法令・告示・通達
使用過程車に対する自動車排出ガス規制について
公布日:昭和47年12月22日
環大自52号
環大自52号
環境事務次官から運輸事務次官あて
近年、光化学反応による大気汚染に起因するとされる健康被害が東京都をはじめとする都市部において多発化する傾向にあり、大きな社会問題となつている。このような事態に対処するため、当庁においては、自動車排出ガス対策として、新車に対する自動車排出ガスの量の許容限度の強化を図つてきたところであるが、さらに使用過程車に対しても炭化水素及び窒素酸化物についてその排出規制を行なうべきであると考えるので、下記により、その実施方お願いする。
おつて、これによる規制の実施後における使用過程車からの自動車排出ガスの排出実態の把握に努められるよう併せてお願いする。
記
- 1 ガソリン又は液化石油ガスを燃料とする普通自動車及び小型自動車(昭和48年3月31日以前に道路運送車両法(以下「法」という。)第75条第1項の規定によりその型式について指定を受け、昭和48年12月1日以後に製作された自動車及び昭和48年4月1日以後に法第75条第1項の規定によりその型式について指定を受けた自動車並びに昭和42年12月31日以前に最初の法第7条第1項の新規登録を受けた自動車並びに二輪自動車(側車付二輪自動車を含む。)を除くものをいう。)であつて、現に運行の用に供しているものに、次のいずれかの方式の自動車排出ガス減少装置をすみやかに備付けさせること。
- ア 点火時期制御方式
- イ 触媒反応方式
- 2 自動車排出ガス減少装置は、すくなくとも別紙の自動車排出ガス浄化性能を有するものであること。なお、触媒反応方式の自動車排出ガス減少装置については、性能、安全性の確保に十分配慮されたいこと。
- 3 昭和42年12月31日以前に最初の法第7条第1項の新規登録を受けたガソリン又は液化石油ガスを燃料とする普通自動車及び小型自動車並びにガソリン又は液化石油ガスを燃料とする軽自動車については、点火装置の調整を行なわせ、炭化水素及び窒素酸化物の低減に努めさせること。
別紙
自動車排出ガス装置の種類
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自動車排出ガスの種類
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測定の方法
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自動車排出ガス減少装置の浄化性能
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触媒反応方式の自動車排出ガス減少装置
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一酸化炭素
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フオア・モードによる測定
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総排気量段階ごとの1両当たりの平均排出量が、自動車排出ガス減少装置を備付ける以前の当該平均排出量に比較して、1万キロメートル走行当たり、平均して70パーセント以下であること
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炭化水素(排気管から排出されるもの)
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フオア・モードによる測定
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総排気量段階ごとの1両当たりの平均排出量が、自動車排出ガス減少装置を備付ける以前の当該平均排出量に比較して、1万キロメートル走行当たり、平均70パーセント以下であること
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点火時期制御方式の自動車排出ガス減少装置
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炭化水素(排気管から排出されるもの)
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フオア・モードによる測定
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総排気量段階ごとの1両当たりの平均排出量が、自動車排出ガス減少装置を備付ける以前の当該平均排出量に比較して、93パーセント以下であること
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窒素酸化物
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フオア・モードによる測定
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総排気量段階ごとの1両当たりの平均排出量が、自動車排出ガス減少装置を備付ける以前の当該平均排出量に比較して、80パーセント以下であること
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備考
- 1 フオア・モードによる測定とは、自動車が積車状態で次の表の左欄に掲げる運転条件で運行する場合に発生し、排気管から大気中に排出される排出物に含まれる自動車排出ガスの容量比で表わした測定値にそれぞれ同表の右欄に掲げる係数を乗じて得た値を加算して自動車排出ガスの濃度を測定する方法をいう。
運転条件係数原動機を無負荷運転している状態0.11発進から速度40キロメートル毎時に至る加速状態0.35速度40キロメートル毎時における定速状態0.52速度40キロメートル毎時から停止に至る減速状態0.02 - 2 総排気量段階は、1,800ミリリツトル以上、1,000ミリリツトル以上1,800ミリリツトル未満及び1,000ミリリツトル未満の3段階とする。