法令・告示・通達

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の運用に伴う留意事項について

公布日:平成8年04月18日
衛環168号

(各都道府県一般廃棄物担当部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)

 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(平成七年法律第一一二号)、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行令(平成七年政令第四一一号)、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行規則(平成七年大蔵省令、厚生省令、農林水産省令、通商産業省令第一号)、容器包装廃棄物の分別収集に関する省令(平成七年厚生省令第六一号、以下「厚生省令」という。)及び容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律第二条第一〇項第一号に規定する委託の範囲を定める省令(平成七年厚生省令、通商産業省令第一号)の施行については、厚生省生衛第四六二号厚生事務次官通知及び衛環第一六七号厚生省生活衛生局水道環境部長通知により示されたところであるが、なお、運用に当たっては、左記事項を了知の上、容器包装廃棄物の分別収集及び再商品化の促進等に努められたい。

一 容器包装の範囲について

  本法の対象となる容器包装は、びん、缶、プラスチック製のもの等、商品に付されたすべての容器包装であるが、具体的な判断の目安をおって示すこととしているものであること。

二 分別収集の基準について

  容器包装廃棄物の分別収集に係る厚生省令に定める各素材毎の基準については、リサイクルが比較的進んでいる市町村の状況や再商品化が円滑に行えるかどうか等を勘案して定めたものであり、市町村においては、住民に対する啓発、リサイクルプラザ等における適切な選別等を行い、できる限り高い分別精度の確保に努める必要があること。

  具体的には、

  1.  ① 厚生省令第二条一の項第一号に規定する分量の基準については、何トン、あるいは何立方メートルという厳密な値ではなく、通常一〇トン車に積載される程度量が収集されればよく、実際の運搬に何トン車を使用するかは問われないものとして運用されるものであること。
  2.  ② 厚生省令第二条一の項第二号に規定する圧縮されていることとは、三辺の総和一八〇cm以下、最大辺八〇cm以下に圧縮するといういわゆるCプレス(鉄屑検収統一規格)を念頭においており、二、四、五の項における圧縮とは、その素材に応じ、適切に圧縮されているものであること。
  3.  ③ 厚生省令第二条一の項第三号、第四号に規定する他の素材の容器包装、容器包装以外の食品滓等の異物の混入、同項第五号及び同条三の項第二号の洗浄、同項第六号のふた等の除去等の性状に関する基準については、数値的な目標はないが、市町村が適切に住民に対してこれら基準に係る排出の基準の設定及びその周知、広報を実施し、これが一定程度遵守されることを求めるものであり、将来的には、より高い水準の分別収集(排出)を目指すべきであること。
  4.  ④ アルミニウム製の特定容器のうち、チューブ状のものについては、特に内容物が残留したまま排出されるおそれがあるため、「内容物を使い切り、アルミニウム製以外のキャップ等を取り外した上で排出する」旨を周知されたいこと。
  5.  ⑤ ガラス製の容器については、アンプル等ほうけい酸製のガラス、乳白ガラス及び結晶化ガラスが混入した場合再商品化することが困難となるため、分別基準においてこれらを除去するよう定めてあり、消費者に対してもこの旨の周知を図られたいこと。
  6.  ⑥ 紙製の容器包装であって飲料を充填するための容器は、いわゆる牛乳パック等飲料用紙パックをいうものであり、ファストフード店における紙製コップのようなものは含まないものであること。

三 保管施設について

  1.  (一) 保管施設の設置の基準のうち、人口に係るものについては、市町村の人口規模による保管施設の数を示すものであるが、市町村の人口規模から算出される保管施設の設置最大数を下回って設置することは差し支えないものであること。
  2.  (二) 保管施設の指定に係る手続きは、次により行うものであること。
    1.   ① 当省より、市町村に対して保管施設の設置位置等に関する事前の調査票を送付。(平成八年九月頃を予定。)
    2.   ② 調査の結果を基に、主務大臣から市町村あてに保管施設の設置の指定について意見照会。(平成八年一一月頃を予定。)
    3.   ③ 意見照会の結果により、市町村の保管施設を指定。
    4.   ④ 新たな保管施設の指定、指定の変更については、その都度厚生省に連絡。厚生省では、他の主務大臣と協議し、②以降の手続きを実施。

四 再商品化計画について

  再商品化計画は、三年毎に五年計画が策定されるものであり、第一期の計画は、平成九年四月を始期として定められるものであり、平成八年四月までの策定を目標に検討を進めているものであること。

五 市町村分別収集計画、都道府県分別収集促進計画について

  1.  (一) 市町村分別収集計画、都道府県分別収集促進計画は、分別収集量と再商品化可能量との調整を図りつつ、その拡大を図るためにその計画期間については、第一期については平成九年四月を始期とする旨定める予定であること。
       また、第一期計画の策定期日については、市町村分別収集計画は、平成八年九~一〇月、都道府県分別収集促進計画は同年一〇~一一月頃までとする予定であること。
  2.  (二) 平成九年四月から平成一二年三月までの間に本法に基づく分別収集を実施しようとする市町村は原則として前述の期日までに市町村分別収集計画を策定しなければならないものであること。この期日までに策定されない場合は本法に基づく分別収集の開始は次期の計画となる平成一二年度以降となるものであること。
  3.  (三) 市町村分別収集計画の策定に際しては、分別収集対象の容器包装、地域を順次拡大する方法によることも可能であること。

六 生きびん回収等について

  ガラスびんの分別収集を行う場合にあっては、分別収集されるガラスびん中にいわゆる「生きびん」が含まれる場合においては、色選別等に先立ち「生きびん」の回収を行うことは、リターナブル容器促進の観点からも推奨すべきことと考えるので積極的に検討をお願いしたいこと。また、内側にプラスチックを付着させたアルミニウム製のキャップについては、当該キャップを除外することでより高価でアルミニウム製容器包装が売却されることになるため、このことについて検討することが望ましいこと。

七 その他

  1.  ア 本法は、容器包装の分別収集と再商品化に関する制度を定め、広く推進するものであり、積極的な市町村の参加が望まれるものであるが、本法の規定に反しない範囲において、地方公共団体が独自のリサイクル施策を講じることを妨げるものではないこと。なお、例えば厚生省令により分別の基準が設定された家庭からの容器包装廃棄物の回収を条例により義務づけることは、本法で規定する関係者の役割分担に反するおそれの高いものと考えるので申し添える。
  2.  イ 市町村は、分別収集の実施に当たっては、選別、圧縮設備の設置、保管施設の設置等について効率的に行うために広域的な整備を検討するとともに、リサイクルに係る住民団体、民間業者等との適切な連携を講じられたいこと。