法令・告示・通達

産業廃棄物に関する立入検査及び指導の強化について

公布日:平成2年04月24日
衛産30号

(各都道府県・各政令市産業廃棄物主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長通知)

 産業廃棄物処理行政の推進については、かねてより御尽力賜つているところであるが、産業廃棄物の適正処理を確保するためには、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)第一九条第一項に基づく立入検査を公正かつ効率的に行い、また、同法第二○条第一項に基づく環境衛生指導員による産業廃棄物の処理に関する指導を確実に行う必要がある。
 このため、左記の点に留意し排出事業者の事業場、産業廃棄物処理業者の事業場及び産業廃棄物処理施設(以下「事業場等」という。)に対する立入検査及び産業廃棄物の処理に関する指導(以下「立入検査等」という。)の強化を図られたい。

1 立入検査等に関する計画の作成

  年度当初に一年間の立入検査等に関する計画を次の要領で作成し、その計画に基づき効率的な立入検査等を実施すること。

  1.  (1) 年間計画には、立入検査等の対象とする事業場等、立入検査等の回数、立入検査の内容及び指導の内容を定めることとする。年間計画の作成に当たつては、必ず次の事項について基本方針を策定すること。
    1.   ① 当該年度に特別に立入検査等を実施する業種、産業廃棄物の種類、地域等の選定。
          これらの選定に当たつては、当該年度において特に新たな規制等が適用される事業場等、前年度行政処分を受けた処理業者の事業場等、過去の立入検査において改善事項が多岐にわたる事業場等、周辺住民から多くの苦情が寄せられる事業場等などを対象にすること。
    2.   ② 産業廃棄物の処理に関する重点的指導事項の決定。
          この重点的指導事項としては、処理能力を超えた過大な産業廃棄物の受入の是正、最終処分場からの浸出液による公共水域の汚濁防止、減量化の推進、他都道府県への産業廃棄物の流出対策等が考えられること。
  2.  (2) 計画の作成に当たつては、立入検査等を実施するために必要な人員の配置、器材の整備等について配慮すること。
  3.  (3) 計画と作成に当たつては、都道府県と政令市との間の連絡を密にし、統一的かつ効率的な計画とすること。
  4.  (4) 年間計画は必要に応じ年度途中において、必要な見直しを行うこと。

2 立入検査等の実施

  立入検査等に当たつては、次の事項に留意すること。

  1.  (1) 年間計画に基づいて、個々の立入検査等の事業場等を選定すること。
  2.  (2) 立入検査等を行う事業場等に対しては、原則として、あらかじめ連絡をすることなく立ち入ること。
  3.  (3) 立入検査等をする環境衛生指導員又はその他の職員(以下「環境衛生指導員等」という。)は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示すること。
  4.  (4) 環境衛生指導員等は、事業場等の管理に責任を有する者、産業廃棄物処理責任者及び技術管理者を立会人として、立入検査等を行うこと。
  5.  (5) 検査に当たつては、立入検査及び産業廃棄物の処理に関する指導表(以下「立入検査表」という。)を持参し、立入検査表に沿つて、処理基準及び義務規定の遵守状況を検査するとともに計画に定めた指導方針に基づいて事業場等に必要な指導を行い、その検査結果及び指導事項を立入検査表に記録すること。
  6.  (6) 措置すべき事項を指示する場合は、口頭によらず必ず文書により行うこと。措置すべき事項については具体的に示し、できるだけ措置期限を指示すること。
       措置すべき事項等の指示に当たつては、立入検査表を複写式にして一部を立会人に渡す方法も考えられること。
  7.  (7) 産業廃棄物、地下水又は放流水の水質等の分析を行い生活環境保全上の支障の有無を把握するため検体の採取に努めること。

3 立入検査後の措置

  1.  (1) 環境衛生指導員等は、立入検査等の結果を直ちに都道府県知事又は政令市長(以下「都道府県知事等」という。)に報告すること。
  2.  (2) 都道府県知事等は、措置すべき事項等を指示した事業者等からは改善計画書を徴し、また改善計画の履行を確認すること。
  3.  (3) 明らかに廃棄物処理法又はこの法律に基づく処分に違反している場合は、すみやかに改善命令又は行政処分を行うこと。
  4.  (4) 立入検査表は保存し、次回の立入検査資料、立入検査計画の作成資料、再許可申請の審査資料等として活用すること。
  5.  (5) 都道府県知事等は、立入検査等の基本方針、立入検査等の回数、措置した事項及びその件数等について一年間の結果を取りまとめ、一般に公表し、関係者に周知させること。

4 立入検査表の作成

  都道府県知事等は、公正な立入検査等の実施、検査内容の徹底、立入検査等の記録の保存を図るため、立入検査等に必要な立入検査表をあらかじめ、別添の立入検査表(案)に基づいて作成すること。

別表
 略