法令・告示・通達

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第九条第三号及び第十条の三第三号等に基づく産業廃棄物等の指定制度について

公布日:平成6年04月01日
衛産43号

[改定]

平成11年3月15日 衛産18号

(厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長から各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長あて)

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成六年厚生省令第八号)は、平成六年三月一四日に公布され、同年四月一四日から施行されることとされている。この改正は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四六年厚生省令第三五号。以下「規則」という。)第九条第三号及び第一〇条の三第三号に基づき、厚生大臣が再生利用の目的となる産業廃棄物及びこれを処理することが確実な者を指定し、この者について産業廃棄物処理業の許可を不要とする新たな制度を創設するものである。
 ついては、左記事項に留意の上、その運用に遺憾なきを期されたい。

第一 規則第九条第三号及び第一〇条の三第三号の趣旨並びにその内容

  規則第九条第三号及び第一〇条の三第三号の趣旨は、物の製造、加工等を行う者(以下「製造事業者等」という。)がその製品等の販売地点までの広域的な運搬システム等を活用して、当該製品等が産業廃棄物となった場合にその再生利用を容易に行えるようにするものであること。
  また、その内容は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「法」という。)第一四条第一項ただし書き及び第四項ただし書きに基づき、広域的に処理(再生を含む。以下同じ。)することが適当であり、かつ、再生利用の目的となる産業廃棄物を厚生大臣が指定し、これを適正に処理することが確実であるとして厚生大臣の指定を受けた者について、産業廃棄物処理業の許可を要しないこととしたものであること。
  なお、排出事業者等が、指定された産業廃棄物の処理を指定を受けた者に委託又は再委託する場合には法の委託基準が適用されるなど、厚生大臣の指定により法の規制の適用が除外されるものではないことに留意されたいこと。

第二 事業者の指定の方法

  1.  1 規則第九条第三号及び第一〇条の三第三号の規定に基づく指定は、これらの規定に基づく指定を受けた産業廃棄物(以下「指定産業廃棄物」という。)について、製造事業者等が中心となってその再生利用を行う場合に限り行われるものであることから、製造事業者等が指定産業廃棄物の処理に関与することを担保するため、指定産業廃棄物の収集又は運搬については、指定を受けた製造事業者等が排出事業者から指定産業廃棄物の収集又は運搬の委託を受け、必要に応じ指定を受けた者(製造事業者等を除く。)に対しその再委託を行うという形態をとることを原則とすること。従ってこの場合には、指定を受けた者(製造事業者等を除く。)については、指定を受けた製造事業者等から再委託を受ける旨が指定の際の条件として付されることとなること。
  2.  2 また、この指定は、主として指定産業廃棄物の再生利用のための収集又は運搬を容易に行えるようにするものであることから、指定産業廃棄物の処分については、原則として、製造事業者等のみを指定の対象とするものであり、製造事業者等から処分の再委託を受ける者は、都道府県知事等の許可を受けた処分業者であることを要すること。
  3.  3 したがって、事業者の指定は、原則として、収集運搬業については製造事業者等及び当該製造事業者等から指定産業廃棄物の運搬の委託を受ける者を、また、処分業については製造事業者等をまとめて一つの組として行うものであること。

第三 事業者の指定の基準

  事業者の指定は、法に基づく産業廃棄物処理業の許可制度の例外となるものであることから、厚生大臣が審査を行い、次の要件を満たしている場合であって、産業廃棄物処理業の許可を不要とすることが必要であり、かつ、適当であると判断される場合に限って行われるものであること。

  1.  ① 製造事業者等が指定産業廃棄物の再生利用に関し作成する事業計画が廃棄物の適正な処理のために適切であること。
  2.  ② 指定を受ける者が廃棄物の再生利用を確実に遂行するための組織、施設等を備えていること。ただし、製造事業者等が運搬又は処分の再委託を行い、事実上自らその運搬又は処分を行わない場合には、それぞれ運搬施設又は処分施設を備えることは要しないこと。
  3.  ③ 排出事業者から引き取られた廃棄物はすべて再生の用に供されること。
  4.  ④ 廃棄物の処理が相当数の都道府県にまたがり、広域的であること。
  5.  ⑤ 製造事業者等及び製品等をその販売地点まで運搬することを業とする者が指定産業廃棄物の処理の委託又は再委託を受ける場合には、指定産業廃棄物を無償で引き取るか、又は処理に要する適正な費用の一部であることが明らかな処理料金のみを受け取ることとされていること。
  6.  ⑥ 製造事業者等については、排出事業者との間で製品に係る取引関係が確立されており、かつ、その取引関係に継続性があること。
  7.  ⑦ 指定を受ける者が法第七条第三項第四号イからチまでのいずれにも該当しないこと。
  8.  ⑧ 指定産業廃棄物の処理により生活環境保全上の支障が生じないこと。

第四 指定の手続

  1.  1 指定は、原則として指定を受けようとする者の申請に基づき行われるものであるが、指定を受けた(又は指定を受けることが予定されている)製造事業者等から再委託を受けた場合に限って指定産業廃棄物の収集又は運搬を行うことを予定している者については、当該製造事業者等が一括して申請を行うこととすること。
       この場合、当該製造事業者等が申請を行う際には、当該再委託を受けることを予定している者の同意書(当該指定を受けることについて同意する旨を記載した文書)を添付すること。
  2.  2 指定は、審査の結果、第三の指定の基準に適合するものであることを厚生大臣が判断して行うものであること。

第五 指定を受けた者の責務等

  1.  1 厚生大臣の指定を受けた製造事業者等は、毎事業年度開始前に事業計画書を、また、毎事業年度終了後三月以内に事業報告書を厚生大臣あてそれぞれ提出しなければならないこと。その際、事業計画書等には、都道府県別の廃棄物の回収量、再委託先ごとの廃棄物の委託量、再生により得られる物及びその量等を記載する必要があるが、具体的な様式等については別途個別に指示する予定であること。
  2.  2 また、事業計画に基づく事業内容の全部若しくは一部を変更し、又は廃止しようとするときは、製造事業者等は、あらかじめ、厚生大臣に届け出なければならないこと。
  3.  3 指定を受けた者は、運搬車その他の運搬施設に当該指定を受けたことを示すステッカーその他の表示を行うこと。
  4.  4 その他厚生大臣が指定に際して付した条件を遵守すること。
  5.  5 指定を受けた者は、指定産業廃棄物の収集運搬又は処分を業とする者として、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三〇〇号)第六条の二第一号及び第二号に規定する他人の産業廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を業として行うことができる者に該当すること。
  6.  6 指定を受けた者については、法第一八条に規定する報告徴収及び第一九条に規定する立入検査の規定が適用されること。

第六 指定の取消し

  厚生大臣は、指定を受けた者が第三に掲げる基準に適合しなくなったと認めるとき又は第五の1から4までのいずれかの責務等を遵守していないと認めるときは、当該指定を取り消すことができること。

第七 関係都道府県等への通知

  厚生大臣が指定を行った者については、関係する都道府県等あて通知するので、関係する都道府県等においては、指定を受けた者による不適正処理のおそれがある場合には、必要に応じて報告徴収や立入検査を行うなどにより情報を収集し、当職あて連絡するよう御協力願いたいこと。

第八 その他

  厚生大臣による産業廃棄物及びこれを処理する者についての指定制度としては、従来、本改正前の規則第九条第三号及び第一〇条の三第三号に基づくものが設けられていたが、これらの制度は、平成六年四月一四日に施行される改正後の規則においても、それぞれ規則第九条第四号及び第一〇条の三第四号として引き続き有効であること。