法令・告示・通達

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第四条の二第三項第二〇号の指定について

公布日:昭和53年12月04日
環整146号

[改定]
昭和五六年一一月二七日 環整第一五九号

(各都道府県知事・各政令市市長あて 厚生省環境衛生局水道環境部長通知)

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(昭和五十三年厚生省令第五十一号)の施行については、昭和五十三年八月二十一日付環整第八十九号をもつて通知したところであるが、改正後の規則第四条の二第三項第二十号の指定については、左記により取り扱うこととしたので、これが円滑な運用に格段の御協力をいただくとともに、指定を受けた者の業務の公正な運営についても十分監督されるようお願いする。

第一 総則的事項

  1.  1 この検査は、処理対象人員五〇〇人以下のし尿浄化槽の管理について、地方公共団体の機関又は厚生大臣の指定する者(以下「検査機関」という。)の検査を受けることによつてし尿浄化槽の適正な維持管理を確保し、水質汚濁等の防止を図ることを目的とするものであること。
  2.  2 この検査は、原則として厚生大臣の指定する者に行わせることとしているものであるが、地方公共団体の機関にあつても、当該地方公共団体の業務の実態等を考慮して、可能な範囲において検査業務を行うことは差し支えないものであること。
  3.  3 厚生大臣が指定を行う場合には、おおむね都道府県ごとに一の検査機関を指定することとしているものであるが、地域の実情によりやむをえないと認めるときは、これによらない場合もあるものであること。
  4.  4 都道府県知事は、その管轄する地域における各検査機関の業務内容及び検査実施予定地域を適確に把握しておかれたいこと。

第二 指定の手続

 1 指定は、指定を受けようとする者の申請により、厚生大臣が行うものであること。

 2 申請者は、別記様式(1)による申請書に次の書類を添え、申請者の事業予定地域を管轄する都道府県知事を経由して厚生大臣に提出すること。

  1.   (1) 定款又は寄附行為及び登記簿の写し
  2.   (2) 申請の日を含む事業年度の直前の事業年度における財産目録及び貸借対照表
  3.   (3) 申請の日を含む事業年度における事業計画書及び収支予算書
  4.   (4) 次の事項を記載した書面
    1.     ア 役員の氏名及び職業並びに社団法人にあつては社員の氏名又は名称
    2.     イ 現に行つている事業の概要
    3.     ウ 検査実施予定地域
    4.     エ 検査に従事する職員の氏名、略歴及び専任又は兼任の別
    5.     オ 検査の実施に用いる機械器具その他の設備の種類及び数
    6.     カ 検査の実施要領
    7.     キ 検査手数料及びその積算根拠
    8.     ク 検査の実施に係る事業所、支所等の所在地
  5.   (5) 事業予定地域内に保健所法(昭和二十二年法律第百一号)第一条の規定に基づく政令で定める市(以下「政令市」という。)が存在するときは、その市長の同意書

 3 都道府県知事は、指定の可否に関する意見書、申請者の事業予定地域内における他検査機関の有無及び当該地域内における検査対象箇所の概数を付して、申請書を厚生大臣に提出されたいこと。

 4 指定を行つた場合には、都道府県知事を経由して指定書を申請者に交付するものであること。

第三 指定の基準

  検査を行う者は、次の要件に適合していなければならないこと。

  1.   (1) 検査を科学的かつ公正に行い得る民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であること。
  2.   (2) 当該法人の役員の構成が検査業務の公正な運営に支障を及ぼすおそれがないものであること。
  3.   (3) し尿浄化槽の検査を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有すること。
  4.   (4) し尿浄化槽の検査以外の業務を行う場合には、その業務を行うことによつて検査義務の運営が不公正になるおそれがないものであること。
  5.   (5) 次に掲げる機械器具その他必要な設備を有すること。
    1.     ア 透視度計
    2.     イ 溶存酸素計
    3.     ウ 亜硝酸性窒素測定器具
    4.     エ 水素イオン濃度指数測定器具
    5.     オ 塩素イオン濃度測定器具
    6.     カ 残留塩素測定器具
    7.     キ 汚でい沈でん率測定器具
  6.   (6) 次の各号の一に該当する者が検査を担当すること。
    1.     ア 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五十六条第一項に規定する者又は旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)に基づく中等学校を卒業した者であり、かつ、次の一に該当する者で、し尿浄化槽の検査に係る厚生大臣の認定した講習を終了したもの。
      1.      (ア) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「規則」という。)第十七条第三項の規定に該当する者
      2.      (イ) 規則第四条の二第三項第二十一号若しくは第六条第四号に定める「専門的知識、技能及び相当の経験」を有する者
      3.      (ウ) 規則第十六条の規定に該当する者
    2.     イ 環境衛生指導員としてし尿浄化槽に関する実務に一年以上従事した経験を有する者
  7.   (7) 検査手数料が適正と認められる額であること。
  8.   (8) 申請者が、し尿浄化槽の検査の業務を事実実施予定地域において行うことについて、当該地域を管轄する都道府県知事又は政令市長が同意していること。

第四 指定の条件

  指定を行う場合には次の条件を付すものであること。

  1.   (1) 毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支計算書を作成し、また検査業務に従事している職員及び検査手数料の報告書を別記様式(2)により作成し、これらを都道府県知事を経由して厚生大臣に提出すること。
  2.   (2) し尿浄化槽の維持管理が不適正であると認められる場合には、当該し尿浄化槽の検査の記録の写しを、当該地域を管轄する都道府県(政令市の地域にあつては当該市とする。)の廃棄物処理担当部局に送付すること。
  3.   (3) 厚生大臣又は都道府県知事(政令市の地域にあつてはその市長とする。)から事業の実施に関して報告を求められたときは、速やかに報告しなければならないこと。
  4.   (4) 指定を受けた地域以外の地域では、検査を行つてはならないこと。ただし、都道府県知事の要請があつた場合、臨時にこれを行うことは差し支えないこと。
  5.   (5) 厚生大臣又は都道府県知事(政令市のみを事業実施予定地域とする場合にあつてはその市長とする。)が、指定に係る業務が適正に実施されるために必要な限度において、指示を行つたときは、必要な措置をとらなければならないこと。
  6.   (6) 検査手数料を変更しようとする場合には、別記様式(3)による変更申請書を都道府県知事を経由して厚生大臣に提出し、その承認を受けなければならないこと。
        なお、この場合、都道府県知事は、当該申請についての意見を付して、厚生大臣に進達されたいこと。
  7.   (7) 検査実施地域を変更しようとする場合には、前記第二指定の手続に準じ、新たに指定の申請を行うこと。
  8.   (8) 法人の名称を変更した場合には、変更後三〇日以内に、別記様式(4)による変更届を都道府県知事を経由して、厚生大臣に提出すること。
  9.   (9) 指定に係る業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとする場合には、別記様式(5)による申請書を都道府県知事を経由して厚生大臣に進達し、その承認を受けなければならないこと。

第五 その他

  厚生大臣は、指定検査機関が指定の基準に適合しなくなつたと認めるとき、又は指定検査機関が指定の条件に違背し、若しくは指定に係る業務が適正に実施されていないと認めるときは、指定を取り消す場合があること。