法令・告示・通達
「国立公園事業取扱要領」の全部改正について
環自国発051001001号
(自然環境局長から各地方環境事務所・釧路・長野・那覇自然環境事務所・高松事務所長あて)
- 〇「国立公園事業取扱要領」の全部改正について
平成22年4月1日 環自国発第10040100号
各地方環境事務所・釧路・長野・那覇自然環境事務所
・高松事務所長宛 自然環境局長通知
今般、「国立公園事業取扱要領」(平成17年10月1日付け環自国発第051001001号環境省自然環境局長通知)の全部を別添のとおり改正し、平成22年4月1日から適用することとしたので通知する。 - 〇「国立公園事業取扱要領」の全部改正について
平成22年4月1日 環自国発第100401003号
各都道府県知事宛 環境省自然環境局長通知
今般、「国立公園事業取扱要領」(平成17年10月1日付け環自国発第051001001号環境省自然環境局長通知)の全部を別添のとおり改正し、平成22年4月1日から適用することとしたので参考までに送付する。
〔別添〕
国立公園事業取扱要領
目次
- 第1節 総論(第1-第5)
- 第2節 執行の同意又は認可(第6-第10)
- 第3節 内容の変更の同意又は認可(第11-第15)
- 第4節 認可の条件(第16)
- 第5節 改善命令(第17・第18)
- 第6節 承継の同意又は承認(第19-第23)
- 第7節 休廃止の届出(第24・第25)
- 第8節 失効、取消し等(第26-第28)
- 第9節 原状回復命令等(第29-第31)
- 第10節 報告徴収及び立入検査(第32)
- 第11節 国の機関の執行する国立公園事業(第33)
- 第12節 違反行為(第34・第35)
- 第13節 書類の交付(第36)
- 第14節 令附則の法定受託事務に係る事項(第37・第38)
第1節 総論
(通則)
第1
自然公園法(昭和32年法律第161号。以下「法」という。)第10条の規定に基づく国立公園に関する公園事業(以下「国立公園事業」という。)の執行に関しては、法、自然公園法施行令(昭和32年政令第298号。以下「令」という。)及び自然公園法施行規則(昭和32年厚生省令第41号。以下「規則」という。)の規定によるほか、この要領の定めるところによる。
(国立公園事業に関する申請内容等に対する指導)
第2
国立公園事業の執行に関し相談を受けたときは、国立公園事業の執行の内容及び申請書又は届出書の内容が、法、令、規則及び本要領に照らし適切なものとなるよう指導するものとする。なお、指導においては、行政手続法(平成5年法律第88号)第32条から第36条までの規定に留意する。
(国立公園事業に関する申請書の審査等)
第3
- 1. 地方環境事務所長は、申請者若しくは協議者(以下「申請者等」という。)又は届出者から国立公園事業の執行に関する申請書又は届出書が提出されたときは、当該申請書又は届出書について不備又は不足がないことを確認し、不備又は不足がある場合には相当の期間を定め、申請者又は届出者に補正を求めることとする。
- 2. 地方環境事務所長は、申請書が提出された日(申請書の不備又は不足について補正を求めた場合にあっては、当該補正がなされた日。)から起算して原則として一月以内に、本要領に定める審査事項について審査し、処理又は処分するものとする。
なお、相当の期間を経過しても申請書の不備又は不足が補正されないときは、申請に対する処分が規則第20条に定める地方環境事務所長に委任された権限によるものである場合は、速やかに行政手続法第7条の規定によって、申請によって求められた認可、承認又は同意(以下「認可等」という。)を拒否する処分を行うものとし、これ以外の場合にあっては、認可等の拒否が適当である旨の意見を付して、自然環境局国立公園課長に進達することとする。 - 3. 本省においては、第4により、各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長から進達を受けた日から起算して原則として一月以内に、本要領に定める審査事項について審査し、処分するものとする。
(申請書に係る事務処理(決裁、送付又は進達)方法)
第4
- 1. 自然保護官事務所(広島事務所及び福岡事務所を含む。以下同じ。)における申請の処理及び決裁文書の送付は、次に掲げるとおり行うものとする。
- (1) 申請の内容が地方環境事務所文書管理規則(平成17年10月1日環境政第051001007号。以下「文書管理規則」という。)により定められた自然環境事務所長(釧路、長野及び那覇自然環境事務所長を除く。)の専決事項に属するものである場合にあっては、当該自然環境事務所長に決裁文書を送付する。
- (2) (1)以外の場合にあっては、申請に係る地域を管轄する地方環境事務所長(釧路、長野又は那覇自然環境事務所の管轄区域に係るものにあっては、それぞれ釧路、長野又は那覇自然環境事務所長。)に決裁文書を送付する。
- 2. 自然環境事務所(釧路、長野及び那覇自然環境事務所を除く。)における申請の処理及び決裁文書の送付は、次に掲げるとおり行うものとする。
- (1) 申請の内容が文書管理規則により定められた自然環境事務所長(釧路、長野及び那覇自然環境事務所長を除く。)の専決事項に属するものである場合にあっては、自ら処分する。
- (2) (1)以外の場合にあっては、申請に係る地域を管轄する地方環境事務所長(釧路、長野又は那覇自然環境事務所の管轄区域に係るものにあっては、それぞれ釧路、長野又は那覇自然環境事務所長。)に決裁文書を送付する。
- 3. 自然環境事務所(釧路、長野及び那覇自然環境事務所に限る。)における申請の処理及び進達は、次に掲げるとおり行うものとする。
- (1) 申請の内容が文書管理規則により定められた自然環境事務所長(釧路、長野及び那覇自然環境事務所長に限る。)の専決事項に属するものである場合にあっては、自然環境事務所長(釧路、長野及び那覇自然環境事務所長に限る。)が自ら処分する。
- (2) (1)以外の場合にあっては、別に定める様式による調書を添えて自然環境局国立公園課長に進達する。
- 4. 地方環境事務所における事務の処理及び決裁文書の進達は、次に掲げるとおり行うものとする。
- (1) 申請の内容が規則第20条に定められた権限に属するものである場合にあっては、地方環境事務所長が自ら処分する。
- (2) (1)以外の場合にあっては、別に定める様式による調書を添えて自然環境局国立公園課長に進達する。
(拒否の処分又は不同意に当たっての理由の提示)
第5
- 1. 国及び公共団体以外の者が行う認可等の申請を拒否する処分を行う場合には、行政手続法第8条の規定により、処分の内容を通知する書面(以下「指令書」という。)にその理由を記載するものとする。
- 2. 公共団体が行う協議に同意しない場合には、行政手続法第8条の規定に準じ、回答を通知する書面(以下「回答書」という。)にその理由を記載するものとする。
第2節 執行の同意又は認可
(執行の同意又は認可の申請書の様式)
第6
法第10条第4項の申請書は、様式第1によるものとする。
(執行の同意又は認可の申請書の記載事項)
第7
第6の申請書の記載事項のうち、「公園施設の規模」及び「公園施設の構造」については別に定める記載事項によるものとし、「公園施設の管理又は経営の方法」については次の事項を記載するものとする。ただし、運輸施設にあっては、(2)、(4)及び(6)を記載することを要しない。
- (1) 直営又は委託の別
- (2) 委託する場合にあっては、受託者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
- (3) 通年供用又は季節供用の別
- (4) 季節供用の場合にあっては、供用期間
- (5) 料金徴収の有無
- (6) 料金を徴収する場合にあっては、その標準的な額
(執行の同意又は認可の申請書の添付書類)
第8
- 1. 規則第2条第3項第7号の「その他公園施設を適切に管理又は経営することができることを証する書類」は、以下に掲げる書類とする。
- (1) 法人にあっては、直前三年の各事業年度における貸借対照表及び損益計算書(設立後三年を経過していない法人にあっては、設立後の各事業年度に係るもの)
- (2) 申請の日の属する事業年度及び翌事業年度における事業計画書及び収支予算書
- 2. 規則第2条第3項第9号の「その他当該工事に付随する工事の内容を明らかにした書類」には、工事の施行によって発生する廃材又は残土の処理の方法を説明した書類を含めるものとする。
(執行の同意又は認可の申請書の審査事項)
第9
第6の申請書については、次に掲げる事項について審査するものとする。
- (1) 法第7条第1項の規定に基づく国立公園に関する公園計画(以下「国立公園計画」という。)、法第9条第1項に基づく国立公園事業の決定、国立公園管理計画(「国立公園管理計画作成要領について」昭和55年7月21日付け環自保第331号自然保護局長通知に基づき定められたものをいう。)及び「国立公園事業の執行に係る付帯施設の取扱いについて」(平成3年7月5日付け環自計第128号及び環自国第385号自然保護局長通知)との整合性
- (2) 公園施設の位置、規模及び構造の適切性
- (3) 公園施設の管理又は経営の方法の適切性
- (4) 国立公園事業の執行が、風致、景観又は風景に及ぼす支障の有無
- (5) 国立公園事業が適正に管理又は運営されるために必要な申請者の資産、経理的基礎及び能力の有無
- (6) 国立公園事業の執行に必要な土地、その他家屋等の物件の使用の可否
- (7) その他第10の審査基準への適合の判断に必要な事項
(執行の同意又は認可の審査基準)
第10
- 1. 法第10条第2項に基づく協議の同意又は同条第3項に基づく認可は、申請の内容が次に掲げる要件に適合するものに対して行うものとする。
- (1) 国立公園計画及び国立公園事業の決定事項に適合すること。
- (2) 国立公園管理計画の規定に適合すること。
- (3) 付帯施設がある場合には、当該付帯施設が「国立公園事業の執行に係る付帯施設の取扱いについて」の規定に適合すること。
- (4) 公園施設の位置、規模及び構造が、執行内容に対して適正であり、安全性及び利用上の快適性が確保されていること。
- (5) 公園施設の管理又は経営の方法が適切であること。
- (6) 申請者が、公園施設を適正に管理又は運営するために必要な資産、経理的基礎及び能力を有していること。
- (7) 利用施設事業については、特定の団体又はその構成員等の使用を目的とするものでないこと。
- (8) 国立公園事業の執行が国立公園の保護又は利用に支障を及ぼすものでないこと。
- (9) 国立公園事業の執行に必要な土地、その他家屋等の物件を国立公園事業の用に供するための権原を有していること。
- (10) 国立公園事業の執行が、他の法令の規定により許可その他の処分を要するものであるときは、その許可等を得られる見込みがあること。
- (11) 申請事項について客観的な挙証資料が示されていること。
- 2. 1の定めは、行政手続法第5条第1項に規定する審査基準及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第250条の2第1項に規定する許認可等の基準として取り扱うこととし、行政手続法第5条第3項及び地方自治法第250条の2第1項の規定により、地方環境事務所、自然環境事務所及び自然保護官事務所において備付けその他の適当な方法により公表するものとする。
第3節 内容の変更の同意又は認可
(内容の変更の同意又は認可の申請書の様式)
第11
規則第4条第1項の申請書は、様式第2によるものとする。
(内容の変更の同意又は認可を要しない事項)
第12
国立公園事業の内容の変更のうち、次に掲げる行為については、同意又は認可を受けることを要しない。
- 1. 建築物の内部の構造の変更であって、軽易なもの
- 2. 国立公園の区域のうち、特別保護地区又は海域公園地区に含まれない区域内にあっては、規則第12条各号に掲げる行為に該当するもの
- 3. 特別保護地区内にあっては、第13条各号に掲げる行為に該当するもの
- 4. 海域公園地区内にあっては、第13条の3各号に掲げる行為に該当するもの
(内容の変更の同意又は認可の申請書の審査事項)
第13
第11の申請書については、第9各号に掲げる事項について審査するものとする。
(内容の変更の同意又は認可の基準)
第14
- 1. 法第10条第6項に基づく協議の同意又は認可は、第10の1に掲げる要件に適合するものに対して行うものとする。
- 2. 1の定めは、行政手続法第5条第1項に規定する審査基準及び地方自治法第250条の2第1項に規定する許認可等の基準として取り扱うこととし、行政手続法第5条第3項及び地方自治法第250条の2第1項の規定により、地方環境事務所、自然環境事務所及び自然保護官事務所において備付けその他の適当な方法により公表するものとする。
(変更の同意又は認可を要しない軽微な変更の届出書の様式)
第15
規則第5条の届出書は、様式第3によるものとする。
第4節 認可の条件
(認可の条件)
第16
- 1. 法第10条第10項の規定に基づく条件は、申請者がこれに違反した場合に、法第14条第3項第2号の規定に基づく認可の取消し又は法第83条第2号に定められた罰則が適用され得ることから、具体的かつ分かりやすい表現を用い、原則として別表に掲げる例文によるものとする。ただし、安全性又は快適性の確保等利用の観点から施設の管理等に関して付す条件については、別表に掲げる例文にかかわらず、必要に応じて適切なものを付すことができるものとする。
- 2. 法第10条第2項の規定に基づく協議の同意に際しては、別表に掲げる例文によって留意事項を付すことができるものとする。ただし、国立公園事業の執行において必要不可欠な事項については、留意事項の付加によらず、協議内容の変更を求めることとし、当該変更が行われない場合にあっては、当該協議に同意しないものとする。
- 3. 公園施設の利用者数を報告する旨の条件が付された場合における当該報告の様式 は、様式第4によるものとする。
第5節 改善命令
(改善命令)
第17
- 1. 法第11条の規定に基づく国立公園事業に係る施設の改善その他の当該国立公園事業の執行に関する改善命令は、国立公園事業の適正な執行の確保の観点から、国立公園事業の執行内容が不適当と認められるときに行うものとする。
- 2. 公園施設の改善等を命ずる場合には、行政手続法第29条から第31条までの規定により、弁明の機会を付与するものとし、処分に当たっては、行政手続法第14条の規定により指令書にその理由を記載するものとする。
(改善命令に関する報告)
第18
各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、国立公園事業の執行内容が第17の1に該当し、改善を要すると認めるときは、その旨の意見を付して、その状況を様式第5により自然環境局長に報告するものとする。なお、釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、併せて、北海道、中部及び九州地方環境事務所長にそれぞれ報告するものとする。
第6節 承継の同意又は承認
(承継の同意又は承認申請書の様式)
第19
- 1. 規則第6条第1項の申請書は、様式第6によるものとする。
- 2. 規則第6条第3項の申請書は、様式第7によるものとする。
(合併又は分割による承継の同意又は承認申請書の審査事項)
第20
第19の1の申請書については、次に掲げる事項を審査するものとする。
- (1) 承継の範囲及びその方法
- (2) 承継により生じる国立公園の保護又は利用上の支障の有無
- (3) 国立公園事業の執行に必要な土地、その他家屋等の物件の使用の可否
- (4) その他第21の審査基準への適合の判断に必要な事項
(合併又は分割による承継の同意又は承認の審査基準)
第21
- 1. 法第12条第1項の規定に基づく同意又は承認は、申請の内容が次に掲げる要件に適合するものに対して行うものとする。
- (1) 国立公園事業者である法人の合併又は分割により、申請者に国立公園事業の全部が承継されていること。
- (2) 申請者が、当該申請にかかる国立公園事業を適正に執行するために必要な能力を有していること。
- (3) 申請者が、国立公園事業の執行に必要な土地、その他家屋等の物件を国立公園事業の用に供するための権原を有していること。
- (4) 申請事項について客観的な挙証資料が示されていること。
- 2. 1の定めは、行政手続法第5条第1項に規定する審査基準として取り扱うこととし、同条第3項の規定により、地方環境事務所、自然環境事務所及び自然保護官事務所において備付けその他の適当な方法により公表するものとする。
(相続による承継の承認申請書の審査事項)
第22
第17の2の申請書については、次に掲げる事項を審査するものとする。
- (1) 承継の範囲及びその方法
- (2) 国立公園事業の執行に必要な土地、その他家屋等の物件の使用の可否
- (3) その他第23の審査基準への適合の判断に必要な事項
(相続による承継の承認の審査基準)
第23
- 1. 法第12条第2項の規定に基づく承認は、申請の内容が次に掲げる要件に適合するものに対して行うものとする。
- (1) 国立公園事業者である被相続人の死亡により、申請者に国立公園事業の全部が承継されていること。
- (2) 相続人が二人以上ある場合にあっては、申請にかかる国立公園事業者の地位を申請者が承継することについて、その全員が同意していること。
- (3) 申請者が、国立公園事業の執行に必要な土地、その他家屋等の物件を国立公園事業の用に供するための権原を有していること。
- (4) 申請事項について客観的な挙証資料が示されていること。
- 2. 1の定めは、行政手続法第5条第1項に規定する審査基準として取り扱うこととし、同条第3項の規定により、地方環境事務所、自然環境事務所及び自然保護官事務所において備付けその他の適当な方法により公表するものとする。
第7節 休廃止の届出
(休廃止の届出書の様式)
第24
規則第6条の届出書は、様式第8によるものとする。
(廃止に際する原状回復等の必要性の確認)
第25
各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、国及び公共団体以外の者から第24の届出があった場合には、第29の1各号への適合を調査し、法第15条第1項の規定に基づく原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)の必要性について確認するものとする。この場合において、原状回復等を命じる必要があると認めるときは、その旨を様式第9により、速やかに自然環境局長に報告するものとする。なお、釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、併せて、北海道、中部及び九州地方環境事務所長にそれぞれ報告するものとする。
第8節 失効、取消し等
(執行の同意又は認可の失効の届出書の様式)
第26
規則第8条の届出書は、様式第10による。
(執行の同意又は認可の失効の報告)
第27
各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、国及び公共団体以外の者から第26の届出書が提出された場合又は法第14条第1項の規定により法第10条第3項の認可の失効が確認された場合であって、国立公園事業者自らが第26の届出書を提出することが事実上不可能な場合にあっては、第29の1各号への適合を調査した上で、原状回復等の必要性についての意見を付して、その旨を様式第11により速やかに自然環境局長に報告するものとする。なお、釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、併せて、北海道、中部及び九州地方環境事務所長にそれぞれ報告するものとする。
(国立公園事業の認可の取消しの手続)
第28
- 1. 各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、法第14条第3項の規定に基づき国立公園事業の執行の認可を取り消す必要があると認めた場合には、第29の1各号への適合について調査した上で、原状回復等の必要性についての意見を付して、その旨を様式第12により速やかに自然環境局長に報告するものとする。なお、釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、併せて、北海道、中部及び九州地方環境事務所長にそれぞれ報告するものとする。
- 2. 法第14条第3項の規定に基づき国立公園事業の執行の認可を取り消す場合には、行政手続法第15条から第28条の規定により聴聞を行うとともに、処分に当たっては、同法第14条の規定により指令書にその理由を記載するものとする。
第9節 原状回復命令等
(原状回復命令等に当たっての手続)
第29
- 1. 法第15条第1項の規定に基づく原状回復等を執るべき旨の命令は、次に掲げる要件に適合する場合に行うものとする。
- (1) 当該公園施設が国立公園事業の執行のための施設であること。
- (2) 当該公園施設に関する国立公園事業の執行の認可を受けていた者以外の者が、新たに法第10条第2項の同意又は同条第3項の認可を受けて、国立公園事業の用に供するものではないこと。
- (3) 当該公園施設が規則第11条各項に定める行為の許可の基準に合致しないこと。
- (4) 当該国立公園施設に対して原状回復等の措置が執られないことが、当該公園施設が風致、景観又は風景の維持に著しい支障を与えるものであること。
- 2. 法第15条第1項の規定に基づき原状回復等を命じる場合には、行政手続法第29条から第31条の規定により弁明の機会を付与するとともに、処分に当たっては、同法第14条の規定により指令書にその理由を記載するものとする。
- 3. 法第15条第1項の規定に基づき原状回復等を命じるに当たっては、関係行政庁との連絡調整に努めるものとする。
(行政代執行に当たっての手続)
第30
- 1. 法第15条第1項の規定に基づき原状回復等を命ぜられた者がこれを履行しない場合であって、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律43号)第2条の規定に基づき、その者の負担において、当該原状回復等を行い、その費用をその者から徴収する(以下「行政代執行」という。)こととする。
- 2. 行政代執行に当たっては、同法第3条に基づく戒告を行うこととし、当該戒告は、原則として原状回復等に着手する日から起算して少なくとも一月前まで行うこととする。ただし、公益上、緊急に原状回復等に着手する必要がある場合には、この限りではない。
(簡易代執行に当たっての手続)
第31
- 1. 第29の1(1)から(4)に該当する場合であって、過失がなくて原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、法第15条第2項の規定に基づき、原状回復等を行う(以下「簡易代執行」という。)こととする。
- 2. 法第15条第2項に基づく公告は、原則として原状回復等に着手する日から起算して少なくとも一月前まで行うこととする。ただし、公益上、緊急に原状回復等に着手する必要がある場合には、この限りではない。
- 3. 環境大臣は、法第15条第2項の規定に基づく原状回復等を管下の職員又は委任した者(以下「作業員」という。)に行わせる必要があると認めるときは、当該職員又は作業員に対し、原状回復等の実施を指示する指示書又は委任書を交付するものとする。
- 4. 当該職員又は作業員は、立入検査に際して、同条第3項に定める身分を示す証明書とともに3の指示書又は委任書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第10節 報告徴収及び立入検査
(職員による報告徴収及び立入検査)
第32
- 1. 環境大臣又は地方環境事務所長は、法第17条第1項の規定に基づく立入検査を管下の職員に行わせる必要があると認めるときは、当該職員に対し、立入検査の実施を指示する指示書を交付するものとする。
- 2. 当該職員は、立入検査に際して、同条第2項に定める身分を示す証明書とともに1の指示書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第11節 国の機関の執行する国立公園事業
(国の機関の執行する国立公園事業の取扱)
第33
法第10条第1項の規定に基づき環境大臣以外の国の機関が執行する国立公園事業については、法第10条第2項の規定に基づき執行する公共団体の国立公園事業について、法、令、規則及び本要領が定めるところに準じて取り扱うものとする。
第12節 違反行為
(違反行為の防止方法)
第34
地方環境事務所長は、次に掲げる方法により国立公園事業の執行に関する自然公園法の違反行為(以下「違反行為」という。)の防止に努めるものとする。
- (1) 国立公園事業者に対し、法令の規定等を機会あるごとに周知すること。
- (2) 巡視を励行すること。
- (3) 申請者等に対し、当該申請に係る処分を受ける以前に公園事業の執行に係る行為に着手しないよう指導すること。
- (4) 法第10条第10項の規定に基づき付された条件を確実に履行するよう指導すること。
(違反行為に対する措置)
第35
各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、違反行為を発見したときは、次に掲げる措置を講ずるものとする。なお、違反処理に当たっては、行政指導等の記録に努めることとし、処分は文書により行うものとする。
- (1) 当該違反行為の中止を勧告するとともに、当該違反行為が環境大臣の処分に係る行為の場合、必要事項を調査の上速やかに当該違反行為の内容、状況及び当該違反行為の処分に関する意見を様式第13により自然環境局長に報告すること。なお、釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、併せて、北海道、中部及び九州地方環境事務所長にそれぞれ報告すること。
- (2) 当該違反行為が規則第20条に定める地方環境事務所長の権限に係る行為の場合は、自ら処分すること。この場合、釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、様式第13により速やかに北海道、中部及び九州地方環境事務所長にそれぞれ報告すること。
- (3) 当該違反行為が同時に他の法令にも違反している可能性がある場合は、速やかに該当法令を所管する関係行政庁に連絡すること。
第13節 書類の交付
(不認可等に係る指令書等の交付の取扱い)
第36
次に掲げる処分に係る回答書又は指令書の交付に当たっては、処分の内容を名あて人に確実に伝達するとともに、処分のあったことを知った日を明確にするため、当該回答書又は指令書を名あて人に対し、捺印のある受領書を受ける、又は配達証明扱いで郵送することにより交付するものとする。
- (1) 法第10条第2項の規定に基づく執行の不同意
- (2) 法第10条第3項の規定に基づく執行の不認可
- (3) 法第10条第6項の規定に基づく公園施設等の変更の不同意又は不認可
- (4) 法第11条の規定に基づく公園施設等の改善の命令
- (5) 法第12条第1項又は第2項の規定に基づく承継の不同意又は不承認
- (6) 法第14条第3項の規定に基づく執行認可の取消し
- (7) 法第15条の規定に基づく原状回復等の命令
第14節 令附則の法定受託事務に係る事項
(都道府県から送付された認可申請書の審査等)
第37
各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、都道府県知事から令附則第6項の規定による都道府県知事の経由に係る申請書の送付を受けたときは、申請書の送付を受けた日から起算して一月以内に、本要領で定める事項について審査し、処理するものとする。
(指令書等の写しの交付)
第38
各地方環境事務所長並びに釧路、長野及び那覇自然環境事務所長は、令附則第6項の規定による都道府県知事の経由に係る申請書について処分がされた場合には、当該処分に係る回答書又は指令書の写しを当該都道府県知事に送付するものとする。
附則
この取扱要領は、平成22年4月1日から実施する。