法令・告示・通達

国民休養地の今後の整備及び運営について

公布日:昭和55年06月27日
環自計124・環自施229

(各都道府県知事あて環境庁自然保護局長通達)
 標記については、昭和五五年六月二七日付け環自計第一二四号及び環自施第二二九号により環境事務次官から通達されたところであるが、その運用に当たつては下記の事項にご留意の上、遺憾なきを期せられたい。

  1. 一 国民休養地計画は、別紙「国民休養地計画標準」に基づき作成すること。
  2. 二 国民休養地の候補地の選定については、国民休養地整備運営要綱第二項に定める要件を具備する地区のうち、効果の高いものを選定すること。
      なお、国民休養地が含まれることとなる都道府県立自然公園の公園計画が未決定である場合には、可及的速やかに決定すること。
  3. 三 国民休養地整備運営要綱第三項に基づき、国民休養地計画の承認を受けようとするときは、別記様式一により、「国民休養地計画承認申請書」を作成し、毎年五月末日(昭和五五年度は八月末日)までに当職に提出すること。
  4. 四 承認された国民休養地計画に位置付けられた施設のうち、当該国民休養地を含む都道府県立自然公園の利用のための施設に該当するものが、当該公園の公園計画に含まれていない場合には、当該承認年度内に公園計画に含めるよう措置すること。
  5. 五 承認された国民休養地計画について、区域、地割計画又は施設整備計画を変更する場合には、変更後の国民休養地計画について、三に準じて「国民休養地計画変更承認申請書」を作成し、あらかじめ当職に提出し、承認を受けること。なお、自然への働きかけ活動計画又は管理運営計画を変更した場合には速やかに当職に報告すること。
  6. 六 国民休養地の施設整備状況について、毎年度、別記様式二により「国民休養地施設整備状況報告書」を作成し、翌年五月末日までに当職に提出すること。
  7. 七 国民休養地の利用状況について、毎年度、別記様式三により「国民休養地利用状況報告書」を作成し、翌年五月末日までに当職に提出すること。
  8. 八 国民休養地計画の承認後において国民休養地の管理運営に関し、関係規則を制定し、又は運営協議会等を設置した場合においては、速やかに当該規則の写等関係資料を添付の上、当職に報告すること。
  9. 九 「国民休養地の整備及び運営について」(昭和四七年三月二七日付け環自休第一四六号当職通知)四から九まで並びに別紙(様式一)及び別紙(様式二)中「環境庁長官」を「環境庁自然保護局長」に改めること。



別表

  国民休養地計画標準

 国民休養地計画は、この基準により作成するものとする。

一 名称

  本基準により計画される国民休養地の名称は、「○○ふるさと自然公園××国民休養地」とするものとし、○○には都道府県立自然公園の名称をあてるとともに、××には、国民休養地の位置する地名等をあてるものとする。

二 区域

  国民休養地の区域は、地区の自然状況、適正な利用のあり方、土地所有関係等を考慮して決定する。
  面積は原則として二〇ヘクタール以上を目標とする。
  区域の境界線は、稜線、河川、道路等可能な限り明確な地形、地物によるものとする。

三 計画作成に当たつての基本的考え方

  計画の作成に当たつては、次の事項を基本とするものとする。

  1.  (一) 国民休養地計画を作成する手法は、自然公園における集団施設地区計画の手法に準ずるものとし、区域を地割し、地割ごとに整備方針を定める。
  2.  (二) 当該地区の自然的社会的特性に応じた自然への働きかけの活動を適正な指導の下に行うことができる地区として「自然体験区」を区域内に設け、地割に含める。
  3.  (三) 中心施設として、ふるさと自然公園センターとして機能するビジターセンター(博物展示施設)を設ける。
  4.  (四) 自然への働きかけ活動及び一般の野外活動が有機的効率的に行われるよう、国民休養地内の地割ごとの施設の配置及びこれらを連絡する歩道等の路線を定める。この場合、国民休養地を拠点とする周辺の利用のための歩道であつて、当該国民休養地の利用の増進等の観点から国民休養地と一体として整備することが適当と認められるものがあればそれらの路線も定めることができる。
  5.  (五) 国民休養地周辺における都道府県立自然公園の適正な利用に資するよう留意する。

四 計画の内容

  国民休養地計画の内容は次のとおりとする。

 (一) 地区の概要

   国民休養地に係る都道府県立自然公園と国民休養地との関連並びに国民休養地の区域内の自然環境、利用性等についての現況及び特性等を明らかにする。

 (二) 計画の基本方針

   国民休養地の自然的、社会的特性に応じたテーマを定め、これに沿つた整備及び管理運営方針を明らかにする。

 (三) 地割計画

   国民休養地を地割に区分し、地割ごとに整備方針を定める。

 (四) 自然への働きかけ活動計画

   自然への働きかけ活動の内容、指導体制等を明らかにする。

 (五) 施設整備計画

   国民休養地内に設けられる次に掲げる施設及び当該国民休養地を拠点として周辺の利用のために設けられる歩道であつて、都道府県又は市町村が当該国民休養地の整備期間(五ケ年)内に整備しようとするものについて、種類、規模構造、整備主体等を明らかにする。

  1.   ア 中心施設
        ふるさと自然公園センター(利用者に対する情報の提供、自然への働きかけ活動のための道具類の貸与及び材料の頒布、作業、集会等の場の提供等公園利用者、地域住民及びボランテイアが相互に有機的な関連を持ちつつ利用し得るビジターセンター)
  2.   イ 交通運輸施設
  3.   ウ 宿泊野営施設
  4.   エ 休養施設
  5.   オ 衛生施設
  6.   カ その他自然への働きかけ活動又は一般の野外活動を行うために必要な施設

 (六) 管理運営計画

  1.   ア 国民休養地の趣旨に合致する管理運営を行うため、関係市町村及び地域住民の協力と参加が得られるよう十分配慮した総合的な管理運営方法及び個々の施設の管理運営方法を明らかにする。
  2.   イ 効果的な運営を図るため、運営協議会等が設立される場合には、その名称、構成、活動内容等を明らかにする。
  3.   ウ 国民休養地を活動の場として、美化清掃、自然保護教育、道具類の貸与、材料の提供等を行う計画を有する団体又は個人が存する場合には、その名称、活動内容等を明らかにする。