法令・告示・通達

廃棄物焼却施設における適正な排水処理の徹底について

公布日:平成12年03月31日
衛環37号

(各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部局長あて厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)

 今般、神奈川県引地川下流域のダイオキシン汚染が民間事業者の産業廃棄物焼却施設に付属する排水管の接続ミスに起因することが判明し、環境庁から都道府県及びダイオキシン類対策特別措置法(平成一一年法律第一〇五号。以下「特措法」という。)第四一条第一項に規定する政令市の水質保全担当部局の長に対し、水質保全局水質規制課長通知(平成一二年三月二八日付け環水規第六〇号。別添参照)により、特措法第二条第二項に規定する特定施設の設置者に対する点検の指導等が通知されたところである。
 厚生省においては、貴職に対し、既に当職通知(平成一〇年九月二一日付け衛環第八一号)により「放流される洗煙排水及び洗煙排水を排ガスの冷却水として使用する場合の洗煙排水等について、現有の湿式洗煙装置及び洗煙排水処理施設の点検、洗煙排水が予定されていない経路で環境中に排出されていないかの確認を行うこと等により、適正な排水処理の徹底を図るよう、廃棄物焼却施設設置者に対し指導されたい」旨を通知しているところであるが、貴職におかれては、廃棄物焼却施設設置者に対する指導の一層の徹底方よろしくお願いする。
 また、平成一〇年度に環境庁が実施した緊急全国一斉調査をはじめとする各種調査の結果、比較的高濃度のダイオキシン類が検出された水域の周辺の廃棄物焼却施設については、本年一月一五日から適用されることとなったダイオキシン類に係る水質環境基準や今回の事案にかんがみ、排水処理・排出工程の再点検・再確認を指導し、必要に応じ廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号)に基づく報告徴収・立入検査を実施する等、関係機関とも連携のうえ、特に指導の徹底方よろしくお願いする。
 なお、本通知を踏まえた点検等の実施結果、点検等による問題の有無及び問題に対する対応結果について、平成一二年四月二八日(金)までに、当職あて御回答(様式自由、FAX可)されるよう、お願いする。


別表
  環境庁・平成10年度ダイオキシン類緊急全国一斉調査において
  1pg‐TEQ/Lよりも高いダイオキシン類濃度が検出された公共用水域
[単位:pg/L]

  • ・茨城県水戸市 桜川 沢渡川猩猩橋 夏 3.8
  • ・千葉県松戸市 坂川 弁天橋 夏 1.3
  • ・東京都中央区・台東区 神田川 柳橋 夏 1.2
  • ・東京都調布市 多摩川 多摩川原橋 夏 3.5
  • ・神奈川県藤沢市 引地川 富士見橋 2期平均 3.5
  • ・神奈川県横須賀市 平作川 夫婦橋 夏 2.0
  • ・神奈川県横浜市栄区 境川水系いたち川 いたち川橋 2期平均 2.5
  • ・静岡県磐田市 今之浦川 於福橋 夏 2.5
  • ・三重県津市 岩田川 観音橋 2期平均 13
  • ・京都市南区 鴨川水系 鳥羽大橋 2期平均 1.9
  • ・大阪府泉大津市 大津川上流 高津取水口 2期平均 1.1
  • ・大阪府八尾市 恩智川 福栄橋下流100m 夏 1.2
  • ・岡山県倉敷市 倉敷川 下灘橋 夏 1.2
  • ・高知県高知市 新川川 中の橋 2期平均 2.2
  • ・高知県高知市 鏡川下流 潮江橋 夏 1.6

  ダイオキシン類対策特別措置法の水質基準対象施設に係る点検等について(依頼)

(平成一二年三月二八日)
(環水規第六〇号)

(都道府県・ダイオキシン類対策特別措置法政令市水質保全担当部局長あて環境庁水質保全局水質規制課長通知)

 このたび、神奈川県藤沢市を流れる引地川においてダイオキシン類の発生源調査の過程を通じて、(株)荏原製作所藤沢工場において、不適正な排水の排出が行われていることが明らかとなった。
 これは、当該工場における廃棄物焼却施設の施工時に、誤った排水管の接続が行われたことによるものであり、平成一二年三月二四日、同社は焼却施設の運転を停止、施設の改善等を行う旨、発表したところである。
 現在、神奈川県及び藤沢市によって、引地川におけるダイオキシン類の汚染原因の確定についての調査が鋭意進められているところであるが、このたび明らかとなった不適正な排水の排出は、公共用水域におけるダイオキシン類及びその他の水質汚濁物質の水質汚濁の原因となりかねないばかりでなく、その周辺住民の健康に重大な影響を及ぼしかねないものである。
 このため、ダイオキシン類等に係る水質汚濁を未然に防止する観点から、特に、ダイオキシン類対策特別措置法の水質基準対象施設について、各事業者による汚水等の排出経路の点検が実施されるよう、指導方お願いする。
 あわせて、平成一〇年度に実施した緊急全国一斉調査をはじめとする各種調査の結果、水質環境基準に照らして比較的高濃度のダイオキシン類が検出された水域について、関係機関と連携を図りつつ、その発生源の解明を急がれるようお願いする。
 なお、本通知を踏まえた点検の実施結果、点検による問題の有無、問題に対する対応結果及び発生源解明に係る検討状況について、平成一二年四月二八日(金)までに、本職あて回答(様式自由、FAX可)されるよう、お願いする。