令和元年度野生動植物への放射線影響調査業務

公    示

次のとおり、参加希望書類の募集を行います。

令和元年5月31日

                    

環境省大臣官房会計課長 松本 啓朗

1 業務の概要

(1)業務名  

令和元年度野生動植物への放射線影響調査業務

(2)業務内容

(1)動植物の試料採取

 ①試料採取の対象地域

野生動植物の放射能濃度の測定及び被ばく線量率の推定を行うため、試料採取を行う。試料採取を行う対象地域は、帰還困難区域(平成31年4月時点)を基本とする。必要に応じてその周辺地域(福島第一原発から半径20km圏内の旧警戒区域を想定)も対象とすることもできるが、環境省担当官と協議の上、決定することとする。

 ②試料採取の対象

採取する動植物は、ICRPの標準動植物の考え方及び現地での採取の可能性、過去の採取実績等を考慮し、ほ乳類(ネズミ類)、無脊椎動物、植物、その他必要な分類群の試料を採取する。また、動植物を採取した場所において、環境試料として土壌等を採取する。採取対象種については、環境省担当官と協議の上、決定することとする(約80試料程度)。

  

 ③試料採取の方法

①の対象地域内で試料を採取する。採取する試料の量は、放射能濃度の測定が可能な数量及び重量とする。土壌を採取する際は、各試料採取場所でリター層(もしくはA0層)とA層(表層から深さ5cmまで)を各5箇所以上から採取して、リター層とA層それぞれの土壌を攪拌・調整し、1採取場所につき各1試料とする。

また、試料を採取した場所で、サーベイメータによる空間線量率を測定・記録する。試料は可能な限り種の同定まで行い、採取位置を記録するとともに、形態的な変化の有無等を確認する。木本類で形態変化が確認された場合は、形態変化の数(主幹の数、変化が起きた年度、発生頻度等)を記録する。採取は、野生動植物の生息生育状況を踏まえて、合計4回程度実施する(1回の調査は5日間程度を想定)。

なお、調査に関する帰還困難区域への立ち入り手続き、野生動植物の採取に関わる手続き(鳥獣の捕獲許可等)、調査に係る土地所有者や市町村の承諾等の手続きについては、請負者が行うこととする。

調査の実施に当たっては、必要に応じて野生動植物の放射線影響に関する有識者に同行を依頼することとする。有識者の選定に当たっては、環境省担当官と協議の上、決定すること。有識者が調査に同行する際は、有識者に対して旅費及び謝金を支給することとし、旅費は「国家公務員等の旅費に関する法律」に従って支給し、謝金は有識者1名に対して1日当たり17,700円を支給するものとする(1名程度、東京~福島、2泊3日、2回程度を想定)。

(2)放射能濃度の測定及び被ばく線量率の推定

3.(1)で採取した動植物及び土壌等の試料の放射能濃度(セシウム134及び137)を測定する(合計80試料程度を想定)。測定した放射能濃度を用いて、各動植物の被ばく線量率の推定を行う。被ばく線量率の推定は、ERICA assessment toolを使用することとするが、他の方法を使用する場合は環境省担当官と協議の上、決定することとする。

測定が終了した試料は、請負者にて適切に処分するものとするが、今後の調査研究に活用するために保管が必要となった場合は、環境省担当官と協議の上、その扱いを決定することとする。

(3)情報収集及び専門家ヒアリング等

令和元年度中に国内外で発表又は報道された野生動植物への放射線影響に関する情報(環境省分を除く)を収集し、とりまとめる。

また、野生動植物への放射線影響に関する専門家(国立研究開発法人放射線医学総合研究所、国立大学法人福島大学の専門家、各1名を想定)にヒアリングを実施し(各1回程度)、今年度の調査結果及び次年度の調査内容等について意見を聴取する(1回当たり2時間程度を想定)。ヒアリング対象の専門家については、環境省担当官と協議の上、決定することとする。

なお、ヒアリングの実施に際しては、専門家に対して謝金を支給することとする。謝金については、専門家1名に対して1時間当たり7,900円を支給するものとする。

(4)調査研究報告会の開催

野生動植物への放射線影響を調査している専門家及び関係機関を(5名程度)招聘し、調査研究報告会を開催する(東京都内、50名程度、1回、半日を想定)。招聘者は環境省担当官と協議の上、決定することとする。

調査研究報告会の開催に当たっては、発表資料をまとめた調査研究報告会資料を作成し、印刷する(A4版、10頁程度、両面カラー印刷、50部程度)。また、招聘者との連絡調整、会議室の借上、当日の進行、招聘者の飲料の手配、議事概要の作成、傍聴登録の受付及びとりまとめ、その他調査研究報告会の運営に必要な事務を実施することとする。

なお、調査研究報告会の開催に際しては、招聘者に対して旅費及び謝金を支給することとし、旅費は「国家公務員等の旅費に関する法律」に従って支給するとともに、謝金は招聘者1名に対して1日当たり17,700円を支給するものとする。

(5)環境省HP掲載情報の翻訳

  本業務に関する環境省HP掲載情報(前年度の「野生動植物への放射線影響調査において採取した試料の放射能濃度測定値と被ばく線量率の推定値」、約4,800字程度)を和文から英語に翻訳する。翻訳は9月までを目処に実施し、翻訳後の文章の体裁は環境省担当官と協議の上、決定することとする。

(6)取りまとめ・報告書の作成

上記業務の内容・結果についてとりまとめを行い、業務報告書を作成する。

4.調査における注意事項

(1)放射能汚染対策・安全対策

旧警戒区域内(帰還困難区域、居住制限区域内)での作業に当たっては、関係法規及び法令を遵守し、放射線管理に努めることを基本とし、東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成23年厚生労働省令第152号)及び特定線量下業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン(平成24年厚生労働省基発0615第6号)に従い、作業者の健康障害を防止する措置をとることとする。

旧警戒区域内(帰還困難区域、居住制限区域内)において調査員はポケット線量計を携行し、作業期間中の被ばく線量を記録する。野外調査、室内分析においては帽子、マスク、手袋等を着用する。とくに室内分析時においても、粉じん等を吸引しないよう万全の対策をとる。

調査後は履物についた泥は現地で落とし、持ち帰らないようにする。調査に用いた器材はウエットティッシュ等で汚れを落とし、他の試料が汚染されるのを防ぐ。

また、当該調査地域は、放射線量の高い可能性があることから、放射線による作業者の健康障害を防止するため、調査地点の空間線量率の状況等を把握した上で、極力短時間の作業で終了するような安全かつ効率的な試料採取の方法を検討することとする。

(2)手当の支給

請負者は、旧警戒区域内(帰還困難区域、居住制限区域内)における調査員に対し、労賃に加え、人事院規則9-129に基づく帰還困難区域、居住制限区域で作業を行う場合の手当に準じた金額を支給することとする。

 

(3)業務履行期限 令和2年3月23日まで

2 応募要件

(1)基本的要件

① 予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)第70条の規定に該当しない者であること。なお、未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約締結のために必要な同意を得ている者は、同条中、特別の理由がある場合に該当する。

   ② 予算決算及び会計令第71条の規定に該当しない者であること。

   ③ 環境省大臣官房会計課長から指名停止を受けている期間中でないこと。

   ④ 参加希望書類の募集要領において示す暴力団排除に関する誓約事項に誓約できる者であること。

(2)守秘性に関する要件

   企業等の服務規程等として、業務上知り得た情報を漏らさないという条件が満たされていること。

(3)業務執行体制に関する要件

  1. 野生動植物の試料採取、放射能濃度の測定及びERICA assessment toolを使用した被ばく線量率の推定に関する十分な知識、技術、経験を持つ者を有していること。

  2. 野生動植物への放射線影響に関する資料作成や報告会開催、リスクコミュニケーションに関する十分な知識、経験を持つ者を有していること。

  3. 東京電力福島第一原子力発電所の事故による帰還困難区域における土地所有者や地元自治体等との調整経験及び知識を持つ者を有していること。

    3 募集要領の交付及び問い合わせ先等

    (1)募集要領の交付

    環境省ホームページの「調達情報」>「入札等情報」>請負業務「参加者確認公募(役務)」より必要な件名を選択し、「公示」の下段に募集要領のファイルが添付されているので、ダウンロードして入手すること。

    https://www.env.go.jp/kanbo/chotatsu/index_sanka.html

    (2)問い合わせ先

       東京都千代田区霞が関1-2-2(中央合同庁舎第5号館24階)

        環境省大臣官房会計課契約第1係

        TEL:03-3581-3351 内線6049  FAX:03-3593-8932

    4 参加希望書類の提出期限等

    (1)提出期限 令和元年6月20日(木) 17時

    (2)提出場所 3の(2)に同じ

    (3)提出方法 持参又は郵送(書留郵便等の配達の記録が残るものに限る。)すること(提出期限必着)。

    (4)参加希望書類の書式:募集要領に定める様式により作成すること。

    5 公募実施後の対応

    審査の結果、応募要件を満たすと認められる者が一しかいない場合にあっては、当該応募者との契約手続に移行する。応募要件を満たすと認められる者が複数いる場合にあっては、一般競争手続に移行することとする。

    6 その他

    (1)手続において使用する言語及び通貨

    日本語及び日本国通貨に限る。

    (2)本調達に関する問い合わせ窓口

    3の(2)に同じ

    (3)企画競争手続に移行した場合の提案書の提出予定期限を別途連絡する。

    (4)平成31・32・33年度又は令和01・02・03年度環境省競争参加資格(全省庁統一資格)「役務の提供等」の「調査・研究」の認定を受けていない者であっても、参加希望書類を提出することができるが、その者が2に定める応募要件を満たすと認められ、一般競争入札方式に移行した場合には、開札時までに、当該資格の認定を受ける必要がある。

(5)本公示に記載がない事項は、募集要領によることとする。