法令・告示・通達

鳥獣等保護事業費補助金交付要綱及び同取扱要領

公布日:昭和50年06月19日
環自企421号

[改定]
平成15年3月26日 環自野137号


別表
  鳥獣等保護事業費補助金交付要綱
 (通則)
一 鳥獣等保護事業費補助金(以下「補助金」という。)については予算の範囲内において交付するものとし、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三〇年法律第一七九号、以下「適正化法」という。)及び同法施行令(昭和三〇年政令第二五五号、以下「施行令」という。)の規定によるほか、この要綱に定めるところによる。
  なお、この要綱の細部については、別添(乙)鳥獣等保護事業費補助金取扱要領(以下「取扱要領」という。)に定めるところによる。
 (目的)
二 この補助金は、次に掲げる鳥獣等保護事業を実施することを目的とする。
 (一) 特定鳥獣等保護管理事業
   絶滅のおそれのある野生鳥獣及びそれに近い状態にある野生鳥獣並びに特定地域の絶滅のおそれのある野生鳥獣についての給餌、保護設備整備、監視、増殖、生息地の保全及び環境等調査を行う事業
 (二) 野生鳥獣保護管理適正化事業
   鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成一四年法律第八八号)に規定する特定鳥獣保護管理計画の策定を行う事業及び特定鳥獣保護管理計画に基づき実施する各種保護管理事業
 (交付の対象)
三 この補助金の交付の対象となる事業は、地方公共団体(以下「補助事業者」という。)が行う鳥獣等保護事業で取扱要領に定める採択基準の条件を満たすものとする。
 (交付額の算定方法)
四 この補助金の交付額は、次により算出するものとする。この場合の額は消費税及び地方消費税相当分を含んだ額とする。
 (一) 上記三の事業ごとに別表の第四欄に掲げる補助対象経費の実支出額と第五欄に掲げる基準額とをそれぞれ比較して少ない方の額を選定する。なお、補助対象経費の内容は取扱要領を参照すること。
 (二) (一)により選定された額と、事業ごとの総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額に、二分の一を乗じた額とする。ただし、算出された額に一、〇〇〇円未満の端数が生じた場合には、これを切り捨てるものとする。
 (交付の条件)
五 この補助金の交付の決定には、次の条件を付すものとする。
 (一) 補助事業者は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、環境大臣(以下「大臣」という。)の承認を受けなければならない。
  ア 事業に要する経費の配分の変更(取扱要領に定める軽微な変更を除く。)をしようとするとき。
  イ 事業を中止し又は廃止しようとするとき。
 (二) 事業が予定の期間内に完了しない場合、又は事業の遂行が困難となった場合には、すみやかにその旨を大臣に報告し、その指示を受けなければならない。
 (三) 補助事業により取得し、又は効用の増加した機械器具であって、消費税及び地方消費税相当額を含む取得価格又は効用の増加価格が五〇〇、〇〇〇円以上のもの並びに補助事業により取得し、又は効用の増加した不動産及びその従物については、補助金等に係る予算の適正化に関する法律施行令第一四条第一項第二号の規定により大臣が別に定める期間を経過するまで、大臣の承認を受けないでこの補助金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸付け又は担保に供してはならない。
 (四) 大臣の承認を受けて(三)に定めた財産を処分することにより収入があった場合には、その収入の全部又は一部を国庫へ納付させることができる。
 (五) 事業により取得し、又は効用の増加した財産については、事業完了後においても善良な管理者の注意をもって管理するとともにその効率的な運営を図らなければならない。
 (六) 補助金と事業に係る予算及び決算の関係を明らかにした様式一による調書を作成し、これを事業完了後五年間保管しておかなければならない。
 (申請手続)
六 この補助金の交付の申請は、様式二による申請書を毎年度五月三一日までに大臣に提出して行うものとする。
 (変更申請手続)
七 この補助金の交付の決定後の事情の変更により内容の変更申請を行う場合は、様式三によりすみやかに行うものとする。
 (標準処理期間)
八 大臣は、六に定める申請書が到達した日から起算して原則として二カ月以内に交付の決定を行うものとする。
 (交付決定通知)
九 大臣は六の規定に基づき提出された申請書を審査し、適正と認め補助金の交付の決定をしたときは、これを補助事業者に通知するものとする。
 (申請の取り下げ)
一〇 九の交付の決定の内容又はこれに付された条件に不服がある場合における適正化法第九条第一項の規定による補助金の交付の申請を取り下げようとするときには、交付の決定の通知において大臣が定める期日までに、その理由を付した書面をもって、大臣に申し出なければならない。
 (実績報告)
一一 この補助金の事業実績報告は事業完了(五の(一)のイにより補助事業の廃止又は中止の承認を受けたときは、その承認を受けた日)後一カ月以内又は翌年度の四月一〇日のいずれか早い日までに様式四による事業実績報告書を大臣に提出して行わなければならない。
 (補助金額の確定)
一二 大臣は、一一の規定に基づき補助事業者から提出された事業実績報告書を審査し、事業の成果が補助金の交付の決定の内容及び五に掲げる条件に適合すると認めるときは、補助金の額を確定し、補助事業者に通知するものとする。
 (その他)
一三 特別の事情により、上記四、六、七及び一一に定める算定方法、手続等によることができない場合には、あらかじめ大臣に申請し、その承認を得たものをもってこれに代えることができる。

1 区分 2 事業区分 3 事業内容 4 費目 5 算定基準
  大区分 小区分      
事業費
鳥獣等保護事業
特定鳥獣等保護管理事業
(1) 給餌
(2) 監視
(3) 保護施設整備
(4) 増殖
(5) 生息地保全管理
(6) 生息地周辺整備
(7) 環境等調査
謝金
旅費
材料費
労務費
借料及び損料
委託料
工事費
直接経費
環境大臣が必要と認めた額
   
野生鳥獣保護管理適正化事業
(1) 特定鳥獣保護管理計画の策定事業
(2) 特定鳥獣保護管理計画の実施事業
謝金
旅費
材料費
労務費
借料及び損料
委託料
工事費
直接経費
 
事務費
       
事業費に4.5%を乗じて得た額の範囲


 (注) 委託料及び工事費については、事業を実施するに必要な労務管理費、地代家賃、保険料、事務用品費、通信交通費等の一般管理費(直接事業費の15%以内)を含むものとする。

  鳥獣等保護事業費補助金取扱要領
一 事業実施地域
  この補助金の交付の対象となる事業の実施地域は、次の地域のうち大臣が承認した区域とする。
 (一) 特定鳥獣等保護管理事業
  ア 絶滅のおそれのある野生鳥獣及びそれに近い状態にある野生鳥獣については次の地域、地区内。
   (ア) 当該野生鳥獣が通常生息又は生育している地域。
   (イ) 当該野生鳥獣が移動することが明らかに予想される地域。
   (ウ) 上記地域のほか、当該野生鳥獣を保護捕獲又は採取した場合に、その適切な保護及び増殖が期待される地区。
  イ 絶滅のおそれのある野生鳥獣が生息し、病気の大量発生の危険性や農作物の被害等の問題が生じている生息地及び周辺地域であって、その適切な保護管理が必要な地域。
 (二) 野生鳥獣保護管理適正化事業
   野生鳥獣による農林業等被害が顕著にみられ、その適正な保護管理が必要な地域。
二 事業内容
  鳥獣等保護事業の各事業の内容は、次に定めるところによる。
 (一) 特定鳥獣等保護管理事業
  ア 給餌
    野生生物が食する餌の採取及び給餌事業。
  イ 監視
    餌場又は生息・生育地における野生生物の監視事業。
  ウ 保護施設整備
    餌場の拡大整備、生息・生育環境保護のための保護柵、注意標識の設置及び営巣地の植栽等の事業。
  エ 増殖
    野生生物の人工増殖及び増殖した野生生物の自然還元を行う事業。
  オ 生息地保全管理
    野生生物の生息地を保全するための生息地借上、ねぐら整備、食餌環境改善等の事業。
  カ 生息地周辺整備
    野生生物の生息地周辺の農業被害等を防止するために行う防護網整備等の事業
  キ 環境等調査
    野生生物の生息・生育数把握及び行動調査並びに疾病手当及び診断等の事業。
 (二) 野生鳥獣保護管理適正化事業
  ア 特定鳥獣保護管理計画の策定事業
    環境調査や生息動向調査の実施、保護管理目標及び手段の検討の事業
  イ 特定鳥獣保護管理計画の実施事業
   (ア) 個体数の調整、モニタリング等の事業(個体数管理事業)
   (イ) 侵出防止柵の整備、忌避剤の散布、警報システムの整備等の事業(侵出防止事業)
   (ウ) 食餌植生等の衰退防止、ねぐら環境の整備等の事業(生息環境改善事業)
三 採択基準
  この補助金の交付の対象となる事業の事業費の下限は五、〇〇〇、〇〇〇円とする。
四 対象経費
  この補助金の交付の対象となる事業の対象経費の範囲は、次に定めるところによる。
 (一) 材料費
   事業実施に直接必要な資材の購入費で消費税及び地方消費税相当額を除く一品五〇、〇〇〇円以下の捕獲用具、観測器材等の購入費をいい、これに要する運搬費、保管料を含むものとする。
 (二) 労務費
   作業人夫、資材等運搬処理人夫等の事業に直接必要な賃金等の人件費。
 (三) 謝金
   事業実施にあたり、特に重要な技術的専門事項について地方公共団体の職員以外の者に調査又は指導を依頼する必要のある場合における指導員謝金。
 (四) 旅費
  ア 事業実施場所が特に遠隔地であり、原則として、現場に宿泊をして事業を実施する必要があると認められる場合の往復運賃及び宿泊料、日当の額。
  イ 上記(三)の指導員にかかる旅費。
 (五) 使用料及び賃借料
   事業実施にあたり、直接必要な土地及び施設の使用料及び借上料。
 (六) 委託料
   事業実施にあたり、必要な業務委託及び調査研究事項の一部を大学等の学術機関又は研究団体等に委託して行う場合の経費。
 (七) 工事費
   保護設備、植生復元、生息地保全整備、鳥獣管理技術の普及、鳥獣侵出防止技術の普及事業等のうち工事として施工する必要のある経費。
 (八) 直接経費
   事業を実施するため直接必要とする次に掲げる経費。
  ア ガソリン、灯油等の燃料費
  イ 光熱水料
  ウ 機械器具損料(車両、船舶を含む)
 (九) 事務費
   補助事業者が行う事業実施に伴う事務処理に直接必要な旅費(上記四(四)アを除く。)、賃金、需要費(消耗品費、燃料費、印刷製本費、光熱水料、食糧費)、役務費(通信運搬費)。
五 経費の配分の軽微な変更
  補助金の交付の決定を受けた後において次に掲げる経費の額を変更しようとするときは、大臣の承認を要しないものとする。
 (一) 事業内容相互間における経費の二〇%以内の流用。
 (二) 事務費から直接事業費への流用。