
地球規模でわかってきた海の危機
複雑な海の生物多様性を把握することは難しいのですが、国内外で様々な取組が行われ、少しずつ、現状がわかってきました。
2001~2005年にかけて、95カ国、1,360人の専門家が参加した「ミレニアム生態系評価」では、多様な沿岸環境が人間活動により大きな影響を受けていること、たとえば、20世紀末の数十年で世界のサンゴ礁の約20%が失われたことなどが指摘されています。

世界規模で起こっているサンゴの白化現象。気候変動による海水温の上昇が原因と言われています。
サンゴ礁が失われてしまえば、多くの生きものたちもすみかを失うことになります。

開発工事等により川から海に流れ出した赤土はサンゴの生育に悪影響を与えます。

砂浜を歩くウミガメ。彼らの産卵場となる砂浜は埋め立てや浸食が進み、減少しています。
また、近年、世界的に需要が拡大している漁業資源については、主要な魚種の4分の1が乱獲により、枯渇の危機にあるとされています。

わたしたち生きものがよって立つ地球の生物多様性。この損失は、わたしたちが受けることのできるめぐみ(生態系サービス)の低下をもたらし、将来世代が得ることのできる利益が大幅に減少する危険性をはらんでいます。