法令・告示・通達

合併処理浄化槽設置整備事業の推進体制の強化について

公布日:平成1年02月08日
衛浄8号

[改定]
平成11年3月31日 衛浄17号

(各都道府県浄化槽行政主管部((局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長通知)

 浄化槽行政の推進については、かねてより種々御配慮いただいているところである。
 さて、合併処理浄化槽設置整備事業については、平成元年度予算案で二一億円に大幅に増額され、厚生省においては、合併処理浄化槽を生活排水対策の柱として全国的に普及を図ることとしている。
 このような合併処理浄化槽に対する社会的な期待に応えるためには、浄化槽関係者が適正な施工及び維持管理の実施に努めることが重要であり、このため、昭和六三年九月一二日付け衛浄第五六号厚生省生活衛生局水道環境部長通知「合併処理浄化槽設置整備事業の推進について」においても、適正な施工及び維持管理体制の整備に努められるよう依頼したところである。
 ついては、適正な施工を確保するため、平成元年度より、国庫補助金の交付を受ける合併処理浄化槽設置整備事業の実施については、別紙のとおり運用を行うこととしたので貴管下市町村(一部事務組合を含む。)に対する指導方よろしくお願いいたしたい。

別表

1 浄化槽工事業者が撮影した次の写真の提出を補助金申請者に義務付け、その内容を市町村において審査すること。なお、下記2に示す施工の現場での確認の際に、次の内容を市町村自らあわせて確認する場合には、当該事項に係る写真の提出を省略しても差し支えない。

写真の種類
審査のポイント
備考
1 浄化槽設備士が実地に監督していることを証する写真
 浄化槽設備士が工事を実地に監督しているか。又は自ら工事を行っているか。
 
2 基礎工事の状況を示す写真
 栗石地業及びすてコンクリートを打っているか。
3 据付工事の状況を示す写真
 水張りを行い、水平を保ちつつ、水じめ及び突き固めを行っているか。
 水準器等を用い、水平を確認しつつ、水じめおよび突き固めを行っている状況を撮影する。
4 かさ上げの状況を示す写真
 バルブの操作などの維持管理を容易に行うことができるか。
 スケールをあてるなどして、かさ上げ高さがわかるように撮影する。


2 昭和六二年六月一七日付け衛浄第四号厚生省生活衛生局水道環境部長通知別紙「合併処理浄化槽設置整備事業実施要綱」の「第四工事施工監督」に関し、原則として次の事項を施工の現場において確認すること。なお、これらの事項の確認に代えて、別表に示すチェックリストを浄化槽工事業者から提出させることとしても差し支えない。

検査項目
検査のポイント
備考
1 流入管きょ及び放流管きょの勾配
 汚物や汚水の停滞がないか。
 必要に応じ水を流して確認すること。
2 放流先の状況
 放流口と放流水路の水位差が適切に保たれ、逆流のおそれはないか。
 
3 誤接合等の有無
 生活排水が全て接続されているか。
 雨水や工場廃水等が流入していないか。
 
4 升の位置及び種類
 起点、屈曲点、合流点及び一定間隔ごとに適切な升が設置されているか。
 
5 流入管きょ、放流管きょ及び空気配管の変形、破損のおそれ
 管の露出等により変形、破損のおそれはないか。
 
6 浄化槽本体の上部及びその周辺の状況
 保守点検、清掃を行いにくい場所に設置されていないか。
 保守点検、清掃の支障となるものが置かれていないか。
 


<参考>
  前記のほか、次の事項についても施工の現場において確認することが望ましい。

検査項目
検査のポイント
備考
1 漏水の有無
 漏水が生じていないか。
 各室(槽)の水位差により確認する。
2 浄化槽本体の水平の状況
 水平が保たれているか。
 水準器、槽内壁に示されている水準目安線、越流せき・各室(槽)の水位、流入管底・放流管底との水位差等により確認する。
3 接触材等の変形、破損、固定の状況
 嫌気ろ床槽のろ材及び接触ばっ気槽の接触材に変形や破損はないか。また、しっかり固定されているか。
 目視等により確認する。
4 ばっ気装置、逆洗装置及び汚泥移送装置の変形、破損、固定及び稼動の状況
 各装置に変形や破損はないか。
 また、しっかり固定されているか。
 空気の出方や水流に片寄りはないか。
 目視等により確認する。
5 消毒設備の変形、破損、固定の状況
 消毒設備に変形や破損はないか。また、しっかり固定されているか。
 薬剤筒は傾いていないか。
 目視等により確認する。
6 ポンプ設備(流入ポンプ及び放流ポンプ)の設置、稼動状況
 ポンプますに変形や破損はないか。また、漏水のおそれはないか。
 ポンプが二台以上設置されているか。
 設計どおりの能力のポンプが設置されているか。
 ポンプの固定が十分行われているか。また取りはずしが可能か。
 ポンプの位置や配管がレベルスイッチの稼動を妨げるおそれはないか。
 
7 ブロワーの設置、稼動状況
 防振対策がなされているか。
 固定が十分行われているか。
 アースはなされているか。
 漏電のおそれはないか。
 


3 前記1及び2の検査並びに浄化槽法第七条に基づく設置後等の水質検査の結果、改善を要する事項の指摘があった場合には、速やかに改善措置を講じる旨を、浄化槽工事業者との契約に当たって明確にすることを、補助申請者に義務付けること。この指導に当たって、別添のモデル契約書を参考とされたい。
<別表>
  チェックリスト

検査項目
チェックのポイント
1 流入管きょ及び放流管きょの勾配
汚物や汚水の停滞がないか。
 
2 放流先の状況
放流口と放流水路の水位差が適切に保たれ、逆流のおそれはないか。
 
3 誤接合等の有無
生活排水が全て接続されているか。
 
雨水や工場廃水等が流入していないか。
 
4 升の位置及び種類
起点、屈曲点、合流点及び一定間隔ごとに適切な升が設置されているか。
 
5 流入管きょ、放流管きょ及び空気配管の変形、破損のおそれ
管の露出等により変形、破損のおそれはないか。
 
6 かさ上げの状況
バルブの操作などの維持管理を容易に行うことができるか。
 
7 浄化槽本体の上部及びその周辺の状況
保守点検、清掃を行いにくい場所に設置されていないか。
 
保守点検、清掃の支障となるものが置かれていないか。
 
コンクリートスラブが打たれているか。
 
8 漏水の有無
漏水が生じていないか。
 
9 浄化槽本体の水平の状況
水平が保たれているか。
 
10 接触材等の変形、破損、固定の状況
嫌気ろ床槽のろ材及び接触ばっ気槽の接触材に変形や破損はないか。
 
しっかり固定されているか。
 
11 ばっ気装置、逆洗装置及び汚泥移送装置の変形、破損、固定及び稼動の状況
各装置に変形や破損はないか。
 
しっかり固定されているか。
 
空気の出方や水流に片寄りはないか。
 
12 消毒設備の変形、破損、固定の状況
消毒設備に変形や破損はないか。
 
しっかり固定されているか。
 
薬剤筒は傾いていないか。
 
13 ポンプ設備(流入ポンプ及び放流ポンプ)の設置、稼動状況
ポンプますに変形や破損はないか。
 
ポンプますに漏水のおそれはないか。
 
ポンプが2台以上設置されているか。
 
設計どおりの能力のポンプが設置されているか。
 
ポンプの固定が十分行われているか。
 
ポンプの取りはずしが可能か。
 
ポンプの位置や配管がレベルスイッチの稼動を妨げるおそれはないか。
 
14 ブロワーの設置、稼動状況
防振対策がなされているか。
 
固定が十分行われているか。
 
アースはなされているか。
 
漏電のおそれはないか。
 
上記のとおり確認したことを証します。
    年 月 日
担当浄化槽設備士氏名 印
(浄化槽設備士免状の交付番号)

   工事請負契約書モデル

第一条 発注者―――――(以下「甲」という。)及び浄化槽工事業者―――――(以下「乙」という。)は、○○市合併処理浄化槽設置整備事業補助金の交付を受けて甲が行う合併処理浄化槽の設置工事に関し、対等な立場でこの契約を締結し、信義を守り誠実にこれを履行する。
第二条 この契約は、次に掲げる工事に適用される。
  工事の場所 ○○市◇◇町□番地
  工事の期間 年 月 日~ 年 月 日
  設置する浄化槽
    浄化槽法(昭和五八年法律第四三号)第四条第一項の規定による構造基準に適合し、かつ、生物化学的酸素要求量(以下「BOD」という。)除去率九〇%以上・放流水のBODが二〇mg/L(日間平均値)以下の機能を有するところの、別添する図面及び仕様書に係る合併処理浄化槽
  工事の請負代金及び支払方法
   金額 円
   支払方法 1現金 2その他( )
第三条 乙はこの契約と添付の図面及び仕様書に基づき、前条の期間内に工事を完成して契約の目的物を甲に引き渡すものとし、甲は、引渡しと引き換えにその請負代金全額の支払いを完了する。
第四条 乙は、この契約に係る工事を、浄化槽法第二九条第三項に従い浄化槽設備士―――――に実地に監督させ、又は自ら浄化槽設備士の資格を有して、工事を実地に監督しなければならない。
第五条 甲及び乙はこの契約によって生じる権利又は義務を、第三者に譲渡又は承継させてはならない。但し、相手方の承諾を得た場合は、この限りでない。
第六条 乙は、この契約の履行について、工事の全部又は大部分を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。但し、予め甲の書面による承諾を得た場合は、この限りでない。
第七条 乙は、浄化槽法第四条第三項の規定による浄化槽工事の技術上の基準及び○○市が定める工事の基準に従って工事を行わなければならない。
第八条 甲は、やむを得ない場合には、工事内容を変更し、又は工事着手を延期し、若しくは工事を一時中止することを求めることができる。この場合において、請負代金額又は工期を変更する必要があるときは、甲乙協議して定めるものとする。
2 本条による変更、延期、又は中止による損害は乙の責に帰すべき場合を除き、甲が負担する。
第九条 乙は、乙の責に帰することができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、甲に対して、遅滞なく、その事由を明示して工期の延長を求めることができる。この場合、その延長日数は、甲乙協議して定める。
第一〇条 工事の完成引渡しまでに工事目的物その他工事施工について生じた損害は、乙の負担とする。但し、その損害のうち甲の責に帰すべき事由により生じたものは、甲の負担とする。
第一一条 乙は、工事のため第三者に損害を及ぼしたときは、その賠償の責を負う。但し、甲の責に帰すべき事由による場合は、甲がその責を負うものとする。
第一二条 乙は、○○市が定める―――――に基づき、所定の期間内に所定の書類及び写真を、甲に提出しなければならない。
第一三条 甲は、工事が本契約の規定又は第七条に定める基準に適合しないと認めるときは、乙に対し、相当の期限を定めてその瑕疵の修補を請求することができる。
2 甲は、浄化槽法第七条の規定により、水質に関する検査を受け、その検査の結果、浄化槽の工事について改善の指摘を受けた場合は、乙に対し、相当の期限を定めてその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代わる損害賠償を請求することができる。
3 前項に定める請求は、浄化槽の工事についての改善の指摘が甲の責に帰すべき事由に基づくものである場合には、することができない。
第一四条 瑕疵の修補又は損害賠償請求権の行使は、引渡し後五年以内に行わなければならない。
第一五条 次の各号の一に該当するときは、甲又は乙は催告その他何等の手続を要せずこの契約を解除することができる。

  1.  (1) 浄化槽の設置等の届出その他の必要な手続きが受理されず、又は認められないとき。
  2.  (2) 工事用地につき、工事施工が著しく困難と判断される瑕疵が発見されたとき。

2 前項により、この契約が解除された場合、乙はこの契約の履行のために乙において要した費用及び乙において甲のために既に支出した立替金を甲に請求することができる。
第一六条 甲は乙が工事を完成するまでは、乙の損害を賠償して、この契約を解除することができる。
2 甲は乙の契約違反によりこの契約の目的を達することができなくなったと認めるときは、催告その他何等の手段を要せず、この契約を解除することができる。この場合、甲は甲の被った損害の賠償を乙に請求することができる。
第一七条 次の各号の一に該当するときは、乙は催告その他何等の手続を要せず、この契約を解除することができる。

  1.  (1) 第八条に基づき、工事が一時中止され又は甲の責に帰すべき事由により着工期日が延期された場合に、工事の一時中止又は着工期日の延期の状態が一〇日以上継続したとき。
  2.  (2) 甲が請負代金を所定の期日に支払わなかったとき又は請負代金の支払い能力を欠くことが明らかになったとき。
  3.  (3) 甲がこの契約に違反し、その結果、この契約を履行できなくなったと乙が認めたとき。

2 前項によってこの契約が解除された場合は、甲は乙の損害を賠償するものとする。
第一八条 乙の責に帰すべき事由により、標記引渡期日(工期が変更された場合は、変更後の工期に基づいて定められる引渡期日)までに工事の目的物を引き渡すことができない場合は、甲は遅滞日数一日につき請負代金総額の分の一の違約金を請求することができる。
2 甲がこの契約に基づいて、乙に支払うべき金員を所定の期日までに支払わないときは、甲は当該金員につき、支払期日の翌日から支払完了の日まで日歩銭の割合による遅延損害金を乙に支払うものとする。
第一九条 この契約書に定めのない事項については、必要に応じて、甲乙協議の上定めることとする。
  以上契約の証として、本書二通を作成し、当事者記名捺印の上各自一通を保有する。
年 月 日
甲 注文者 住所
      氏名 印
乙 請負者 住所
      氏名 印
    (浄化槽工事業登録番号‥ )
         又は届出番号‥ )