとともに高い生物生産を示す海域である。春〜初夏の三陸沿岸はオキアミ類が豊富で、これらを餌とするヒゲクジラ類、赤道渡りをして北上中のミズナギドリ類の重要な索餌海域となっている。また、サンマ、サバ類、イワシ類などの浮魚類・イカ類、マグロ類やカツオなど大型回遊魚の索餌・成長海域となっており、大陸棚から大陸棚斜面域にはタラ類、カレイ類などの多様な有用水産資源が生息する。