法令・告示・通達
ごみ処理施設構造指針の改正及び生活排水処理施設構造指針の策定について
衛環144号
[改定]
平成4年2月7日 衛環46号
平成5年4月1日 衛環116号
平成10年10月28日 生衛発1572号
(各部道府県知事あて厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
ごみ処理施設構造指針及び生活排水処理施設構造指針については、かねてよりその改正作業及び策定作業を関係機関に依頼していたが、今般、成案がそれぞれ別添1の「ごみ処理施設構造指針(社団法人全国都市清掃会議編)」及び別添2の「生活排水処理施設構造指針(財団法人日本環境整備教育センター編)」としてまとまったところなので、通知する。
ついては、今後新たに着手する廃棄物処理施設整備国庫補助事業に係る標記施設の構造に関する技術上の基準として、別添1及び別添2を適用することとするので、その旨了知の上、貴管下市町村(一部事務組合を含む。)に通知方よろしく取り計らわれたい。
別表
平成一〇年一〇月二八日生衛発第一、五七二号により廃止された。
生活排水処理施設構造指針
〔昭和61年8月〕
〔(財)日本環境整備教育センター〕
- 目次
- Ⅰ 総論
- §1 生活排水処理の考え方
- §2 適用の範囲
- §3 用語の定義
- §4 対象地域
- Ⅱ 生活排水処理施設整備計画
- §1 基本計画
- §1・1 生活排水処理計画
- 1 生活排水処理計画の意義
- 2 生活排水処理計画の計画目標年次
- 3 生活排水処理計画の内容
- §1・2 集水方式及び集でい方式
- 1 集水方式
- 2 集でい方式
- §1・3 生活排水専用処理施設
- 1 計画目標年次
- 2 計画処理区域
- 3 計画処理人口
- 4 計画1人1日最大排水量
- 5 計画1人1日平均排水量
- 6 計画1日最大排水量
- 7 計画地下水流入量
- 8 計画時間最大排水量
- 9 計画処理水量
- 10 計画流入水質
- §1・4 汚でい処理施設
- 1 計画目標年次
- 2 計画収集区域
- 3 計画収集人口
- 4 計画1日平均汚でい量
- 5 計画処理汚でい量
- 6 計画汚でい性状
- §1・1 生活排水処理計画
- §2 整備計画にあたっての基本的事項
- §2・1 生活排水専用処理施設
- 1 処理施設の位置等の選定
- 2 環境影響に関する事前評価
- 3 関係法令の遵守
- 4 処理施設の一般構造
- 5 予備動力
- 6 寒冷地における対策
- 7 測定装置等
- 8 安全対策
- 9 厚生施設
- 10 その他
- §2・2 汚でい処理施設
- 1 処理施設の位置等の選定
- 2 環境影響に関する事前評価
- 3 関係法令の遵守
- 4 処理施設の一般構造
- 5 予備動力
- 6 寒冷地における対策
- 7 施設内配置計画
- 8 測定装置等
- 9 安全対策
- 10 厚生施設
- 11 その他
- §2・1 生活排水専用処理施設
- §1 基本計画
- Ⅲ 生活排水処理施設構造指針
- §1 処理施設に関する基本的事項
- §1・1 管路施設
- 1 管路
- 2 中継ポンプ場
- §1・2 生活排水専用処理施設
- 1 施設規模
- 2 放流水の水質
- 3 処理方式の選定
- §1・3 汚でい処理施設
- 1 施設規模
- 2 放流水の水質
- 3 汚でいの処理方式の選定
- 4 汚でいの処分方法の選定
- §1・1 管路施設
- §2 管路施設
- 1 管きょ及び開きょ
- 2 マンホール、汚水ます及び雨水吐き室
- 3 ポンプます
- 4 ポンプの台数
- 5 ポンプの選定
- 6 ポンプの付属設備及び補助設備
- §3 生活排水専用処理施設
- §3・1 長時間ばっ気方式、標準活性汚でい方式
- 1 スクリーン設備
- 2 流量調整設備
- 3 ばっ気槽
- 4 沈でん槽
- 5 消毒設備
- 6 汚でい処理設備
- §3・2 回分式活性汚でい方式
- 1 スクリーン設備
- 2 流量調整設備
- 3 回分処理槽
- 4 消毒設備
- 5 汚でい処理設備
- §3・3 回転板接触方式
- 1 スクリーン設備
- 2 流量調整設備
- 3 沈でん分離槽
- 4 回転板接触槽
- 5 沈でん槽
- 6 消毒設備
- 7 汚でい処理設備
- §3・4 接触ばっ気方式
- 1 スクリーン設備
- 2 流量調整設備
- 3 沈でん分離槽
- 4 接触ばっ気槽
- 5 沈でん槽
- 6 消毒設備
- 7 汚でい処理設備
- §3・1 長時間ばっ気方式、標準活性汚でい方式
- §4 汚でい処理施設
- 1 処理方式
- 2 受入槽
- 3 夾雑物除去装置
- 4 貯留槽
- 5 濃縮・脱水設備
- 6 分離液処理設備
- 7 脱水汚でい処理設備
- 8 脱臭設備
- §1 処理施設に関する基本的事項
- Ⅰ 総論
Ⅰ 総論
§1 生活排水処理の考え方
家庭の台所、風呂場等からの排水(以下「生活排水」という。)による水質汚濁の問題は、その対策の緊急性、重要性が深く認識されるに至っている。すなわち、生活排水は、下水道、地域し尿処理施設あるいは合併処理浄化槽等の利用家庭以外はそのまま排出されており、生活水準の向上に伴う排水量の増大、排水水質の変化、宅地化の進行等により、周辺生活環境の悪化や公共用水域の水質汚濁の大きな原因となっている。このような現状において生活排水対策を実施することは、生活環境の衛生及び快適さの確保並びに水道水源等公共用水域の水質保全に資するうえから意義のあることである。
厚生省としては、生活排水対策の重要性にかんがみ、種々の対策案を整える必要があるとの判断で、生活排水処理施設の整備に対する国庫補助制度を昭和59年度に創設した。
廃棄物処理行政の一環として生活排水処理施設整備を推進することとした基本的な考え方は次のとおりである。
- (1) 生活排水は下水道等の整備が行われていない地域において、身近な生活環境の悪化及び公共用水域の水質汚濁といった国民の健康保護及び快適なくらしの確保に係る問題であり、極めて国民生活に密着していること。
- (2) 生活排水専用処理施設は下水道整備が困難な地域で行うので、厚生省が補助しているし尿及び生活排水を対象とする地域し尿処理施設に類似した形態であり、市町村清掃事業の対象の中で実施することが妥当であること。
- (3) 生活排水から分離した汚でいは一般廃棄物であり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定めているように、適切に処理、処分し、家屋周辺の排水溝等の清潔の保持に努めるべきであること。
- (4) 一般廃棄物である汚でいの収集、運搬、処理、処分は廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき実施されること。
- (5) 生活排水処理施設のうち、汚でい処理施設の整備、運営は、現在市町村が清掃事業として行っている汲み取りし尿、浄化槽汚でいの収集から処分に至る体系と密接な関連を有し、その体系の拡大で対応するのが、もっとも合理的、現実的な方法であること等である。
生活排水問題は、内容が多様であり単一のあるいは特定の手段では対処が困難であり、地方公共団体の行政担当者等が本指針を活用し、地域の実情、住民の理解度等を考慮し、下水道、地域し尿処理施設、合併処理浄化槽、農業集落排水施設等の施策と時間的、空間的に有機的連携をとりつつ生活排水処理施設の施策を展開していくことが、水環境を守りその利用度を高め、更には広く生活の場を保全する観点から期待されるものである。
§2 適用の範囲
ここに定める指針は、生活排水もしくは生活排水の処理によって生ずる汚でいを処理する施設について適用する。
§3 用語の定義
本指針の用語を次のように定義する。
- (1) 生活排水
- し尿以外の生活系排水をいう。
- (2) 汚でい
- 個別処理設備及び生活排水専用処理施設から生ずる汚でいをいう。
- (3) 生活排水処理施設
- 生活排水専用処理施設、汚でい処理施設及びこれらに付帯する施設。
- (4) 生活排水専用処理施設
- 管路施設を用いて、生活排水を集め、これを処理する施設。
- (5) 計画処理区域
- 生活排水専用処理施設により処理する区域。
- (6) 計画処理人口
- 計画を目標とする人口。
- (7) 計画1人1日最大排水量
- 計画目標年次における1人1日あたりの最大排水量。
- (8) 計画1人1日平均排水量
- 計画目標年次における1人1日あたりの平均排水量。
- (9) 計画1日最大排水量
- 計画目標年次における計画処理人口と1人1日最大排水量を乗じたもので、必要に応じて地下水量を含むもの。
- (10) 計画地下水流入量
- 計画目標年次において、地中に埋設した管きよの継ぎ手のすき間等から浸入する地下水量。
- (11) 計画時間最大排水量
- 計画目標年次における1時間あたりの最大排水量で必要に応じて地下水量を含むもの。
- (12) 計画処理水量
- 管路、ポンプ場、処理施設等の規模を決定するために用いる排水量。
- (13) 計画流入水質
- 生活排水専用処理施設の整備計画に用いる排水の性状。
- (14) 汚でい処理施設
- 個別処理設備から収集した汚でいもしくは生活排水専用処理施設等からの汚でいを処理する施設。
- (15) 計画収集区域
- 汚でいを収集し、汚でい処理施設により処理する区域。
- (16) 計画収集人口
- 計画目標年次における計画収集区域内での収集対象人口。
- (17) 計画1日平均汚でい量
- 計画目標年次における個別処理設備等から収集される1日あたりの平均汚でい量。
- (18) 個別処理設備
- 個別に生活排水中の固形物を分離し内部に貯留する設備。
- (19) 計画処理汚でい量
- 汚でい処理施設の規模を決定するために用いる汚でい量。
- (20) 計画汚でい性状
- 汚でい処理施設の整備計画に用いる汚でいの性状。
- (21) 管路施設
- 管路及び中継ポンプ場の総称。
- (22) 管路
- 管きよ、開きよ、マンホール、ます、雨水吐き室、取付け管、ポンプ及び付帯設備等の総称。
- (23) 開きよ
- 上面の開いたきよ、または取りはずし容易なふたのあるきよ。
- (24) 中継ポンプ場
- 管きよの埋設深さの関係で排水を中継するために設けるポンプ設備。
- (25) 伏越し
- 河川、鉄道、道路等の横断箇所で管きよをいつたん下げてくぐらせて敷設すること。
- (26) マンホール
- 検査または清掃等のために人が出入りするための設備。
- (27) 汚水ます
- 排水を集めて管きよに流下させるための設備。
- (28) 雨水吐き室
- 開きよにおいて雨天時の排水を分流させる設備。
- (29) ポンプます
- ポンプで揚水する排水をたくわえるます。
- (30) スクリーン設備
- スクリーン及び沈砂槽の総称。
- (31) 沈砂槽
- 排水中の土砂等を沈んで貯留させるための槽。
- (32) スクリーン
- 排水中の夾雑物を除去するための装置。
- (33) 流量調整設備
- 流量調整槽及び計量装置の総称。
- (34) 流量調整槽
- 流量変動を調整して移送水量を定量化するための槽。
- (35) 計量装置
- 移送水量を調整し計量する装置。
- (36) ばつ気槽
- 排水を活性汚でいを用いて処理するための槽。
- (37) 沈でん槽
- ばつ気槽流出水等を沈でんさせて固液分離を行うための槽。
- (38) 消毒設備
- 処理水を消毒するための消毒槽及び消毒剤供給装置。
- (39) 汚でい処理設備
- 排水処理過程より生ずる汚でいを濃縮、貯留し、脱水するための設備。
- (40) 回分処理槽
- 活性汚でい法によるばつ気、沈でん、排出の工程を同一槽内で繰り返し行う槽。
- (41) 沈でん分離槽
- 流入排水中に含まれる固形物を分離し、貯留するための槽。
- (42) 回転板接触槽
- 排水を回転板上に付着させた生物膜によつて好気性処理するための槽。
- (43) 接触ばつ気槽
- 排水を接触材上に付着させた生物膜によつて好気性処理するための槽。
- (44) 受入槽
- 収集した汚でいを受け入れ沈砂を行うための槽。
- (45) 夾雑物除去装置
- 汚でいに含まれる夾雑物を除去するための装置。
- (46) 破砕装置
- 汚でいあるいは排水に含まれる夾雑物を破砕するための装置。
- (47) 貯留槽
- 除渣した汚でい等を貯留し、処理量を調整するための槽。
- (48) 濃縮・脱水設備
- 汚でいを濃縮・脱水するための設備。
- (49) 分離液処理設備
- 濃縮・脱水によつて生じた分離液を処理し放流するための設備。
- (50) 脱水汚でい処理設備
- 脱水した汚でいを処理処分するための設備。
- (51) 脱臭設備
- 汚でいの処理施設で生ずる臭気を除去するための設備。
§4 対象地域
生活排水処理施設の対象地域は、ハエ、カ等の衛生害虫や悪臭の発生など、身近な生活環境の悪化及び湖沼の富栄養化など、公共用水域の水質汚濁が相当生じているかあるいは生じる恐れのある地域とする。
Ⅱ 生活排水処理施設整備計画
§1 基本計画
§1・1 生活排水処理計画
1 生活排水処理計画の意義
生活排水処理計画は、計画目標年次における地方公共団体の区域における生活排水処理に係るマスタープランを定めるものであり、当該地域の生活排水をどのような方法で、どの程度処理していくかを定めるとともに生活排水処理を行う過程から発生する汚でいをどのようにして処理するかを定めるものである。
2 生活排水処理計画の計画目標年次
計画目標年次は、下水道計画、一般廃棄物処理計画等の関連計画の目標年次を参考としつつ将来予測の確度その他の事情を勘案して定めなければならない。
3 生活排水処理計画の内容
生活排水処理計画においては、次に掲げる事項を含めるものとする。
- 1) 生活排水の処理に関する基本的方針。
- 2) 下水道、地域し尿処理施設、生活排水処理施設、合併処理浄化槽等により生活排水を処理する区域に関する事項。
- 3) し尿、浄化槽汚でい及び個別に設置された生活排水の処理施設で発生する汚でい等の収集運搬及び処理・処分に関する事項。
- 4) 2)の区域に係る地域し尿処理施設、生活排水処理施設等の整備の実施順位に関する事項。
§1・2 集水方式及び集でい方式
1 集水方式
生活排水の集水方式は、管きよ等の暗きよ、側溝等の開きよ及び両者の併用方式とするが、その選択にあたつては、生活環境の保全、地形、既設水路、集落形態等、地域特性に適合した合理的なものとなるよう十分な検討を行うこととする。
なお、特に側溝等の開きよを採用する際には、冬期の水温低下や悪臭等の恐れがあるので十分な検討を行うこととする。
2 集でい方式
汚でいの収集方式は、汚でいの飛散、流出及び悪臭の漏れの恐れのない運搬者、運搬容器その他の運搬設備等を用いて行うこととするが、その選択にあたつては、生活環境の保全、地形、集落形態等、地域特性に適合した合理的なものとなるよう十分な検討を行うこととする。
§1・3 生活排水専用処理施設
1 計画目標年次
計画目標年次は、生活排水処理計画の計画目標年次を基本として、施設の耐用年数、投資効率、規模の効用等を勘案して定めることとする。
2 計画処理区域
計画処理区域は、市町村の区域のうち、管きよ及び開きよ等により集水し、生活排水専用処理施設で処理する区域とする。
計画処理区域は次の各項を考慮して定めなければならない。
- 1) 計画処理区域は計画目標年次に集落形成される範囲とする。
- 2) 計画処理区域の設定には、地形的条件、社会的条件等の地域特性を十分に配慮して行う。
- 3) 計画処理区域及び処理施設の位置は、建設及び維持管理の経済性を検討して決定する。
3 計画処理人口
計画処理人口は、計画目標年次における計画処理区域内の定住人口を基礎として算定する。
なお、観光人口等を加算することができる。
4 計画1人1日最大排水量
計画1人1日最大排水量は、その地域の1人1日最大給水量を参考として定める。
ただし、1人1日最大給水量の資料が求められない場合は、計画1人1日平均排水量の1.4倍とする。
5 計画1人1日平均排水量
計画1人1日平均排水量は、原則として実態調査の結果に基づき設定することとするが、処理対象地域と類似の地域の調査例を参考として定めても良い。
求められない場合は、表―1による原単位を用いても良い。
表―1 生活排水量原単位(l/人・日)
範囲 |
平均 |
---|---|
100~230 |
170 |
6 計画1日最大排水量
計画1日最大排水量は、計画処理人口と計画1人1日最大排水量を乗じたものとする。
7 計画地下水流入量
計画地下水流入量は、計画1日最大排水量の20%を越えないこととする。
8 計画時間最大排水量
原則として実態調査を行い、計画処理区域の実態とあわせて設定する。
なお、計画時間最大排水量は、計画1日最大排水量の1時間当たりの1.7~3.0倍程度を標準とする。
9 計画処理水量
計画処理水量は、管路施設にあつては、計画時間最大排水量、一次処理施設(スクリーン設備、流量調整設備等)にあつては、計画時間最大排水量、二次処理施設(ばつ気槽、沈でん槽等)にあつては、計画1日最大排水量に基づいて決定する。
10 計画流入水質
計画流入水質は、生物化学的酸素要求量(BOD)と浮遊物質濃度(SS)について原則として実態調査の結果に基づき設定するが、設計に用いる値が得られない場合は、集水方式との関連で、表―2の値を標準とする。
表―2
\ | 開きよ方式 |
併用方式 |
管きよ方式 |
---|---|---|---|
BOD(mg/l) |
100 |
100~180 |
180 |
SS(mg/l) |
100 |
100~180 |
180 |
§1・4 汚でい処理施設
1 計画目標年次
計画目標年次は、生活排水処理計画の計画目標年次を基本として、施設の耐用年数、投資効率、規模の効用等を勘案して定めることとする。
2 計画収集区域
計画収集区域は、市町村の区域のうち、汚でいを収集する区域とするが、隣接市町村との共同処理についても十分検討するものとする。
3 計画収集人口
計画収集人口は、計画目標年次における計画収集区域内の定住人口を基礎として算定する。
なお、観光人口等を加算することができる。
4 計画1日平均汚でい量
計画1日平均汚でい量は、計画収集区域内の個別処理設備等の容量及び個数並びに汚でいの収集計画に基づき算出する。
5 計画処理汚でい量
計画処理汚でい量は、計画目標年次における計画収集区域内の変動を考慮して定めることとする。
6 計画汚でい性状
計画汚でい性状は、原則として実態調査により定めることとする。
§2 整備計画にあたつての基本的事項
§2・1 生活排水専用処理施設
1 処理施設の位置等の選定
処理施設の選定にあたつては、次の各項を勘案して、総合的に検討しなければならない。
- 1) 必要な敷地面積が確保できるとともに、周囲に余裕のある土地である。
- 2) 管路は距離、勾配、建設費等を考慮し合理的に敷設できる。
- 3) 放流水の放流先が確保できる。
- 4) 通常の降雨で浸水の恐れがない。
- 5) 場内用水及び施設電力が容易に確保できる。
- 6) 地域環境を考慮し、住民の合意が得られる。
- 7) 管理用道路が得られる。
- 8) 地盤が良好である。
2 環境影響に関する事前評価
処理施設整備計画にあたつては、施設からの排水、臭気、騒音等により環境影響を事前に評価しなければならない。
3 関係法令の遵守
処理施設整備計画にあたつては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめ、関係法令を遵守しなければならない。
4 処理施設の一般構造
処理施設の一般構造は次の各項を考慮して定めなければならない。
- 1) 施設は、自重、積載荷重、水圧、土圧、風圧、積雪荷重、地震力、温度応力等に対して構造上安全であること。
- 2) 施設は、漏水または地下水の浸入の恐れのないものであり、かつ雨天時等においても安定した運転のできる構造とすること。
- 3) ばつ気槽・沈でん槽等の水槽周壁のてんばは、周囲の地盤より15cm以上高くすることが望ましい。
- 4) 腐食、摩耗、変形等の恐れのある部分には、耐腐食性、耐磨耗性、補強等を考慮した材料を使用すること。
- 5) 地下水位の高い場所に築造する構造物は、から(空)にしたとき浮力に対して安全であること。
- 6) 保守点検及び清掃が容易かつ安全に行える構造とすること。
ただし、維持管理に従事する者を原則として常駐させなくてもすむ構造とする。 - 7) 流入水量、負荷量等の著しい変動に対して機能上支障がない構造とすること。
- 8) 騒音、振動、悪臭等の対策を講ずること。
- (注) 施設の設計にあたつては、下記に示す法令等の規定を遵守すること。
- ① 施設の構造耐力の設計
- ・建築基準法、同法施行令
- ・土木学会、日本建築学会、日本道路協会、土質工学会等において定められた設計基準
- ② 電気施設の設計
- ・電気事業法、公衆電気通信法、有線電気通信法、消防法及びこれらに関連する政令、規則、条例等
- ・電気施設に関連する各種のJIS
- ・通産省、電気学会、日本電気工業会、日本照明器具工業会等の定める各種の規格
- ③ 機械施設の設計
- ・労働安全衛生法、消防法、大気汚染防止法、高圧ガス取締法、騒音規制法及びこれらに関連する政令、規則、条例等
- ・機械施設に関連する各種のJIS
- ④ 材料、機械及び器具
- ・規格品については、JIS及び電気用品取締規則による型式承認
- ① 施設の構造耐力の設計
5 予備動力
施設には停電時に備えて、ポンプ、送風機及び照明設備等の稼動のため、必要に応じ予備動力を設けることが望ましい。
6 寒冷地における対策
寒冷地においては、処理効率の低下及び凍結による機能阻害等の防止に十分に配慮しなければならない。
7 測定装置等
処理施設は、必要な箇所から採水可能な構造としなければならない。また必要に応じ水質分析等を行うための測定機器及び試験室を設ける。
8 安全対策
処理施設の設計にあたつては、施設内の安全対策に十分配慮しなければならない。
- (注) 施設の安全対策として配慮すべき事項としては、以下のことが考えられる。
- ① 労働安全衛生法、消防法等の関係法令の規定を遵守すること。
- ② スラブ掛け槽には、清掃時等に備え、マンホールを2箇所以上に設けること。
- ③ ポンプ室、送風機室、スクリーン室、汚でい処理室等必要箇所については、酸欠事故等を防止するため換気のできる構造、設備とすること。
- ④ 階段等必要な箇所には、手摺を設けること。
- ⑤ ばつ気槽、沈でん槽等の水槽には、必要な箇所に落下防止用の手摺を設けること。
- ⑥ 回転部分、運動部分、突起部分等については、必要に応じて、おおいまたは彩色を施すこと。また、回転部分、運動部分については、必要に応じ、可動中であることを表示出来るものとすること。
- ⑦ 周辺には、外部よりの立入防止用の柵、塀等を設けること。
9 厚生施設
作業員の厚生施設として、作業員控室、更衣室、浴室等を必要に応じ設けること。
10 その他
処理施設内その他において、保守点検、清掃、測定等の作業用スペースを十分にとるよう配慮しなければならない。
§2・2 汚でい処理施設
1 処理施設の位置等の選定
処理施設の位置選定にあたつては、次の各項を勘案して、総合的に検討しなければならない。
- 1) 収集運搬が効率的である。
- 2) §2・1 1 1)に準ずる。
- 3) §2・1 1 3)に準ずる。
- 4) §2・1 1 4)に準ずる。
- 5) §2・1 1 5)に準ずる。
- 6) §2・1 1 6)に準ずる。
- 7) §2・1 1 7)に準ずる。
- 8) §2・1 1 8)に準ずる。
2 環境影響に関する事前評価
§2・1 2に準ずる。
3 関係法令の遵守
§2・1 3に準ずる。
4 処理施設の一般構造
処理施設の一般構造は次の各項を考慮して定めなければならない。
- 1) §2・1 4 1)に準ずる。
- 2) §2・1 4 2)に準ずる。
- 3) §2・1 4 3)に準ずる。
- 4) §2・1 4 4)に準ずる。
- 5) §2・1 4 5)に準ずる。
- 6) 保守点検及び清掃が容易かつ安全に行える構造とする。
ただし、維持管理に従事する者が、原則として常駐する方式とする。 - 7) §2・1 4 7)に準ずる。
- 8) §2・1 4 8)に準ずる。
5 予備動力
§2 1 5に準ずる。
6 寒冷地における対策
§2 1 6に準ずる。
7 施設内配置計画
敷地内の汚でい運搬車等の円滑な交通ができる配置計画とし必要に応じ場内滞車時の余裕を見込まなければならない。
8 測定装置等
処理施設は、必要な箇所から採水及び採でい可能な構造としなければならない。また、必要に応じ水質及び汚でい分析等を行うための測定機器及び試験室を設ける。
9 安全対策
処理施設の設計にあたつては、施設内の安全に充分配慮しなければならない。
- (注) 施設の安全対策として配慮すべき事項としては、以下のことが考えられる。
- ① §2・1 8 1)に準ずる。
- ② §2・1 8 2)に準ずる。
- ③ §2・1 8 3)に準ずる。
- ④ §2・1 8 4)に準ずる。
- ⑤ §2・1 8 5)に準ずる。
- ⑥ §2・1 8 6)に準ずる。
- ⑦ §2・1 8 7)に準ずる。
- ⑧ 受入口は、バキュームホースが吐出時の反力で抜け出さない構造とすること。
- ⑨ 貯留槽は、内部において発生するガスを吸引できる構造とすること。
- ⑩ 受入口は、開閉時に受入槽内のガスが外部へ漏出しない構造とすること。
10 厚生施設
§2・1 9に準ずる。
11 その他
§2・1 11に準ずる。
Ⅲ 生活排水処理施設構造指針
§1 処理施設に関する基本的事項
§1・1 管路施設
1 管路
管路は、次の各項を考慮して定めなければならない。
- 1) 管きよ及び開きよは、計画時間最大排水量に基づいて定める。
- 2) 管路は地形、道路の幅員、埋設物、在来排水路等を考慮して、排水をなるべく短距離をもつて流下させるように選定する。
- 3) 管きよ及び開きよ内での動水エネルギー変化部においては十分注意し、計画処理水量を支障なく流下させるように、その断面、勾配等を定める。
- 4) 管きよの埋設深さは、過大にならないように考慮する。
- 5) 開きよを用いる場合は、流入する土砂、雨水等に十分注意し、対策を考慮する。
- 6) 管路における伏越しは、やむをえない場合のほかは避ける。
2 中継ポンプ場
中継ポンプ場は、次の各項を考慮して定めなければならない。
- 1) ポンプは、計画時間最大排水量に基づいて定める。
- 2) 中継ポンプ場の数は、維持管理上、可能なかぎり少なくする。
- 3) 中継ポンプ場は、浸水しない構造とする。
- 4) 中継ポンプ場は、周囲の環境条件を考慮して、その位置の選定及び施設計画を行う。
§1・2 生活排水専用処理施設
1 施設規模
施設規模は、計画処理人口、計画処理水量等を考慮して定めるものとする。
2 放流水の水質
放流水の水質は、BODの日間平均値20mg/l以下、SSの日間平均値70mg/l以下、大腸菌群数の日間平均値3,000個/cm3以下とし、地域の実状を勘案して定めることとする。
3 処理方式の選定
- 1) 処理方式は、次の各号を考慮して選定する。
- (1) 放流水の水質を満足する処理方式であり、衛生上安全である。
- (2) 流入水量及び流入水質の変化に対応できる。
- (3) 生じた汚でいの処理・処分が、できるだけ簡便である。
- (4) 建設費、維持管理費等が、総合的に経済的である。
- (5) 維持管理が比較的容易である。
- (6) 必要に応じて高度処理との組み合わせができる。
- (7) 増改築が比較的容易である。
- 2) 標準的な処理方式は次のとおりとする。
- (1) 長時間ばつ気方式(以下オキシデーションディッチ法を含む)
- (2) 標準活性汚でい方式
- (3) 回分式活性汚でい方式
- (4) 回転板接触方式
- (5) 接触ばつ気方式
§1・3 汚でい処理施設
1 施設規模
施設規模は、計画収集人口、計画処理汚でい量等を考慮して定めるものとする。
2 放流水の水質
放流水の水質は、BODの日間平均値20mg/l以下、SSの日間平均値70mg/l以下、大腸菌群数の日間平均値3,000個/cm3以下とし、地域の実状を勘案して定めることとする。
3 汚でいの処理方式の選定
汚でいの処理方式は、次の各項を考慮して選定する。
- 1) 汚でいの処分方法に適した合理的な方法とする。
- 2) 処理汚でい量及び汚でい性状の変化に対応できる。
- 3) §1・2 3 1) (1)に準ずる。
- 4) §1・2 3 1) (4)に準ずる。
- 5) §1・2 3 1) (5)に準ずる。
- 6) §1・2 3 1) (6)に準ずる。
- 7) §1・2 3 1) (7)に準ずる。
4 汚でいの処分方法の選定
汚でいの処分方法は、計画収集区域の状況や、季節変動を考慮し、将来にわたつて確実で最も経済的な方法とする。
なお、し尿処理施設への移送や、緑農地利用についても十分な検討を行う。
§2 管路施設
1 管きよ及び開きよ
1) 流速及び勾配
- (1) 管きよの流速は、計画時間最大排水量に対して0.6m/sec~3.0m/secの範囲内とする。
- (2) 開きよの流速は、計画時間最大排水量に対して0.8m/sec~3.0m/secの範囲内とすることが望ましい。
2) 最小管径
管きよの最小管径は、100mm以上とする。
3) 管きよ及び開きよの断面
- (1) 管きよの断面の形状は、円形、卵形、正方形または長方形を標準とする。
- (2) 開きよの断面の形状は、長方形、台形、またはU字形を標準とする。
4) 管きよ及び開きよの種類
- (1) 管きよの種類は、陶管、無筋コンクリート管、鉄筋コンクリート管、硬質塩化ビニル管、強化プラスチック複合管または現場打ち鉄筋コンクリート管等とする。
- (2) 開きよの種類は、無筋コンクリート、石積み、鉄筋コンクリート、硬質塩化ビニル、強化プラスチックまたは現場打ち鉄筋コンクリート等とする。
5) 位置及び深さ
位置及び深さは、次の各号を考慮して定めなければならない。
- (1) 管きよは、交通量の多い車道等を避けて敷設することが望ましい。
- (2) 軌道横断の場合は、管きよが輪荷重及び振動を直接受けないように十分な深さに埋設することが必要であるが、縦断勾配の都合等により輪荷重及び振動を受ける場合は、管きよに直接影響を受けないような防護工を施すべきである。
- (3) 管きよ及び開きよの敷設位置及び深さは、敷設場所の管理者の承認を得て、決定するものとする。
6) 管きよ及び開きよの接合
管きよ及び開きよの接合は、次の各号によらなければならない。
- (1) 管きよの径が変化する場合または2本以上の管きよが合流する場合の接合方法は、原則として水面接合または管頂接合とする。
- (2) 地表勾配が大きい場合は、地表勾配に応じた段差接合または階段接合とする。
7) 管きよと開きよの基礎工及び保護工
管きよと開きよの基礎工及び保護工を必要とする場合は、次の各号によらなければならない。
- (1) 管きよ及び開きよには、種類並びに地盤に応じ、砂基礎またはくい打ちを施し、必要に応じてコンクリートまたは鉄筋コンクリートの基礎を設けなければならない。
ただし、地盤良好の場合は、これらの基礎を省くことができる。 - (2) 埋戻土及び輪荷重等により、管きよの破壊が予想される場合は、保護工を施さなければならない。
8) 伏越し
伏越し管きよは、次の各号によらなければならない。
- (1) 伏越し管きよ内の流速は、上流管の流速より20~30%増したものとする。
- (2) 伏越し管きよの形状は、障害物の両側に垂直の伏越し室を設け、それを水平または、下流に向い下り勾配で結ぶ構造とする。
- (3) 伏越し管きよに鉄筋コンクリート管を用いる場合は、鉄筋コンクリートで巻立防護する。
- (4) 伏越し室には上下流速とも深さ50cm程度のどろだめを設ける。
- (5) 伏越し室には上下両側とも管理に便利なようにゲートまたは角落しを設ける。
また、故障や閉塞に備えて上流部で直接河川等へ放流出来るようなルートを設ける。 - (6) 河川等に伏越し管きよを埋設する場合は、河底計画しゆんせつ面より1.0m以上深くする。
2 マンホール、汚水ます及び雨水吐き室
1) マンホール
マンホールは、次の各号によらなければならない。
- (1) マンホールは、原則としてコンクリートまたは鉄筋コンクリート造とする。
- (2) マンホールは、原則として管きよの起点、2線以上の交点、こう配の変化点等に設ける。なお、接合する管は原則として3系統以下とする。
- (3) マンホールの最大間隔は表―3の範囲間隔をもつて設ける。
表―3 マンホールの管径別最大間隔
管径(mm)300以下600以下1,000以下1,500以下1,650以下最大間隔(m)5075100150200 - (4) 段差接合したマンホールの段差が60cm以上となる場合は、副管付マンホールとする。
- (5) マンホールの内径は、表―4に示す接合管きよの内径および設置位置により決める。
- (6) マンホールのふたは、鉄筋コンクリート製または鋳鉄製等とする。
- (7) マンホールの底部には、管きよの接合、会合の状況に応じたインバートをつける。
表―4 標準マンホールの形状別用途
呼び方形状寸法用途1号マンホール内径90cm円形管の起点および600mm以下の管の中間点ならびに内径450mmまでの管の会合点、ただしH>2.5mの場合は2号マンホールとする。2号マンホール内径120cm円形内径900mm以下の管の中間点および内径600mm以下の管の会合点3号マンホール内径150cm円形内径1,200mm以下の管の中間点および内径800mm以下の管の会合点4号マンホール内径180cm円形内径1,500mm以下の管の中間点および内径900mm以下の管の会合点5号マンホール内のり210×120cm角形内径1,800mm以下の管の中間点
2) 汚水ます
汚水ますは、次の各号によらなければならない。
- (1) 汚水ますは、円形、角型のコンクリートまたは鉄筋コンクリート製等とし、表―5を標準とする。
- (2) 汚水ますの内径または内のり(法)は30~70cmとし、ますの深さを70~100cm程度とする。
- (3) 汚水ますのふたは、鉄筋コンクリート製または鋳鉄製とする。
- (4) 汚水ますの底部には、インバートをつける。
表―5 汚水ますの形状別用途
呼び方 |
形状寸法 |
用途 |
---|---|---|
1号汚水ます |
内径30cm円形 |
取付け管内径150mm、深さ0.7m未満の場合に使用 |
2号汚水ます |
内径50cm円形 |
取付け管内径150mm、深さ0.7m以上の場合に使用 |
3号汚水ます |
内径70cm円形 |
取付け管内径200mm以上を使用するところに使用 |
3) 雨水吐き室
雨水吐き室は、次の各号によらなければならない。
- (1) 開きよを用いる場合は、処理施設への計画処理水量以上の雨水流入時に備え雨水吐き室を設けるものとする。
- (2) 雨水吐き室を設ける位置は、管路と処理施設の配置、放流水面の関係、放流先周辺の環境等を考慮して定める。
- (3) 雨水吐き室は、処理施設に計画処理水量以上の水量が流入しない構造とする。
- (4) 雨水吐き室は、越流せき、または雨水流出開きよ等を容易に点検、清掃できる構造とする。
- (5) 雨水吐き室の排水流出開きよ及び放流開きよ等は所定の水量を流すのに十分なものとする。
3 ポンプます
ポンプますは、次の各号によらなければならない。
- (1) ポンプますは、水密なコンクリート造またはこれに類似する強度および耐久性を有するものとする。
- (2) ポンプますの有効容積は、計画時間最大排水量の10~20分の範囲を標準とする。
- (3) ポンプますには、維持管理用の清掃口、点検口、通気口、歩廊、足掛金物または可動式梯子等を設ける。
- (4) 流入管の流入口は、乱れや渦巻きが生じない形状とする。
4 ポンプの台数
ポンプの台数は、計画排水量の時間変動とポンプの性能より定め、できるだけ同一性能のポンプを複数設けることとする。
なお、予備のポンプも設置する。ただし、水量変動が著しく大きい場合は、口径の異なるポンプを設けることも考慮する。
5 ポンプの選定
ポンプの選定は、次の各号によらなければならない。
- (1) ポンプの選定にあたつては設備する現場に適合する形式を選定しなければならない。
- (2) ポンプは分解掃除をするために容易な構造とする。
- (3) ポンプ口径は50mm以上とする。
- (4) ポンプについては、汚物により詰つたりすることが少なく、運転の容易なポンプを選定しなければならない。
6 ポンプの付属設備及び補助設備
ポンプの付属設備及び補助設備は、次の各号によらなければならない。
- (1) ポンプの運転状況を確認するため水位計、真空計、圧力計を設ける。
- (2) 必要に応じて警報装置を設けることが望ましい。
- (3) ポンプ室には、ポンプ吊り上げ装置を設ける。
§3 生活排水専用処理施設
§3・1 長時間ばつ気方式、標準活性汚でい方式
スクリーン設備、流量調整設備、ばつ気槽、沈でん槽、及び消毒設備をこの順序に組み合わせ、これに必要に応じて汚でい処理設備を備えた構造とする。
1 スクリーン設備
- (沈砂槽)
- 1) 沈砂槽の平面形状は、長方形または正方形とし、水密な鉄筋コンクリート等の構造で、人が入らなくとも安全かつ衛生的に砂類が除去できる装置を有すること。
- 2) 有効容量は時間最大排水量の60分の3に相当する容量以上とし、ばつ気装置を設け、かつ消泡装置を設けるものとする。
- 3) 排砂装置を備え砂だまりを設けること。
- (スクリーン)
- 4) スクリーンは、有効間隔50mm程度の荒目スクリーンを沈砂槽流入部に設けることとする。沈砂槽流出部に有効間隔2.5mm程度の微細目間隔スクリーンを設けることを標準とする。
スクリーンかすはかき揚げ、搬出、清掃等が容易かつ衛生的で、水切り及び排水に支障のない構造とする。
なお、微細目間隔スクリーンのほか、必要に応じて破砕装置を設ける場合は、副水路を設けた構造としなければならない。
2 流量調整設備
- (流量調整槽)
- 1) 流量調整槽の平面形状は、長方形または正方形とし、水密な鉄筋コンクリート等の構造としなければならない。
- 2) 流量調整槽の有効容量は計画時間最大排水量の3時間分とする。
- (撹拌装置)
- 3) 流量調整槽には、排水を撹拌することができる装置を設けなければならない。
- (移送ポンプ)
- 4) 移送ポンプの台数は2台以上とし、うち1台を予備としなければならない。
- (計量装置)
- 5) 計量装置を設けることとする。
- (調整流量比)
- 6) 調整流量比は、1.3以下とする。
- (微細目間隔スクリーン)
- 7) 微細目間隔スクリーンを沈砂槽出口に設けない場合には、流量調整槽のあとに微細目間隔スクリーンを設けることが望ましい。
3 ばつ気槽
- (形状及び構造)
- 1) ばつ気槽は、長方形、正方形または円形等の平面形状とし、水密な鉄筋コンクリート等の構造としなければならない。
- (水深)
- 2) ばつ気槽の有効水深は1.5~5.0m、余裕高は60cmを標準とする。
- (BOD―MLSS負荷及びMLSS濃度)
- 3) ばつ気槽のBOD―MLSS負荷は、長時間ばつ気方式にあつては、0.03~0.05kg/kg・日、標準活性汚でい方式にあつては0.2~0.4kg/kg・日を標準とする。
MLSS濃度は、長時間ばつ気方式にあつては3,000~6,000mg/l、標準活性汚でい方式にあつては1,500~2,000mg/lを標準とする。 - (容量)
- 4) ばつ気槽の有効容量は、BOD―MLSS負荷及びMLSS濃度によつて定める。ただし、長時間ばつ気方式にあつては計画1日最大排水量の3分の2以上とし、標準活性汚でい方式にあつては計画1日最大排水量の4分の1以上とする。
- (返送汚でい量)
- 5) 返送汚でい量は、ばつ気槽流入排水量に対し、長時間ばつ気方式の場合にあつては100%、標準活性汚でい方式の場合にあつては40%を標準とする。
- (ばつ気装置)
- 6) ばつ気装置は、ばつ気槽内全体の撹拌が十分に行われ、かつ溶存酸素は、1mg/l程度保持できるものとする。
散気式ばつ気による場合の送気量は、ばつ気槽1m3、1時間あたり、1.2m3以上を標準とする。 - 7) ばつ気装置は、耐酸、耐アルカリ性で、耐久性に富むものとする。
- 8) ばつ気装置は、ばつ気槽をから(空)にすることなく、容易に引き上げることのできる構造とする。
- 9) ばつ気装置は、次の(9a)、(9b)または(9c)のいずれかとする。
- (9a)散気式ばつ気装置
- ① 送気管には空気計量装置を設けるものとする。
- ② 送風機の容量は、必要空気量に見合うものとしほかに予備を設ける。
- ③ 酸素の供給量を調節可能なものとする。
- (9b)機械ばつ気装置
- ① 酸素の供給量を調節可能なものが望ましい。
- (9c)併用式ばつ気装置
- ① (9a)及び(9b)に準ずる。
- (9a)散気式ばつ気装置
- (消泡装置)
- 10) 必要に応じて消泡装置を設けるものとする。
4 沈でん槽
- (形状、構造)
- 1) 沈でん槽の形状は円形、長方形または正方形とし、水密な鉄筋コンクリート等の構造としなければならない。
- (容量)
- 2) 沈でん槽の有効容量は、長時間ばつ気方式においては計画1日最大排水量の6分の1以上、標準活性汚でい方式にあつては計画1日最大排水量の8分の1以上としなければならない。
- (水面積負荷)
- 3) 沈でん槽の水面積負荷は、計画1日最大排水量に対して20m3/m2・日を標準とする。
- (越流負荷)
- 4) 沈でん槽の越流負荷は、100m3/m・日以下とする。
- (スカム除去装置)
- 5) 沈でん槽の水面からスカムを随時引き抜くことができるスカム除去装置を設けなければならない。
- (集でい)
- 6) 沈でん汚でいが容易に集積され、余剰汚でいを随時汚でい濃縮槽へ移行させることができる構造とする。
- 7) 沈でん槽の槽底には汚でいかき寄せ機を設ける。汚でいかき寄せ機を設けない場合は、底部をホッパー形とし、水平に対し60度以上の傾斜とする。
- (汚でい返送装置)
- 8) 沈でん槽から汚でいを随時引き抜くことができる排でい管を設けることとする。
- 9) 排でい管の内径は、150mm以上であることが望ましい。
- 10) 汚でい返送ポンプは、返送汚でい量に対して50%程度の余裕を見込んだものとする。
- 11) 必要に応じ返送汚でい量を計測する計量装置を設けることとする。
5 消毒設備
1) 薬品
- (種類)
- (1) 薬品は塩素剤を用いることとする。
- (注入率)
- (2)塩素注入率は、放流水中の大腸菌群数が、3,000個/cm3以下になるように定めることとする。
- (3) 塩素の最大注入率は、10mg/l以上とする。
2) 接触槽
- (形状・構造)
- (1) 接触槽は、処理水と塩素が十分に混合でき、接触できる構造とする。
- (2) 接触槽の材質は、塩素に対して耐食性のあるものでなければならない。
- (容量)
- (3) 接触槽の容量は、処理水量に対し15分以上の接触時間を有することができなければならない。
3) 注入装置
- (装置の容量)
- (1) 注入装置の容量は最大注入率から定める。
- (2) 注入機の容量は、最大注入率が60~80%の範囲で操作できるよう定める。
- (注入方式)
- (3) 注入方式は、湿式注入方式または固形剤接触方式とする。
4) 注入機室
- (位置)
- (1) 注入機室はできるだけ注入点の近くに独立し、かつ基礎地盤よりも高く設けなければならない。
- (構造)
- (2) 注入機室は、耐久性、採光、換気等を考慮し、床はコンクリート構造とする。
- (塩素ボンベの数)
- (3) 液体塩素を使用する場合のボンベの数は、2本以上とし、貯蔵量は最大注入量の10日分以上とする。
5) 薬品貯蔵室
- (位置)
- (1) 液体塩素貯蔵能力1トン未満の場合は、注入機室を薬品貯蔵室として利用してよいが、1トン以上の場合は注入機室と別に設ける。
- (構造)
- (2) 地下室その他湿気の多い場所を避け、外部から密閉できる構造とし、換気用小窓を側璧下部に設ける。
- (3) その他塩素剤を貯蔵する場合は乾燥した冷暗所とする。
6) 保安設備
液体塩素貯蔵能力1トン未満の場合は、必要に応じ漏えい塩素ガスの検知及び吸収のため薬剤及び保安器具等を準備しておかなければならない。
6 汚でい処理設備
- 1) 計画汚でい量は、計画1日最大排水量を基準とし、流入排水中の浮遊物質の除去率、処理方式及び汚でいの含水率を定めて算定することとする。
- 2) 小規模施設の場合は、以下の設備内容のうち汚でい脱水装置以降を省略することができる。
- 3) 汚でい濃縮槽
- (形状・構造)
- (1) 汚でい濃縮槽の形状は、円形、長方形または正方形とする。
- (2) 有効水深は、4m程度とする。
- (3) 汚でいかき寄せ機を設置する場合の底部勾配は5/100以上とする。
- (4) 汚でいかき寄せ機を設置しない場合は底部をホッパー形とし、水平に対し45~60度の傾斜とする。
- (容量)
- (5) 濃縮槽の容量は、計画汚でい量の1日分とする。
- 4) 汚でい貯留槽
- (1) 汚でい貯留槽の容量は、汚でい脱水装置運転計画を考慮して計画汚でい量の2~7日分とする。
- (2) 汚でい脱水装置を省略する場合の汚でい貯留槽の容量は、計画汚でい量の7日分以上とする。
- 5) 汚でい脱水装置
- (機種及び能力)
- (1) 汚でいは薬品処理後、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、加圧脱水機または毛細脱水機等によつて脱水するものとする。
- (2) 脱水汚でいの含水率は、85%以下とする。
- (3) 脱水機容量は、処理すべき汚でい量に対し、十分なものであること。
§3・2 回分式活性汚でい方式
スクリーン設備、回分処理槽及び消毒設備をこの順序に組み合わせ、これに必要に応じて流量調整設備、汚でい処理設備を備えた構造とする。
1 スクリーン設備
§3・1 1に準ずる。
2 流量調整設備
§3・1 2に準ずる。
ただし、有効容量は、流入排水量の時間変動パターンと調整流量比から求めるものとし、調整流量比は1~2とする。
3 回分処理槽
- (サイクル)
- 1) 回分処理槽の運転は、「排水の流入」、「ばつ気」、「沈でん」、「上澄水排出」及び「汚でいの排出」工程からなるサイクルをくり返すことを基本とする。また、「排水の流入」と「ばつ気」工程を同一とすることもできるものとする。
- 2) サイクル数は4~6サイクル/日が望ましい。
- (工程時間)
- 3) サイクル中の各工程時間は次の値を目安とするものとする。
「排水の流入」:任意
「ばつ気」:1.5時間以上/サイクル
「沈でん」「上澄水排出」:1.5~4時間以上/サイクル - (系列と槽数)
- 4) 1系列単槽方式及び1系列多槽方式のいずれかとする。
- (形状・構造)
- 5) 回分処理槽の平面形状は、長方形、正方形又は円形とし、水密な鉄筋コンクリート等の構造とする。また、1系列単槽方式にあつては、排水の短絡流防止のため構造に留意すること。
- (容量)
- 6) 回分処理槽の容量は次の容量(V0)、(V1)を個別に求め、その合計とする。
ただし、1系列単槽方式及び1系列2槽方式にあつてはそれぞれ式(1)、(2)で求めるものとする。
容量 V=(V0)+(V1)...(1)
V=2〔(V0/2)+(V1)〕...(2)
- (V0):処理に必要な生物量を保持するための回分処理槽下部の容量。
- (V1):1サイクル中に回分処理槽に流入する排水を貯留する容量で、排水の流入時間、流量変動で変化し、上澄水として排出される量。
- 7) 容量(V0)は、BOD-容積負荷で求めるものとし、1系列単槽方式にあつては0.1~0.3(kg/m3・日)とし、1系列2槽方式の場合にあつては、0.2~0.4(kg/m3・日)とする。
- 8) 容量(V1)は、1サイクル中に回分処理槽に流入する排水の累積量として求められる。なお、流量調整設備を設ける場合にあっては、式―(3)で求めるものとする。
(V1)=Q×T...(3)
- Q:流量調整後の流量
- T:1サイクル中の流入時間
- (水深)
- 9) 回分処理槽の有効水深は、3~6m、余裕高は60cmを標準とする。
- (ばっ気装置)
- 10) §3・1 3 7)~9)に準ずる。ただし、ばつ気停止時を考慮し散気式にあつては散気装置の目づまり等による散気効率の低下が生じないようにすること。
- (上澄水排出装置)
- 11) 沈でん泥でいを巻き上げることなく、上澄水を効率よく槽外に排出できる構造とすること。
- (消泡装置)
- 12) §3・1 3 10)に準ずる。
4 消毒設備
§3・1 5に準ずる。
5 汚でい処理設備
§3・1 6に準ずる。
§3・3 回転板接触方式
スクリーン設備、流量調整設備または沈でん分離槽、回転板接触槽、沈でん槽及び消毒設備をこの順序に組み合わせ、これに必要に応じて汚でい処理設備を備えた構造とする。
1 スクリーン設備
§3・1 1に準ずる。
2 流量調整設備
§3・1 2に準ずる。
3 沈でん分離槽
管きよを用いて集水する方式にあつては、処理人口が200人程度以下の場合に限り、流量調整槽に代えて、沈でん分離槽を用いてもよいこととする。
- (形状・構造)
- 1) §3・1 2 1)に準ずる。
- 2) 2槽以上に区分し、直列とすること。
- (容量)
- 3) 有効容量は、計画1日平均排水量の1.5倍とする。
- 4) 第1槽の容量は、全槽の3分の2に相当する容量とする。
- (水深)
- 5) 有効水深は、2~4mとする。
- (移流管)
- 6) 流入管にあつては、有効水深の3分の1程度とし、沈でん汚でいを撹乱しない構造とする。
- 7) 流出管にあつては、有効水深の2分の1程度とし、浮上物の流出し難い構造とする。
4 回転板接触槽
- (形状・構造)
- 1) 回転板接触槽の平面形状は長方形とし、その断面形は、短絡流や汚でいの堆積が生じないようにすること。
- (BOD面積負荷)
- 2) 回転板のBOD面積負荷は、5g/m2・日以下とする
- (容量)
- 3) 回転板接触槽の有効容量は、流量調整設備のない場合は1日最大排水量の4分の1以上とし、流量調整設備のある場合は1日最大排水量の6分の1以上とする。
- (回転板)
- 4) 回転板は、その表面積の40%程度が排水に接触すること。
- 5) 回転板は、回転板相互の間隔を20mm以上とし、生物膜が付着しやすい構造とする。
- 6) 回転板の材質は耐食性で軽いものを用い、径及び厚さは強度等を考慮して定める。
- 7) 回転板の円周速度は、20m/分以下とする。
- (付帯設備)
- 8) 槽には上家等を設け、かつ通気を十分に行うこと。
5 沈でん槽
§3・1 4に準ずる。ただし、有効容量は、計画1日最大排水量の6分の1以上とする
6 消毒設備
§3・1 5に準ずる。
7 汚でい処理設備
§3・1 6に準ずる。
§3・4 接触ばつ気方式
スクリーン設備、流量調整設備または沈でん分離槽、接触ばつ気槽、沈でん槽及び消毒設備をこの順序に組み合わせ、これに必要に応じて汚でい処理設備を備えた構造とする。
1 スクリーン設備
§3・1 1に準ずる。
2 流量調整設備
§3・1 2に準ずる。
3 沈でん分離槽
§3・3 3に準ずる。
4 接触ばつ気槽
- (形状・構造)
- 1) 接触ばつ気槽の平面形状は、長方形、正方形または円形とし、水密な鉄筋コンクリート等の構造とする。
- 2) 接触ばつ気槽は2槽以上に区分すること。
- (BOD容積負荷)
- 3) 接触ばつ気槽の全BOD容積負荷は、0.3kg/m3・日以下とすること。
- 4) 接触ばつ気槽第1槽のBOD容積負荷は、0.5kg/m3・日以下とすること。
- (容量)
- 5) 接触ばつ気槽の全有効容量は、計画1日最大排水量の3分の1以上とすること。
- 6) 接触ばつ気槽第1槽の有効容量は、全槽の5分の3に相当する容量以上とすること。
- (接触材)
- 7) 接触材は、生物膜による閉塞が生じ難い形状とし、生物膜が付着しやすい構造とすること。
- 8) 有効容量に対する接触材の充填率は、55%以上とすること。
- (生物膜のはく離)
- 9) 接触ばつ気槽第1槽は、生物膜のはく離ができること。また、はく離汚でいを沈でん分離槽または汚でい濃縮槽へ移送できる構造とすること。
- (ばつ気装置)
- §3・1 3 7)~9)に準ずる。
- (消泡装置)
- §3・1 3 10)に準ずる。
5 沈でん槽
§3・1 4に準ずる。ただし、有効容量は計画1日最大排水量の6分の1以上とする。
6 消毒設備
§3・1 5に準ずる。
7 汚でい処理設備
§3・1 6に準ずる。
§4 汚でい処理施設
1 処理方式
処理方式は、受入槽、夾雑物除去装置、貯留槽、濃縮、脱水設備、分離液処理設備より構成するものを標準とする。
2 受入槽
- (受入口)
- 1) 受入口は、1時間最大搬入量に見合う投入口数を揃えるものとする。受入口は、水封式または負圧式を標準とする。
- (受入槽)
- 2) 受入槽には沈砂槽あるいは砂だまりを設け、砂類を沈でんさせる等してこれを除去できる構造としなければならない。
砂類の除去は、受入槽に人が入ることなく安全かつ衛生的に沈砂を除去できる装置を有することが望ましい。
3 夾雑物除去装置
1) 夾雑物を除去するため、必要に応じ固定式スクリーン、可動式スクリーンまたは遠心分離機等の夾雑物除去装置を設けなければならない。
- (注) 夾雑物除去工程におけるBOD等の除去に関しては、汚でいの性状及び除去装置の種類等により相違するので、正常に稼働している既存の装置の運転実績を参考とする。
- (破砕装置)
- 2) 夾雑物を破砕するため必要に応じ破砕装置を設けなければならない。
- (夾雑物の焼却装置)
- 3) 夾雑物焼却装置を設ける場合は、排ガス等の臭気対策を十分に考慮しなければならない。
4 貯留槽
- (形状・構造)
- 1) 貯留槽の平面形状は、長方形、正方形または円形とし、鉄筋コンクリート造りの水密構造としなければならない。
- (容量)
- 2) 貯留槽の容量は、計画処理汚でい量の3日分を標準とする。ただし、地域の実情に応じこれを増加してもよい。
- (スカム防止装置)
- 3) 貯留槽にはスカムの発生を防止し、貯留汚でいの均等化が図られるよう、スカム防止装置を設けなければならない。
- (貯留槽等表示装置)
- 4) 貯留量及び投入量等を表示するため、必要に応じ液面計その他の表示装置を設けなければならない。
5 濃縮・脱水設備
濃縮・脱水設備は、薬品注入装置、濃縮装置及び脱水装置を組み合わせたものを標準とする。
- (薬品注入装置)
- 1) 薬品注入装置は、所定濃度の薬品を、必要量注入できる構造とする。
- (濃縮装置)
- 2) 濃縮装置は、重力沈降方式、浮上処理方式または機械分離方式によることを標準とする。
- (脱水装置)
- 3) 汚でいは機械脱水機により脱水することを標準とする。
- 4) 脱水汚でいの含水率は85%以下とする。
- 5) 脱水機容量は処理すべき汚でい量に対し、十分なものであることとする。
6 分離液処理設備
- (分離液)
- 1) 分離液の量及び性状は搬入汚でいの性状及び処理方式を考慮して定めるものとする。
- 2) 分離液の処理にあたつては、負荷を均等になるように調整しておくこととする。
- (処理方式)
- 3) 分離液のBODを200mg/l程度となるように希釈調整したのち、§3の生活排水専用処理施設の処理方式に準じて処理することを標準とする。
7 脱水汚でい処理設備
脱水汚でいは必要に応じて乾燥、焼却装置あるいはコンポスト処理装置等で処理し、生活衛生上支障がないようにしてから処理されることが望ましい。
8 脱臭設備
受入槽、貯留槽及び汚でい処理設備等からの臭気は、脱臭設備において処理することが望ましい。