法令・告示・通達

し尿処理施設構造指針及び廃棄物最終処分場指針の改訂について

公布日:昭和63年06月28日
衛環89号

[改定]

平成4年2月7日 衛環45号
平成5年4月1日 衛環116号
平成9年8月29日 衛環235号

(各都道府県知事あて厚生省生活衛生局水道環境部長通達)
 し尿処理施設構造指針及び廃棄物最終処分場指針については、かねてよりその改訂作業を社団法人全国都市清掃会議に依頼していたが、今般、それぞれ別添一及び二としてとりまとめられたので、通知する。
 ついては、今後新たに着手する廃棄物処理施設整備国庫補助事業に係る標記施設の構造に関する技術上の基準は、本通知によることとなるので、その旨御了知の上、貴管下市町村(一部事務組合を含む。)への周知方よろしく取り計らわれたい。

別表

    し尿処理施設構造指針

〔昭和63年6月〕
〔(社)全国都市清掃会議〕

目次

  1.  Ⅰ 総論・基本計画
    1.   §1 序説
    2.   §2 適用の範囲
    3.   §3 し尿処理施設に関する基本的計画事項
      1.    1 し尿処理施設整備と生活排水処理基本計画
      2.    2 生活排水処理基本計画の策定
      3.    3 し尿処理施設整備計画の策定
      4.    4 計画処理量等
      5.    5 し尿及び浄化槽汚泥の性状
    4.   §4 し尿処理施設整備計画策定に当たっての基本的事項
      1.    1 し尿処理施設の位置選定
      2.    2 環境影響に関する事前評価
      3.    3 周辺環境への配慮
      4.    4 関係法令等の遵守
      5.    5 し尿処理施設の一般構造
      6.    6 安全・衛生対策
      7.    7 寒冷地及び塩害を受ける地域における対策
      8.    8 施設内配置計画
      9.    9 施設の運転・管理
  2.  Ⅱ し尿処理施設構造指針
    1.   §1 総則的事項
      1.    1 し尿処理施設の構造
      2.    2 施設規模
      3.    3 希釈水と希釈倍率
      4.    4 放流水の水質
      5.    5 処理方式の選定
    2.   §2 受入・貯留設備
      1.    1 受入室
      2.    2 受入口
      3.    3 受入槽
      4.    4 破砕装置
      5.    5 きよう雑物除去装置
      6.    6 きよう雑物焼却装置
      7.    7 貯留槽
      8.    8 投入ポンプ
    3.   §3 生物学的脱窒素処理方式による処理設備
    4.   §3.1 標準脱窒素処理方式による処理設備
      1.    1 計量調整装置
      2.    2 脱窒素槽
      3.    3 硝化槽
      4.    4 二次脱窒素槽
      5.    5 再曝気槽
      6.    6 沈殿槽
    5.   §3.2 高負荷脱窒素処理方式による処理設備
      1.    1 計量調整装置
      2.    2 硝化・脱窒素槽
      3.    3 固液分離装置
      4.    4 凝集分離設備
    6.   §4 嫌気性消化・活性汚泥法処理方式による処理設備
      1.    1 嫌気性消化処理設備
      2.    2 活性汚泥法処理設備
    7.   §5 好気性消化・活性汚泥法処理方式による処理設備
      1.    1 好気性消化処理設備
      2.    2 活性汚泥法処理設備
    8.   §6 湿式酸化・活性汚泥法処理方式による処理設備
      1.    1 湿式酸化処理設備
      2.    2 活性汚泥法処理設備
    9.   §7 浄化槽汚泥専用処理方式による処理設備
      1.    1 固液分離設備
      2.    2 活性汚泥法処理設備
    10.   §8 高度処理設備
      1.    1 凝集分離設備
      2.    2 オゾン酸化処理設備
      3.    3 砂濾過設備
      4.    4 活性炭吸着処理設備
    11.   §9 消毒設備
      1.    1 薬品
      2.    2 接触槽
      3.    3 注入装置
      4.    4 薬品貯槽
    12.   §10 汚泥処理設備
      1.    1 汚泥濃縮設備
      2.    2 汚泥脱水設備
      3.    3 汚泥乾燥設備
      4.    4 汚泥焼却設備
      5.    5 汚泥堆肥化設備
    13.   §11 脱臭設備
      1.    1 脱臭用薬品供給装置
      2.    2 脱臭装置
    14.   §12 電気・計装設備
      1.    1 電気設備
      2.    2 計装設備


Ⅰ 総論・基本計画

 §1 序説

   し尿処理の基本は、生活の場からし尿を容易に、かつ、迅速に排除し、排除したし尿を、環境に悪影響を及ぼすことなく衛生的に処理することであり、これは公衆衛生の向上及び生活環境の保全をはかる上で極めて重要なものである。
   わが国のし尿処理は、し尿処理施設、浄化槽及び公共下水道によって行われているが、し尿処理施設は、し尿の衛生的な処理の観点から経済的であること、増えつつある浄化槽から排出される汚泥の処理を容易に行うことができることなどから、その役割は、ますます重要となってきている。
   一方、近年、これまでのような大量生産・大量消費型の社会システムを見直し、持続可能な循環型の社会経済システムを目指すことが必要となっており、廃棄物処理においても、廃棄物の発生抑制を図り、資源として積極的に有効利用を図りつつ廃棄物の適正処理を推進していくことが求められている。
   このような状況のもとで、し尿処理施設は、し尿及び浄化槽汚泥(以下「し尿等」という。)のみならずその他の有機性廃棄物を含めて再生利用を図りつつ適正処理を行うものとして、その役割が期待されている。
   この指針は、し尿処理の原理を踏まえるとともに、既存施設の稼働実績、関連技術等を参考としつつ、技術開発の進展に対応した各種処理方式を見直し、し尿処理施設整備の基本計画、し尿処理施設が有すべき技術的内容についてとりまとめたものである。

 §2 適用の範囲

   ここに定める指針は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第8条に規定するし尿処理について適用する。

 §3 し尿処理施設に関する基本的計画事項
  1 し尿処理施設整備と生活排水処理基本計画等

    計画処理区域内のし尿等を適正に処理するため、生活排水処理基本計画に定めるし尿・汚泥の処理計画やごみ処理基本計画等の一般廃棄物処理計画に従ってし尿処理施設の適正な整備をはからなければならない。

  2 生活排水処理基本計画の策定

    生活排水処理基本計画は、生活排水の処理に係る長期的視点に立った基本方針を明確にするものであり、原則として10~15年後を目標年次として、生活排水の処理計画及びし尿・汚泥の処理計画等を実現するために講ずべき施策を明らかにする。

  3 し尿処理施設整備計画の策定

    し尿処理施設整備計画は、計画目標年次における計画処理区域内のし尿等を適正に処理するために必要な処理施設の整備について、し尿・汚泥の処理計画等及び地域の実情に応じた有機性廃棄物の種類・量を踏まえて、その基本方針及び実施計画を定めるものである。

  4 し尿及び浄化槽汚泥の計画処理量等
   1) 計画目標年次
     計画目標年次は、原則として計画策定時から10~15年後程度を目標とするが、将来予測の確度、施設の耐用年数、施設の運営方法、投資効率、規模の効用、将来の施設整備等を勘案して定めなければならない。
   2) 計画処理区域
     計画処理区域は、市町村の区域のうち、し尿等を収集し、処理を行う区域とするが、その決定に当たっては、広域的な配慮のもとに行うものとする。
   3) 計画収集人口
     計画収集人口は、次により算定するものとする。
  1.     (1) 計画収集人口は、計画目標年次における計画処理区域内の総人口のうち、し尿収集人口及び浄化槽汚泥収集人口とする。
  2.     (2) 総人口は、計画処理区域内の常住人口とし、市町村の都市計画人口、過去の人口動態、並びに地域の実情、今後の開発計画等を勘案して算定しなければならない。
  3.     (3) 計画目標年次の総人口を基として、下水道人口、し尿収集人口、浄化槽(単独処理、合併処理)人口、自家処理人口を算定する。なお、算定に当たっては、下水道計画、過去の実績並びに浄化槽の普及の見通し等を勘案しなければならない。
   4) 計画1人1日平均排出量
     計画1人1日平均排出量は、過去の年間収集量を365日で除し、更にその年次の収集人口で除して求めた実績を基にして算定する。
   5) 計画年間日平均処理量
     計画年間日平均処理量は、計画目標年次における年間平均処理量の日量換算値とし、し尿及び浄化槽汚泥のそれぞれの計画1人1日平均排出量に、計画し尿収集人口及び計画浄化槽汚泥収集人口を乗じて求める。
   6) 計画月最大変動係数
     計画月最大変動係数は、計画目標年次における月最大変動係数であって、過去の収集量の実績を基にして算定する。
  1.     (1) 月最大変動係数は、その年の変動係数のうち、最大のものをいう。
  2.     (2) 月変動係数は、月間日平均処理量をその年の年間日平均処理量で除して求める。ここで月間日平均処理量とは、その月における総処理量をその月の日数で除したものをいい、また年間日平均処理量とは、その年次における総処理量を365日で除したものをいう。
   7) 計画処理量
     計画処理量は、計画年間日平均処理量に計画月最大変動係数を乗じて求める。
  5 し尿、浄化槽汚泥及びその他の有機性廃棄物の性状

    し尿処理施設整備計画に用いるし尿、浄化槽汚泥及びその他の有機性廃棄物の性状は、原則として実態調査の結果に基づき設定する。

 §4 し尿処理施設整備計画策定に当たっての基本的事項
  1 し尿処理施設の位置選定

    し尿処理施設の位置選定に当たっては、次の各号について総合的に検討しなければならない。

  1.    ① 収集運搬の効率
  2.    ② 放流先の利水状況
  3.    ③ 希釈水確保の難易
  4.    ④ 周辺環境の条件
  5.    ⑤ 地形・地質等
  6.    ⑥ 施設の将来計画
  7.    ⑦ 都市発展との関係
  8.    ⑧ 関連施設との位置関係
  9.    ⑨ 災害等に対する安全性
  10.    ⑩ 汚泥等の最終処分
  2 環境影響に関する事前評価

    し尿処理施設整備計画策定に当たっては、し尿処理施設からの排水、排ガス、悪臭、騒音等の環境影響について事前に評価を行わなければならない。

  3 周辺環境への配慮

    し尿処理整備計画策定に当たっては、交通渋滞の防止、美観の保持、緑化等の環境条件について十分配慮しなければならない。

  4 関係法令等の遵守

    し尿処理施設整備計画策定に当たっては、「廃棄物処理及び清掃に関する法律」をはじめ、「水質汚濁防止法」等関係法令を遵守しなければならない。

  5 し尿処理施設の一般構造
  1.    (1) 施設は、自重、積載荷重、水圧、土圧、積雪荷重、地震力、温度応力等に対して安全でなければならない。
  2.    (2) 施設は、漏水又は地下水の浸入のおそれのないものであり、かつ、雨天時等においても安定した運転ができる構造でなければならない。
  3.    (3) 施設は、必要に応じて耐摩耗性、耐食性、耐熱性等を考慮しなければならない。
  4.    (4) 地下水位の高い場所に築造する構造物は、から(空)にした時、浮力に対して安全でなければならない。
  6 安全・衛生対策

    し尿処理施設の設計に当たっては、「労働安全衛生法」及び「消防法」等の関係法令の規定を遵守し、施設の運転、点検、清掃等の作業が安全かつ衛生的に行えるよう、安全・衛生対策に十分配慮しなければならない。

   1) 交通安全対策
     場内道路は、し尿の収集運搬車その他の車両及び歩行者が安全にかつ円滑に通行できるものとし、必要に応じて歩道、ガードレール、交通標識、車両のスリップ止めを設けなければならない。
   2) 換気対策等
  1.     (1) 作業時において酸素欠乏や有害ガスによる事故を防止するため、施設内は適切な方法で換気できるものでなければならない。
  2.     (2) 貯留槽等の密閉式の槽には、清掃時等に備え、2か所以上に開閉可能なマンホールを設けなければならない。また、貯留槽は、内部において発生するガスを吸引できるものでなければならない。
  3.     (3) ポンプ室は、シール部分等から漏れた臭気を換気できるものでなければならない。
   3) 手摺及び安全柵
  1.     (1) 曝気槽等の水槽の開口部、1m以上の段差部及び機械架台等には、手摺又は安全柵を設け、転落防止をはからなければならない。また、手摺、安全柵は、耐食性の材質又は塗料を用いるものとする。
  2.     (2) 嫌気性消化槽の上部及び階段等必要な箇所には、手摺を設けるものとする。
   4) 作業スペース及び照明
     機械室及び機器の周辺は、運転、点検、清掃等を安全に行えるよう必要な作業スペース・通路が確保されていなければならない。また、照明・採光も考慮しなければならない。
   5) 高温部対策
     汚泥焼却炉、ボイラー等高温部の作業場所には、保護柵の設置、断熱材施工、標識の設置等の対策を講じなければならない。
   6) 安全カバー等
     機器の回転部分、突起部分等には、必要に応じて安全カバーを設置し、又は彩色を行い、回転部分は、回転の方向を明示しなければならない。
   7) 感電防止対策
     施設内の電気設備は、接地工事が確実に行われるとともに、接地保護装置、キーロック、絶縁マット等の感電防止対策が講じられなければならない。
   8) 誤操作防止対策
  1.     (1) 機器、タンク、配管類には、内容物及び流れ方向を明示し、誤操作防止対策が講じられなければならない。
  2.     (2) 薬品類のタンク周囲には、必要に応じて防液堤、水栓、アイウォッシャ等を設けなければならない。
   9) 爆発・火災防止対策
  1.     (1) 消化ガス等可燃性ガスの貯蔵設備、燃焼設備には、逆火防止装置及び圧力調整装置等を設けるとともに、標識等により危険表示をしなければならない。
  2.     (2) 可燃性ガス発生のおそれのある場所で用いる電気設備は、防爆型のものでなければならない。
  7 寒冷地及び塩害を受ける地域における対策
  1.    (1) 寒冷地においては、処理効率の低下及び凍結による機能阻害等の防止に十分配慮しなければならない。
  2.    (2) 塩害を受ける地域においては、塩害防止対策に十分配慮しなければならない。
  8 施設内配置計画

    施設内配置計画は、周辺地域との調和をはかりつつ、し尿処理の工程に沿って各設備を合理的に配置するとともに、敷地内のし尿収集運搬車等の円滑な通行を確保し、必要に応じて場内滞車時の余裕を見込むものとする。

  9 施設の運転・管理
  1.    (1) し尿処理施設整備計画策定に当たっては、施設の運転及び管理が容易に、かつ、適切に行えるよう配慮しなければならない。
  2.    (2) し尿処理施設は、必要な箇所から採水可能な構造でなければならない。また、必要に応じて水質分析等を行うための水質測定機器及び試験室を設けなければならない。
  3.    (3) し尿処理施設には、施設の運転及び管理を行うための管理棟を設けなければならない。
  4.    (4) 作業員の厚生施設として、作業員控室、更衣室、浴室等を必要に応じて設けなければならない。

Ⅱ し尿処理施設構造指針

 §1 総則的事項
  1 し尿処理施設の構成

    し尿処理施設は、受入・貯留設備、各種処理方法を用いた処理施設及び消毒設備をこの順序に組み合わせ、これに汚泥処理設備と脱臭設備を付属させたものとする。なお、各種処理方法を用いた処理設備とは、①生物学的脱窒素処理方式、②嫌気性消化・活性汚泥法処理方式、③好気性消化・活性汚泥法処理方式、④湿式酸化・活性汚泥法処理方式及び⑤浄化槽汚泥専用処理方式によるものとする。

  2 施設規模

    施設規模は、計画処理量、計画月最大変動係数、既存施設能力、下水道終末処理場処理能力及び再生利用する有機性廃棄物量を考慮して定めるものとする。

  3 希釈水と希釈倍率
  1.    (1) し尿処理における希釈水とは、し尿処理の工程上、し尿等の希釈が必要な場合に使用する水とする。なお、機器等の洗浄水及びシール水、薬品溶解用水、消泡水、場内雑排水など(以下、「プロセス用水」という。)は、希釈水とはいわないものとする。
  2.    (2) 希釈倍率は、し尿等の処理量と、使用する希釈水及びプロセス用水の合計水量との比に、1を加算して表す。
  3.    (3) 希釈倍率は、処理方式別に次によるものとする。
    1.     (a) 生物学的脱窒素処理方式のうち、標準脱窒素処理方式にあっては、除渣後のし尿及び浄化槽汚泥の混合液の生物化学的酸素要求量(mg/l)(以下、「BOD」という。)の値を1,200で除したものとし、高負荷脱窒素処理方式にあっては、希釈水を使用しないものとする。
    2.     (b) 嫌気性消化・活性汚泥法処理方式、好気性消化・活性汚泥法処理方式及び湿式酸化・活性汚泥法処理方式にあっては、除渣後のし尿及び浄化槽汚泥の混合液のBOD濃度(mg/l)の値を600で除したものとする。
    3.     (c) 浄化槽汚泥専用処理方式のうち、固液分離・活性汚泥法処理方式にあっては、除渣後の浄化槽汚泥BOD濃度(mg/l)の値を、前曝気を行わないものについては600で、前曝気を行うものについては1,200で除したものとする。
  4 放流水の水質

    放流水の水質は、BODの日間平均値20mg/l以下、浮遊物質量(以下、「SS」という。)の日間平均値70mg/l以下、大腸菌群数の日間平均値3,000個/cm3以下とする。
    ただし、水質汚濁防止法等の関係法令に基づく規制を受ける場合は、それらの法令等に準拠するものとする。

  5 処理方式の選定
  1.    (1) 処理方式は、次の各号について検討した上で、正常に稼働している既存の施設の運転実績等を踏まえ、事業体の技術能力、財政状況、運転管理体制等を勘案して選定しなければならない。
    1.     ① 地域特性に基づく条件等に適合すること。
    2.     ② 処理の安定性、信頼性が確保できること。
    3.     ③ 維持管理の容易性について配慮されていること。
    4.     ④ 既存の施設と十分調整がはかられていること。
  2.    (2) し尿の処理及びし尿と浄化槽汚泥との混合処理に用いる処理方式は、次のとおりとする。
    1.     ① 生物学的脱窒素処理方式
      1.      a 標準脱窒素処理方式
      2.      b 高負荷脱窒素処理方式
    2.     ② 嫌気性消化・活性汚泥法処理方式
    3.     ③ 好気性消化・活性汚泥法処理方式
    4.     ④ 湿式酸化・活性汚泥法処理方式
  3.    (3) 浄化槽汚泥の処理に用いる処理方式は、固液分離・活性汚泥法処理方式とする。
  4.    (4) 水質汚濁防止等に基づく水質規制等により高度な処理を行う場合に用いる処理方式は、次のとおりとする。
    1.     ① 凝集分離方式
    2.     ② オゾン酸化処理方式
    3.     ③ 砂濾過方式
    4.     ④ 活性炭吸着方式
    5.     ⑤ ①から④までの処理方式による設備を組み合わせた方式
 §2 受入・貯留設備
  1 受入室
  1.    (1) 受入室は、し尿等の収集運搬車が支障なく通行できるものでなければならない。
  2.    (2) 受入室は、し尿等の収集運搬車の排出ガス及び臭気に関する対策を講ずるものとし、かつ、作業室内の空気中の硫化水素濃度が10ppmを超えない構造でなければならない。
  2 受入口
  1.    (1) 受入室には、し尿等の1時間最大搬入量に見合う数の受入口を設けなければならない。
  2.    (2) 受入口は、水封式又は負圧式のものを標準とする。
  3 受入槽
  1.    (1) 受入槽は、し尿等を受入れ、し尿等に含まれる砂等を沈殿させ、これを除去できる構造でなければならない。また、安全かつ衛生的に沈砂を除去できる装置を有することが望ましい。
  2.    (2) 受入槽は、次の処理工程の操作に影響のない容量とする。
  4 破砕装置

    きよう雑物を破砕するため、必要に応じて砂砕装置を設けなければならない。

  5 きよう雑物除去装置
  1.    (1) きよう雑物を除去するため、可動式スクリーン又は遠心分離機等のきよう雑物除去装置と、スクリュープレス等の脱水装置を組み合わせたものを設けなければならない。
  2.    (2) スクリーンの目幅は、荒目4mm、細目1mmを標準とする。
  3.    (3) きよう雑物除去工程におけるSS等の除去は、し尿等の性状及びきよう雑物除去装置の種類等により異なるので、正常に稼働している既存の装置の運転実績等を参考とするものとする。
  6 きよう雑物焼却装置
  1.    (1) 除去したきよう雑物は、原則として焼却装置で処理しなければならない。
  2.    (2) きよう雑物の焼却装置は、排ガスからの臭気に関する対策に十分考慮したものでなければならない。
  7 貯留槽
  1.    (1) 貯留槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.    (2) 貯留槽の容量は、計画処理量(当該施設に係わるものに限る。以下同じ。)の2日分とする。ただし、地域の実情により、これを増加することができる。
  3.    (3) 浄化槽汚泥の混入により、次の処理工程への負荷が著しく変動するおそれがある場合には、浄化槽汚泥専用の貯留槽を設けなければならない。
  4.    (4) スカムの発生を防止し、貯留したし尿等の均質化がはかられるよう、スカム防止装置を設けなければならない。
  5.    (5) 貯留量及び投入量等を表示するため、必要に応じて液面計その他の表示装置を設けなければならない。
  8 投入ポンプ
  1.    (1) 投入ポンプの容量は、計画運転時間内に計画処理量のし尿等を投入できるものでなければならない。
  2.    (2) 投入ポンプの台数は、2台以上とし、うち1台を予備としなければならない。
  3.    (3) 投入ポンプの配管の内径、24時間均等投入の場合は50mm以上とし、嫌気性消化・活性汚泥法処理方式等によるものにあつては100mm以上とする。
 §3 生物学的脱窒素処理方式による処理設備

   本方式は除渣し尿を直接生物学的脱窒素法で処理し、BODと窒素を同時に除去するものであり、標準脱窒素処理方式と高負荷脱窒素処理方式である。

  §3.1 標準脱窒素処理方式による処理設備

      受入・貯留設備から供給されるし尿等を希釈後、生物学的脱窒素法により処理するものであり、計量調整装置、脱窒素槽、硝化槽、二次脱窒素槽、再曝気槽及び沈殿槽を組み合わせたものとする。

   1 計量調整装置

     計量調整装置は、除渣後のし尿等、希釈水、プロセス用水、返送汚泥、循環液を計量し、所定量に調整できるものでなければならない。

   2 脱窒素槽
  1.     (1) 脱窒素槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 外気との接触が少ない構造でなければならない。
  3.     (3) 密閉構造の場合には、脱窒素槽内で発生したガスを排出できる排出口及び点検・補修用マンホールを設けなければならない。
  4.     (4) 脱窒素槽の有効水深は3.5~5.0mを標準とする。液面とスラブ等下面との間隔は、80cm以上とする。
  5.     (5) 反応温度は、15℃以上を標準とする。
  6.     (6) 脱窒素槽のBOD容積負荷は、2kg―BOD/m3・日以下を標準とする。
  7.     (7) BOD―MLSS負荷は、脱窒素槽と硝化槽を合わせて算出するものとし、0.1kg―BOD/kg―MLSS・日以下を標準とする。
  8.     (8) 総窒素―MLSS負荷は、脱窒素槽と硝化槽とを合わせて算出するものとし、0.04kg―N/kg―MLSS・日以下を標準とする。
  9.     (9) 硝化槽から脱窒素槽への循環液量は、処理効果を安定させるために必要な量でなければならない。
  10.     (10) 返送汚泥量は、計画処理量に対し、脱窒素槽等における所定のMLSS濃度を維持するために必要な量でなければならない。なお、MLSS濃度は、6,000mg/lを標準とする。
  11.     (11) 撹拌装置は、機械式又は発生するガス若しくは空気の吹込み方式によるものとし、槽内のMLSS濃度が均一となるものでなければならない。
  12.     (12) 脱窒素槽の容量は、BOD負荷、総窒素負荷及び硝化槽との容量配分により決定する。
   3 硝化槽
  1.     (1) 硝化槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 密閉構造の場合には、硝化槽内で発生したガスを排出できる排出口及び点検・補修用マンホールを設けなければならない。
  3.     (3) 硝化槽の有効水深は、3.5~5.0mとし、液面とスラブ等下面との間隔は、80cm以上とする。
  4.     (4) 曝気装置は、硝化槽内全体の撹拌が十分に行われ、かつ、十分な酸素供給が行えるものでなければならない。なお、必要酸素量は、窒素の硝化、BODの酸化、活性汚泥の内生呼吸による酸素消費量によつて決定する。
  5.     (5) 曝気装置は、散気式又は機械式等によるものとする。
  6.     (6) 硝化槽の容量は、BOD負荷、総窒素負荷及び脱窒素槽との容量配分により決定する。
  7.     (7) 硝化槽内のPHを適正に保つため、必要に応じてアルカリ剤の添加によるPH調整装置を設けなければならない。
  8.     (8) 発泡を抑制するため、必要に応じて消泡装置を設けなければならない。
   4 二次脱窒素槽
  1.     (1) 二次脱窒素槽の平面形状及び構造は、脱窒素槽に準ずるものとする。
  2.     (2) 有効水深及び液面とスラブ下面との間隔は、脱窒素槽に準ずるものとする。
  3.     (3) 酸化態窒素―MLSS負荷は、二次脱窒素槽における除去対象の酸化態窒素量に対し、0.01kg―N/kg―MLSS・日を標準とする。
  4.     (4) 撹拌装置は、脱窒素槽に準ずるものとする。
  5.     (5) 二次脱窒素槽の容量は、酸化態窒素負荷により決定する。
   5 再曝気槽
  1.     (1) 再曝気槽の平面形状及び構造は、硝化槽に準ずるものとする。
  2.     (2) 有効水深及び余裕高は、硝化槽に準ずるものとする。
  3.     (3) 曝気装置は、再曝気槽内全体の撹拌が十分に行われ、かつ、十分な酸素供給が行えるものでなければならない。
  4.     (4) 曝気装置は、散気式又は機械式等によるものとする。
  5.     (5) 曝気時間は、再曝気槽流入汚水量(返送汚泥量を除く。)に対し、3時間以上とする。
  6.     (6) 再曝気槽の容量は、曝気時間により決定する。
  7.     (7) 消泡装置は、硝化槽に準ずるものとする。
   6 沈殿槽
  1.     (1) 沈殿槽の平面形状は、円形、長方形又は正方形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 沈殿槽周壁のてんばは、周囲の地盤より15cm以上高くしなければならない。また、沈殿槽には必要に応じて歩廊及び危険防止のための手摺を設けなければならない。
  3.     (3) 沈殿槽の容量は、沈殿槽流入汚水量(返送汚泥量を除く。以下同じ。)に対し、6時間分以上としなければならない。
  4.     (4) 沈殿槽の水面積負荷は、沈殿槽流入汚水量に対し、9m3/m2・日以下とする。
  5.     (5) 沈殿槽の越流負荷は、70m3/m2・日以下とする。
  6.     (6) 沈殿槽の上部にスカム流出防止装置を設けなければならない。
  7.     (7) 沈殿槽の槽底に、汚泥かき寄せ機を設けなければならない。
  8.     (8) 沈殿槽の槽底から随時汚泥を引き抜くことができる排泥管を設けなければならない。
  9.     (9) 排泥管の内径は、150mm以上であることが望ましい。
  10.     (10) 汚泥返送ポンプの容量は、最大返送汚泥量に見合うものでなければならない。
  11.     (11) 汚泥返送ポンプの台数は、2台以上とし、うち1台を予備としなければならない。
  §3.2 高負荷脱窒素処理方式による処理設備

    受入・貯留設備から供給されるし尿等を生物学脱窒素法と凝集分離法を組み合わせ、プロセス用水以外の希釈用の水を用いることなく、高容積負荷で処理するものであり、計量調整装置、硝化・脱窒素槽、固液分離装置及び凝集分離設備を組み合わせたものとする。

   1 計量調整装置

     計量調整装置は、除渣後のし尿等、プロセス用水、返送汚泥等を計量し、所定量に調整できるものでなければならない。

   2 硝化・脱窒素槽
  1.     (1) 硝化・脱窒素槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 外気との接触が少ない構造でなければならない。
  3.     (3) 密閉構造の場合には、硝化・脱窒素槽内で発生したガスを排出できる排出口及び点検・補修用マンホールを設けなければならない。
  4.     (4) 硝化・脱窒素槽の有効水深は、3.5~15mとし、液面とスラブ等下面との間隔は、80cm以上、かつ、有効水深の15%以上を標準とする。
  5.     (5) 反応温度は、25℃~38℃とする。
  6.     (6) 硝化・脱窒素槽のBOD容積負荷は、2.5kg―BOD/m3・日以下を標準とする。
  7.     (7) 硝化・脱窒素槽のBOD―MLSS負荷は、0.10~0.15kg―BOD/kg―MLSS・日を標準とする。
  8.     (8) 硝化・脱窒素槽の総窒素―MLSS負荷は、0.03~0.05kg―N/kg―MLSS・日を標準とする。
  9.     (9) 硝化・脱窒素槽への循環液を必要とするものにあつては、循環液量は処理効果を安定させるために必要な量でなければならない。
  10.     (10) 返送汚泥量は、計画処理量に対し、硝化・脱窒素槽における所定のMLSS濃度を維持するために必要な量でなければならない。なお、MLSS濃度は、12,000~20,000mg/lを標準とする。
  11.     (11) 撹拌・曝気装置は、硝化・脱窒素槽内全体の撹拌・曝気が十分に行われ、かつ、十分な酸素供給が行えるものとする。なお、必要酸素量は、窒素の硝化・BODの酸化、活性汚泥の内生呼吸による酸素消費量によつて決定する。
  12.     (12) 硝化・脱窒素槽の容量は、BOD負荷、総窒素負荷及びMLSS濃度により決定する。
  13.     (13) 硝化・脱窒素槽内の液温を25℃~38℃に保持するための装置を必要に応じて設けなければならない。
  14.     (14) 硝化・脱窒素槽内のPHを適正に保つため、必要に応じてアルカリ剤の添加によるPH調整装置を設けなければならない。
  15.     (15) 発泡を抑制するため、必要に応じて消泡装置を設けなければならない。
  16.     (16) メタノール等の水素供与体供給装置は、処理の安定性の確保等のために必要な場合に設けるものとする。
   3 固液分離装置

     固液分離装置は、重力沈降方式、浮上分離方式、機械分離方式又はこれらの組み合わせによるものとする。

    1) 重力沈降方式
  1.      (1) 沈殿槽の平面形状は、円形、長方形又は正方形とし、その構造は鉄筋コンクーリト造り等の水密なものでなければならない。
  2.      (2) 沈殿槽の容量は、沈殿槽流入汚水量(返送汚泥量を除く。以下同じ。)に対し、30時間分以上を標準とする。ただし、機械分離方式と組み合わせた方式によるものにあつては、12時間分以上を標準とする。
  3.      (3) 沈殿槽の水面負荷は、沈殿槽流入汚水量に対し、5m3/m2・日以下を標準とする。ただし、機械分離方式と組み合わせた方式によるものにあつては、10m3/m2・日以下を標準とする。
  4.      (4) 沈殿槽の槽底に、汚泥かき寄せ機を設けなければならない。
  5.      (5) 沈殿槽の槽底から随時汚泥を引き抜くことができる排泥管を設けなければならない。
  6.      (6) 排泥管の内径は、150mm以上であることが望ましい。
  7.      (7) 汚泥返送ポンプの容量は、最大返送汚泥量に見合うものでなければならない。
  8.      (8) 汚泥返送ポンプの台数は、2台以上とし、うち1台を予備としなければならない。
    2) 浮上分離方式
  1.      (1) 浮上分離槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.      (2) 浮上分離槽は、浮上汚泥かき取り装置、必要に応じて沈殿汚泥かき取り装置及び水位調整機構等を設けなければならない。
  3.      (3) 浮上分離槽の容量は、浮上分離槽流入汚泥量(加圧水を含む。)に対し、45分から2時間分程度とする。
  4.      (4) 浮上分離槽の固形物負荷は、150kg―SS/m2・日以下を標準とする。
  5.      (5) 加圧水量は、気固比が0.02~0.04kg―Air/kg―SS程度となるものとする。
  6.      (6) 加圧水発生装置は、加圧ポンプ、空気溶解装置、空気圧縮機等を組み合わせるものとする。
    3) 機械分離方式
  1.      (1) 機械分離方式による分離機は、原則として遠心濃縮機及び汚泥脱水機とする。
  2.      (2) 分離機の能力は、処理量に対して十分なものでなければならない。
  3.      (3) 分離機の材質は、耐久性のあるものでなければならない。
  4.      (4) 分離機の内部を必要に応じて洗浄できるものでなければならない。
  5.      (5) 必要に応じて振動及び騒音に関する対策が講じられていなければならない。
  6.      (6) 汚泥の調質を行う場合は、化学的処理及び物理的処理によるものとする。なお、化学的処理による場合にあつては、使用する薬品は汚泥の性状に適合するものでなければならない。
  7.      (7) 供給ポンプは、定量性のあるものでなければならない。
  8.      (8) 供給ポンプは、分離機1台ごとに設けなければならない。
   4 凝集分離設備

     凝集分離設備は、混和槽、凝集槽、沈殿槽(又は浮上分離若しくは濃縮スクリーン装置)を組み合わせたものとする。

    1) 混和槽
  1.      (1) 混和槽は、独立して、又は凝集槽の一部若しくは水路の一部に設けられなければならない。
  2.      (2) 混和装置は、混和槽内全体の撹拌が十分かつ急速に行えるものでなければならない。
  3.      (3) 混和時間は、混和槽流入汚水量に対し、5分間を標準とする。
    2) 凝集槽
  1.      (1) 槽内撹拌装置は、緩速撹拌装置とする。
  2.      (2) 凝集槽の容量は、凝集槽流入汚水量に対し、20分間分を標準とする。
    3) 薬品注入装置等
  1.      (1) 凝集剤等の注入量は、沈殿槽(又は浮上分離槽)流出水の水質に応じて定めるものとする。
  2.      (2) 凝集剤等の貯蔵量は、計画注入量の10日分以上とする。
  3.      (3) 溶解槽の容量は、計画注入量の1日分以上とする。ただし、自動溶解装置等を設けるものにあつては、計画注入量の1.5時間分以上とする。
  4.      (4) 薬品注入装置の能力は、計画注入量から定めるものとする。
  5.      (5) 薬品注入機には予備を設けなければならない。
  6.      (6) 注入方式は、湿式とする。
  7.      (7) 凝集剤等の供給槽の配管の材質は、耐食性のあるものでなければならない。
  8.      (8) 必要に応じてPH調整装置を設け薬品が注入できるものでなければならない。
    4) 凝集沈殿槽
  1.      (1) 沈殿槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.      (2) 沈殿槽の容量は、沈殿槽流入汚水量に対し、3時間分以上としなければならない。
  3.      (3) 沈殿槽水面積負荷は、沈殿槽流入汚水量に対して、20m3/m2・日以下とする。
  4.      (4) 沈殿槽の越流負荷は、100m3/m2・日以下とする。
  5.      (5) 沈殿槽の槽底に、汚泥かき寄せ機を設けなければならない。
    5) 浮上分離槽
  1.      (1) 浮上分離槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、その構造は鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.      (2) 浮上分離槽は浮上汚泥かき取り装置、必要に応じて沈殿汚泥かき取り装置及び水位調整機構等を設けなければならない。
  3.      (3) 浮上分離槽の容量は、浮上分離槽流入汚水量(加圧水を含む。以下同じ。)に対し、45分間分程度を標準とする。
  4.      (4) 浮上分離槽の水面積負荷は浮上分離槽流入汚水量に対し、100m3/m2・日以下とする。
  5.      (5) 加圧水量は、気固比が0.03~0.06kg―Air/kg―SS程度となるものとする。
  6.      (6) 加圧水発生装置は、加圧ポンプ、空気溶解装置、空気圧縮機等を組み合わせたものとする。
    6) 濃縮スクリーン装置
  1.      (1) 混和凝集槽の容量は、流入水中の浮遊物質が凝集するのに十分なものでなければならない。
  2.      (2) 濃縮スクリーン装置の分離面積負荷は、濃縮スクリーン装置流入汚水量に対し、150m3/m2・日以下とする。
  3.      (3) 処理水のPHを中和する中和槽及び浮遊物質を沈降分離する沈降分離槽を必要に応じて設けなければならない。
  4.      (4) 沈降分離槽の水面積負荷は、60m3/m2・日以下とする。
 §4 嫌気性消化・活性汚泥法処理方式による処理設備

   受入・貯留設備から供給されるし尿等を嫌気性消化し、消化後の脱離液を活性汚泥法により処理するものであり、嫌気性消化処理設備及び活性汚泥法設備を組み合わせたものとする。

  1 嫌気性消化処理設備
   1) 嫌気性消化槽
  1.     (1) 嫌気性消化槽の平面形状は、原則として円形とし、その構造はPCコンクリート、鉄筋コンクリート造り等の水密かつ気密なものとする。特に発生ガスにより腐食を受けやすい部分は鉄筋のかぶりを厚くするほか適切な防食ライニングを施す等防食構造としなければならない。
  2.     (2) 嫌気性消化槽の液面と上部スラブとの間隔は、ガス圧の均一化、発生ガスの有効利用、撹拌による発泡、スカムによるガス引出管の閉塞防止等を考慮し余裕のある構造としなければならない。
  3.     (3) 嫌気性消化槽の側面には、清掃のために水密マンホールを設けることが望ましい。
  4.     (4) 消化段数は、2段を標準とする。
  5.     (5) 第1段の消化温度は、37±2℃とする。
  6.     (6) 消化日数は20~30日とし、投入し尿等の性状により決定する。ただし、第1段の消化日数は15日以上とする。
  7.     (7) 嫌気性消化槽の容量は、計画処理量に消化日数を乗じたものとする。
  8.     (8) し尿等投入管、汚泥抽出管及び脱離液抽出管等の配管の内径は、100mm以上とする。
   2) 槽内撹拌装置
     槽内撹拌装置は、ガス撹拌又は機械撹拌によるものとし、嫌気性消化の促進並びにスカム防止が十分発揮できるものでなければならない。
   3) 加温装置
     加温装置は、槽外加温又は直接加温等の方式によるものとし、熱効率、材質、加温の平均化及び維持管理の観点から適切なものでなければならない。
   4) ガス捕集装置等
  1.     (1) 嫌気性消化処理設備には、脱硫装置、余剰ガス燃焼装置、ガスタンク、ガス配管からなるガス捕集装置を設けなければならない。
  2.     (2) 脱硫装置は、乾式又は湿式とし、乾式の場合にあつては、脱硫剤の交換が容易なものでなければならない。
  3.     (3) 余剰ガスを燃焼して安全に放出するため、ウェストガスバーナ及び過剰ガス圧に対する安全装置、発生ガス量の計測装置等を設けなければならない。
  4.     (4) ガスタンクの容量は、発生ガスを計画運転時間内に有効に利用できるものとする。また、ガスタンクには、ガス最低位を警報する装置を備えなければならない。
  5.     (5) ガス配管は、ガスの平均発生量の50%増に、し尿投入ポンプ能力を加えたガス流量に耐えるものでなければならない。また、ガス配管系統には、獲水器等を設けなければならない。
  2 活性汚泥法処理設備

    脱離液を希釈水で希釈し、活性汚泥法によつて処理するもので、計量調整装置、曝気槽及び沈殿槽を組み合わせたものとする。

   1) 計量調整装置     計量調整装置は、§3.1の1に準ずるものとし、また、脱離液を曝気槽へ均等に供給できるものでなければならない。   2) 曝気槽

  1.     (1) 曝気槽の平面形状、構造及び有効水深等は、§3.1の3に準ずるものとし、2槽以上とすることが望ましい。
  2.     (2) 反応温度は、15℃以上を標準とする。
  3.     (3) 曝気槽のBOD容積負荷は、0.4kg―BOD/m3・日以下とする。
  4.     (4) 曝気槽のBOD―MLSS負荷は、0.2kg―BOD/kg―MLSS・日以下とする。
  5.     (5) 返送汚泥量は、計画処理量に対し、曝気槽における所定のMLSS濃度を維持するために必要な量でなければならない。なお、MLSS濃度は2,000mg/lを標準とする。
  6.     (6) 曝気装置は、曝気槽内全体の撹拌が十分に行われ、かつ、適正な酸素供給が行えるものでなければならない。なお、必要酸素量は、BODの酸化及び活性汚泥の内生呼吸による酸素消費量によつて決定する。
  7.     (7) 曝気装置は、散気式又は機械式によるものとする。
  8.     (8) 曝気槽の容量は、BOD容積負荷及びBOD―MLSS負荷により決定する。

   3) 沈殿槽     沈殿槽は、§3.1の6に準ずるものとする。ただし、その容量は、沈殿槽流入汚水量(返送汚泥量を除く。)に対し、3時間分以上を標準とし、及び水面積負荷は、18m3/m2・日以下とする。

 §5 好気性消化・活性汚泥法処理方式による処理設備

   受入・貯留設備から供給されるし尿等を原則として希釈を行わずに長時間曝気を行うことにより、好気性消化を行わせ、消化後の脱離液を活性汚泥法により処理するものであり、好気性消化処理設備及び活性汚泥法処理設備を組み合わせたものとする。

  1 好気性消化処理設備
   1) 計量調整装置
     計量調整装置は、§3.1の1に準ずるものとする。
   2) 好気性消化槽
  1.     (1) 好気性消化槽の平面形状、構造及び有効水深等は、§3.1の3に準ずるものとする。
  2.     (2) 反応温度は、15℃~38℃とする。
  3.     (3) 好気性消化槽のBOD容積負荷は、1.0kg―BOD/m3・日以下とする。
  4.     (4) 好気性消化槽のBOD―MLSS負荷は、0.125kg―BOD/kg―MLSS・日以下とする。ただし、特殊な構造又は操作により、80%以上のBOD除去が行われる場合は、この限りではない。
  5.     (5) 返送汚泥量は、計画処理量に対し、好気性消化槽における所定のMLSS濃度を維持するために必要な量でなければならない。なお、MLSS濃度は、8,000mg/lを標準とする。
  6.     (6) 曝気装置は、§3.1の3に準ずるものとする。
  2 活性汚泥法処理設備

    脱離液を希釈水で希釈し、活性汚泥法によつて処理するもので、計量調整装置、曝気槽及び沈殿槽を組み合わせたものとする。

   1) 計量調整装置
     計量調整装置は、§3.1の1に準ずるものとする。
   2) 曝気槽
  1.     (1) 曝気槽の平面形状、構造及び有効水深等は、§3.1の3に準ずるものとし、曝気槽の数は、2槽以上とすることが望ましい。
  2.     (2) 反応温度、BODの容積負荷、BOD―MLSS負荷、返送汚泥量、曝気装置及び容量は、§4の2の2)に準ずるものとする。
  3.     (3) 沈殿槽
          沈殿槽は、§3.1の6に準ずるものとする。ただし、その容量は、沈殿槽流入汚水量(返送汚泥量を除く。)に対し、3時間分以上を標準とし、水面積負荷は18m3/m2・日以下とする。
 §6 湿式酸化・活性汚泥法処理方式による処理設備

   受入・貯留設備から供給されるし尿等を空気とともに密閉容器の中で液状のまま高温、高圧に保ち、有機性物質を熱分解及び酸化分解し、その酸化分解液を活性汚泥法により処理するものであり、湿式酸化処理設備及び活性汚泥法処理設備を組み合わせたものとする。

  1 湿式酸化処理設備

    湿式酸化処理設備は、し尿等を処理系内に圧入するために必要な昇圧ポンプ、必要な空気を圧入する空気圧縮機、反応による生成熱によつてし尿等を余熱する熱交換器及び湿式酸化反応を行うための反応塔から構成される。

  1.    (1) 湿式酸化処理設備の構造は、きよう雑物による閉塞がなく、管理が容易なものでなければならない。
  2.    (2) 湿式酸化処理設備の処理能力は、計画処理量に見合うものでなければならない。
  3.    (3) 高温、高圧の反応系統の構造及び材質は、高圧ガス取締法、労働安全衛生法等の規則に定められた規格に適合するものでなければならない。
  4.    (4) し尿等の湿式酸化工程によるCOD(重クロム酸カリウムによるCODをいう。)の減少率(酸化度という。)は、40~60%を標準とする。なお、酸化分離液のBODは、9,000mg/lを標準とする。
  5.    (5) 反応温度は、260℃以下とし、圧力はその反応温度下において、し尿等が液相を保つために必要な値とする。
  6.    (6) 反応塔における反応時間は、60分以上とする。
  7.    (7) 湿式酸化処理設備には、気液分離器、固液分離槽等を設けなければならない。
  2 活性汚泥法処理設備

    酸化分解液を希釈水で希釈し、活性汚泥法によつて処理するもので、計量調整装置、曝気槽及び沈殿槽を組み合わせたものとする。

   1) 計量調整装置
     計量調整装置は、§3.1の1に準するものとする。
   2) 曝気槽
  1.     (1) 曝気槽の平面形状、構造及び有効水深等は、§3.1の3に準ずるものとし、曝気槽の数は、2槽以上とすることが望ましい。
  2.     (2) 曝気槽のBODの容積負荷は、1.2kg―BOD/m3・日以下とする。
  3.     (3) 曝気槽のBOD―MLSS負荷は、0.4kg―BOD/kg―MLSS・日以下とする。
  4.     (4) 返送汚泥量は、曝気槽流入汚水量に対し、100%を標準とする。
  5.     (5) 反応温度、曝気装置及び曝気槽の容量は、§4の2の2)に準ずるものとする。
   3) 沈殿槽
     沈殿槽は、§3.1の6に準ずるものとする。ただし、その容量は、沈殿槽流入汚水量(返送汚泥量を除く。)に対し、4時間分以上とし、水面積負荷は12m3/m2・日以下とし、越流負荷は50m3/m・日以上とする。
 §7 浄化槽汚泥専用処理方式による処理設備

   浄化槽汚泥のみを処理する場合に用いる方式であつて、受入・貯留設備から供給される浄化槽を凝集等により固液分離し、分離液を活性汚泥法により処理するものであり、固液分離設備及び活性汚泥法処理設備を組み合わせたものとする。

  1 固液分離設備

    固液分離設備は、凝集・混和装置及び固液分離装置を組合わせたものとする。

  1.    (1) 凝集・混和装置は、固液分離を容易に行わせることができものでなければならない。
  2.    (2) 凝集に必要とする薬品注入装置は、§3.2の4の3)に準ずるものとする。
  3.    (3) 固液分離装置は、重力沈降方式、浮上分離処理方式又は機械分離方式によるものとする。
  4.    (4) 分離液のBOD濃度は、浄化槽汚泥の性状及び固液分離装置の種類に応じて決定する。
  5.    (5) 必要に応じて貯留槽において又は前曝気槽を設置して曝気を行うことができる。この場合にあつては、曝気時間(貯留槽における曝気時間を含む。)は、3日間以上とする。
  6.    (6) 固液分離装置から発生する汚泥は、乾燥等により適切に処理しなければならない。また、固液分離装置からの濃縮液は§4から§6までの処理設備により処理することができる。
  2 活性汚泥法処理設備

    活性汚泥法処理設備は、計量調整装置、曝気槽及び沈殿槽を組み合わせたものとする。

   1) 計量調整装置
     計量調整装置は、分離液、希釈水、プロセス用水及び返送汚泥をそれぞれ計量し、所定量に調整できるものでなければならない。
   2) 曝気槽
     曝気槽は、§4の2の2)に準ずるものとする。
   3) 沈殿槽
     沈殿槽は、§4.2の3)に準ずるものとする。
 §8 高度処理設備

   水質汚濁防止法等に基づき水質規制等により高度な処理を行う必要がある場合に適用されるものであつて、§3から§7までの設備からの汚水を処理するために設けられるものである。高度処理設備は、凝集分離設備、オゾン酸化処理設備、砂濾過設備又は活性炭吸着処理設備、若しくはこれらを組み合わせたものとする。

  1 凝集分離設備

    凝集分離設備は、混和槽、凝集槽、沈殿槽(又は浮上分離槽)を組み合わせたものとし、§3.2の4に準ずるものとする。

  2 オゾン酸化処理設備

    オゾン酸化処理設備は、オゾン処理原水槽、オゾン発生装置、オゾン反応槽を組み合わせたものとする。

   1) オゾン処理原水槽
  1.     (1) オゾン処理原水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) オゾン処理原水槽の容量は、オゾン処理原水をオゾン反応槽に均等に供給できるものでなければならない。
  3.     (3) 原水ポンプは、予備を設けなければならない。
   2) オゾン発生装置
  1.     (1) オゾン発生装置のオゾン発生能力は、オゾン酸化処理設備からの流出水について、所定の水質を確保できるものでなければならない。
  2.     (2) オゾンの発生効率を高めるため、オゾン発生管内を水冷又は空冷方式により十分冷却できるものでなければならない。
  3.     (3) オゾンの原料は、空気又は酸素とし、十分に除湿、乾燥しているものとする。
  4.     (4) オゾン発生機から注入場所に至る配管は、耐食性のある材質のもの(ステンレス鋼管等)でなければならない。
  5.     (5) オゾンが大気中に漏れない構造でなければならない。
   3) オゾン反応槽
  1.     (1) オゾン反応槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものとし、耐食性のある材料を用いなければならない。また、オゾンが大気中に漏れない密閉構造でなければならない。
  2.     (2) オゾンと処理水との接触方式は、所定量のオゾンを効率よく吸収できる散気管又は散気板等によるものでなければならない。
  3.     (3) 発泡を防止するため、必要に応じて消泡装置を設けなければならない。
  4.     (4) 滞留時間は、オゾン反応槽流入汚水量に対し、20~40分間を標準とする。
  5.     (5) 排オゾンを所定の濃度以下とするため、活性炭吸着塔等の排オゾン処理装置を設けなければならない。
  6.     (6) 配管は、耐食性のある材質のものでなければならない。
  3 砂濾過設備

    砂濾過設備は、濾過原水槽、砂濾過装置(固定床式又は移動床式とする。)、砂濾過処理水槽、洗浄排水槽を組み合わせたものとする。

   1) 濾過原水槽
  1.     (1) 濾過原水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 濾過原水槽の容量は、濾過原水を濾過装置に均等に供給できるものでなければならない。
  3.     (3) 原水ポンプは予備を設けるものとする。
   2) 固定床式濾過装置
  1.     (1) 固定床式濾過装置の濾層は固定床式とし、濾過方式は重力式または圧力式とする。
  2.     (2) 水流は上向流又は下向流とする。
  3.     (3) 濾材の交換が容易にできるものでなければならない。
  4.     (4) 濾過水集水装置、洗浄排水装置、自動洗浄装置及び濾過流量調整装置を設けなければならない。
  5.     (5) 濾過装置の材質は、鋼板製等とし、内面な防食塗装等が行われているものとする。
  6.     (6) 濾層は、層の保持のため支持床を除き単層又は2層とし、濾材は濾過砂、濾過用アンスラサイト、人工濾材又は濾過用砂利等とする。
  7.     (7) 単層濾過装置の砂層の厚さは600mm以上、支持床の厚さは、300mm以上とし、2層濾過装置の砂層の厚さは400mm以上、濾過アンスラサイト層の厚さは300mm以上、支持床の厚さは300mm以上を標準とする。
  8.     (8) 濾過砂の有効径は、0.5~1.2mm程度、均等係数は1.5以下とし、濾過用アンスラサイト有効径は、0.9~2.5cm程度を標準とする。
  9.     (9) 濾過速度は、単層濾過装置の場合にあつては70~150m/日、2層濾過装置の場合にあつては100~200m/日とする。
  10.     (10) 濾過継続時間は、24時間程度とする。
  11.     (11) 集水装置は、多孔管、ストレーナ、多孔板又は多孔ブロックとする。
  12.     (12) 濾層の洗浄がタイマー、又は損失圧力を計測して定期的に行えるものでなければならない。
  13.     (13) 洗浄は自動水洗浄を主体とし、必要に応じて空気洗浄を行うことができるものでなければならない。
  14.     (14) 水洗浄に用いる水は、原則として濾過水とする。
  15.     (15) 水洗浄の流速は30~60m/時程度とし、空気洗浄の流速は30m/時程度とする。
  16.     (16) 洗浄排水ポンプは必要に応じて予備を設けなければならない。
   3) 移動床式濾過装置
  1.     (1) 移動床式濾過装置の濾層は移動床式とし、水流は上向流式とする。
  2.     (2) 濾材の交換が容易にできるものでなければならない。
  3.     (3) 濾過水集水装置、洗浄排水装置、自動洗浄装置及び濾過流量調整装置を設けなければならない。
  4.     (4) 濾過装置の材質は、鋼板製等とし、内面は防食塗装等が行われているものとする。
  5.     (5) 濾層は単層とし、濾層の厚さは700~900mm程度とする。
  6.     (6) 濾層砂の有効径は、0.5~1.2mmとし、均等係数は1.5以下とする。
  7.     (7) 濾過速度は、200m/日以下とする。
  8.     (8) 流入及び配水装置は、流入水を濾層の中に均等に配水できるものでなければならない。
  9.     (9) 洗浄は汚砂をエアリフトポンプ等を用いて連続的に濾層から除去し、洗砂区画に導き、同時に汚砂と濾過水を対向流で十分接触させて行うものとする。
   4) 濾過処理水槽
  1.     (1) 濾過処理水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 濾過処理水槽の容量は、洗浄水量の1.5回分以上とする。
   5) 洗浄排水槽
  1.     (1) 洗浄排水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 洗浄排水槽の容量は、洗浄水量の1.5回分以上とする。
  3.     (3) 洗浄排水ポンプは、24時間均等に処理設備に返送できるものでなければならない。
  4.     (4) 洗浄排水ポンプは、予備を設けなければならない。
  4 活性炭吸着処理設備

    活性炭吸着処理設備は、原水槽、活性炭吸着装置、処理水槽及び洗浄排水槽等を組み合わせたものとする。

   1) 原水層
  1.     (1) 原水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 原水槽の容量は、原水を活性炭吸着装置に均等に送れるものでなければならない。
  3.     (3) 原水ポンプは、予備を設けなければならない。
   2) 活性炭吸着装置
  1.     (1) 活性炭吸着装置の材質は、鋼板製等とし、内面は防食塗装等が行われているものとする。
  2.     (2) 空間速度(SV)は、1~4m3/m2・時を標準とする。
  3.     (3) 活性炭吸着装置の構造及び塔数は、処理水量及び活性炭の交換頻度を考慮して定めるものとする。なお、活性炭の使用料が多い場合は、必要に応じて活性炭再生装置を設けるものとする。
  4.     (4) 固定床式活性炭の洗浄は、タイマー又は損失圧力を計測して定期的に行えるものでなければならない。
  5.     (5) 洗浄は、水洗浄を主体として、必要に応じて空気洗浄を行うことができるものとする。
  6.     (6) 水洗浄に用いる水は、原則として処理水とする。
  7.     (7) 水洗浄の流速は10~30m/時程度とし、空気洗浄の流速は30m/時程度とする。
  8.     (8) 洗浄ポンプは、必要に応じて予備を設けるものとする。
   3) 処理水槽
  1.     (1) 処理水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 処理水槽の容量は、洗浄排水量の1.5回分以上とする。
   4) 洗浄排水槽
  1.     (1) 洗浄排水槽の構造は、鉄筋コンクリート造り等の水密なものでなければならない。
  2.     (2) 処理水槽の容量は、洗浄排水量の1.5回分以上とする。
  3.     (3) 洗浄排水ポンプは、24時間均等に処理設備に返送できるものでなければならない。
  4.     (4) 洗浄ポンプは、予備を設けなければならない。
 §9 消毒設備

   消毒設備は、§3から§8までの処理設備からの処理水の全量に対し、消毒用薬品を注入し、これと十分混和し、接触時間を保つた上で放流することができるものとし、接触槽、注入装置及び薬品貯槽を組み合わせたものとする。

  1 薬品
  1.    (1) 薬品は塩素剤とし、原則として次亜塩素酸塩とする。
  2.    (2) 塩素注入率は、放流水中の大腸菌郡数の日間平均値が1cm3につき3,000個以下になるように定めなければならない。
  2 接触槽
  1.    (1) 接触槽は、処理水と薬品が十分に混合できるものでなければならない。
  2.    (2) 接触槽の材質は、塩素に対して耐食性のあるものでなければならない。
  3.    (3) 接触槽の容量は、処理水量に対して、15分間以上の接触時間を有することができるものでなければならない。
  3 注入装置
  1.    (1) 注入装置の容量は、計画注入量より決定する。
  2.    (2) 注入機には、予備を設けなければならない。
  4 薬品貯槽

    次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合の薬品貯槽は、次によるものとする。

  1.    (1) 貯蔵容量は、平均注入量の10日分以上とする。
  2.    (2) 残量が監視できる装置を設けなければならない。
  3.    (3) 破損及び転倒がない材質及び構造とし、必要な付帯装置を設けなければならない。
  4.    (4) 薬品が漏洩した場合において、流出を防止するため、貯蔵量に対応できる容量の防液堤又はピットを設けなければならない。
 §10 汚泥処理設備

   汚泥処理設備は§3から§8までの処理設備から排出される汚泥を、環境保全上支障がないように衛生的に処理するものであり、濃縮、脱水、乾燥、焼却又は堆肥化等の方式による設備若しくはこれを組み合わせたものとする。
   なお、その他の有機性廃棄物と併せて処理し、エネルギーの有効利用を図る場合には、メタン回収設備を設けることができる。
   また、計画処理汚泥量は、し尿等及び再生利用する有機性廃棄物の計画処理量、放流水中の浮遊物質濃度、各種処理方式による処理設備の浮遊物質除去率及び汚泥の含水率等に基づいて固形物の収支を計算した上で決定するものとする。

  1 汚泥濃縮設備

    汚泥濃縮設備は、重力濃縮、浮上濃縮又は機械濃縮による装置と濃縮汚泥貯留槽等を組み合わせたものとする。

   1) 重力濃縮装置
  1.     (1) 濃縮槽の平面形状は、円形、正方形又は長方形とする。
  2.     (2) 濃縮槽の有効水深は、4~6mとする。
  3.     (3) 濃縮槽に汚泥をかき寄せ機を設置する場合は、その底部の勾配は、5/100以上とする。また、汚泥かき寄せ機を設置しない場合は、ホッパー型とし、水平
 (1) 生物学的脱窒素処理
   し尿等の窒素およびBODを同時に生物学的に除去する処理。
 (2) 標準脱窒素処理
   し尿等を5~10倍程度に希釈して処理する生物学的脱窒素処理。
 (3) 高負荷脱窒素処理
   し尿等をプロセス用水以外の希釈水を使用せず、標準脱窒素処理に比べ高い容積負荷で処理する生物学的脱窒素処理。
 (4) 嫌気性消化処理
   嫌気性の状態でし尿等の有機性物質の液化、ガス化を促進させるとともに固形物の分離を容易にさせる処理。
 (5) 好気性消化処理
   好気性の状態で、し尿等の固形物の性状を分離容易な形に変化させるとともに生物学的に有機性物質を分解安定させる処理。
 (6) 湿式酸化処理
   し尿等を液状のまま高温、高圧に保ち、有機性物質を酸化分解する処理。
 (7) 浄化槽汚泥専用処理
   浄化槽汚泥のみを除渣後固液分離し、汚泥は脱水、乾燥、又は焼却等により処理し、分離液中の好気性物質を好気性処理(活性汚泥法)で分解安定化させる処理。
 (8) 受入・貯留設備
   し尿等を、し尿収集運搬車から受け入れ貯留する設備。きょう雑物、砂等を処理する設備も含む。
 (9) 受入室
   し尿収集運搬車を導き、し尿等を受け入れる作業を行う室。
 (10) 受入口
   し尿収集運搬車からし尿等を受け入れるための接続口。
 (11) 受入槽(沈砂槽)
   沈砂を行うため受け入れ口に接続して設ける槽。
 (12) きょう雑物除去装置
   し尿等に含まれるきょう雑物を除去するための装置。
 (13) 破砕装置
   し尿等に含まれるきょう雑物を破砕し、または破砕するための装置。
 (14) 貯留槽
   除渣したし尿等を貯留し、処理量の調整を図るための槽。
 (15) 脱窒素槽
   し尿等のBOD及び窒素化合物を生物学的に除去するための槽。
 (16) 硝化槽
   し尿等のBODの除去及び窒素化合物の硝化を生物学的に行わせるための槽。
 (17) 二次脱窒素槽
   し尿等を攪拌混合し、主として脱窒素槽で除去しきれなかったBOD及び窒素化合物の除去を行わせるための槽。
 (18) 再曝気槽
   し尿等に空気を混合接触させ、BOD除去などの処理の仕上げを行わせるための槽。
 (19) 沈殿槽
   流速を小さくして、浮遊物質を沈殿除去するための槽。
 (20) 硝化脱窒素槽
   し尿等のBOD酸化、窒素の硝化及び脱窒素の生物反応を行わせるための槽。
 (21) 水素供与体供給装置
   脱窒工程で必要とする水素供与体(メタノール等)を供給するための装置。
 (22) 固液分離装置
   返送汚泥濃度を高めるため、汚泥と液体を重力分離、浮上分離又は機械分離の手段を用いて固液分離するための装置。
 (23) 嫌気性消化槽
   嫌気性消化及び固液分離を行わせるための槽。
 (24) 脱硫装置
   嫌気性消化により発生したガス中のガス状硫化物を除去するための装置。
 (25) 曝気槽
   有機性汚水を空気と混合接触させBOD等の除去を行わせるための槽。
 (26) 高度処理
   活性汚泥処理などの生物処理等、通常の二次処理工程まででは除去できない成分を物理化学的、又は生物学的に分解、吸着除去する処理。
 (27) 凝集分離設備(凝集分離方式)
   処理水に凝集剤を加え、その凝集作用により浮遊物質、燐化合物を分離除去するための設備。
 (28) 混和槽
   処理水と凝集剤などの薬品を急速に撹拌・混合するための槽。
 (29) 凝集槽
   緩速撹拌により凝集効果を高めるための槽。
 (30) 薬品注入装置
   凝集剤などの薬品を溶解して、これを処理水に注入する装置。
 (31) 加圧浮上分離槽
   加圧して空気を過飽和に溶解した水を凝集槽流出水に混合して、発生する微細な気泡に浮遊物質等を付着させて浮上分離するための槽。
 (32) オゾン酸化処理設備
   処理水にオゾンを注入し、その酸化作用により着色成分、溶解性有機物質を酸化分解するための設備。
 (33) オゾン発生装置
   空気または酸素を原料として真空放電等によりオゾンを発生させるための装置。
 (34) オゾン反応槽
   流入水とオゾンとを十分に接触させ、オゾン酸化反応により有機物質等を低分子化するための槽。
 (35) 砂濾過設備
   濾過砂、アンスラサイト等により流入中の浮遊物質等を除去するための設備。
 (36) 固定床式濾過装置
   下向流、上向流により砂層等を移動させることなく、浮遊物質等を除去するための装置。
 (37) 移動床式上向流連続濾過装置
   上向流により連続的に砂層を移動洗浄させ浮遊物質等を除去するための装置。
 (38) 活性炭処理設備
   活性炭により流入水中の着色成分、臭気成分、有機物質等を物理的に吸着除去するための設備。
 (39) 活性炭吸着装置
   活性炭にCOD、色度成分を吸着させて除去させるための装置。
 (40) 消毒設備
   処理した水に、消毒用薬品を加え消毒するための設備。
 (41) 汚泥処理設備
   汚泥又は汚泥とその他の有機性廃棄物の混合物を、濃縮、メタン回収、脱水し、必要に応じて乾燥、焼却又は堆肥化するための設備。
 (42) 汚泥濃縮設備
   含水率の高い汚泥を沈殿、浮上、機械分離などの操作で圧密させ、分離液と汚泥に分離して汚泥濃度を高めるための設備。
 (43) メタン回収設備
   汚泥又は汚泥とその他の有機性廃棄物を併せて処理し、メタン発酵を行うことによりメタンガスを回収しエネルギー利用を行う設備。
 (44) 汚泥脱水設備
   処理過程より生ずる汚泥を調質し、脱水するための設備。
 (45) 汚泥調質装置
   汚泥脱水を効率よく行うため、汚泥に凝集剤等を加えて性状を改質するための装置。
 (46) 汚泥脱水装置
   調質した汚泥を遠心、加圧、ベルトプレス等の機械的操作によつて固液分離し、低含水率の脱水汚泥にするための装置。
 (47) 汚泥乾燥設備
   汚泥を乾燥するための設備。
 (48) 汚泥乾燥装置
   汚泥乾燥等によつて汚泥を乾燥させるための装置。
 (49) 焼却設備
   し渣、乾燥汚泥等を焼却するための設備。
 (50) 堆肥化設備
   汚泥等を堆肥化するための設備。
 (51) 予備乾燥装置
   汚泥等を堆肥化に適当な含水率まで下げるための乾燥装置。
 (52) 混合機
   汚泥等と水分調整材又は返送堆肥を混合して、低含水率の汚泥に前調整するための機械。
 (53) 一次発酵装置
   汚泥等に適量の通気を行い、必要があれば適度の切り返しを行って好気性発酵させるための装置。
 (54) 二次発酵装置
   一次発酵した汚泥を堆肥し、必要に応じ生物化学的に安定化させるための装置。
 (55) 脱臭設備
   し尿処理施設から発生する臭気物質を、水、薬品、熱、活性炭及びオゾン等により除去するための設備。

    廃棄物最終処分場指針

(昭和63年6月
((社)全国都市清掃会議)

目次

  1.  Ⅰ 総論・基本計画
    1.   §1 埋立処分の考え方
    2.   §2 適用の範囲
    3.   §3 最終処分場に関する基本的計画事項
      1.    3.1 最終処分場整備とごみ処理基本計画
      2.    3.2 最終処分場整備計画の策定
      3.    3.3 基本的計画事項
        1.     1) 計画埋立処分容量
        2.     2) 計画目標年次
        3.     3) 計画年間埋立処分容量
        4.     4) 計画年間埋立処分量
        5.     5) 計画埋立ごみ質
        6.     6) 覆土容量
    4.   §4 最終処分場整備計画策定に当たっての基本的事項
      1.    4.1 最終処分場の位置選定
      2.    4.2 現況調査
      3.    4.3 環境影響に関する事前評価
      4.    4.4 周辺環境への配慮
      5.    4.5 最終処分場の管理
      6.    4.6 跡地利用計画
      7.    4.7 関係法令等の遵守
      8.    4.8 最終処分場整備の手順
      9.    4.9 最終処分場の施設構成と配置
      10.    4.10 最終処分場施設の一般構造
      11.    4.11 寒冷地及び塩害を受ける地域における対策
      12.    4.12 安全・衛生対策
  2.  Ⅱ 最終処分場指針
    1.   §1 一般的事項
      1.    1.1 最終処分場の機能と構造
      2.    1.2 環境汚染等の防止
    2.   §2 最終処分場の主要施設
      1.    2.1 各施設の相互関連
      2.    2.2 貯留構造物
      3.    2.3 しゃ水工
      4.    2.4 雨水集排水施設
      5.    2.5 浸出水集排水施設
      6.    2.6 浸出水処理施設
        1.     1) 総則
        2.     2) 浸出水調整設備
        3.     3) 処理方法
        4.     4) その他
      7.    2.7 発生ガス処理施設
    3.   §3 埋立作業等
      1.    3.1 埋立作業
      2.    3.2 埋立工法
      3.    3.3 覆土
      4.    3.4 場内道路
      5.    3.5 埋立法面の造成
    4.   §4 管理施設
      1.    4.1 管理施設の構成
      2.    4.2 搬入管理設備
      3.    4.3 モニタリング設備
      4.    4.4 管理棟
      5.    4.5 管理道路
    5.   §5 関連施設
      1.    5.1 関連施設の構成
      2.    5.2 搬入道路
      3.    5.3 飛散防止設備
      4.    5.4 立札・門扉・囲障設備
      5.    5.5 防火設備
      6.    5.6 防災設備


Ⅰ 総論・基本計画

 §1 埋立処分の考え方

   ごみの処理は、ごみを生活圏からすみやかに排除し、減容化、安定化、無害化することを目的とし、地域の地理的条件、事業体の財政及び技術を勘案した適切な処理・処分プロセスが選定されなければならない。この処理・処分プロセスは通常、収集・運搬プロセス、中高処理プロセス、処分プロセスに分けられるが、処分プロセスは廃棄物を最終的に自然に還元するプロセスであることから、原則として埋立処分が唯一の処分プロセスとして位置付けられる。
   埋立処分の目的は、生活環境の保全上支障が生じない方法、廃棄物を適切に貯留し、自然界の代謝機能を利用し、安定化、無害化することである。この目的を達成するためには処分の実施方法が重要であり、これは地域の特性、事業体の実情によって決定されるものであり、その決定に当たっては中間処理の方法を勘案したごみの種類、形状、組成、最終処分場の位置、地域の気候等が重要な因子となる。
   最終処分の計画の立案に当たっては、地域の実情を考慮した合理的なごみ処理基本計画を策定し、埋め立てる廃棄物の種類及び量を決定する必要がある。また、これは、収集運搬計画、中間処理計画と有機的関連を持って策定されなければならない。

 §2 適用の範囲

   ここに定める指針は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第8条に規定する一般廃棄物処理施設のうち、ごみ、粗大ごみ、焼却残渣等の一般廃棄物(以下「ごみ」という。)を埋め立てる最終処分場について適用する。

 §3 最終処分場に関する基本的計画事項
  3.1 最終処分場整備とごみ処理基本計画

    計画処理区域内のごみを適正に処理するため、ごみ処理基本計画に従って最終処分場の適正な整備をはからなければならない。

  3.2 最終処分場整備計画の策定

    最終処分場整備計画は、計画目標年次に至るまでの計画処理区域内のごみを適正に埋立処分するために必要な施設の整備について、その基本方針及び実施計画を定めるものである。

  3.3 基本的計画事項
   1) 計画埋立処分容量
     計画埋立処分容量は、計画目標年次に至る間における各年次の計画年間埋立処分容量の総和に、覆土容量を加算したものとする。
   2) 計画目標年次
     計画目標年次は、原則として計画策定時より10~15年後程度を目標とするが、地域の実情を勘案して設定する。
   3) 計画年間埋立処分容量
     計画年間埋立処分容量は、埋め立てられ締め固まったごみの単位容積重量で計画年間処分量を除して求めるものとする。

     ただし、以下の式で算定される規模を上限とする。

  1.       ※
        ① 規模=人口規模別整備水準×計画収集人口×365×0.36(平均残渣率)÷0.285(平均比重)÷0.77(覆土分)
  2.       ※ 別に定める市町村の人口規模別に定める整備水準
        ② 埋立期間は最高15年までとする。
   4) 計画年間埋立処分量
     計画年間埋立処分量は、ごみ処理基本計画に基づく年間に埋め立てるごみの重量とする。なお、ごみの種類ごとに重量を算定するものとする。
   5) 計画埋立ごみ質
     計画埋立ごみ質は、これまでの実績、今後のごみ収集及び中間処理の方法等を勘案して決定するものとする。
   6) 覆土容量
     覆土容量は、ごみ及び覆土材の種類、地形、気象条件、跡地利用等を勘案し決定するものとする。
 §4 最終処分場整備計画策定に当たっての基本的事項
  4.1 最終処分場の位置選定

    最終処分場の位置選定に当たっては、計画埋立処分容量を確保できるものし、次の各号について総合的に検討しなければならない。

  1.    ① 収集運搬の効率
  2.    ② 周辺条件
  3.    ③ 地形地質等
  4.    ④ 災害等に対する安全性
  5.    ⑤ 跡地利用計画
  6.    ⑥ 都市発展との関係
  7.    ⑦ 関連施設との位置関係
  4.2 現況調査

    最終処分場の機能を確保するため、最終処分場予定地域及びその周辺について水文、地形、地質、土質及び植生等の調査を行わなければならない。

  4.3 環境影響に関する事前評価

    最終処分場におけるごみの埋立て等による大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭等の環境影響について事前評価を行わなければならない。

  4.4 周辺環境への配慮

    最終処分場整備計画策定に当たっては、交通渋滞の防止、美観の保持、緑化等の周辺の環境条件について十分配慮しなければならない。

  4.5 最終処分場の管理

    最終処分場整備計画策定に当たっては、埋立作業及び施設の維持管理並びに最終処分場全体の管理が容易に、かつ、適切に行えるよう配慮しなければならない。

  4.6 跡地利用計画

    最終処分場整備計画策定に当たっては、最終処分場の跡地利用の形態を勘案しなければならない。

  4.7 関係法令等の遵守

    最終処分場整備計画策定に当たっては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめ、「都市計画法」等関係法令を遵守しなければならない。

  4.8 最終処分場整備の手順

    最終処分場整備計画は、ごみの埋立処分の実施手順、最終処分場を構成する施設の相互の関係及び跡地の利用に配慮した段階的な施設整備が図られるものでなければならない。

  4.9 最終処分場の施設構成と配置
  1.    (1) 最終処分場は、次の施設から構成される。
    1.     ① 貯留構造物、しゃ水工、浸出水集排水施設、浸出水処理施設等の主要施設
    2.     ② 搬入管理設備、モニタリング設備、管理棟等の管理施設
    3.     ③ 搬入道路、飛散防止設備、防災設備等の関連施設
  2.    (2) 最終処分場の施設配置は、埋立作業の効率性及び安全性、管理の容易性、周辺環境、経済性等を勘案して決定するものとする。
  4.10 最終処分場施設の一般構造
  1.    (1) 自重、積載荷重、水圧、土圧、ごみ圧、風圧、積雪荷重、地震力、温度応力等に対して構造上安全でなければならない。
  2.    (2) 年間を通じて安定した稼働のできるものでなければならない。
  3.    (3) 必要に応じて、耐摩耗性、耐腐食性等を持つものでなければならない。
  4.11 寒冷地及び塩害を受ける地域における対策
  1.    (1) 寒冷地においては、特に冬期間の凍結対策、融雪時の増水対策等に十分配慮しなければならない。
  2.    (2) 塩害を受ける地域においては、塩害防止対策に十分配慮しなければならない。
  4.12 安全・衛生対策

    最終処分場は、作業従事者の安全・衛生に十分配慮したものでなければならない。

Ⅱ 最終処分場指針

 §1 一般的事項
  1.1 最終処分場の機能と構造
  1.    (1) 最終処分場は、生活環境の保全上、ごみ・浸出水の外部流出、ごみの飛散、悪臭の発散等の支障が生じない方法で、かつ、埋め立てられるごみの安定化及び浸出水の減量化等が図られる方法で、所要量のごみを埋立できるものでなければならない。したがつて、最終処分場は、貯留、しや水、処理等の機能を有するものでなければならない。
  2.    (2) 最終処分場は、陸上埋立の場合と水面埋立の場合とで必要な施設の内容が異なることを勘案して適切な構造でなければならない。
  1.2 環境汚染等の防止
  1.    (1) 最終処分場からの排水は、公共の水域及び地下水の水質保全上支障のないものでなければならない。
  2.    (2) 埋立地における発生ガスにより生活環境の保全上支障が生じないようにしなければならない。
  3.    (3) 最終処分場の外に悪臭が発散しないようにしなければならない。
  4.    (4) ごみの埋立てに際して、騒音、振動等により生活環境の保全上支障が生じないようにしなければならない。
  5.    (5) 埋め立てられたごみが、衛生害虫獣等の発生源、誘引源とならないようにしなければならない。
 §2 最終処分場の主要施設
  2.1 各施設の相互関連

    最終処分場の各施設は、相互に係わり合いをもつため、最終処分場が効果的に機能するよう、全体として有機的に結合したものでなければならない。

  2.2 貯留構造物
  1.    (1) 埋立地には、所定の容量のごみを安全に貯留するため、必要に応じて貯留構造物を設けなければならない。
  2.    (2) 貯留構造物の構造は、埋立地の地形、地質、土質の条件及び貯留構造物の必要高さ等を勘案して決定するものとする。
  2.3 しや水工
  1.    (1) 埋立地には、浸出水が公共の水域及び地下水を汚染しないよう、必要に応じてしや水工を設けなければならない。
  2.    (2) しや水工の構造・形式は、埋立地の地形、地質、土質条件、地下水の状況及び浸出水集排水施設の配置状況等に適合したものでなければならない。
  3.    (3) しや水工の機能を保持するため、必要に応じて地下水集排水施設を設けなければならない。
  4.    (4) 地下水集排水施設の規模及び位置は、地下水の湧出箇所、湧出量、埋立地底部の地形等を勘案して決定するものとする。
  2.4 雨水集排水施設
  1.    (1) 埋立地外の雨水が埋立地内に流入しないよう、埋立地周辺に排水溝を設けなければならない。
  2.    (2) 埋立て前の区域の雨水がごみ層に流入しないよう、必要に応じて区画堤等の排水設備を設けなければならない。
  3.    (3) 埋立てが完了した区域の雨水を浸出水と分離して排水するため、覆土表面に排水溝を設けなければならない。
  4.    (4) 雨水集排水施設の規模及び位置は、地形、地質、土質の条件及び雨水の流出量を勘案して決定するものとする。
  2.5 浸出水集排水施設
  1.    (1)埋立地内の浸出水をすみやかに排出するため、排出水集排水施設を設けなければならない。
  2.    (2) 浸出水集排水施設の規模は、気象条件、地形、主要施設の配置等を勘案して設定した浸出水量に基づいて定めるものとする。
  3.    (3) 浸出水集排水施設は、埋立地底部の地形条件、しや水工等に適合するよう配置するとともに、効果的に集排水でき、かつ、目詰りの生じないものでなければならない。
  2.6 浸出水処理施設
   1) 総則
  1.     (1) 浸出水処理施設は、流入する浸出水の水質を設定した放流水質まで処理し得るものでなければならない。
  2.     (2) 流入する浸出水の水量及び水質の変動に対応できるもでなければならない。
   2) 浸出水調整設備
     浸出水調整設備は、流入する浸出水の水量及び水質の変動を緩和し、安定した処理を行えるものとする。
   3) 処理方法
  1.     (1) 処理方法は、計画流入水量、計画流入水質及びのそ変動、放流水質、処理施設の立地条件や維持管理条件等を勘案して決定するものとする。
  2.     (2) 計画流入水量は、最大浸出水量及び平均浸出水量、浸出水調節設備の容量を勘案して決定するものとする。
  3.     (3) 計画流入水質は、計画埋立ごみ質、埋立形式、埋立作業、埋立地の規模及び埋立期間等を勘案して決定するものとする。
  4.     (4) 放流水質は、放流先の利水状況及び環境保全を勘案して決定するものとする。
   4 その他
  1.     (1) 電気計装設備は、防災対策及び安全対策に配慮したものでなければならない。
  2.     (2) 建築物及び建築設備は、浸出水処理施設を安全、かつ、適正に管理できるものでなければならない。
  2.7 発生ガス処理施設
  1.    (1) 発生ガスによる火災、周辺立木の枯死等を防止するため、必要に応じて通気装置等の発生ガス処理施設を設けなければならない。
  2.    (2) 発生ガス処理施設は、埋立作業に併行して設置しなければならない。
 §3 埋立作業等
  3.1 埋立作業

    埋立作業は、埋立工法、埋立順序等を勘案して、適切に行うものとする。

  3.2 埋立工法

    ごみは、埋立地盤の安定化、埋立地の延命化のために十分に締め固め、覆土層をはさみながら、計画的に埋め立てられなければならない。

  3.3 覆土
  1.    (1) 埋立ごみは放置することなく、その層の上にすみやかに覆土を行わなければならない。この場合にあつては、覆土の厚さはごみの種類、覆土材料の種類によつて選定するものとする。
  2.    (2) ガスの放散防止、火災予防及び必要に応じてごみの収集・運搬車の通行のため、所定の区域に対して覆土を行わなければならない。
  3.    (3) 埋立地の最上層には、最終の覆土を行わなければならない。この場合にあつては、覆土の厚さは埋立地の跡地利用計画等を勘案して決定しなければならない。
  4.    (4) 覆土材は、その目的にあつたものを選び、その埋立計画を確実に実施するのに十分な量が供給でき、経済的に施工できるものでなければならない。
  5.    (5) 覆土は、ごみ層の表面を確実に覆い、十分によく締め固め、所定の厚さと勾配となるようこれを施工しなければならない。
  3.4 場内道路
  1.    (1) ごみを埋立地内の埋立箇所まで運搬するため、必要に応じて場内道路を設けなければならない。
  2.    (2) 場内道路は、ごみの埋立ての順序、ごみ等の搬入頻度、積みおろし時間等を勘案して設けるものとする。
  3.5 埋立法面の造成
  1.    (1) ごみの埋立法面の勾配は、跡地利用の形態及び埋立作業性に配慮するとともに、十分安全なものでなければならない。
  2.    (2) ごみの埋立法面の修景は、周辺環境との調和に配慮したものでなければならない。
 §4 管理施設
  4.1 管理施設の構成

    最終処分場を適切に管理するために、必要に応じて搬入管理設備、モニタリング設備、管理棟、管理道路、その他の施設を設けなければならない。

  4.2 搬入管理設備

    搬入管理設備は、搬入されるごみが受入基準に合致しているかどうかの検査及び搬入量の計量・記録等を行うことができるものでなければならない。

  4.3 モニタリング設備

    モニタリング設備は、最終処分場の適切な管理のため、ごみ、浸出水、地下水、放流水、発生ガス、悪臭等のモニタリングを行うことができるものでなければならない。

  4.4 管理棟
  1.    (1) 管理棟は、処分場の管理を適正に行えるものでなければならない。
  2.    (2) 作業者の厚生施設として、必要に応じて更衣室、休憩室、シャワー室等を設けるものとする。
  4.5 管理道路

    管理道路は最終処分場の管理のために安全な通行が確保できるものでなければならない。

 §5 関連施設
  5.1 関連施設の構成

    最終処分場には、必要に応じて搬入道路、飛散防止設備、立札・門扉・囲障設備、防火設備、防災設備等を設けなければならない。

  5.2 搬入道路

    最終処分場までの搬入道路は、ごみ及び覆土材運搬車の通行に支障を生じないものでなければならない。

  5.3 飛散防止設備

    飛散防止設備は、ごみの飛散を防止するため、気象、地形等を勘案し、規模・形式を定めなければならない。

  5.4 立札・門扉・囲障設備

    最終処分場の入口には立札・門扉を設けるとともに、みだりに埋立地に立ち入るのを防止するため囲障設備を埋立地の周囲に設けるものとする。

  5.5 防火設備

    最終処分場において発生する可能性のある火災を防止するため、必要に応じて防火設備を設けなければならない。

  5.6 防災設備

    降雨等によつて下流域に被害等を生じないよう、防災調整池等の防災設備を必要に応じて設けなければならない。


  本指針の用語を次のように定義する。

 (1) 一般廃棄物処理施設
   「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第8条で規定された一般廃棄物処理施設をいう。
  1.   ① 処理能力が1日5トン以上のごみ処理施設
  2.   ② し尿処理施設
  3.   ③ 一般廃棄物の埋立処分の用に供される場所であつて、その面積が1,000m2以上のもの(水面埋立地にあつては主として一般廃棄物の埋立処分の用に供される場所として環境庁長官及び厚生大臣が指定する区域であつて、その面積が1,000m2以上のものに限る。)
 (2) 収集・運搬プロセス
   ごみを取り集め(収集)、処理・処分施設等へ運ぶ(運搬)操作の総称で、ごみの保管、積み替えを含む。
 (3) 中間処理プロセス
   ごみの最終処理に先立つて行われる人為的な操作(収集・運搬プロセスを除く)の総称で、焼却、破砕、堆肥化等がある。
 (4) 処分プロセス
   ごみを自然に還元するための最終の操作をいい、埋立処分と海洋投入処分がある。
 (5) 最終処分場
   埋立処分を行うために必要な場所及び施設、設備の総体をいい、埋立地、貯留構造物、集排水施設、しや水工、浸出水処理施設、搬入管理施設、モニタリング設備等からなる。
 (6) 埋立地
   最終処分場のうち、ごみを埋め立てる場所をいう。
 (7) 安定化
   ごみの中間処理、処分プロセスにおいて、ごみが生物的、物理的、化学的に安定な状態になること、またはそのような状態にすることをいう。
 (8) 無害化
   ごみが自然環境、及び生活環境に対して悪影響を及ぼさない状態になること、またはそのような状態にすることをいう。
 (9) 焼却残渣
   焼却炉の炉底から排出される焼却残留物(焼却灰)と集じん装置、ボイラ、ガス冷却室、再燃焼室等で捕集されたばいじん(飛灰)の混合物をいう。
 (10) ごみ処理基本計画
   ごみ処理事業を先見性を以て推進するために基本となる計画で、一般廃棄物処理基本計画のうちのごみ処理に係わるものをいう。
 (11) 最終処分場整備計画
   ごみ処理基本計画に基づき、最終処分場を整備するための具体的な計画をいう。
 (12) 跡地利用計画
   最終処分場の閉鎖後の土地利用に関する計画をいう。
 (13) 計画年間埋立処分量
   ごみの種類ごとに算定される計画年間埋立処分量(重量)をいう。
 (14) 計画埋立処分容量
   ごみの計画年間埋立処分容量に覆土容量を加算したもの(体積)をいう。
 (15) 計画埋立ごみ質
   埋め立てるごみの水分、見かけ比重、成分組成等の総称である。
 (16) 現況調査
   最終処分場の予定地域及びその周辺の現況に関する既存資料の収集、解析や現地調査等をいう。
 (17) 環境影響に関する事前評価
   最終処分場整備計画において、最終処分場に関連する環境影響を調査、予測、評価することをいう。
 (18) 浸出水
   埋立地内に浸透し、埋立ごみと接触して汚れた雨水等をいう。
 (19) 放流水
   浸出水処理施設から最終処分場外へ排出される水をいう。
 (20) 発生ガス
   埋立地内のごみが微生物による分解作用等を受けて発生するガスをいう。
 (21) 衛生害虫獣
   最終処分場を採餌場にすることの多い昆虫や鳥類、動物をいい、主にハエ、カラス、ネズミ、犬等である。
 (22) 最終処分場の管理
   埋立作業や施設の維持管理、モニタリング等、最終処分場の機能を発揮させるための管理をいう。
 (23) モニタリング
   最終処分場の管理のため、ごみ、浸出水、地下水、発生ガス等の性状や量を定期的に測定、分析することをいう。
 (24) 最終処分場の機能
   生活環境や自然環境を保全するために最終処分場が具備すべき機能をいい、その主なものには所要量のごみを埋め立て、安全に貯留するための貯留機能、浸出水の外部流出を防止するためのしや水機能、ごみの安定化や浸出水や発生ガス等を処理するための処理機能がある。
 (25) 陸上埋立
   山間や平地等の陸上での埋立てをいう。
 (26) 水面埋立
   内水面(河川、湖沼)や海面での埋立てをいう。
 (27) 主要施設
   最終処分場を構成する主要な施設をいい、貯留構造物、しや水工、雨水集排水施設、浸出水集排水施設、浸出水処理施設、発生ガス処理施設がある。
 (28) 貯留構造物
   ごみを安全に貯留するために設ける構造物をいい、貯留堤、擁壁、護岸等がある。
 (29) ごみ圧
   埋立地内に堆積、貯留されたごみが、貯留構造物等の構造物に与える力学的特性をいい、それは埋立後の時間経過に伴い変化する。
 (30) しや水工
   浸出水の埋立地外部への流出を防止するために埋立地の底面、斜面や貯留構造物底部等に設ける難透水性の層または壁をいう。埋立地周辺の地下水の埋立地内への侵入を防止することもある。
 (31) 地下水集排水施設
   地下水及び湧水を浸出水と分離して集排水するために設ける施設をいう。
 (32) 雨水集排水施設
   埋立地外に降つた雨水が埋立地内に流入しないように、また、埋立前の区域に降つた雨水がごみ層に流入しないように雨水を集排水するために設ける施設をいい、排水溝、区画堤等がある。
 (33) 浸出水集排水施設
   浸出水を集排水するための施設をいい、浸出水集排水管、処理施設へ送水するポンプピットまたは樋門等からなる。
 (34) 浸出水処理施設
   浸出水を放流できる水質にまで処理する施設をいい、浸出水取水設備、浸出水導水設備、浸出水調整設備、水処理設備及び処理水放流設備からなる。
 (35) 浸出水調整設備
   浸出水量及び水質の変動を緩和し、水処理設備の安定稼働を行うための設備をいう。
 (36) 計画流入水量、計画流入水質
   浸出水処理施設を計画、設計する際の設計条件となる水量、水質をいう。
 (37) 発生ガス処理施設
   発生したガスをごみ層から外部へ導き、処理するための施設をいい、通気装置、終末処理設備等からなる。
 (38) 埋立作業
   ごみが埋立地に搬入されてから、敷きならし・転圧され、最終覆土が行われるまでの一連の作業をいう。
 (39) 覆土
   ごみの飛散やガス・悪臭の放散防止、衛生害虫獣の繁殖防止、火災予防、雨水の浸透防止等のためにごみ層の表面を土砂等で覆うことをいう。
 (40) 覆土材
   覆土に用いる土砂等の材料をいう。
 (41) 埋立工法
   ごみの締固め方法や覆土層のはさみ方等の埋立作業方法をいう。
 (42) 埋立順序
   埋立地の地形や最終処分場の主要施設の整備状況等から決められる埋立の進行方向をいう。
 (43) 締固め
   ごみ層の安定化や埋め立てられたごみの減容化等のために、埋立機材を用いてごみ層を締め固める一連の操作をいう。
 (44) 搬入道路
   ごみや覆土材を最終処分場へ搬入するための道路をいう。
 (45) 管理道路
   最終処分場の諸施設の管理のための道路をいう。
 (46) 場内道路
   最終処分場内に設けるごみの運搬車両の通行に供する道路であつて、ごみ層内に埋没するものや管理道路として利用されるものもある。
 (47) 埋立法面
   ごみの埋立てに伴つて形成される斜面をいい、覆土や土堰堤等により造成される。
 (48) 管理施設
   最終処分場を適切に管理するための施設をいい、搬入管理施設、モニタリング施設、管理棟、管理道路等がある。
 (49) 搬入管理設備
   最終処分場に搬入されるごみの搬入量の計量・記録及びごみ質の検査等を行うための設備をいう。
 (50) モニタリング設備
   モニタリングのための設備をいい、モニタリング井戸やガス採取管、沈下板等がある。
 (51) 関連施設
   主要施設及び管理施設と共に最終処分場を構成する施設をいい、ごみ飛散防止施設、立札・門扉・囲障設備、防火設備、防災設備等がある。
 (52) 飛散防止設備
   ごみの飛散を防止するために設ける設備をいい、柵や塀等がある。
 (53) 防災設備
   最終処分場で発生する恐れのある災害を未然に防止するために設ける設備をいい、防災調整池等がある。