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海洋生物多様性保全戦略とは

海洋生物多様性保全戦略策定の背景・目的

海

皆さんは「生物多様性」という言葉をご存じでしょうか。2010年秋に名古屋で関連する国際会議が開催されたので、名前くらいは聞いたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。

生物多様性とは、「生きものたちの豊かな個性とつながりのこと」を言います。地球上の生きものは40億年という長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。これらの生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に支えあって生きています。生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルで多様性があるとしています。

海に目を向けると、多様な生きものたちの存在とつながりを見ることができます。わたしたち人間とのかかわりで見ても、海は食料資源をはじめとして多様な恵みを与えてくれる存在です。その元となっているのが海の生物多様性なのです。


ただ、最近は国内外の海の生物多様性の悪化が指摘されています。理由は様々ですが、そのような悪化の原因を突き止め、対策をとることで海洋の生物多様性を保全し、かつ持続的に海のめぐみを利用することが重要です。

これまで、陸と海を含む日本全体の生物多様性の保全については、「生物多様性基本法(2008年5月成立)」の施行や「生物多様性国家戦略2010(2010年3月閣議決定)」の策定が行われてきました。

「海洋生物多様性保全戦略」は、海の生態系を守り、海の恵みを持続可能なかたちで利用することを目的に、基本となる考え方や視点、施策などについてまとめたものです。