法令・告示・通達

排出水の排水系統別の汚染状態及び量等の届出について

公布日:昭和54年07月09日
環水規98号

(各都道府県・政令市公害担当部局長あて環境庁水質保全局水質規制課長通達)
 瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律(昭和五三年法律第六八号。以下「改正法」という。)が昭和五四年六月一二日から施行された。
 これに伴い、水質汚濁防止法(昭和四五年法律第一三八号)第六条第二項、改正法附則第三条第一項及び瀬戸内海環境保全臨時措置法施行令及び水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令(昭和五四年政令第一三二号。以下「改正令」という。)附則第三条の規定に基づき、排出水の排水系統別の汚染状態及び量等の届出が昭和五四年六月一二日から六〇日以内に行われなければならないこととされた。
 ついては、左記の事項に留意され、届出受理事務の遺憾なきを期されたい。

一 届出義務者

  1.  (一) 改正令の施行の際(昭和五四年六月一二日)現に水質汚濁防止法施行令(昭和四六年政令第一八八号)別表第二第一号又は第二号に掲げる区域において水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設を設置している者(設置の工事をしている者及び同法第五条の規定による届出をした者であつて設置の工事に着手していないものを含む。)であつて排出水を排出するもの(水質汚濁防止法第六条第二項)
  2.  (二) 改正法の施行の際(昭和五四年六月一二日)現に瀬戸内海環境保全臨時措置法(昭和四八年法律第一一〇号。以下「臨時措置法」という。)第五条第一項に規定している区域(乙区域を除く。)において水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設を設置している者(設置の工事をしている者及び臨時措置法第五条第一項の許可を受けた者又は水質汚濁防止法第五条の規定による届出をした者であつて設置の工事に着手していないものを含む。)であつて排出水を排出するもの(改正法附則第三条第一項)
  3.  (三) 改正令の施行の際、(昭和五四年六月一二日)現に甲区域において水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設を設置している者(設置の工事をしている者及び同法第五条の規定による届出をした者であつて設置の工事に着手していないものを含む。)であつて排出水を排出するもの(改正令附則第三条)
      備考
    1.    一 水質汚濁防止法第二三条第二項に規定する特定施設に係る排出水を排出する者は、同項の規定により(一)に掲げる者には含まれないが、(二)及び(三)に掲げる者には含まれるので留意すること。
    2.    二 甲区域は、改正令第一条の規定による瀬戸内海環境保全臨時措置法施行令の改正により瀬戸内海環境保全特別措置法第五条第一項に規定する区域となる区域、乙区域は改正令第一条の規定による瀬戸内海環境保全臨時措置法施行令の改正により瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四八年法律第一一〇号)第五条第一項に規定する区域以外の区域となる区域をいう。

二 届出事項

  届出事項は排出水の排水系統別の汚染状態及び量であり、これについては次の事項を記載する。ただし、甲区域における改正令附則第二条第四項に規定する特定施設に係る場合にあつては、届出事項は特別措置法第五条第二項各号に掲げる事項である。

  1.  (一) 特定排出水の化学的酸素要求量に関する汚染状態の通常の値及び最大の値並びに特定排出水の通常の量及び最大の量。二以上の業種等(水質汚濁防止法施行規則(昭和四六年総理府、通商産業省令第二号。以下「施行規則」という。)第一条の四第三項に規定する業種等をいう。以下同じ。)に係る場合にあつては、当該業種等ごとの値及び量
  2.  (二) 特定排出水以外の排出水の化学的酸素要求量に関する汚染状態の通常の値及び最大の値並びに特定排出水以外の排出水の通常の量及び最大の量
  3.  (三) その他排出水の排水系統別の汚染状態及び量について参考となるべき事項

三 届出書の様式

  施行規則様式第二の二による。ただし、改正令附則第二条第四項に規定する特定施設に係る場合にあつては、施行規則様式第二による。

四 届出の受理

  一の(一)に掲げる者に係る届出の場合にあつては都道府県知事(水質汚濁防止法第二八条第一項の政令で定める市の区域内の同法第二条第二項に規定する特定施設に係る場合にあつては当該市の長)が、一の(二)又は一の(三)に掲げる者に係る届出の場合にあつては府県知事(特別措置法第二二条第一項の政令で定める市の区域内の特別措置法第五条第一項に規定する特定施設に係る場合にあつては当該市の長とし、水質汚濁防止法第二八条第一項の政令で定める市の区域内の同法第二条第二項に規定する特定施設(特別措置法第五条第一項に規定する特定施設を除く。)に係る場合にあつては当該市の長とする。)が行うものである。

五 留意事項

  1.  (一) 特定排出水とは、排出水から、雨水のように事業活動その他の人の活動に使用されない水及び一過性の間接冷却水のように一般的にその用途に供されることによつては汚濁負荷量が増加しない用途に供された水を除いた排出水である。なお、一部のブロー排水のように、汚濁負荷量がほとんど増加しないものについて汚染状態の値が増加することにより、特定排出水として取り扱うことが適当である場合には、これを特定排出水として取り扱うこと。また、処理施設に導水された後排出される排出水は、これを特定排出水として取り扱うことを原則とすること。
  2.  (二) 複数の業種等に属する特定排出水を一つの処理施設で処理している場合は、その汚染状態の値は、処理後の共通の汚染状態の値を記載することで足りるものであること。
  3.  (三) 特定排出水の最大の量は、通常の操業状態における最大の量、すなわち処理施設の処理能力、生産設備の生産能力、操業時間等から定まる量であること。
  4.  (四) 業種等の区分は、原則として日本標準産業分類によつており、業種等の区分については、日本標準産業分類における例示、説明を参考にされたいこと。
  5.  (五) 複数の業種等に属する工場又は事業場における共通施設からの汚水又は廃液の業種等の区分ごとへの配分については原則として当該共通施設の各業種等の区分ごとの利用状況を、処理施設に使用する調整水等の業種等の区分ごとへの配分については汚濁負荷量の寄与度等を勘案して行うこと。
  6.  (六) 一日当たりの平均的な排出水の量が五〇立方メートル未満の工場又は事業場に係る場合にあつては、化学的酸素要求量に関する汚染状態については、記載を省略して差し支えないこと。