法令・告示・通達

PCBを含む廃棄物の処理対策について

公布日:昭和51年03月17日
環整19号

(各都道府県・各政令市廃棄物担当部(局)長あて厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長通知)
 廃棄物処理法施行令の一部改正にともない、PCBを含む廃棄物の処理基準が設定されたが、これらのうちPCB使用部品を含む廃家電製品、PCB使用機器およびPCB入り廃感圧複写紙については、特別な処理体系が設けられることとされているので、左記事項を留意のうえ、指導されたい。

1 PCB使用部品を含む廃家電製品の処理

  PCB使用部品を含む廃家電製品(廃エアコンディショナー、廃テレビジョン受信機及び廃電子レンジ)の処理については、すでに通達(昭和四八年八月四日環整第六一号)により指導をお願いしてきたところであり、基本的には今後とも本通達によるものとする。メーカーによるPCB使用部品の有無の確認及び除去の方法については、

  1.  ① メーカーが、家電製品を廃棄しようとする者から連絡を受け、PCB使用部品の有無の点検及び除去を行い、さらに当該家電製品の見やすい個所に証票を貼付する方法
  2.  ② メーカーが市町村から連絡を受け、市町村の廃家電製品集積所において、PCB使用部品の有無の点検及び除去を行う方法の二方法が考えられるが、いずれの方法を採用するかは市町村清掃事業の実態、住民にかかる負担等を勘案して決定することが必要である。なお、市町村が採用する方法については、通産省からメーカーへの指導により、メーカー側は全面的に協力することとなつているので、念のため申し添える。
      メーカーが除去したPCB使用部品は、現在、メーカーの責任のもとに保管されることとなつているが、このPCB使用部品は産業廃棄物として取扱うこととし、その処理は財団法人電機ピーシービー処理協会(四八年八月二七日設立、理事長 宗像英二)が一元的に行うこととし、現在、処理体制の整備に着手しつつある。(別添1参照)

2 PCB使用機器の処理

  PCB使用機器の処理については現在(財)電機ピーシービー処理協会が重電用変圧器及びコンデンサーについて保有状況調査を実施済であり、五一年一月一〇日現在、全国で一七万八七四〇事業所においてPCB使用機器を保有していることが確認されている。
  これら機器が耐用年数を経て廃棄される場合には、同協会の倉庫に搬入され、適正に処理されることとされており、現在、処理体制の整備に着手しつつある。(別添2参照)

3 PCB入り廃感圧複写紙の処理

  PCB入り廃感圧複写紙は伝票、帳票類として過去に大量に使用され、昭和四六年以降その生産、使用が中止されたものの、保存書類等の形で、かなりの量が事業者のもとに存在していると考えられる。従来、保存期間の過ぎたものが、故紙の中に混入し、ちり紙原料として再使用された場合があり、ちり紙工場の排水、ペーパースラッジの中にPCBが含まれるとして問題となつている。
  このたび、事業者から排出されるPCB入り廃感圧複写紙が産業廃棄物に指定された趣旨は、PCB入り廃感圧複写紙を排出事業者の段階で分別し、故紙(もつぱら再生利用の目的となる一般廃棄物又は産業廃棄物)に混入して排出されることを防止するとともに、別途、無害化処理体制の確立により、適正に処理することを目的としたものである。
  PCB入り廃感圧複写紙の処理は「ピーシービー入り旧ノーカーボン紙処理協会」(五十年四月設立、理事長 松井康博)が主体となつて行うこととする方針であり、同協会は最終的には回収したPCB入り廃感圧複写紙を焼却処理することとしているが、当面、事業所における保管量の調査及び焼却炉が完成するまでの間の保管体制の整備に着手することとしているので、さしあたり事業者において選別保管するよう指導されたい。(別添3参照)
  なお、選別保管にあたつては、まとまつて保存されている伝票、帳票類について特に配慮することとし、PCB入りか否か確認されていない感圧複写紙については、昭和四七年一一月以前に使用されたもの全てをPCB入りと判定することとする。

別表

 略

    PCB使用部品を含む廃家電製品の処理について

(昭和五一年三月一七日環整第二〇号・51機局第七〇号)
(日本電気工業会・日本電子機械工業会・日本冷凍空調工業会会長あて厚生省環境衛生局水道環境部長・通産省機械情報産業局長要請)
 標記については、すでに協力要請(昭和四八年八月四日、環整第六十号、48機局第十九号、別添のとおり)を行い、メーカーの責任による家電製品からのPCB使用部品の除去及び保管が実施されてきたところですが、今般廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の改正により、PCB使用部品の埋立処分及び海洋投入処分が禁止されることとなり、昭和五一年三月一日から施行されることになりましたので、除去、保管体制の充実についてなお一層努力されるよう要請します。

   PCB使用部品を含む廃棄家電製品の処理に関する協力要請について

(昭和四八年八月四日環整第六〇号・48機局第一九号)
(日本電機工業会・電子機械工業会・日本冷凍空調工業会会長あて厚生省環境衛生・通産省機械情報産業局長要請)
    従来から廃棄家電製品の処理は、主として市町村の行う一般廃棄物処理事業の一環として行われてきたところであります。しかしながら、その一部にPCB使用部品を含む家電製品があり、これが廃棄された場合における環境汚染の防止に万全を期するため、これに対する特別の対策が必要となつてきております。
    これらの対策のうち、発生源対策としては、これらの家電製品からPCB使用部品を取り外すことが最も効果的であると考えられますが、現実の問題として大多数の市町村においては、これを実施するには技術面、財政面から著しく困難があります。
    つきましては、別紙により、今後の対策をすすめたいと考えておりますので、メーカー側の協力体制の整備、とくに①必要な情報の提供、②市町村が収集した廃棄家電製品からのメーカーによるPCB使用部品の取外しおよび保管、③市町村が処理する廃棄家電製品以外のPCB使用部品を含む廃棄家電製品に関する対策等について貴工業会ならびに貴工業会を通じて傘下各家電製品メーカーに協力を要請するものであります。

 略