法令・告示・通達

水質汚濁に係る環境基準についての一部改正及び水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令等の施行について

公布日:昭和50年02月28日
環水管17・環水規25

(各都道府県知事・各権限委任市長あて環境事務次官通達)
 水質汚濁に係る環境基準については、「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和四六年一二月環境庁告示第五九号)の一部が昭和五〇年二月三日付け環境庁告示第三号をもつて別紙一のとおり改正され、同日から施行されることとなつた。また水質汚濁防止法施行令(昭和四六年政令第一八八号)、排水基準を定める総理府令(昭和四六年総理府令第三五号)及び環境庁長官が定める排水基準に係る検定方法を定める等の件(昭和四九年九月環境庁告示第六四号)の一部が、それぞれ昭和五〇年二月三日付け政令第一三号、同日付け総理府令第三号及び同日付環境庁告示第四号をもつて別紙二~四のとおり改正され、同年三月一日から施行されることとなつた。
 これらの改正は、PCBに関する環境汚染と魚介類汚染に関するデータが増加し、両者相互間の考察が可能になつてきたこと等科学的知見が拡大してきたこと及びPCBに関する分析方法が確立されたことに伴い、PCBに係る環境基準を設定するとともに、これを達成維持するために必要な排水基準の設定等を行つたものである。
 その取扱いについては、左記事項に留意のうえ遺憾なきを期されたい。
 以上命により通達する。

一 水質汚濁に係る環境基準の一部改正関係

  PCBに係る環境基準は、水中のPCBが直接あるいは食物連鎖を通じて魚介類に濃縮して蓄積され、魚介類を食品として摂取する人の健康を害するものであるので、PCBの生物濃縮比とPCBに係る食品としての魚介類の暫定的規制値(可食部で3ppm)から定められたものであり、その測定方法の精度をも考慮して「検出されないこと。」とされた。測定方法はガスクロマトグラフ法とし、この場合の定量限界値は、0.0005ppmである。
  なお、その他運用上必要な取扱いについては、別途通達する。

二 水質汚濁防止法施行令の一部改正等関係

 (一) 水質汚濁防止法施行令の一部改正

   一の措置に伴い、水質汚濁防止法(昭和四五年法律第一三八号)第二条第二項第一号の「人の健康に係る被害を生ずるおそれのある物質」(有害物質)としてPCBを加えたものである。

 (二) 排水基準を定める総理府令の一部改正

  1.   イ (一)の措置に伴い、PCBに係る排水基準の設定を行うものであり、PCBの許容限度は「一リツトルにつき、0.003ミリグラム」とされた。
  2.   ロ PCBに係る排水基準は、古紙を主原料とし、PCBを使用しているノーカーボン紙が原料中に混入するおそれのあるちり紙及びトイレツトペーパーの製造を行つている工場に係る排出水については、昭和五一年二月末日までは適用しないこととされた。
        この措置は当該工場がPCBに係る排水基準の適用猶予期間中に排水処理方法についての所要の改善を行うべきであるという趣旨によるものであるので、当該工場に対し、適用猶予期間中も排水基準の許容限度と同じ一リツトルにつき、0.003ミリグラムを超えないようPCBに係る水質管理目標を設定させ、強力な行政指導によりこれを遵守させることとされたい。
  3.   ハ 余水吐から流出する海水の水質についてのPCBに係る基準については、PCBに係る廃棄物を規制するため別途早急に海洋汚染防止法施行令の改正を行うこととしているので、その際あわせて定めることとし、今回は規定の形式的整備を行つたものである。

 (三) 環境庁長官が定める排水基準に係る検定方法を定める等の件の一部改正

   PCBについての検定方法は、環境基準と同様の方法又は日本工業規格K0093に該当する方法とした。

 (四) その他運用上必要な取扱いについては、別途通達する。



別表
 略