国際的な取り組み
ICRI総会の開催記録

第32回ICRI総会

開催日2017年12月7日~9日
開催場所ナイロビ(ケニア)
事務局フランス・マダガスカル 共同
参加者70名程度

概要

  • 冒頭のハイレベルパネルセッションでは、Peter Thomson国連事務総長付け海洋特命大使、Inger Andersen国際自然保護連合事務局長、Martha Rojas-Urregoラムサール条約事務局長が参加し、2020年まで及びそれ以降に私たちがサンゴ礁やマングローブを守るために何ができるかというテーマでプレゼンテーションがありました。
  • 本総会から、ミャンマーが新しくICRIメンバーに加入した一方で、フランス海外領土のニューカレドニアもメンバー加入を希望しました。後者についてはICRIのメンバーシップの規約の修正を行う必要があることから、今後議論を重ねて検討をすることとし、結論は今次総会では出ませんでした。
  • また、以下の2課題についての勧告が採択されるとともに、「環境に優しい海洋建設(エコ・デザイン)に関するガイドラインを作る特別委員会」の設置が採択されました。

    ・サンゴ礁に対する浚渫・土砂廃棄による被害の軽減に関する勧告

    ・気候変動に対するレジリエンスを増大するためのサンゴ及びマグローブの自然インフラに対する投資の支援

  • 参加者各位から以下のプレゼンテーションと議論が行われました。

    ・ICRI事務局(フランス)からは、国際サンゴ礁年2018に向けて、ウエブサイトhttps://www.iyor2018.org/がまもなく出来上がること、サンゴ礁の現状と危機に関するドキュメンタリー映画「消えゆくサンゴ礁(Chasing Coral)」(公開済)等の案内がありました。また、サンゴ礁保全に関するニーズ(プロジェクト提案)の抽出をしてドナーとのマッチメイキングが進むようにリストを作成した旨の報告等がありました。

    ・我が国からは、日本におけるサンゴ礁生態系保全行動計画2016-2020に基づく取組、2016年の大規模白化とその対応、そして国際サンゴ礁年2018に係る取組の発表を行ったほか、GCRMN東アジア地域でのモニタリングデータ解析の取組状況を報告しました。

    ・国連環境計画からは、GCRMNの管理及び実施に係る計画をICRI第33回総会で採択するべく策定中という旨や、国連環境総会UNEAでの決定に基づき、サンゴ礁の管理と政策に係る分析を進める予定である旨の説明等がありました。

    ・上記の他の参加者からは、例えばGCRMNのうち西インド洋でのモニタリング結果及びデータの地域解析結果が地域報告書として完成したとの報告があり、西インド洋全体としては白化が多発しているがサンゴ死滅は限定的であるという徴候の説明等があったほか、マイクロビーズや日焼け止めに含まれることがあるオキシベンゼンによるサンゴ礁への影響等、幅広い議題で説明及び議論が展開されました。

  • 次期ICRI事務局がオーストラリア及びモナコに決まりました。
     ※詳細は、平成29年度国際サンゴ礁イニシアティブ及び地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク東アジア地域解析推進調査業務報告書をご覧下さい。
※GCRMN(地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク):世界各国や各地域でサンゴ礁モニタリングを実施する研究者や研究機関をつないで国際的なネットワークを構築し、その枠組み内において、それぞれのサンゴ礁の現状を把握するための能力開発や情報提供を行うネットワークです。 詳しくはGCRMNをご覧ください。