付表5
シマジン及びチオベンカルブの測定方法
第1 溶媒抽出又は固相抽出によるガスクロマトグラフ質量分析法
1 試薬
- (1) 水
- 日本工業規格K0557に規定するA3のもの
- (2) ヘキサン
- 日本工業規格K8848に定めるもの
- (3) アセトン
- 日本工業規格K8034に定めるもの
- (4) ジクロロメタン
- 日本工業規格K8161に定めるもの
- (5) メタノール
- 日本工業規格K8891に定めるもの
- (6) ジエチルエーテル
- 日本工業規格K8103に定めるもの
- (7) 硫酸ナトリウム(無水)
- 日本工業規格K8987に定めるもの
- (8) 塩化ナトリウム
- 日本工業規格K8150に定める塩化ナトリウムを250~450℃で2~6時間加熱し、デシケーター中で放冷したもの
- (9) シマジン標準原液(0.2mg/ml)
- シマジン標準品0.02gを全量フラスコ100mlに採り、アセトンを標線まで加えたもの(この原液は調製後、直ちに冷凍保存する。保存期間は180日を限度とする。)
- (10) チオベンカルブ標準原液(1mg/ml)
- チオベンカルブ標準品0.100gを全量フラスコ100mlに採り、ヘキサンを標線まで加えたもの(この原液は調製後、直ちに冷凍保存する。保存期間は180日を限度とする。)
- (11) 混合標準原液(シマジン10μg/ml、チオベンカルブ10μg/ml)
- シマジン標準原液5ml及びチオベンカルブ標準原液1mlを全量フラスコ100mlに採り、ヘキサンを標線まで加えたもの(同様に、アセトンを標線まで加えたものを作る。これらの原液は使用時に調製する。)
2 器具及び装置
- (1) 分液漏斗
- 容量2lのものであつて、あらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
- (2) 試験管
- 容量10~20mlのものであつて、あらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
- (3) 三角フラスコ(共栓)
- 容量500mlのものであつて、あらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
- (4) マイクロシリンジ
- 容量1~10μlのもの
- (5) 固相カラム
- スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル)又はこれと同等の性能を有するもの200~1,000mgを充てんしたものに、アセトン5ml及び水5mlを順次緩やかに通し、調製したもの
- (6) クロマトグラフ管
-
- (a) カラム用管
- 内径10mm、長さ300mmのコック付ガラス管
- (b) カラム充てん剤
-
- (ア) フロリジル
粒径80~150μmのものを130℃で16時間加熱した後、デシケーター中で放冷したものであつて、分析対象農薬の保持時間にピークを生じないもの - (イ) シリカゲル
残留農薬試験用で粒径150~250μmのものを130℃で16時間加熱した後、デシケーター中で放冷したものであつて、分析対象農薬の保持時間にピークを生じないもの
- (ア) フロリジル
- (c) クロマトグラフ管
- カラム充てん剤8gをヘキサンでかゆ状にしてカラム用管に流し込み、更にカラム用管に縦横の振動を与え、カラム充てん剤を均一に充てんし、上層に硫酸ナトリウム(無水)5gを積層したもの
- (7) ガスクロマトグラフ質量分析計
-
- (a) キャピラリーカラム
内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ若しくは硬質ガラス製のものであつて、内面にジメチルポリシロキサンを0.1~1.0μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの - (b) 検出器
電子衝撃イオン化法(EI法)が可能で、選択イオン検出法又はこれと同等の性能を有する方法でクロマトグラム測定が可能なもの - (c) キャリヤーガス
ヘリウム(99.9999vol%以上)であつて、線速度を毎秒20~40cmとしたもの - (d) インターフェース部
温度を200~270℃に保つことができるもの - (e) イオン源
温度を150℃以上に保つことができるもの - (f) カラム槽昇温プログラム
溶媒がヘキサンの場合は、50~60℃で2分保ち、50(60)~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行うことができるもの、溶媒がアセトンの場合は、40~50℃で2分保ち、40(50)~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行うことができるもの
- (a) キャピラリーカラム
- (8) 振とう機
- (9) 濃縮器
- クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーターであつて、濃縮時における試料溶媒に接触する部分のガラス器具類をあらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
3 試験操作
- (1) 前処理
-
- (a) 溶媒抽出
-
- (ア) 試料1lを分液漏斗に採り、塩化ナトリウム50g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて約10分間振とうする。
- (イ) 放置後、ジクロロメタン層を三角フラスコ500mlに移す。分液漏斗の水層にジクロロメタン100mlを加え、再び振とう機を用いて約10分間振とうし、放置後、ジクロロメタン層を先の三角フラスコに合わせる。
- (ウ) ジクロロメタン層に硫酸ナトリウム(無水)約30gを用いて脱水した後、濃縮器を用いて約5mlに濃縮する。
- (エ) 濃縮液にヘキサン約50mlを加え、濃縮器を用いて、5mlに定容する。
- (オ) 空試験として水1lを分液漏斗に採り、(ア)から(エ)までの操作を行う。
- (b) 固相抽出(注)
-
- (ア) 試料200mlを固相カラムに吸引しながら毎分10~20mlで流下させる。
- (イ) 水10mlを流し、カラムを洗浄した後、約10分間吸引又は遠心分離等で水分を分離除去する。
- (ウ) 固相カラムの上端からアセトン3mlを緩やかに通し、分析対象農薬を溶出させ、試験管に受ける。
- (エ) 溶出液に窒素ガスを緩やかに吹き付けて2mlに定容する。
- (オ) 次のカラムクロマトグラフ法によるクリーンアップ操作が必要な時には、(エ)の濃縮液2mlにヘキサン約50mlを加え、濃縮器を用いて、溶液を6~7mlになるまで濃縮する。
- (カ) 濃縮液に窒素ガスを緩やかに吹き付けて2mlに定容する。
- (キ) 空試験として、水200mlを用いて、(ア)から(カ)まで(クリーンアップ操作省略の時には(ア)から(エ)まで)の操作を行う。
- (2) クリーンアップ
-
妨害物質がない時は、次のクリーンアップ操作を省略して(3)の操作に移る。カラムクロマトの選択は妨害物質の内容から決める。
なお、充てん剤のロット等により分析対象農薬の流出範囲が変わるので、流出範囲を確認するものとする。- (a) フロリジルカラムクロマトグラフ法
-
- (ア) 溶媒抽出では(1)の(a)の(エ)のヘキサン濃縮液1mlを、固相抽出では(1)の(b)の(カ)のヘキサン転溶液1mlをフロリジルクロマトグラフ管に注ぎ流下させる。
- (イ) ヘキサン溶離液100mlを流下させ、ヘキサン溶出液を捨てる。引き続き、35vol%ジエチルエーテル含有ヘキサン溶離液100mlを毎分約1mlで流下させ、分析対象農薬を溶出させる。
- (b) シリカゲルカラムクロマトグラフ法
-
- (ア) 溶媒抽出では(1)の(a)の(エ)のヘキサン濃縮液1mlを、固相抽出では(1)の(b)の(カ)のヘキサン転溶液1mlをシリカゲルクロマトグラフ管に注ぎ流下させる。
- (イ) ヘキサン溶離液80mlを流下させ、ヘキサン溶出液を捨てる。引き続き、35vol%ジエチルエーテル含有ヘキサン溶離液100mlを毎分約1mlで流下させ、チオベンカルブを溶出させる。更にアセトン溶離液100mlを毎分約1mlで流下させ、シマジンを溶出させる。
- (c) 濃縮器を用いて、約40℃の水浴上で(a)及び(b)の35vol%ジエチルエーテル含有ヘキサン溶出液並びに(b)のアセトン溶出液をそれぞれ約10mlになるまで濃縮し、更にそれぞれにヘキサン約100mlを加えた後、濃縮器及び窒素ガスを用いて1mlに定容する。
- (d) 空試験として、(1)の(a)の(オ)及び(1)の(b)の(キ)で得たヘキサン濃縮液についても、(a)から(c)までの操作を行う。
- (3) 分析
-
- (a) 混合標準原液1μlをマイクロシリンジを用いて採り、スプリットレス又はコールドオンカラム方式でガスクロマトグラフに注入し、選択イオン検出法又はこれと同等の性能を有する方法を用いて、特有の質量数(シマジンでは201、186又は173、チオベンカルブでは100、72又は125)をモニターする。クロマトグラムを記録し、分析対象農薬の保持時間に相当するピークの位置を確認しておく。
- (b) (2)の(c)で得たヘキサン濃縮液(クリーンアップ操作省略の時には、溶媒抽出では(1)の(a)の(エ)で得たヘキサン濃縮液、固相抽出では(1)の(b)の(エ)で得たアセトン濃縮液)1μlを(a)と同じ操作を行つて、クロマトグラムを記録し、保持時間が標準物質と一致していることを確認し、保持時間に相当する位置のピークについて、ピーク面積又はピーク高さを測定する。
- (c) あらかじめ4により作成した検量線を用いて分析対象農薬の量を求め、試料中の濃度を算出する。
- (d) 空試験として、(2)の(d)で得たヘキサン濃縮液(クリーンアップ操作省略の時には、溶媒抽出では(1)の(a)の(オ)で得たヘキサン濃縮液、固相抽出では(1)の(b)の(キ)で得たアセトン濃縮液)についても(b)の操作を行つて、分析対象農薬の保持時間に相当するピークが検出され、そのピーク面積又はピーク高さが定量限界値の0.20以上である場合には、前処理から再度操作を行う。
(注) 浮遊物が多いときはあらかじめろ過する。浮遊物はアセトンで洗い、この洗液を固相カラムの溶出液に合わせる。
4 検量線の作成
- (1) 混合標準原液0.5~20mlを全量フラスコ100mlに段階的に採り、それぞれ分析に使用する溶媒を標線まで加える。この混合標準液1μlをガスクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを記録し、分析対象農薬の量とピーク面積又はピーク高さとの関係線を作成する。
- (2) 検量線の作成は試料測定時に行う。
第2 溶媒抽出又は固相抽出によるガスクロマトグラフ法
1 試薬
- (1) 水
- 日本工業規格K0557に規定するA3のもの
- (2) ヘキサン
- 日本工業規格K8848に定めるもの
- (3) アセトン
- 日本工業規格K8034に定めるもの
- (4) ジクロロメタン
- 日本工業規格K8161に定めるもの
- (5) メタノール
- 日本工業規格K8891に定めるもの
- (6) ジエチルカーテル
- 日本工業規格K8103に定めるもの
- (7) 硫酸ナトリウム(無水)
- 日本工業規格K8987に定めるもの
- (8) 塩化ナトリウム
- 日本工業規格K8150に定める塩化ナトリウムを250~450℃で2~6時間加熱し、デシケーター中で放冷したもの
- (9) シマジン標準原液(0.2mg/ml)
- シマジン標準品0.02gを全量フラスコ100mlに採り、アセトンを標線まで加えたもの(この原液は調製後、直ちに冷凍保存する。保存期間は180日を限度とする。)
- (10) チオベンカルブ標準原液(1mg/ml)
- チオベンカルブ標準品0.1gを全量フラスコ100mlに採り、ヘキサンを標線まで加えたもの(この原液は調製後、直ちに冷凍保存する。保存期間は180日を限度とする。)
- (11) 農薬標準液
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- (a) 混合標準原液(シマジン10μg/ml、チオベンカルブ20μm/ml)(アルカリ熱イオン化検出器を使用する。)
シマジン標準原液5ml及びチオベンカルブ標準原液2mlを全量フラスコ100mlに移し、ヘキサンを標線まで加えたもの(同様に、アセトンを標線まで加えたものも作る。これらの原液は使用時に調製する。) - (b) 単独標準原液(チオベンカルブ20μg/ml)(電子捕獲型検出器を使用する。)
チオベンカルブ標準原液2mlを全量フラスコ100mlに採り、ヘキサンを標線まで加えたもの(同様に、アセトンを標線まで加えたものも作る。これらの原液は使用時に調製する。)
- (a) 混合標準原液(シマジン10μg/ml、チオベンカルブ20μm/ml)(アルカリ熱イオン化検出器を使用する。)
2 器具及び装置
- (1) 分液漏斗
- 容量2lのものであつて、あらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
- (2) 試験管
- 容量10~20mlのものであつて、あらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
- (3) 三角フラスコ(共栓)
- 容量500mlのものであつて、あらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
- (4) マイクロシリンジ
- 容量1~10μlのもの
- (5) 固相カラム
- スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル)又はこれと同等の性能を有するもの200~1,000mgを充てんしたものに、アセトン5ml及び水5mlを順次緩やかに通し、調製したもの
- (6) クロマトグラフ管
-
- (a) カラム用管
- 内径10mm、長さ300mmのコック付ガラス管
- (b) カラム充てん剤
-
- (ア) フロリジル
粒径80~150μmのものを130℃で16時間加熱した後、デシケーター中で放冷したものであつて、分析対象農薬の保持時間にピークを生じないもの - (イ) シリカゲル
残留農薬試験用で粒径150~250μmのものを130℃で16時間加熱した後、デシケーター中で放冷したものであつて、分析対象農薬の保持時間にピークを生じないもの
- (ア) フロリジル
- (c) クロマトグラフ管
- カラム充てん剤8gをヘキサンでかゆ状にしてカラム用管に流し込み、更にカラム用管に縦横の振動を与え、カラム充てん剤を均一に充てんし、上層に硫酸ナトリウム(無水)5gを積層したもの
- (7) ガスクロマトグラフ
-
- (a) キャピラリーカラム
- 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ若しくは硬質ガラス製のものであつて、内面にジメチルポリシロキサンを0.1~1.0μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
- (b) 検出器
-
- (ア) アルカリ熱イオン化検出器
流量が空気で毎分100~180ml及び水素で毎分2~10mlのものであつて、検出器槽温度250~280℃のもの - (イ) 電子捕獲型検出器
検出器槽温度250~340℃のもの
- (ア) アルカリ熱イオン化検出器
- (c) キャリヤーガス
- ヘリウム(99.9999vol%以上)又は窒素(日本工業規格K1107の1級)であつて、内径0.2~約0.5mmカラムに対して線速度を毎秒20~40cmとしたもの
- (d) メイクアップガス
- 電子捕獲型検出器では窒素(日本工業規格K1107の1級)、アルカリ熱イオン化検出器では窒素(日本工業規格K1107の1級)又はヘリウム(99.9999vol%以上)であつて、流量を毎分30~60mlとしたもの
- (e) 試料導入部
- 温度をスプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃に保つことができるもの
- (f) カラム槽昇温プログラム
- 溶媒がヘキサンの場合は、50~60℃で2分保ち、50(60)~約260℃の範囲で、毎分2~20℃の昇温を行うことができるもの、溶媒がアセトンの場合は、40~50℃で2分保ち、40(50)~約260℃の範囲で、毎分2~20℃の昇温を行うことができるもの
- (8) 振とう機
- (9) 濃縮器
- クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーターであつて、濃縮時における試料溶媒に接触する部分のガラス器具類をあらかじめ水及びアセトンで洗浄したもの
3 試験操作
- (1) 前処理
-
- (a) 溶媒抽出
-
- (ア) 試料1lを分液漏斗に採り、塩化ナトリウム50g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて約10分間振とうする。
- (イ) 放置後、ジクロロメタン層を三角フラスコ500mlに移す。分液漏斗の水層にジクロロメタン100mlを加え、再び振とう機を用いて約10分間振とうし、放置後、ジクロロメタン層を先の三角フラスコに合わせる。
- (ウ) ジクロロメタン層に硫酸ナトリウム(無水)約30gを用いて脱水した後、濃縮器を用いて約5mlに濃縮する。
- (エ) 濃縮液にヘキサン約50mlを加え、濃縮器を用いて、5mlに定容する。
- (オ) 空試験として水1lを分液漏斗に採り、(ア)から(エ)までの操作を行う。
- (b) 固相抽出(注)
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- (ア) 試料200mlを固相カラムに吸引しながら毎分10~20mlで流下させる。
- (イ) 水10mlを流し、カラムを洗浄した後、約10分間吸引又は遠心分離等で水分を分離除去する。
- (ウ) 固相カラムの上端からアセトン3mlを緩やかに通し、分析対象農薬を溶出させ、試験管に受ける。
- (エ) 溶出液に窒素ガスを緩やかに吹き付けて2mlに定容する。
- (オ) 次のカラムクロマトグラフ法によるクリーンアップ操作が必要な時には、(エ)の濃縮液2mlにヘキサン約50mlを加え、濃縮器を用いて、溶液を6~7mlになるまで濃縮する。
- (カ) 濃縮液に窒素ガスを緩やかに吹き付けて2mlに定容する。
- (キ) 空試験として、水200mlを用いて、(ア)から(カ)まで(クリーンアップ操作省略の時には(ア)から(エ)まで)の操作を行う。
- (2) クリーンアップ
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妨害物質がない時は、次のクリーンアップ操作を省略して(3)の操作に移る。カラムクロマトの選択は妨害物質の内容より決める。
なお、充てん剤のロット等により分析対象農薬の流出範囲が変わるので、流出範囲を確認するものとする。- (a) フロリジルカラムクロマトグラフ法
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- (ア) 溶媒抽出では(1)の(a)の(エ)のヘキサン濃縮液1ml、固相抽出では(1)の(b)の(カ)のヘキサン転溶液1mlをフロリジルクロマトグラフ管に注ぎ流下させる。
- (イ) ヘキサン溶離液100mlを流下させ、ヘキサン溶出液を捨てる。引き続き、35vol%ジエチルエーテル含有ヘキサン溶離液100mlを毎分約1mlで流下させ、分析対象農薬を溶出させる。
- (b) シリカゲルカラムクロマトグラフ法
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- (ア) 溶媒抽出では(1)の(a)の(エ)のヘキサン濃縮液1ml、固相抽出では(1)の(b)の(カ)のヘキサン転溶液1mlをシリカゲルクロマトグラフ管に注ぎ流下させる。
- (イ) ヘキサン溶離液80mlを流下させ、ヘキサン溶出液を捨てる。引き続き、35vol%ジエチルエーテル含有ヘキサン溶離液100mlを毎分約1mlで流下させ、チオベンカルブを溶出させる。更にアセトン溶離液100mlを毎分約1mlで流下し、シマジンを溶出させる。
- (c) 濃縮器を用いて、約40℃の水浴上で(a)及び(b)の35vol%ジエチルエーテル含有ヘキサン溶出液並びに(b)のアセトン溶出液をそれぞれ約10mlになるまで濃縮し、更にそれぞれにヘキサン約100mlを加えた後、濃縮器及び窒素ガスを用いて1mlに定容する。
- (d) 空試験として、(1)の(a)の(オ)及び(1)の(b)の(キ)で得たヘキサン濃縮液についても、(a)から(c)までの操作を行う。
- (3) 分析
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- (a) 混合標準原液又は単独標準原液1μlをマイクロシリンジを用いて採り、スプリットレス又はコールドオンカラム方式でガスクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを記録し、分析対象農薬の保持時間に相当するピークの位置を確認しておく。
- (b) (2)の(c)で得たヘキサン濃縮液(クリーンアップ操作省略の時には、溶媒抽出では(1)の(a)の(エ)で得たヘキサン濃縮液、固相抽出では(1)の(b)の(エ)で得たアセトン濃縮液)1μlを(a)と同じ操作を行つて、ガスクロマトグラムを記録し、保持時間が標準物質と一致していることを確認し、保持時間に相当する位置のピークについて、ピーク面積又はピーク高さを測定する。
- (c) あらかじめ4により作成した検量線を用いて分析対象農薬の量を求め、試料中の濃度を算出する。
- (d) 空試験として、(2)の(d)で得たヘキサン濃縮液(クリーンアップ操作省略の時には、溶媒抽出では(1)の(a)の(オ)で得たヘキサン濃縮液、固相抽出では(1)の(b)の(キ)で得たアセトン濃縮液)についても(b)の操作を行つて、分析対象農薬の保持時間に相当するピークが検出され、そのピーク面積又はピーク高さが定量限界値の0.20以上である場合には、前処理から再度操作を行う。
(注) 浮遊物が多いときはあらかじめろ過する。浮遊物はアセトンで洗い、この洗液を固相カラムの溶出液に合わせる。
4 検量線の作成
- (1) 混合標準原液又は単独標準原液0.5~20mlを全量フラスコ100mlに段階的に採り、ヘキサンを標線まで加える。同様に、アセトンを標線まで加えたものも作る。この混合標準液1μlをガスクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを記録し、分析対象農薬の量とピーク面積又はピーク高さとの関係線を作成する。
- (2) 検量線の作成は試料測定時に行う。
備考
この測定方法における用語の定義その他でこの測定方法に定めのない事項については、日本工業規格に定めるところによる。