法令・告示・通達

鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う留意事項について

公布日:平成27年05月20日
事務連絡

各都道府県・各政令市廃棄物処理担当部局 御中

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課

鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律の施行 に伴う留意事項について

 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律(平成26 年法律第46号)が、平成26年5月30日に公布され、平成27年5月29日か ら施行されます。
 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「鳥獣保護管理法」という。)においては、改正前より、第18条に おいて、鉛弾の破片の残った鳥獣の死骸を他の野生生物が食べてしまうこと による鉛中毒事故等を防止する観点から、鳥獣又は鳥類の卵(以下「鳥獣等」 という。)の捕獲等又は採取等をした者は、環境省令で定める場合を除き、 当該捕獲等又は採取等をした場所に当該鳥獣等を放置してはならない旨の規 定が設けられています。
 今般、一部改正された鳥獣保護管理法第14条の2において、生物多様性の 確保、生活環境の保全又は農林水産業の健全な発展を図る観点から、集中的 かつ広域的に管理を図る鳥獣を環境大臣が定め、都道府県等が捕獲等をする、 指定管理鳥獣捕獲等事業制度が創設され、鳥獣保護管理法第14条の2第8項 第1号において、指定管理鳥獣捕獲等事業において、捕獲等をした鳥獣を当 該捕獲等をした場所に放置することが、生態系に重大な影響を及ぼすおそれ がなく、かつ、指定管理鳥獣捕獲等事業の実施に当たって特に必要があると 認められる場合については、上記の鳥獣保護管理法第 18条の規定は適用しな いこととされました。
 なお、鳥獣保護管理法第3条第1項に基づき定められた鳥獣の保護及び管 理を図るための事業を実施するための基本的な指針(平成26年環境省告示第133号)のIII第四2(7)「捕獲物又は採取物の処理等」においては、従来よ り、捕獲物等は原則として持ち帰ることとし、やむを得ない場合に限り生態 系に影響を与えないような適切な方法で埋設することとされています。さら に、同指針IV 第二6(2)「捕獲等をした鳥獣の放置に関する事項」において、 指定管理鳥獣捕獲等事業において捕獲等をした鳥獣の放置をする場合は、あらかじめ指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画において、生態系及び住民等の安 全並びに生活環境への配慮事項等を定めることとされたところです。
 以上、鳥獣保護管理法の改正の趣旨を踏まえ、廃棄物の処理及び清掃に関 する法律(昭和 45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)の運用 に当たっては、下記の事項に御留意いただくとともに、都道府県におかれて は、貴管内市町村に対し周知徹底をお願いいたします。

1.捕獲物等の埋設が鳥獣保護管理法第18条及び鳥獣基本指針III第四2(7)「捕獲物又は採取物の処理等」に従って行われる限りにおいては、廃棄物処理法第16条で禁止している不法投棄には当たらないものであること。

2.捕獲物等の埋設により、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそ れがあると認められる場合は、廃棄物処理法第19条の4に規定する措置命 令の対象となるものであること。

3.捕獲物等の放置が鳥獣保護管理法第14条の2第8項及び鳥獣基本指針 IV 第二6(2)「捕獲等をした鳥獣の放置に関する事項」に従って行われる 限りにおいては、廃棄物処理法第16条で禁止している不法投棄には当たら ないものであること。

参考

○鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。抄)

(指定管理鳥獣捕獲等事業)

第十四条の二 都道府県知事は、第二種特定鳥獣管理計画において第七条の二第二項第五号に掲げる事項を定めた場合において、当該第二種特定鳥獣管理計画に基づき指定管理鳥 獣捕獲等事業を実施しようとするときは、指定管理鳥獣の種類ごとに、指定管理鳥獣捕獲 等事業に関する実施計画(以下この条において「実施計画」という。)を定めるものとする。

2 ~ 7 (略)

8 指定管理鳥獣捕獲等事業を実施する都道府県、第五項の確認を受けた国の機関又は前 項の規定による委託を受けた者(次項において「都道府県等」という。)が指定管理鳥獣 捕獲等事業として実施する行為については、第八条、第十八条及び第三十八条第一項の規 定は、適用しない。ただし、次の各号に掲げる規定については、当該各号に定める場合に 限る。

一 第十八条 捕獲等をした鳥獣を当該捕獲等をした場所に放置することが、生態系に重 大な影響を及ぼすおそれがなく、かつ、指定管理鳥獣捕獲等事業の実施に当たって特に必 要があると認められる場合として環境省令で定める場合に該当するとき。

二 (略)

9 (略)

(鳥獣の放置等の禁止)

第十八条 鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をした者は、適切な処理が困難な場合又 は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で定める場合を除き、当 該捕獲等又は採取等をした場所に、当該鳥獣又は鳥類の卵を放置してはならない。

○鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針(平成26年環境省告示第133号。抄)

III第四2

(7)捕獲物又は採取物の処理等
 捕獲物等については、鉛中毒事故等の問題を引き起こすことのないよう、原則として持ち帰ることとし、やむを得ない場合は生態系に影響を与えないような適切な方法で埋設す ることにより適切に処理し、山野に放置することのないよう指導するものとする(適切な 処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として規則第19条で定められた場合を除く。)。

(以下略)

IV第二6

(2)捕獲等をした鳥獣の放置に関する事項(実施する場合に限る。)
 指定管理鳥獣捕獲等事業においては、法第18条で鳥獣の放置が認められる場合(適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で 定める場合)以外であっても、生態系に重大な影響を及ぼすおそれがなく、かつ、指定管 理鳥獣捕獲等事業の実施に当たって特に必要があると認められる場合として環境省令で定 められている場合においては、法第14条の2第8項第1号に基づき、捕獲等をした場所 に放置することが認められている。

(以下略)