法令・告示・通達
特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法
厚生省告示192号
[改正]
平成07年03月28日 厚生省告示第53号
平成10年08月27日 厚生省告示第222号
平成11年09月10日 厚生省告示第193号
平成12年01月14日 厚生省告示第6号
平成12年09月29日 厚生省告示第333号
平成12年12月28日 厚生省告示第633号
平成15年03月03日 環境省告示第14号
平成16年04月28日 環境省告示第31号
平成25年02月21日 環境省告示第9号
平成27年12月21日 環境省告示第140号
平成27年12月25日 環境省告示第146号
平成31年03月20日 環境省告示第46号
令和01年12月27日 環境省告示第41号
令和02年03月30日 環境省告示第35号
令和07年03月11日 環境省告示第22号
令和07年07月28日 環境省告示第63号
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)第一条の二第二十四項の規定に基づき、特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法を次のように定め、平成四年七月四日から適用する。
- 一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号。以下「規則」という。)第一条第六項並びに第一条の二第七項、第十一項、第十三項及び第十六項に掲げる基準(規則第一条の二第七項、第十一項及び第十三項に掲げるものについては、ダイオキシン類(ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)第二条第一項に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)に係るものに限る。)の検定方法は、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める方法によるものとする。
- イ ばいじん、燃え殻又は汚泥 別表第一に定める方法
- ロ 廃酸又は廃アルカリ 日本産業規格K〇三一二に規定する方法
- 二 規則第一条の二第二項及び第三項に掲げる基準の検定方法は、日本産業規格K〇一〇二一一の十二に定める方法によるものとする。
- 三 規則第一条の二第四項に掲げる基準の検定方法は、廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したものについて次のイからトまでに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イからトまでに定める方法によるものとする。
- イ 廃油(「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の処分又は再生の方法として環境大臣が定める方法」(平成四年七月厚生省告示第百九十四号。以下「処理方法告示」という。)第六号に規定する方法により処分又は再生したものに限る。) 別表第二に定める方法
- ロ 廃油(処理方法告示第九号に規定する方法により処分又は再生した場合(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有する洗浄液(以下「洗浄液」という。)を循環させて洗浄した場合及び洗浄液に浸漬して洗浄した場合に限る。)における当該処分又は再生に係る洗浄液に限る。) 別表第三の第一に定める方法
- ハ 廃酸又は廃アルカリ 「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」(昭和四十八年二月環境庁告示第十三号。以下「検定方法告示」という。)に定める方法
- ニ 紙くず、木くず又は繊維くず(処理方法告示第七号又は第十号に規定する方法のうち、洗浄設備又は分離設備を用いる方法により、処分し、又は再生したものに限る。) 別表第四に定める方法
- ホ 廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くず(処理方法告示第八号又は第十一号に規定する方法のうち、洗浄設備を用いる方法により、処分し、又は再生したものに限る。) 別表第三の第一又は第二若しくは第三(水系洗浄の場合にあっては、同表の第二又は第三)に定める方法
- ヘ 金属くず又は陶磁器くず(処理方法告示第八号又は第十一号に規定する方法のうち、分離設備を用いる方法により、処分し、又は再生したものに限る。) 別表第三の第二又は第三に定める方法
- ト 廃油、廃酸、廃アルカリ、紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くず以外 検定方法告示に定める方法(埋立処分に係る方法に限る。)
- 四 規則第一条の二第七項、第八項及び第十項から第十三項までに掲げる基準(規則第一条の二第七項、第十一項及び第十三項に掲げるものについては、ダイオキシン類に係るものを除く。)の検定方法は、検定方法告示に定める方法によるものとする。この場合において、検定しようとする産業廃棄物が燃え殻、汚泥、鉱さい、ばいじん又はこれらの廃棄物を処分するために処理したものであるときは、検定方法告示中埋立処分を行おうとするこれらの産業廃棄物についての規定を適用し、検定しようとする産業廃棄物が廃酸又は廃アルカリであるときは、検定方法告示中海洋投入処分に係るこれらの産業廃棄物についての規定を適用する。この方法により検定しようとする産業廃棄物が廃酸又は廃アルカリであるときは、検定方法告示第二の規定によるカドミウム又はその化合物に係る検定方法告示第一の二及び三に掲げる検液の検定にあっては、検定方法告示第二の表第三号下欄ロの規定にかかわらず日本産業規格K〇一〇二一三の十四に定める方法により行うこととする。
別表第一(第一号関係)
(1) 試料採取
施設から排出される試料として代表的な試料を採取する。ばいじん及び燃え殻が分離して排出される焼却施設においては、ばいじん及び燃え殻をそれぞれ採取する。この場合において、焼却施設内でばいじん又は燃え殻を処理するときは、ばいじん又は燃え殻を処理したものを採取する。
- ア 排出ピット等から、シャベル、スコップ等の採取具を用いて数箇所から採取し、容器(アルミ製バット等のダイオキシン類の吸着のない材質製のものに限る。)に移し入れ、異物を取り除き、十分に均一化する。
- イ 均一化した試料を保存容器(ガラス製等のダイオキシン類の吸着のない材質製のものであって、密封できるものに限る。)に入れる。採取量は、試料の調製後に150g程度の試料を確保できる量とする。
- ウ 保存容器を密封し、遮光された容器に収納する。
(2) 試料の前処理
ア 試薬
日本産業規格K0311の6.2に規定するものを用いる。
イ 器具及び装置
日本産業規格K0311の6.3に規定するものを用いる。
ウ 試料の調製
- (ア) 灰試料の場合は、5mmの目のふるいを用いてふるい分けし、風乾後、乳鉢中で均一にすりつぶして混合する。
- (イ) 固形物試料の場合は、試料を粒径2mm程度以下まで粉砕する。
- (ウ) 汚泥の場合は、試料を湿潤のまま秤量する。
- (エ) 採取した試料を(ア)から(ウ)までに従い調製し、その一部を用いて分析試料の含水率を求め、記録する。試料5g以上をはかり取り、105℃以上110℃以下で約2時間乾燥する。デシケーター内で放冷後、秤量する。その重量の差から、含水率を算出する。含水率の算出に用いた分析試料はダイオキシン類分析に使用しない。
- (オ) 調製した試料10g以上をビーカーに秤取し分析する。
エ 抽出及び内標準物質の添加
- (ア) ウの操作で得られた試料について、日本産業規格K0311の6.4.2a)に規定する方法により塩酸処理、洗浄及び風乾を行い、日本産業規格K0311の6.4.1に規定する方法により、ろ紙上の残さにクリーンアップスパイク用内標準物質を添加し、ソックスレー抽出又はこれと同等の抽出方法で抽出する。
- (イ) (ア)の操作で得られた塩酸溶液及びメタノール又はアセトン洗浄液を分液漏斗に入れ、クリーンアップスパイク用内標準物質を添加し、溶液1l当たりトルエン又はジクロロメタン100mlで回、液―液振とう抽出を行い、硫酸ナトリウムを用いて脱水する。
- (ウ) (ア)及び(イ)の操作で得られた抽出液を合わせて、一定量とし、抽出液とする。ただし、試料中のPCDDs・PCDFs又はCo―PCBsの濃度が予想できず、(ア)の操作から再度行う可能性が考えられる場合には、試料からの抽出操作によって得られた抽出液を一定量にした後、その適量を正確に分取してから、クリーンアップスパイク用内標準物質を添加してもよい。
オ 前処理
- (ア) エの(ウ)の操作で得られた抽出液について、日本産業規格K0311の6.4.5に規定する方法により濃縮操作を行い、日本産業規格K0311の6.4.6に規定する方法により、硫酸処理―シリカゲルカラムクロマトグラフ操作又は多層シリカゲルカラムクロマトグラフ操作のいずれかの方法により妨害物質を取り除く。
- (イ) 日本産業規格K0311の6.4.7に規定する方法によりその他の精製操作を行い、測定用試料とする。
(3) 同定及び定量
ア 測定手順
日本産業規格K0311の7に規定する方法(サンプリングスパイクに係る部分を除く。)により、ダイオキシン類の定量を行う。
イ 相対感度の算出
ダイオキシン類標準溶液を高分離能ガスクロマトグラフに注入して得られたクロマトグラムから、塩素化物の種類ごとに、次に掲げる式によって相対感度(以下「RR」という。)を算出する。
RR=(AS/AIS)/(CIS/CS)
(この式において、AS、AIS、CIS及びCSは、それぞれ次の数値を表すものとする。
- AS ダイオキシン類標準物質のクロマトグラムのピーク面積
- AIS クリーンアップスパイク用内標準物質のクロマトグラムのピーク面積
- CIS ダイオキシン類標準溶液中のクリーンアップスパイク用内標準物質の量(pg)
- CS ダイオキシン類標準溶液中のダイオキシン類標準物質の濃度)(pg)
ウ ダイオキシン類の定量
- (ア) (2)のオで得られた測定用試料を高分離能ガスクロマトグラフに注入して得られたクロマトグラムから、塩素化物の種類ごとに、次に掲げる式によって試料中の濃度を算出する。
Ci=(AS/AIS)/(IIS/RR)×(1/W)
(この式において、Ci、AS、AIS、IIS及びWは、それぞれ次の数値を表すものとする。- Ci 試料中の当該塩素合物の濃度(ng/g)
- AS 当該塩素化物のクロマトグラムのピーク面積
- AIS 当該塩素化物に対応するクリーンアップスパイク用内標準物質のクロマトグラムのピーク面積
- IIS 試料に添加したクリーンアップスパイク用内標準物質の量(ng)((2).エ.(ウ)において抽出液から一定量を分取してクリーンアップスパイク用内標準物質を添加した場合には、分取率から補正した量を用いる)
- W 試料量((2).ウ.(エ)で算出した含水率で補正した量)(g))
- (イ) クリーンアップスパイク用内標準物質の回収率が50%以上120%以下の範囲内であることを確認し、回収率が範囲外であるときは、再度前処理を行い再測定する。
エ 毒性等量への換算
次に掲げる式により試料中のダイオキシン類の濃度を2,3,7,8―テトラクロロジベンゾ―パラ―ジオキシンの毒性に換算する。この場合において、それぞれの塩素化物の濃度が定量下限未満であるときは、当該塩素化合物の濃度は0として計算する。
C=Σ(Ci×TEFi)
(この式において、C、Ci、TEFiは、それぞれ次の数値を表すものとする。
- C ダイオキシン類の毒性等量(ng-TEQ/g)
- Ci 3の(3)のアで得られた塩素化物の種類ごとの濃度(ng/g)
- TEFi ダイオキシン類対策特別措置法施行規則(平成11年総理府令第67号)別表第三の中欄に掲げる塩素化物ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げる係数)
別表第二(第三号イ関係)
(1) 試薬(PCBの分析に妨害を生じないものに限る。)
- ア ヘキサン
- イ トルエン
- ウ トルエン(体積分率10%)を含むヘキサン溶液
- エ ジメチルスルホキシド(以下「DMSO」という。)
- オ ヘキサン飽和のDMSO
- カ ヘキサン洗浄水
蒸留水をヘキサンで十分に洗浄したもの - キ 水酸化カリウム
- ク 2mol/l水酸化カリウム水溶液
- ケ 硫酸ナトリウム(無水)
- コ 濃硫酸
- サ シリカゲル
メタノールで洗浄したカラムクロマトグラフ用シリカゲルを、層の厚さが10mm以下になるようにビーカーに入れ、約130℃で18時間乾燥させた後、デシケーター内で放冷したもの - シ デカン
- ス 水酸化カリウム(質量分率2%)を含むシリカゲル
シリカゲルに1mol/l水酸化カリウム水溶液を加え、ロータリーエバポレーターを用いて約50℃で減圧脱水し水分を除去した後、80℃で1時間減圧脱水し、粉末状にしたものであって、シリカゲルに対して水酸化カリウムを質量分率2%となるよう調製したもの - セ 硫酸(質量分率44%)を含むシリカゲル
シリカゲルに濃硫酸を質量分率44%となるように加え、十分振とうし、粉末状にしたもの - ソ 硫酸(質量分率22%)を含むシリカゲル
シリカゲルに濃硫酸を質量分率22%となるように加え、十分振とうし、粉末状にしたもの - タ 40%硝酸銀水溶液
- チ 硝酸銀(質量分率10%)を含むシリカゲル
シリカゲルに40%硝酸銀水溶液を加え、ロータリーエバポレーターを用いて約50℃で減圧脱水し水分を除去した後、80℃で1時間減圧脱水し、粉末状にしたものであって、シリカゲルに対して硝酸銀を質量分率10%となるよう調製したもの - ツ 校正用標準物質
ペルフルオロケロセン(PFK)などの質量分析用高沸点成分であるもの - テ PCB標準物質
塩素化物のうち4―MoCB、2,4'―DiCB、2,4,4'―TriCB、2,2',5,5'―TeCB、2,2',4,5,5'―PeCB、2,3',4,4',5―PeCB、2,2',3,4,4',5'―HxCB、2,2',4,4',5,5'―HxCB、2,2',3,4,4',5,5'―HpCB、2,2',3,3',4,4',5,5'―OcCB、2,2',3,3',4,4'5,5',6―NoCB及び2,2',3,3',4,4',5,5',6,6'―DeCB - ト クリーンアップスパイク用標準物質
PCB標準物質のC(13)体 - ナ PCB標準溶液
PCB標準物質及びクリーンアップスパイク用標準物質をノナン、デカン、トルエン又は2,2,4-トリメチルペンタンに溶かしたもので、クリーンアップスパイク用標準物質の濃度が40pg/μl以上100pg/μl以下程度で一定であり、PCB標準物質の濃度が0.5pg/μl以上1ng/μl以下の範囲内で5段階となるよう設定したもの - ニ PCB同定用物質
試験用PCBのKC―300、KC―400、KC―500及びKC―600を重量比1対1対1対1の割合で混合したもの
(2) 器具及び装置(試薬とともに空試験を行い、PCBの分析に影響を及ぼす妨害成分を含まないことが確認されたものに限る。)
- ア 試験管
容量が10ml及び20mlのもの - イ ナス型フラスコ
容量が300ml又は500mlのもの - ウ 分液漏斗
容量が300mlのもの - エ 漏斗
- オ カラムクロマトグラフ用ガラス管(以下「クロマト管」という。)
内径10mm及び長さ300mm並びに内径15mm及び長さ300mmのコック付きガラス管 - カ マイクロピペット又はホールピペット
- キ 駒込ピペット
- ク 濃縮器
クデルナダニッシュ濃縮器又はロータリーエバポレーター - ケ 高分離能ガスクロマトグラフ
- (ア) 試料導入部
- スプリットレス方式で温度を250℃以上300℃以下にできるもの又はオンカラム方式で温度を150℃以上300℃以下にできるもの
- (イ) カラム
- 内径0.25mm以上0.32mm以下及び長さ25m以上60m以下のキャピラリーカラム(PCB塩素化合物の溶出順位の判明しているものに限る。)
- (ウ) キャリアーガス
- 純度99.999%以上のヘリウム又は水素
- (エ) カラム温度
- 80℃以上300℃以下の間で温度を一定に保つことができ、1分間に20℃以上の昇温ができるもの
- コ 高分解能質量分析計
次の条件を満たしているもの- (ア) 二重収束形で、10,000以上の分解能で測定できるものであって、校正用標準試料を用いたロックマス方式による選択イオンモニタリング法(以下「SIM法」という。)で測定できるもの
- (イ) イオン源温度を250℃以上に保つことができ、電子イオン化方式が可能で、SIM法における磁場の周期を最大1秒以上にできるもの
- (ウ) TeCBのうち1種類のPCB塩素化物の標準溶液を高分離能ガスクロマトグラフに注入し、0.2pgのTeCBを検出できるもの
(3) 測定手順
- ア 次に掲げる操作により抽出を行う。
- (ア) 試料約1gを秤量し、ヘキサン20ml又はトルエン(体積分率10%)含むヘキサン混合液20mlに溶かす。このうち2mlを分取し、(1)テに掲げるPCB標準物質ごとにクリーンアップスパイク用標準物質1ngを加える。
- (イ) 分液漏斗にヘキサン飽和のDMSO25mlを入れ、これに(ア)の操作で得られた試料を8mlのヘキサンで洗浄しながら移し入れ、振とう抽出を4回行って得られた合計約100mlのDMSO抽出液に、ヘキサン40mlを加え、残存する油分を除去する。
- (ウ) 分液漏斗にヘキサン75ml及びヘキサン洗浄水100mlを入れ、(イ)の操作で得られたDMSO抽出液約100mlを加え、振とう抽出を3回行う。
- (エ) (ウ)の操作で得られた合計約225mlのヘキサンを分液漏斗に入れ、2mol/l水酸化カリウム水溶液10mlによる洗浄を行う。さらに、水25mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で1mlに濃縮する。
- イ 次のいずれかの方法により前処埋を行う。なお、いずれの方法による場合であっても、クリーンアップスパイク用標準物質が十分に回収されていることを確認すること。
- (ア) ア(エ)の操作で得られた濃縮液をヘキサン50ml以上150ml以下で洗浄しながら分液漏斗に移し入れ、濃硫酸を適量加える。穏やかに振とうし、静置した後、硫酸層を除去する。この操作を硫酸層の着色が薄くなるまで繰り返す。ヘキサン層をヘキサン洗浄水50mlずつでほぼ中性になるように洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で約5mlに濃縮し、更に窒素気流により約1mlに濃縮する。内径10mm及び長さ300mmのクロマト管にシリカゲル3gをヘキサンで湿式充てんし、その上に硫酸ナトリウム(無水)を約10mm重層する。受器をクロマト管下端においた後、得られた試料を濃縮器からクロマト管に移し入れ、ヘキサン150mlを流下させて流出液を得る。流出液は濃縮器で約5mlに濃縮し、デカン又はトルエン100μlを加えた後、窒素気流により約100μlに濃縮する。
- (イ) 内径15mm及び長さ300mmのクロマト管にシリカゲル0.9g、水酸化カリウム(質量分率2%)を含むシリカゲル3g、シリカゲル0.9g、硫酸(質量分率44%)を含むシリカゲル4.5g、硫酸(質量分率22%)を含むシリカゲル6g、シリカゲル0.9g、硝酸銀(質量分率10%)を含むシリカゲル3g及び硫酸ナトリウム(無水)6gを順次充てんし、ヘキサンで充てん剤を十分洗浄する。受器をクロマト管下端においた後、ア(エ)の操作で得られた濃縮液をクロマト管に移し入れ、ヘキサン120mlを流下させて流出液を得る。流出液は、濃縮器で約5mlに濃縮し、デカン又はトルエン100μlを加えた後、窒素気流により約100μlに濃縮する。
- ウ PCB標準溶液を高分離能ガスクロマトグラフに注入し、得られたクロマトグラムから、PCB塩素化物の種類ごとに、次に掲げる式によって相対感度(以下「RR」という。)を算出する。PCB塩素化物のうち5塩素化物及び6塩素化物のRRについては、2種類の標準物質のクロマトグラムから算出されたRRの平均値とする。
RR=(AS/AIS)×(CIS×CS)
(この式において、AS、AIS、CIS及びCSはそれぞれ次の数値を示すものとする。- AS PCB標準物質のクロマトグラムのピーク面積
- AIS クリーンアップスパイク用標準物質のクロマトグラムのピーク面積
- CIS PCB標準溶液中のクリーンアップスパイク用内標準物質の量(pg)
- CS PCB標準溶液中のPCB標準物質の濃度)(pg)
- エ イの操作で得られた濃縮液を高分離能ガスクロマトグラフに注入し、得られたクロマトグラムから、PCB塩素化物の種類ごとに、次に掲げる式によって試料中の濃度を算出する。なお、PCB塩素化物の同定に当たっては、相対溶出時間及びピークにおける同位体比がPCB標準物質及びPCB同定用物質のものとほぼ同等であること。
C=(AS/AIS)×(IS/RR)×(1/W)
(この式において、C、AS、AIS、IS及びWはそれぞれ次の数値を表すものとする。- C 当該塩素化物の濃度(ng/g)
- AS 当該塩素化物のクロマトグラムのピーク面積
- AIS 当該塩素化物に対応するクリーンアップスパイク用標準物質のクロマトグラムのピーク面積
- IS 試料に添加したクリーンアップスパイク用内標準物質の量(ng)
- W 試料量(別表第一(2).ウ.(エ)で算出した含水率で補正した量)(g))
- オ 廃油中のPCB濃度は、エで得られた塩素化物の濃度の総和とする。
- カ 廃油中のPCB濃度の算出に当たっては、同様の試験操作を行った空試験の結果が試料の測定値に影響しないレベルであることを確認すること。
別表第三(第三号ロ、ホ及びヘ関係)
第一 洗浄液試験法
(1) 試薬(PCBの分析に妨害を生じないものに限る。)
- ア ヘキサン
- イ トルエン
- ウ トルエン(体積分率10%)を含むヘキサン混合溶液
- エ DMSO
- オ ヘキサン飽和のDMSO
- カ ヘキサン洗浄水
蒸留水をヘキサンで十分に洗浄したもの - キ 2mol/l水酸化カリウム水溶液
- ク 硫酸ナトリウム(無水)
- ケ 濃硫酸
- コ シリカゲル
メタノールで洗浄したカラムクロマトグラフ用シリカゲルを、層の厚さが10mm以下になるようにビーカーに入れ、約130℃で18時間乾燥させた後、デシケーター内で放冷したもの
(2) 器具及び装置(試薬とともに空試験を行い、PCBの分析に影響を及ぼす妨害成分を含まないことが確認されたものに限る。)
- ア 分液漏斗
- イ 濃縮器
- ウ フラスコ
- エ 漏斗
- オ ピペット
- カ クロマト管
内径10mm及び長さ300mmのコック付きガラス管
(3) 試験操作
ア 試料溶液の調製
洗浄液1gをヘキサンで希釈した溶液5ml又は洗浄液5mlを試料溶液とする。
イ ガスクロマトグラフによる分析
アで得られた試料溶液「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月環境庁告示第59号。以下「水質環境基準」という。)の付表4の3(7)に定める方法によりガスクロマトグラフに注入して分祈し、次に掲げる式により洗浄液中のPCB濃度(mg/kg)を求める。
PCB濃度(mg/kg)=PCB標準液の濃度(mg/l)×(PCB標準液注入量(μl)/試料溶液注入量(μl))×(ΣCB2(%)/ΣCB0(%))×(試料溶液の量(ml)/試料採取量(g))
備考
洗浄液に含まれる油分等の妨害物質により分析に支障を与えるおそれがある場合には、以下により前処理を行った上で試料溶液とする。
ア DMSO分配
- (ア) 試料として採取した洗浄液1gをヘキサン20ml又はトルエン(体積分率10%)を含むヘキサン混合液20mlで希釈する。
- (イ) 分液漏斗にヘキサン飽和のDMSO25mlを入れ、これに(ア)の試料20mlを加え、振とう抽出を4回行って得られた合計約100mlのDMSO抽出液に、ヘキサン40mlを加え、残存する油分を除去する。
- (ウ) 分液漏斗にヘキサン75ml及びヘキサン洗浄水100mlを入れ、(イ)の操作で得られたDMSO抽出液約100mlを加え、振とう抽出を3回行う。
- (エ)(ウ)の操作で得られた合計約225mlのヘキサンを分液漏斗に入れ、2mol/l水酸化カリウム水溶液10mlによる洗浄を行う。さらに、水25mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で1mlに濃縮する。
イ 硫酸処理及びシリカゲルカラムクロマトグラフ処理
- (ア) ア(エ)の操作で得られた濃縮液をヘキサン50ml以上150ml以下で洗浄しながら分液漏斗に移し入れ、濃硫酸を適量加える。穏やかに振とうし、静置した後、硫酸層を除去する。この操作を硫酸層の着色が薄くなるまで繰り返す。
- (イ) ヘキサン層をヘキサン洗浄水50mlずつでほぼ中性になるように洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で約5mlに濃縮し、更に窒素気流により約1mlに濃縮する。
- (ウ) クロマト管にシリカゲル3gをヘキサンで湿式充てんし、その上に硫酸ナトリウム(無水)を約10mm重層する。これに(イ)の操作で得られた濃縮液を移し入れ、ヘキサン150mlを流下させて流出液を得る。
- (エ) 流出液は濃縮器で約5mlに濃縮し、必要に応じて更に濃縮する。
(4) 判定
(3)で求めた洗浄液中のPCB濃度が0.5mg/kg以下であること。
備考
この試験方法における用語、試薬、器具及び装置その他の事項でこの試験方法に定めがないものについては、水質環境基準の付表4に定めるところによる。
第二 拭き取り試験法
(1) 試薬(PCBの分析に妨害を生じないものに限る。)
- ア ヘキサン
- イ DMSO
- ウ ヘキサン飽和のDMSO
- エ ヘキサン洗浄水
蒸留水をヘキサンで十分に洗浄したもの - オ 2mol/l水酸化カリウム水溶液
- カ 硫酸ナトリウム(無水)
- キ 濃硫酸
- ク シリカゲル
メタノールで洗浄したカラムクロマトグラフ用シリカゲルを、層の厚さが10mm以下になるようにビーカーに入れ、約130℃で18時間乾燥された後、デシケーター内で放冷したもの - ケ 脱脂綿
- コ ガラス繊維
(2) 器具及び装置(試薬とともに空試験を行い、PCBの分析に影響を及ぼす妨害成分を含まないことが確認されたものに限る。)
- ア 分液漏斗
- イ 濃縮器
- ウ フラスコ
- エ 漏斗
- オ ピペット
- カ クロマト管
内径10mm及び長さ300mmのコック付きガラス管
(3) 試験操作
ア 試料の採取
ヘキサンを染み込ませた脱脂綿等により廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くずの表面500cm2を拭き取る。
イ 抽出
- (ア) フラスコにアで得られた脱脂綿等を入れ、更にヘキサン50mlを加え、激しく振とうし、静置した後、ガラス繊維を敷いた漏斗でろ過し、ろ液を別のフラスコに入れる。
- (イ) フラスコ内容物をヘキサン20mlずつで3回洗い、洗浄液をろ過して、(ア)の操作で得られたろ液と混ぜ、これを濃縮器で25mlに濃縮する。
ウ DMSO分配
- (ア) 分液漏斗にヘキサン飽和のDMSO25mlを入れ、これにイの操作で得られた試料を加え、振とう抽出を4回行って得られた合計約100mlのDMSO抽出液に、ヘキサン40mlを加え、残存する油分を除去する。
- (イ) 分液漏斗にヘキサン75ml及びヘキサン洗浄水100mlを入れ、(ア)の操作で得られたDMSO抽出液約100mlを加え、振とう抽出を3回行う。
- (ウ) (イ)の操作で得られた合計約225mlのヘキサンを分液漏斗に入れ、2mol/l水酸化カリウム水溶液10mlによる洗浄を行う。さらに、水25mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で1mlに濃縮する。
エ 硫酸処理及びシリカゲルカラムクロマトグラフ処理
- (ア) ウ(ウ)の操作で得られた濃縮液をヘキサン50ml以上150ml以下で洗浄しながら分液漏斗に移し入れ、濃硫酸を適量加える。穏やかに振とうし、静置した後、硫酸層を除去する。この操作を硫酸層の着色が薄くなるまで繰り返す。
- (イ) ヘキサン層をヘキサン洗浄水50mlずつでほぼ中性になるように洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で約5mlに濃縮し、更に窒素気流により約1mlに濃縮する。
- (ウ) クロマト管にシリカゲル3gをヘキサンで湿式充てんし、その上に硫酸ナトリウム(無水)を約10mm重層する。これに(イ)の操作で得られた濃縮液を移し入れ、ヘキサン150mlを流下させて流出液を得る。
- (エ) 流出液は濃縮器で約5mlに濃縮し、必要に応じて更に濃縮する。
オ ガスクロマトグラフによる分析
エの操作で得られた試料溶液を水質環境基準の付表4の3(7)に定める方法によりガスクロマトグラフに注入して分析し、次に掲げる式により廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くずへのPCBの付着量(μg/100cm2)を求める。
PCB表面付着量(μg/100cm2)=PCB標準液の濃度(mg/l)×PCB標準液注入量(μl)/試料溶液注入量(μl)×ΣCB2(%)/ΣCB0(%)×試料溶液の量(ml)/試料採取面積(cm2)×100
(4) 判定
(3)で求めた廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くずへのPCBの付着量が0.1μg/100cm2以下であること。
備考
この試験方法における用語、試薬、器具及び装置その他の事項でこの試験方法に定めがないものについては、水質環境基準の付表4に定めるところによる。
第三 部材採取試験法
(1) 試薬(PCBの分析に妨害を生じないものに限る。)
- ア ヘキサン
- イ DMSO
- ウ ヘキサン飽和のDMSO
- エ ヘキサン洗浄水
蒸留水をヘキサンで十分に洗浄したもの - オ 2mol/l水酸化カリウム水溶液
- カ 硫酸ナトリウム(無水)
- キ 濃硫酸
- ク シリカゲル
メタノールで洗浄したカラムクロマトグラフ用シリカゲルを、層の厚さが10mm以下になるようにビーカーに入れ、約130℃で18時間乾燥させた後、デシケーター内で放冷したもの - ケ ガラス繊維
(2) 器具及び装置(試薬とともに空試験を行い、PCBの分析に影響を及ぼす妨害成分を含まないことが確認されたものに限る。)
- ア 分液漏斗
- イ 濃縮器
- ウ フラスコ
- エ 漏斗
- オ ピペット
- カ クロマト管
内径10mm及び長さ300mmのコック付きガラス管
(3) 試験操作
ア 試料の採取
PCB汚染物から体積約1cm3以下の直方体約50gを切り取り、これらを秤量し、試験試料とする。
イ 抽出
- (ア) フラスコにアで得られた試験試料を入れ、更にヘキサン50ml(試料の容量に応じて増加させる)を加え、超音波洗浄器等を用いて十分に抽出し、ガラス繊維を敷いた漏斗でろ過し、ろ液を別のフラスコに入れる。
- (イ) フラスコ内容物をヘキサン20mlずつで3回洗い、洗浄液をろ過して、(ア)の操作で得られたろ液と混ぜ、これを濃縮器で25mlに濃縮する。
ウ DMSO分配
- (ア) 分液漏斗にヘキサン飽和のDMSO25mlを入れ、これにイの操作で得られた試料を加え、振とう抽出を4回行って得られた合計約100mlのDMSO抽出液に、ヘキサン40mlを加え、残存する油分を除去する。
- (イ) 分液漏斗にヘキサン75ml及びヘキサン洗浄水100mlを入れ、(ア)の操作で得られたDMSO抽出液約100mlを加え、振とう抽出を3回行う。
- (ウ) (イ)の操作で得られた合計約225mlのヘキサンを分液漏斗に入れ、2mol/l水酸化カリウム水溶液10mlによる洗浄を行う。さらに、水25mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で1mlに濃縮する。
エ 硫酸処理及びシリカゲルカラムクロマトグラフ処理
- (ア) ウ(ウ)の操作で得られた濃縮液をヘキサン50ml以上150ml以下で洗浄しながら分液漏斗に移し入れ、濃硫酸を適量加える。穏やかに振とうし、静置した後、硫酸層を除去する。この操作を硫酸層の着色が薄くなるまで繰り返す。
- (イ) ヘキサン層をヘキサン洗浄水50mlずつでほぼ中性になるように洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で約5mlに濃縮し、更に窒素気流により約1mlに濃縮する。
- (ウ) クロマト管にシリカゲル3gをヘキサンで湿式充てんし、その上に硫酸ナトリウム(無水)を約10mm重層する。これに(イ)の操作で得られた濃縮液を移し入れ、ヘキサン150mlを流下させて流出液を得る。
- (エ) 流出液は濃縮器で約5mlに濃縮し、必要に応じて更に濃縮する。
オ ガスクロマトグラフによる分析
エの操作で得られた試料溶液を水質環境基準の付表4の3(7)に定める方法によりガスクロマトグラフに注入して分析し、次に掲げる式により廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くずへのPCBの付着量(mg/kg)を求める。
PCB部材付着量(mg/kg)=PCB標準液の濃度(mg/l)×PCB標準液注入量(μl)/試料溶液注入量(μl)×ΣCB2(%)/ΣCB0(%)×試料溶液の量(ml)/試料採取量(g)
(4) 判定
(3)で求めた廃プラスチック類、金属くず又は陶磁器くずへのPCBの付着量が0.01mg/kg以下であること。
備考
この試験方法における用語、試薬、器具及び装置その他の事項でこの試験方法に定めがないものについては、水質環境基準の付表4に定めるところによる。
別表第四(第三号ニ関係)
(1) 試薬(PCBの分析に妨害を生じないものに限る。)
- ア ヘキサン
- イ アセトン
- ウ トルエン
- エ DMSO
- オ ヘキサン飽和のDMSO
- カ ヘキサン洗浄水
蒸留水をヘキサンで十分に洗浄したもの - キ 2mol/l水酸化カリウム水溶液
- ク 硫酸ナトリウム(無水)
- ケ 濃硫酸
- コ シリカゲル
メタノールで洗浄したカラムクロマトグラフ用シリカゲルを、層の厚さが10mm以下になるようにビーカーに入れ、約130℃で18時間乾燥させた後、デシケーター内で放冷したもの
(2) 器具及び装置(試薬とともに空試験を行い、PCBの分析に影響を及ぼす妨害成分を含まないことが確認されたものに限る。)
- ア 分液漏斗
- イ 濃縮器
- ウ 振とう機
- エ メンブレンフィルタ
- オ フラスコ
- カ 漏斗
- キ ピペット
- ク クロマト管
内径10mm及び長さ300mmのコック付きガラス管
(3) 試験操作
ア 検液の作成
- (ア) 試料は、その長さが溶出容器の内径以下となるように裁断したものとする。ただし、木くずは裁断後、ステンレス製の2mmの目のふるいを用いてふるい分けしたものとする。
- (イ) (ア)の試料と溶媒(純水に水酸化ナトリウム又は塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)とを重量体積比10%の割合で容器(硬質ガラス製のもの等PCBの分析に影響を及ぼすおそれのないものに限る。)内において混合し、かつ、その混合液が200ml以上となるようにしたものとする。
- (ウ) (イ)で得られた混合液について、調製後30分以内に、あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整した振とう機を用いて、6時間連続して振とうする。
- (エ) (ウ)の操作で得られた混合液について、(ウ)の操作終了後1時間以内に、孔径0.45μmのメンブレンフィルタを用いてろ過する。
イ 抽出
- (ア) 分液漏斗にア(エ)の操作で得られたろ液及びろ液の入っていた容器の内壁をヘキサン50mlで洗浄した洗液を加え(懸濁物が非常に多い試料の場合は、アセトン50mlを加える。)、約10分間振り混ぜた後、ヘキサン層と水層が十分に分離するまで静置する(エマルジョンが生ずる場合は、硫酸を数滴加えて振り混ぜる。)。水層を別の分液漏斗に移し、水層に再びヘキサン50mlを加えて同様に抽出を行い、分離したヘサキン層と先のヘキサン層を混合する。
- (イ) (ア)の操作で得られたヘキサン層を硫酸ナトリウム(無水)約10gを用いて脱水した後、濃縮器を用いて25mlに濃縮する。
ウ DMSO分配
- (ア) 分液漏斗にヘキサン飽和のDMSO25mlを入れ、これにイの操作で得られた濃縮液を加え、振とう抽出を4回行って得られた合計約100mlのDMSO抽出液に、ヘキサン40mlを加え、残存する油分を除去する。
- (イ) 分液漏斗にヘキサン75ml及びヘキサン洗浄水100mlを入れ、(ア)の操作で得られたDMSO抽出液約100mlを加え、振とう抽出を3回行う。
- (ウ) (イ)の操作で得られた合計約225mlのヘキサンを分液漏斗に入れ、2mol/l水酸化カリウム水溶液10mlによる洗浄を行う。更に、水25mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で1mlに濃縮する。
備考
炭化水素類等が大量に入ってくることのない試料については、DMSO分配は省略することができる。
エ 硫酸処理及びシリカゲルカラムクロマトグラフ処理
- (ア) ウ(ウ)の操作で得られた濃縮液をヘキサン50ml以上150ml以下で洗浄しながら分液漏斗に移し入れ、濃硫酸を適量加える。穏やかに振とうし、静置した後、硫酸層を除去する。この操作を硫酸層の着色が薄くなるまで繰り返す。
- (イ) ヘキサン層をヘキサン洗浄水50mlずつでほぼ中性になるように洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で脱水した後、濃縮器で約5mlに濃縮し更に窒素気流により約1mlに濃縮する。
- (ウ) クロマト管にシリカゲル3gをヘキサンで湿式充てんし、その上に硫酸ナトリウム(無水)を約10mm重層する。これに(イ)の操作で得られた濃縮液を移し入れ、ヘキサン150mlを流下させて流出液を得る。
- (エ) 流出液は濃縮器で約1mlに濃縮し、必要に応じて更に濃縮する。
オ ガスクロマトグラフによる分析
エの操作で得られた試料溶液を水質環境基準の付表4の3(ウ)に定める方法によりガスクロマトグラフに注入して分析し、次に掲げる式により検液中のPCB濃度(mg/l)を求める。
PCB濃度(mg/l)=PCB標準液の濃度(mg/l)×PCB標準液注入量(μl)/試料溶液注入量(μl)×ΣCB2(%)/ΣCB0(%)×試料溶液の量(ml)/検液の量(ml)
(4) 判定
(3)で求めた検液中のPCB濃度が0.003mg/l以下であること。
備考
この試験方法における用語、試薬、器具及び装置その他の事項でこの試験方法に定めがないものについては、水質環境基準の付表4に定めるところによる。