法令・告示・通達

ダイオキシン類対策特別措置法に基づく廃棄物の最終処分場の維持管理の基準を定める命令等の施行について

公布日:平成12年01月17日
還水企19・生衛発42

(各都道府県知事・各政令市長あて環境庁水質保全局長・厚生省生活衛生局水道環境部長通知)

 ダイオキシン類対策特別措置法(平成一一年法律第一〇五号。以下「特措法」という。)の施行に伴い、「ダイオキシン類対策特別措置法に基づく廃棄物の最終処分場の維持管理の基準を定める命令」(平成一二年総理府・厚生省令第二号。以下「新共同命令」という。)が平成一二年一月一四日に公布され、同月一五日から施行された。
 また、これに併せて、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の一部を改正する命令」(平成一二年総理府・厚生省令第一号。以下「改正命令」という。)及び「最終処分場に係るダイオキシン類の水質検査の方法を定める件」(平成一二年環境庁・厚生省告示第一号)が同月一四日にそれぞれ公布され、いずれも同月一五日から施行された。
 ついては、下記の事項に留意の上、これらの円滑かつ適正な運用を図られたい。

第一 経緯等

  ダイオキシン類による環境汚染の防止等の対策を総合的に推進するため、特措法が昨年七月に成立し、公布された。特措法第二五条第一項においては、廃棄物の最終処分場について、ダイオキシン類により大気、公共用水域及び地下水並びに土壌が汚染されることがないように、総理府令、厚生省令で定める基準に従い、最終処分場の維持管理をしなければならない、と規定されたところであり、これを受け、新共同命令を制定し、一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の管理型最終処分場(以下「最終処分場」という。)の維持管理の基準を定めた。
  なお、新共同命令による維持管理の基準は、法第二五条第二項の規定により、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「廃棄物処理法」という。)第八条の三、第九条第五項及び第一二条の二の二に規定する技術上の基準として適用されることとなる。
  また、最終処分場のダイオキシン類対策に係る維持管理以外の必要な措置については、改正命令により「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令」(昭和五二年総理府・厚生省令第一号。以下「共同命令」という。)を改正した。

第二 ダイオキシン類に係る地下水等の水質検査(新共同命令第一条第一号及び第二号)

  ダイオキシン類に係る最終処分場の周縁の地下水の水質検査について、地下水の採取場所並びに実施時期及び頻度を規定したほか、水質検査の結果水質の悪化が認められた場合に講ずべき措置を規定したこと。
  なお、地下水の採取に際しては、表面土壌の採取井戸への落ち込み等により汚染が生ずることがないよう留意すること。

第三 浸出液処理設備の維持管理等の基準(新共同命令第一条第三号)

  浸出液処理設備の維持管理は、放流水の水質がダイオキシン類対策特別措置法施行規則(平成一一年総理府令第六七号)別表第二の下欄に定めるダイオキシン類の許容限度に適合することとなるように維持管理することとしたこと。ただし、廃棄物処理法第八条二項第七号又は第一五条第二項第七号に規定する廃棄物処理施設の維持管理に関する計画において、より厳しい数値を達成することとした場合には、当該数値に適合させることとしたこと。
  また、浸出液処理設備の放流水について、ダイオキシン類に係る水質検査の頻度を規定したこと。
  なお、改正命令により共同命令を改正し、最終処分場に係る構造基準として、浸出液処理設備について上記と同趣旨の基準を追加した。
  浸出液処理設備の維持管理に当たっては、当該施設のダイオキシン類濃度とSS、BOD等測定が容易な項目の濃度の関係について知見の集積に努めるとともに、これらの濃度を指標として日頃より適切な運転管理に努めることが望ましい。

第四 廃棄物の飛散及び流出の防止措置の追加(改正後の共同命令第一条第二項第一五号)

  「ダイオキシン類対策特別措置法の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」(平成一一年政令第四三四号)により「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」(昭和四六年政令第三〇〇号)が一部改正され、ばいじん及び燃え殻等を埋立処分する際の飛散及び流出の防止措置が具体的に規定されたところであるが、これに加え、改正命令により共同命令を改正し、開渠等により埋立地の外に廃棄物が流出することを防止するため必要な措置を講ずることとしたこと。

第五 既存の最終処分場についての経過措置

  平成一二年一月一五日に現に設置され、又は設置の工事がされている最終処分場については、浸出液処理設備に関するダイオキシン類に係る構造基準(改正後の共同命令第一条第一項第五号へ)及び維持管理基準(新共同命令第一条第三号イに限る。)を平成一三年一月一四日までの間は適用しないこと。
  既に埋立処分が開始された最終処分場については、埋立処分開始前の地下水検査の規定(新共同命令第一条第一項イ)は適用しないこと。なお、既に埋立を開始している最終処分場にあっては、埋立処分開始後に実施した検査の測定値によりダイオキシン類による汚染を判断すること。また、この場合、最終処分場周辺の既存の測定値と比較することも有効であること。

第六 その他の配慮事項

 一 産業廃棄物の安定型最終処分場に対する措置

   産業廃棄物の安定型最終処分場については、ダイオキシン類汚染の未然防止を徹底するために、事前の展開検査等による安定型廃棄物以外の廃棄物の埋立処分の未然防止に引き続き努めること。
   なお、浸透水の水質検査の結果からばいじん等の混入が懸念される場合には、念のためダイオキシン類に係る水質検査を実施することが望ましいこと。

 二 維持管理の徹底のための措置

   新共同命令等による維持管理基準の適正な運用を期するために、それぞれの最終処分場ごとに、埋め立てる廃棄物の種類、処分場の構造、地理的条件、気象条件、周囲の土地の利用状況等を検討の上、具体的な維持管理のための手引きを作成する等により適切な管理の方法を関係者に周知徹底することが望ましいこと。
   また、都道府県等においても、適時適切な立入検査の実施等により、最終処分場に対する住民の信頼の確保に努めること。