ふつ素の測定方法
1 試薬
- (1) 水
日本工業規格K0557に規定するA2又はA3の水
- (2) ふつ化物イオン標準原液(100mgF-/l)
日本工業規格K8005に規定する容量分析用標準物質のふつ化ナトリウムを白金皿に採り、約500℃で約1時間加熱し、デシケーター中で放冷した後、その0.221gを採り、少量の水に溶かし、全量フラスコ1000mlに移し入れ、水を標線まで加えたもの(ポリエチレン瓶に入れて保存する。)
- (3) ふつ化物イオン標準液(5mgF-/l)
ふつ化物イオン標準原液(100mgF-/l)5mlを全量フラスコ100mlに採り、水を標線まで加えたもの
- (4) ふつ化物イオン標準液(0.5mgF-/l)
ふつ化物イオン標準原液(100mgF-/l)5mlを全量フラスコ1000mlに採り、水を標線まで加えたもの
- (5) 溶離液
- (6) 再生液
2 器具及び装置
- (1) イオンクロマトグラフ(注1)
- 次の条件を具備しているもの
- (a) 0.1mg/lのふつ化物イオンを検出できるものであること。
- (b) 分離カラムは、ステンレス鋼製又は合成樹脂製のものに、塩基性陰イオン交換体を充てんしたものであること。
- (c) サプレッサを用いる場合には、サプレッサは、溶離液中の陽イオンの濃度に対して十分なイオン交換容量を持つ陽イオン交換膜又はこれと同等の性能を有する陽イオン交換体を充てんしたものであること。
- (d) 検出器は、電気伝導率検出器であること。
- (注1)
- バックグラウンドとなる電気伝導率を低減する必要があるときは、サプレッサを用いるものとする。
3 試験操作
- (1) イオンクロマトグラフを作動できる状態にし、分離カラムに溶離液(注2)を一定の液量(毎分1~2ml程度)で流しておく。サプレッサを必要とする装置では再生液(注3)を一定の流量で流しておく。
- (2) 試料の一定量(50~200μl程度)をイオンクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを記録する。
- (3) クロマトグラム上のふつ化物イオンの保持時間に相当する位置のピークについて、指示値を読み取る。
- (4) あらかじめ4により作成した検量線を用いて試料中のふつ化物イオンの量を求め、試料中の濃度を算出する。
- (注2)
- 装置の種類及び分離カラムに充てんした陰イオン交換体の種類によつて用いる溶離液が異なるので、ふつ化物イオンと塩化物イオンとの混合溶液を用いて分離の状態を確認する。
- (注3)
- 装置の種類及び溶離液によつて用いる再生液が異なるので、あらかじめふつ化物イオン標準液(5mgF-/l)又はふつ化物イオン標準液(0.5mgF-/l)を用いて性能を確認する。
4 検量線の作成
- (1) ふつ化物イオン標準液(0.5mgF-/l)を段階的に全量フラスコ100mlに採り、水を標線まで加える。これらの溶液について3の(1)から(3)の操作を行い、それぞれのふつ化物イオンに相当する位置のピークについて、指示値を読み取る。別に空試験として水について3の(1)から(3)の操作を行つて、それぞれのふつ化物イオンに相当する指示値を補正した後、ふつ化物イオンの量と指示値との関係線を作成する。
- (2) 検量線の作成は、試料測定時に行う。
備考
- 1 この測定方法における用語の定義その他でこの測定方法に定めのない事項については、日本工業規格に定めるところによる。